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「家族の肖像」

~家族、この厄介な愛しきもの~
1974年 伊・仏 ルキノ・ヴィスコンティ監督



ルキノ・ヴィスコンティの映画を観ていていつも感じるのは、ヨーロッパが濃い、という雰囲気である。昨今の透明感の高いフィルムとはまた違った質感の画面ながら、毎度撮影が美しく、その奥行きと陰影の深い画面に映るのは誤魔化しのないヨーロッパの本物である。「家族の肖像」も教授(バート・ランカスター)の住むローマの古い住宅の重厚感と、空気に淀む贅沢の味に、ああ、やっぱりヴィスコンティは一味違うな、と久々にその余韻を楽しんだ。

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「マリー・アントワネット」

~薄手なマリー~
2006年 米 ソフィア・コッポラ監督



今更な感じではあるが、近所の映画館でやっていてもうじき終了らしいので、ふと気が向いて観に行った。幾つかレビューを読んで大体どんなノリの映画かを知っていたせいもあるのだけど、却ってそういうノリに期待しすぎていたのか、ちょっと肩透かしを食った気がした。ソフィア・コッポラはこれ以前に「ロスト・イン・トランスレーション」しか観たことはないのだけど、あれも最初に劇場で見た時にはそれなりに悪くないと思ったものの、少し時間がたってケーブルか何かで見た時に「…あれ?」という感じがした。なんというか間が長いのである。自分の生理的なリズムと合わない。冗長という感じの間があって、う???ん、どうなんだろうか、と首をひねった。そして、今回も全く同じ。前もってガーリーなテイスト、という印象を持っていたので、確かにそんな感じではあるものの、ソフィア・コッポラ独特のモッタリとしたリズムがひどく長く感じられた。何の予備知識もなく観ればけっこう新鮮な気持ちで見られたかもしれないが、やはりテンポがゆるいと感じたかもしれない。

 「昼顔」

~奥様の危険な白日夢~
1967年 仏 ルイス・ブニュエル監督



フェチフェチシリーズ第2弾というわけでもないが、ふと思い出したので「昼顔」などひとつ。
これは言わずと知れたフランスを代表する大女優(になってしまった)カトリーヌ・ドヌーヴの代表作。最も美しい頃の1本だが、彼女は随分長らくこの頃の容姿を保っていた。およそ90年代の初め位まではあまり印象は変らなかったと思うのだが、さすがに90年代も終わり頃になると顔のイメージはさして変らないものの、体がドッカリとしてきて今や堂々たるマダム体型になった。

 「薬指の標本」

~引き返せない恍惚~
2004年 仏 ディアーヌ・ベルトラン 監督



全く知らなかった映画だったが、「カポーティ」を借りに行って、新作の棚に並んでいたパッケージがふと気になってついでに借りてきた作品。でも、パッケージからイメージした通りの作品で、不思議な世界に誘われた。小川洋子の原作を読んだフランスの女性監督が映画化した作品ということなのだが、まさにそんな雰囲気が横溢している。映画にはその作品の持っている"空気感"というものがあると思うのだけど、これが好きか嫌いかで、その作品について印象が変って来ると思う。始まった瞬間からワタシはこの映画の持つ独特の空気感が心地よかった。

「マーニー」

~ティッピの災難~
1964年 米 アルフレッド・ヒッチコック監督



魅力的な女優は魅力的な俳優に負けず劣らず大好きなワタシ。中でもティッピ・ヘドレンはかなりフェイバリットな部類に属する女優である。女優としては数本しか出演作はなく、昨今TVを中心にまた復帰はしているようだが、いかんせんもうお年。最も素敵な時期にヒッチコック2作品に出ているので、それで十分という感じもする。彼女の娘はあの頑丈なアゴのメラニー・グリフィスである。脚の綺麗なところだけは母に似たが、もうちっと顔立ちや雰囲気も母に似ると良かったのに残念である。藤純子とその娘といい、どうも母が素敵すぎると娘は母とは違う方向に行ってしまい勝ちである。


「高慢と偏見」と「プライドと偏見」



今回、コリン主演のドラマ版を見てみて、キーラの映画版の良さも相対的に分ったという気がする。映画は2時間ほどの中にお話を納めなくてはならないので、取捨選択が必要になるのだが、ドラマ版は前後編それぞれ2時間半あるので、かなりゆとりを持ってじっくりとエピソードを描いているという感じである。だから映画にはメリハリがあるし、逆に映画を見ているだけでは今ひとつ分りにくい事はドラマを見ているとはっきりするという具合で相互に補完作用がある感じである。どちらもそれなりの良さがある。

「下町」

~続・敏ちゃんLOVE~
1958年 東宝 千葉泰樹監督


てれくさげな笑顔がマル

洋画のみならず日本映画も愛するワタシなので、ケーブルの豊富なラインナップはまことにありがたい。先月は意外な掘りだしモノ「下町」を観ることができた。敏ちゃんファンではあったものの、1時間のこの小品についてはこれまで全く知らなかった。でも、ちらっと番宣をみたときに、若い前髪パラリの敏ちゃんが照れくさそうな笑顔を浮かべておられたので、「あら!」と思って録画しておいた。
原作が林 芙美子であることが大きいのは言うまでもないが、脚本・演出がとてもいい。今まで知らなくてお見逸れしました、という感じである。とても1時間とは思えないのだけど、1時間以上あってもそれは蛇足に過ぎまい。間然するところがない。1時間の間にぴったりと世界が構築されている。

 「プライドと偏見」

~モダン顔のヒロイン~
2005年 英 ジョー・ライト監督



これも、見ようかどうしようかと思っているうちに、スターチャンネルが放映してくれた。見たい気がしなくもないけど、DVDを借りるほどでもない、という場合、本当にスターチャンネルやムービープラスなどの映画チャンネルは便利である。(昨今はスターチャンネルよりムービープラスの方がラインナップがいい感じがする)私は「いつか晴れた日に」がかなり好きなので、これも興味があった。原作としてはこちらの方が有名だろうし。そういえば「ユー・ガット・メール」で、メル友だったメグとトム・ハンクスが初めて喫茶店で待ち合わせしてブラインド・デートをしようという時に、メグが目印代わりに持っていくのが「高慢と偏見」だったっけ。



 「危険な関係」

~大年増の悪企み~
1988年 米 スティーヴン・フリアーズ監督



役者が揃っていることでも、撮影の素晴らしいことでも、衣装の豪華なことでも特筆すべき作品であると思うが、これは徹頭徹尾、グレン・クローズの堂々たる年増ぶりを鑑賞する映画である。マルコビッチが女たらしの貴族をやっていて(変に二枚目がやるよりもあの面妖な面差し(失礼)で女には絶対の自信を持つ遊び人をやるので却ってリアリティがあった)、その他ご贔屓ミッシェル・ファイファーも出ているし、登場したての頃のユマ・サーマンやキアヌ・リーブスがそれぞれ瑞々しい若さを画面に溢れさせているし、他にも幾らも見所はあるのだけど、しかし、これはグレン・クローズの映画である。圧巻の存在感。全ては彼女を引きたてるために存在するとしか思われないし、事実そうなのだ。ワタシは別に彼女のファンというわけではないのだけど、いつも彼女が映画に出てきて放射する確信的で揺るぎない自信に満ちた様子には「うほ!またやっていらっしゃる」と、ついつい嬉しくなってしまうのである。並び立つ演技派女優としてメリル・ストリープがいる。二人ともコワイ顔のおばはんで、特にどう違いがあるとはワタシも上手く言えないのだけど、メリルよりもグレン・クローズの威風堂々ぶりが好ましい。なんというか、これはもうただ、好みの問題なのだろう。