三船敏郎の復権



来年(2016年)、ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムに三船敏郎の名が刻まれる事に決まったのは、ご承知の通りである。ご同慶の至りではあるけれども、今頃なの?という気分もある。彼より前に、あの舗道に名が刻まれた日本人は、早川雪洲とマコ岩松(主にアメリカで活躍した日系人俳優)だけらしい。とはいえ、マコ岩松より先に三船敏郎が選ばれていても良かったろうとは思う。ちょっと遅いという気もするけれど、無論、選ばれないよりはずっと良い。何よりも、このことにより、三船敏郎は日本が生んだ最高の”Acting Legend”であるということを、誰よりも日本人が強く認識することになるだろうからだ。今回、タイトルに「復権」と入れたけれども、三船敏郎は、海外ではずっと偉大な俳優として生前も亡くなってからも最大級にリスペクトされてきた。三船敏郎の素晴らしい業績、功績を、その晩年には不当なまでに過小評価するようになってしまっていたのは、他のどこでもなく、この日本だけなのだ。

エヴァ・グリーンは ever green

-妖艶であり、時に可憐でもある「運命の女」が似合う女優-



ワタシがエヴァ・グリーンを知ったのは、「カジノ・ロワイヤル」のヴェスパー役でだったのだが、「キングダム・オブ・ヘヴン」や、もっと遡って「ドリーマーズ」の頃から知っていた人も勿論居ると思う。「カジノ・ロワイヤル」で一躍ブレイクした後は、きついアイメイクで魔女っぽい役を演じる事が多くなり、なんだってそういつも魔女なのかな、と思ったりもしていたが、2011年以降は魔女一辺倒から、選ぶ役柄が少し変わってきて(相変わらず普通の女は演じないけれども)、より広範な意味でのファム・ファタールになりつつある印象だ。ファム・ファタールというのは言い古された言葉であまり使いたくはないのだけど、エヴァちゃんは男の命運を握る女、人の運命を狂わす女、歴史の渦の中で流れを左右する女、…でありながら底に哀しみを抱えた女というのを演じてハマる希少な女優だと思う。その人にしかない独特のムードを持っている、という事は女優として得難い財産だ。
かなり久々の「My Favorite Stars」第9弾は、マジカルでミステリアスなエヴァ・グリーン。

万年青年の恍惚と憂鬱 池部良



時折、この人は永遠に死ぬことはないんじゃないか、と思われる人がいる。
80代でも売れっ子爺さんだった頃の笠智衆や、人前に出てはボケ老人を装って面白がっていた森繁久弥、永久に現役で舞台に立ちそうだった杉村春子などなど。池部良も、ワタシ的にはそういう感じのする人の一人だった。みな、死というものが似あわないのみならず、どこかで永遠に元気でいて欲しい、という気持ちもあってそう思っていたのかもしれない。が、有情のもののさだめゆえ、誰しも永遠に生きることはできない。池部良も例外ではなく、ついにあの世に旅立ってしまった。訃報に接して数えてみると、ワタシも「暁の脱走」「白夫人の妖恋」「雪国」「早春」「けものみち」「乾いた花」池部良の出演作品6本のレビューを書いている。我が家は両親共に彼のファンなのだが、ワタシもいつしか影響を受けて池部良が好きになっていたのだろう。というわけで、「My favorite Stars」第8弾は、永遠の万年青年・池部良

修羅場の弥勒菩薩  藤 純子



久々のMy favorite Stars、その第7弾はついに、というか何と言うか、藤純子で参ろうと思います。
この人を知ったのは、小学校の3年か4年かそのあたり。親戚が集まったおり、オジサンたちが女優談義を始め、「いや?、藤純子はよかったよねぇ」などと噂していたので、フジ ジュンコって誰だろう?と思ったのがその名の聞き初めである。実際にTVで映画を見たのはそれから1年ぐらいしてからだと思うのだけど、日曜の午後にフジ系でやっていた邦画劇場の枠で、かの有名な「緋牡丹博徒」ではなく、平行して撮っていたシリーズの「女渡世人」という作品で、お初にお目にかかった。(その後、この枠で緋牡丹博徒シリーズも殆ど観た)この枠は前にも書いたが、植木さんの無責任シリーズや加山雄三の若大将シリーズ、勝新太郎の「兵隊やくざ」および「座頭市」シリーズ、市川雷蔵の「眠狂四郎」シリーズ、大映の「大魔神」シリーズ、はたまた日活無国籍アクションなど、いわゆるシリーズもののプログラムピクチャーをよく連続放映してくれていた、なかなか貴重な枠だった。そんなレアな枠を毎週見ていた小学生なんて、ワタシぐらいなものだったかもしれない。

知性と野性とマザコンと 「ジェラルド・バトラー」

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久々のMy favorite Stars、第6回目は花の(?)バチェラー、ジェラルド・バトラーについて語ってみたい。もうちょっと後でもいいかしらん、と思ったりしていたけれど、最近少しまたワタシの中で「Gサマはぁとモード」が少し高まってきているので、今回はジェラルド・バトラーでまいりたいと思います。アミャーリカでは「ジェラード」と発音されるようだけど、本人が「母は俺をジェラルド(ジェの部分にアクセント強め、ルの発音は弱め)と呼ぶよ」と言っているインタビューがあった気がするので、当ブログでも表記はジェラルド・バトラーのまま行きたいと思う。