「ありふれた奇跡」 第4話



エンドタイトルに出てくる長い石段がどうも本門寺臭いし、先週の夕焼けの高台は前に本門寺で観た景色にとても似ていたので、そうじゃないかと思っていたら、今回はハッキリと翔太の家の最寄駅が「池上」と出てきた。やっぱりそうでしたねぇ。本門寺は五重塔があり、力道山のお墓があり、節分の時には相撲取りが豆まきに来るというのでちっと有名かもしれない。それにしてもレアなところを選んだものだけど、ナイスなチョイスって感じがする。蒲田に近く下町的なエリアということだろうけど、京浜東北の蒲田じゃなく東急池上線沿線を選ぶところが太一風。山田は山田でも洋次だったら、東京の反対側の荒川区尾久あたりを選んだに違いない。

「チェ 28歳の革命」

~みんな、英雄を待っている~
2008年 米/仏/スペイン スティーヴン・ソダーバーグ監督



チェ・ゲバラというと、とにもかくにもカストロとセットでキューバ革命を成功させた男、というイメージしかなかったので、てっきりキューバ人だと思っていたら、アルゼンチンの人であった。「モーターサイクル・ダイアリーズ」を観ていないので、チェ・ゲバラについての映画を観るのはこれが初。実在の人物を映画化する時には、大抵、俳優が演じた方が美化しすぎ、というぐらいにルックスがよくなっているものなのだけど、チェさんについてはご本人が若々しく魅力的なハンサムマンなので、若い時期を演じるベニトロ(ベニチオ・デル・トロ)はちと苦しかったかも。ともあれ、132分、まずはパート1を観賞してきた。

007/慰めの報酬 (Quantum of solace)

~そして宿命を引き受けた~
2008年 英/米 マーク・フォースター監督



昨秋のジャパンプレミアでの試写観賞から2ヶ月、「Quantum of solace(慰めの報酬)」を再見してきた。
二度目ともなると、めまぐるしいアクションもさほど気にならなかった。
馴れというのはオソロシイ。
昨年は東宝シネマズ六本木ヒルズで観賞したので、
今回は品川プリンスシネマにて観賞。
2度目の観賞のテーマは「カジノ・ロワイヤル」と比較しないこと。続編という触れ込みだから同じレベルやテイストを期待してしまうが、もう、そういうノリの作品でない事は分かっているので、比較をせずに観るという事を意識的にやってみようと思った。

「ありふれた奇跡」 第3話



先週のギコギコっぷりから少し持ち直さないとキツいぞよ、と思っていたら、
今回あたりから仲間嬢がいい具合に山田節に乗り始めたし、
なんといっても今回は加瀬 亮がみせてくれた。
それまで普通にしゃべっていて、過去の傷口と向き合わねばならない状況を余儀なくされるやふと言葉を失って虚空に固まる、その緊迫感。彼の脳内で様々な事がフラッシュバックしている様子が見えるようだった。それにしても、仲間嬢の加奈も、自分の秘密は黙っておいて、人のだけ根掘り葉掘り聞こうとするとはいけませんねぇ。可愛いからっていけないよ、そういうのは。ルール違反よ、チッチッチ というわけで山田節と俳優たち、その3回目。

「ペネロピ」

~そのままの君でいけ~
2006年 英/米  マーク・パランスキー監督



いまごろ書くよ(観たよ)シリーズ第2弾。今回は「ペネロピ」。封切り時に全く興味がなく、そのままずっと興味のなく打ちすぎようとしていたのだけど、初老になったナイジェル・ヘイヴァースがちょっとだけ出てくるというたむさん情報により、折りしも半額サービス中なので観てみる事にした本作。
これが、意外に面白い映画でございました。食わず嫌いをまた反省させられた1本。

「炎のランナー」

~ヴァンゲリスと古き良き英国スタイル~
1981年 英 ヒュー・ハドソン監督



これはその昔、封切り時に劇場へ観に行った。ワタシにとってはこれがイギリス映画を劇場で観た最初の作品だと思う。サー・ジョン・ギールグッドもイアン・ホルムも、この作品で初めて観た。戦前のケンブリッジを舞台にした作品では、「アナザー・カントリー」や「モーリス」をネガとするなら、これはポジにあたるだろう。かといって、平板な明るく正しい英国スポーツ物、というわけではなく、階級や人種による差別の強い英国社会をケンブリッジの権威主義的な教授たちの中に描いたり、昔のオリンピックが、いかに一握りの欧米の国に主権が握られていたかという事、英国貴族のスノビズムなどもちらりと突付いている。それはそれとして、英国特有の空や風景、1920年代の衣装や小道具に建物、それらとあいまって作品に独特の優雅さや品を与えているのは練習風景などに代表されるケンブリッジの学生たちの佇まいだろうか。特にきらきらしい人は一人も出ていないのに、映画全体のトーンが好ましい作品。あの有名なヴァンゲリスの音楽に乗って懸命に走る彼らを観ていると、理屈ではない「青春の輝き」が伝わってくる。
クラシカルな戦前のオリンピック風景などもほのぼのとして良い。
また、ユダヤ人が戒律で豚肉を食べられない事をこの映画で初めて知った。
今回、スタチャンにてかなり久々の観賞。

 「ありふれた奇跡」 第2話

いやー、2話目は山田太一的アイタタが満載な回だった。冒頭のカフェでのやり取りはあまりに些細なところにコダワり、ほじくっていき、互いにギクギクと細い糸の上に乗って探り合った上に、同じような心情じゃなかったのね、と突如加奈(仲間)が逆上して勝手にキレるという流れ。山田節炸裂の上、仲間嬢のギコギコセリフでうわららら?、と思いつつも、山田太一的会話のイタいほどの相変わらずぶりにホロニガな笑いひとつ。



 「きつねと私の12か月」

のささやき~
2007年 仏 リュック・ジャケ監督



お話はなんとなく分かりきっているような感じもするのだけど、
昨年劇場でトレーラーを観て、その自然描写の美しさが妙に網膜に残った本作。
しかも、主要な舞台は。ワタシはフェチ。とにかく美しいの風景にヨワイ。ドキュメンタリー「Tokyo Joe」もかなり気になりつつも、今週はに引かれてガーデンプレイスでそばかす少女と野生のきつねの物語を観てきた。すると、普段は観ないジャンルの映画を観に行った功徳か、予期せぬオマケがついてきた。本編前の予告編タイムにGサマことジェラルド・バトラーの待望の新作「ロックンローラ」が流れたのだ。きゃ?!トレーラーで観る限り、ワタシの観たい感じのGサマが観られそうな予感しきり。

 うふんうふん

長く待ったが公開は2月!ガーデンシネマ、ありがとう。待ってたよ、というわけで、
本編前からすっかり気をよくして、いざ、きつねの棲むへ。

「マンハッタン無宿」 

~女好きカウボーイデカ、NYへ行く~
1968年 米 ドン・シーゲル監督



ドン・シーゲルとイーストウッドの黄金コンビ(+音楽のラロ・シフリンでトリオか)で描くウエスタン風味の刑事ものということで、マカロニウエスタンでブレイクし、ダーティ・ハリーで押しも押されもせぬ存在になるイーストウッドのハリー前夜の作品。これも例によって初見はTVのロードショー番組。淀長さんの日曜かハリー水野の水曜か、オ、オ、オギー マサヒロです、の月曜日かのいずれかで観たと思う。男前好きのわが母にとってイーストウッドはまず「ローハイド」のロディさんであり、そしてこの「マンハッタン無宿」の保安官補であったらしく、とにもかくにも母の大はしゃぎに乗せられて子供の時に観たのが最初。
昨年スタチャンで放映されたのを捕獲しておき、久々に観賞。

思い出の緒形 拳 「とっておきの青春」

 なかよし親子

NHK 井沢 満脚本

このドラマの事を知ったのは、その昔、本放送が終わって暫くたってからだった。友人の家に遊びに行った時、ふと「大好きなドラマがあるんだけど、もし良かったらVHS貸すから見てみる?」と友人が言うので「へ?、録画したの?」と聞くと「うん。でも途中からになっちゃって全話ないんだけどね…」と苦笑いしつつ6話目から最終話までの入ったVHSを貸してくれた。緒形 拳て好きなんだよね、という話をしていたらそういう流れになったのである。「斉藤由貴には興味ないだろうけど、緒形 拳は凄くいいから」という友の強力推薦で見た本作。見るとコブシさんだけでなく斉藤由貴も良かったし、高橋恵子も小沢栄太郎も姿 晴香も光石 研も出演者が全員良く、脚本、演出、全てが良かった。その後も折々思いだしては、後半だけしか見ていないので是非とも前半が見たいなぁと思いつつ随分な歳月が流れたあと、つい数年前にNHKアーカイブスで放映された。欣喜雀躍。すかさずゲットした。昔、初めて見た時には娘役の斉藤由貴に年齢も心情も近かったのだが、再見する頃には父の彼女役である高橋恵子の役柄上の年齢設定よりずっと姉さんになっている自分がいた。でも、コブシさんの素敵さは、何年たっても全く不変だった。
訃報に接してから、久々にまた見てみた。コブシさんはやっぱりとても素敵だった。

久々の山田節 「ありふれた奇跡」



ネクラの倉本大先生に続いてフジの開局50周年記念第2弾で
山田太一脚本のドラマ「ありふれた奇跡」が始まった。
目黒で同僚と軽く飲んで帰ったら、ちょうど始まったところ。
コロっと忘れていたけど8日が初日だったのだ。
山田太一というだけでは観なかったかもしれないけれど、
仲間由紀恵と加瀬 亮という顔合わせにはちょっと食指が動いた。
おまけに八千草 薫に岸部一徳が出るとあっては、kiki的には役者がツボ揃い。

乾燥の季節



年末からカラっと晴れて、少し寒い日が続いていますねぇ。去年より今年の冬はキリリと寒め。
冬はある程度寒くないとやはりダメだと思うので、晴天で気温の低い冬型の天気は望むところなkikiではございますが、問題は乾燥ですね。ワタシは非常に乾燥にヨワいタチ。肌も目も喉も乾燥が凄いとたちどころにヒリヒリしてきます。中でも喉と目はとても弱い。目はドライアイという訳ではないのですが、空気が乾燥してくるとどこより先に目がシパシパしてくるので「あ!」と思うわけです。そして、乾燥の強い時期に、夜寝ている間にやられがちなのが喉。何もしないで寝ていると、夜中に喉をやられて風邪をひく、という事が、昔はままありました。

「リトル・ミス・サンシャイン」

~いびつな家族が旅に出た~
2006年 米 ジョナサン・デイトン監督



「いまごろ書くよ」シリーズ(そんなシリーズ作ってたっけ?)で今回は「リトル・ミス・サンシャイン」。
ワタシはなぜか一時期グレッグ・キニアとロバート・ダウニーJr.が時折ゴッチャになっていたのだが(というかグレッグ・キニアをロバート・ダウニーJrだと思って観ていた映画があったりした)、昨年、この映画を観て「勝ち馬になれ、負け犬になるな」と暑苦しく吠えているのがグレッグ・キニアであると、やっとハッキリと認識したのだった。

「春の雪」

-果敢な挑戦-
2005年 東宝 行定 勲監督



「春の雪」(三島由紀夫著 豊穣の海?)については、前に原作小説についてのレビューを書いたのだけど、その時、映画化作品についてはあまり…と書いた。主演の二人が、ワタシの脳内に出来上がっているイメージとかなり違うので、あまりちゃんと映画そのものを観なかった事もあるかもしれない。が、以前CSで放映されたものを一応録画しておいたので、このお正月休みに観てみた。相変わらず主演の二人はやや子供っぽすぎるという印象は変わらないが、映画全体としては「春の雪」の小説世界をかなり原作に忠実に、一生懸命映画化しているなぁ、という姿勢に好感が持てた。(まぁ、何しろ原作ファンというのはうるさいもんでして)偉大な明治と激動の昭和に挟まれた束の間の春・大正の華族社会を背景に浮世離れた若君と姫君の悲恋が展開する作品なので、お正月向きかしらんとUPしてみました。

 「英国王 給仕人に乾杯!」

~人間万事塞翁が馬~
2006年 チェコ/スロヴァキア イジー・メンツェル監督

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2009年がやってまいりました。みなさま、よい年明けを迎えておられましょうか。

さて、これは2008年の師走後半に、唯一映画館に足を運んで見たくなった映画。
今はチェコとスロヴァキアに分れたけれど、昔はチェコスロヴァキアって長らく一緒になっていた。いまでもゆるやかには一緒らしい。チェコとスロヴァキア★みたいな感じで。このへんの国々だと、ポーランドがなまなかじゃない歴史の荒波を潜ってきた国だというイメージが強いのだけど、チェコスロヴァキアも帝政時代のオーストリアを皮切りに、ドイツ第3帝国だの、ソ連だのの支配を受けつつ激動の20世紀を潜り抜けた国なのだった。漠然としか知らなかったが、ワタシ的にはソ連の下、東側の一員だった時代のチェコの印象が強い。ベルリンの壁が崩れる前は、ワタシの中では東側の個々の国々はどんなイメージもなく、ただ東ヨーロッパ=ソ連の配下、ということで一括りになっていた。その東ヨーロッパの第二次大戦前後を描くとなると、重い、苦しい、辛いの三重苦を思い浮かべるが、この映画はそんな苦渋の時代と無縁でないながら、軽やかで光とユーモアに満ち、美しい映像と、主役のヤンの若い時代を演じるイヴァン・バルネフのトッポ・ジージョのようなかわゆい顔、そして次々に登場する若く美しい娘たちを観ているだけで、なんだか意味もなく頬がゆるんでしまう作品だ。イジー・メンツェル監督の作品は初めて観たのだけど、その軽やかで洗練されたユーモアに満ちた語り口は、強いメッセージや激しいショックなどとは無縁ながら、観終った後で、「いい映画観たなぁ」という気分にさせてくれる作風だった。東京ではシャンテ・シネのみの一館上映。さすがCC。2008年はあの「色|戒」でスタートし、春夏秋冬、ラインナップは冴えまくりだった。2009年も期待してますわよ。