「黒い十人の女」

~シニカル・アイロニカル・コメディ~
1961年 大映 市川 監督


左より、岸田今日子、宮城まり子、 恵子

前に一度観たきりだったので、CSででも放映されたらまたじっくり見ようと思っていた。市川 特集で放映されたので、うほうほ、と鑑賞した。待ってましたよ。この時を。冒頭、闇の中にぽかりと浮かぶ山本富士子の顔、追われる彼女は夜道をひたひたと歩く。彼女の後を一列になって追う黒い女たちの影。 …来てる、きてる。ふふふふふ。

「八月の鯨」

~have you seen the Whales?~
1987年 米 リンゼイ・アンダーソン監督

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洋の東西を問わず、古い映画がけっこう好きなので、淀川長治の本は何冊か読んだ。
この人が1910年代、20年代、30年代の俳優、女優を語るときには、格別の熱意があったと思うのだけど、いろいろな女優を語っている中で「リリアン・ギッシュ」について「純情可憐な涙の女王」と常に書いていたのと、ビクトリア朝の人形みたいなリリアンの可憐な面差しはなんだか印象に残った。
この映画を観て、庭で洗濯物を干す老女が微風に吹かれながらこちらを振り返った顔を見た時、ワタシは、なぜか涙ぐみそうになった。
変容しないでそのまま老いた、リリアン・ギッシュがそこに居た。