スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「復讐するは我にあり」

~留置場は冷えとるじゃろうねぇ~
1979年 松竹/今村プロ 今村昌平監督



今村昌平作品はどちらかといえば苦手なのだが、これだけは面白いと思う。
とにかくコブシさん(緒形 拳)の開き直った犯人ぶりが小気味よく、クリスチャンでキレイごとばかり言う偽善的な父親を演じる三國連太郎とのガチンコ演技勝負も面白い。原作は佐木隆三のノンフィクション小説。5人を殺して全国を逃亡した実在の連続殺人犯の生立ちから、父との相克を描いた作品。

復讐するは我にあり、というのは
「悪に対して悪で報いてはならない。悪を行なった者に対する復讐は神がおこなう(参考;詩篇94:1)」という意味らしい。ふぉふぉ??ん。




スポンサーサイト

「エリザベス:ゴールデン・エイジ」

~女王はつらいよ~
2007年 英/仏 シェカール・カプール監督

middle_1203524024.jpg

見てきましたよ「ゴールデン・エイジ」。今回はなんだかぎりぎりになり、予告編開始の2分前ぐらいに劇場に滑り込んだら、シートを一列間違えて座ったりして、もういつにもなくスッタモンダな劇場鑑賞だった。 ふーーい。

冒頭からステンドグラスを使って、当時の勢力関係や、スペインとイギリスの関係をざっくり説明し、同じくステンドグラスの肖像でフェリペ二世とエリザベスも紹介するという趣向。このステンドグラス(のように作ったCGか)なかなかよく出来ていて、実物よりよい顔をしていた。

「細雪」

~美しきニッポンの残影~
1983年 東宝 市川 監督



谷崎潤一郎の「細雪」は船場の没落した商家の4人姉妹を軸に、昭和初期、戦争に突入していく寸前の、ほんの一瞬の「戦前」的優雅さを醸しつつ、失われゆく「美しき日本」のありようを愛惜を込めて描き出した昭和絵巻である。4人姉妹物であるから豪華女優の共演で映画を作りやすく、これ以前に二度映画化されてきた。が、どれもその時々の名匠といわれる監督が撮り、時々の豪華四大女優が共演するということだけが売りの、顔見世興行的な出来に終わってきた。それを鮮やかに覆し、まさに、「細雪」映画化の金字塔ともいうべき完成度を示したのが、この市川 版の三度目の「細雪」である。移り変わる四季を追って、まずは京都および吉野の桜がオープニングを飾る。(そうだ、京都行こ)流れるのはシンセサイザーの「オンブラ・マイ・フ」 晴れ着の四姉妹が満開の桜の下をゆく。蒔岡家の春。帰り来ぬ頂点の季節である。

「それから」

~百合と雨と男と女~
1985年 東映 森田芳光監督


“あの青春の決着はついていない”

これも封切り時に劇場へ観に行った。森田芳光松田優作のコンビが「家族ゲーム」に続いて放つのは漱石ブンガクの映画化ということで「それから」という原作も好きだったから、待ちかねて観にいった覚えがある。なんといってもこれにはサン(小林 )も出ているし、ほかにもいい俳優がたくさん出ている。優作が演じる主人公代助の実業家の兄に中村嘉葎雄。巧い。日本の兄弟俳優は大概、兄はスターで弟は兄よりも堅実でうまい俳優である事が多いが、(渡 哲也と渡瀬恒彦、松本幸四郎と中村吉右衛門など)この人もスターだった兄(萬屋錦之助)より味わいの深い役者だと思う。現在では錦ニィの弟というよりも中村獅童の叔父さんという方が通りやすいだろうか。そして代助の父に 智衆。この作品ではいつも仏サマのような 智衆がものすごく厭な顔をして見せるのが印象深い。もののわかった兄嫁に草笛光子、そして代助と三角関係になる旧友の平岡にサン。平岡の妻になった三千代に藤谷美和子、三千代の亡くなった兄役で風間壮夫が友情出演し、代助の学生時代の友人であくせくと翻訳仕事をしている寺尾にイッセー尾形。代助の書生に元誠意大将軍いまは犯罪者の羽賀研二。代助の見合い相手の令嬢に美保 純(庇髪が似合っている)。そして代助の姪でアイドル時代の森尾由美が無邪気な笑顔を見せている。

ぜんぶイアンのせい


「Quantum of Solace」

通称BOND22こと「Quantum of Solace」はダニエル・クレイグが本格的に撮影に入って快調に進んでいるようだが、かの「カジノ・ロワイヤル」が3月、遂に有料チャンネルで解禁となる模様だ。
ワタシが愛用しているスターチャンネルでは3月1日(土)に初放映で、その日はカジノ・ロワイヤル放映記念スペシャル企画なのだろう。終日007デーとなるらしく、番組表を見たら朝から晩までに21本のシリーズ中から選ばれた10本の007作品が怒涛の一気放送の模様。無論夜9時からのゴールデンタイムに放映されるのは「カジノ・ロワイヤル」である。

数日前の夜、スタチャンの映画と映画の間に入ってくるこれからの放送ラインナップ紹介コーナーで、あのテーマ曲が流れてきたときには、何かほかの事をしていたのに、「お!」と顔をあげて思わずそちらを観てしまった。
ポーカー対決のシーンで、じろりと上目使いでダニエルがマッツを見るアップが映し出され、またカジノに紫のドレスを着て現れたヴェスパーをじっとダニエルの青目玉が左から右に動いて追うシーンなど、何度も見ている顔なのに、おぉ?、凄みがあって男前ぞ!といまさらに身を乗り出した。



なんでだか分からないが、やはり「カジノ・ロワイヤル」のダニエルは格別なのである。男前に見える。そして、こんなに何度も観ているのに、一昨年の11月に最初に予告編を見て「お!これは」と思ったときの気持ちがちゃんと蘇ってくるのだ。我ながら誠実なパブロフの犬っぷりである。それにしても、最後の鑑賞から1年たってスタチャンが放映する日がくるのかと思うとある種の感慨を禁じえない。もうそんな時期が来たのかねぇ。



ワタシが手元に持っている「カジノ・ロワイヤル」DVDはUKのHMVから取り寄せた海外版である。日本語の字幕は出ない。日本版のDVDをあえて買わなかったのは、そのうちスタチャンで放映されるに決まっているので、そのときに録画しようと思っていたからである。録画したらまたVHSに落として母に持っていってやらねばなるまい。「カジノ・ロワイヤル」のみならず3月1日は007祭りのようなので、S・コネリーの作品から「ドクター・ノオ」と「ゴールド・フィンガー」だけはこの機会についでに捕獲しておこうかな、と思ったりしている。


「ゴールド・フィンガー」

当たり役で評判は高いものの、コネリーのボンド映画ってかなり荒唐無稽でところどころお馬鹿スパイ映画のテイストがぷんぷんするかなりキワモノ的な作品である。(ダニエル作品以外のボンド映画は共通してそんなテイストだ)でも「ゴールド・フィンガー」はそのばかばかしさ加減も含めてコネリーボンドの作品中では一番好きかもしれない。なんといっても「よろず屋」役でハロルド坂田が登場するし。あのニヤニヤした顔のままどんな事でも平然とやってしまうゴールド・フィンガーの用心棒兼運転手の「よろず屋(Oddjob)」は傑作だった。



ハロルド坂田“よろず屋”

昔TVで見たときにゴールド・フィンガー(ゲルト・フレーベ)の吹き替えを滝口順平氏が担当していて、敵とはいえ、妙な愛嬌があって憎めないゴールド・フィンガーの声にぴったりだった。彼が「よろず屋!」とハロルド坂田に呼びかけるのがおかしくて、弟とケラケラ笑いながら見ていたものだった。

余談だが、007てなんだかバハマ・ロケが多い。「サンダーボール作戦」(多分)のロケでコネリーらがバハマ諸島ナッソーに居たとき、ビートルズが彼らの主演映画「HELP!」の撮影でナッソーを訪れ、007の撮影現場を表敬訪問などしたらしい。


「HELP!」

中学生のころ、人並みにビートルズばしかに罹ったワタシが新宿アドホックで買ったビートルズ写真集の中に、コネリーと握手して平和にカメラのフレームに収まったJ・レノンやマッカートニーなどの写真が載っていた。そういえば「HELP!」のサントラ版アルバムに収録された「HELP!」のイントロは007 風なのである。…なんだかあれこれ思い出すなぁ。最新作「Quantum of Solace」もバハマロケがあるらしい。「カジノ・ロワイヤル」にもバハマのシーンがあった。イアン・フレミングってバハマのナッソーがやたらにお気に入りだった様子である。おかげでワタシはバハマのナッソーというと007!と脳裏に浮かんでしまうようになった。
こんな奇妙な条件反射が増えたのも“せんぶイアンのせい”である。


                  >>この記事へのコメント

「Godfather」

~甘美な郷愁と皆殺しのバラード~
1972年 米 フランシス・フォード・コッポラ監督

middle_1202655283.jpg

あまりできのよくない暗黒街物を見たあとで、なんだかどうしても見たくなるのが「ゴッドファーザー」シリーズだ。
1作目と2作目は比類ない傑作で双璧のようにそそり立っているのだが、個人的な好みからPart?のレビューを昨年、先に書いた。なんといってもあれはデ・ニーロが宗教画のように美しい顔で最高の演技をみせた作品であるし、パチーノの無間地獄の孤独にも鷲掴まれた。しかし、この1作目にはデ・ニーロは出ていない代わりに、マーロン・ブランドが出ているのだ。数日前、久々にこの1作目を見て、改めてまたつくづくと堪能した。「ゴッドファーザー」1作目、2作目を超える作品なんて、もうコッポラ本人にも撮ることはできないだろう。そしてPart?のレビューがあって 1作目がないというのも奇妙なものなので、この際レビューを書いてみることにした。

「ラスト、コーション(色|戒)」

~女は変貌する~
2007年 米/中 アン・リー監督

middle_1201944317.jpg

久々に前売りを買い、日比谷シャンテにて初日に観賞。やっぱり日比谷有楽町界隈で映画を観るのは格別の気分だ。劇場内は年配の人もかなり目立った。舞台となった時代背景のせいだろう。
映画が始まってすぐに、これは予想通りの映画だな、と感じた。それは、最後までずっと裏切られなかった。スチール写真や梗概から、こういう映画だろうなと予想していた通りの映画だった。時折、既視感すら覚えるほどに、それは予想された通りの作品だった。悪い意味で言っているのではなく、まさしくこういう映画だろうなと思ったとおりの映画だったという事である。