「名探偵ポワロ」シリーズ

~探偵は灰色の脳細胞と身だしなみと愛嬌が大事ですよ、モナミ~

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イギリスTV局制作の名探偵シリーズの双璧といえば、グラナダTVの「シャーロック・ホームズ」シリーズと、LWT制作の「名探偵ポワロ」シリーズだろう。どちらも非常に完成度が高く、時代考証をきっちりと行ったセットや美術や衣装小道具の上に、イメージぴったりの俳優が主役を演じて、双方の映像化作品の決定版になっている点でも双璧のシリーズだ。シャーロック・ホームズを演じていたのは、まさにこの人をおいて他にホームズは居ないだろうジェレミー・ブレット。最高の当り役だったが心不全で95年に亡くなった為、ホームズ物の新作はもう見られなくなってしまった。一方のポワロことデヴィッド・スーシェは健在なので、ポワロ物の長編は数本ずつ現在も制作が続けられている模様。今後もポワロさんを楽しめるのは嬉しい限り。ワタシはこの2つの名探偵シリーズは無論どちらも好きだけれど、ポワロ・シリーズの方がより一層好みである。
なんたってポワロ・シリーズは1930年代のお話。アール・デコの時代なんですもの。

「天使と悪魔」  (ANGELS & DEMONS)

~汝、狂信するなかれ~

2009年 米 ロン・ハワード監督

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このシリーズ、前作「ダヴィンチ・コード」は前宣伝が激しく、やたらに煽り立てていたものの一向に食指が動かず、劇場へも勿論行かず、随分たってからCSで流れて来たのを観賞したが大山鳴動して鼠一匹も出ず、みたいな気分になった。その続編という本作も劇場で観たトレーラーはなんだかなぁな印象で、到底観るべきシロモノではないという気がしたのだけど、それでも一点だけ気になるポイントがあった。それはユアン・マクレガーが出ているという事。最近はちょっと生彩を欠くユアンだけれど、これに出た事は吉と出たのか凶と出たのか、どんな事になっているのかだけは少しだけ気になっていた。ところへ、先週知人が本作を観てきたとかで、「バチカン・ロケは劇場のスクリーンで観た方がいいし、一種の内幕モノだから野次馬根性も刺激されるし、ユアンも重要な役どころで頑張ってたよ」という感想。あぁバチカン・ロケか。それは確かにちょっとそそられるわね。それに、ユアンがどう頑張っていたのかも気になるし…、というわけで近所のシネコンでポイントが溜まって1本タダになる機会を、バチカンに捧げてみることにした。

「空中庭園」 

~本当に大事な事はね、墓場まで持ってくもんだよ~

2005年 アスミック・エース 豊田利晃監督

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有料映画チャンネルを観ていると、自発的には映画館に見に行かない、ましてやDVDを借りたりもしないだろう作品を観てみる機会が巡ってきたりする。どうにも苦手な俳優や女優が主演している場合には、自発的なチョイスからは漏れてしまいがちになるわけだが、そんな作品の中に思わぬ掘り出し物があったりもする。再々書いているがワタシはコイズミ・アレルギーの持ち主。この「空中庭園」は、ここ数年のコイズミ(小泉今日子)売れっ子状態のトリガーになった作品なのだろうと思うのだが、勝手に流れてこなければ自発的に観る事はけして無かったと思われる。それはさておき映画として面白かったし、小泉今日子よりもその母を演じた大楠道代が断然光っていた。この人もこの年代の女優としては最も売れている気がする。阪本順治の「顔」あたりから熟年バイプレイヤーとしての味をフルに発揮し始めたような気がするのだけど、「空中庭園」でも存在感が他を圧していた。その他、気になる女・永作博美が、友情出演で少しだけの登場にも関わらずインパクト大で、膝を叩いて受けてしまった。

さらば愛しき女よ (Farewell, My Lovely)

~さよならを言うのは、少しの間死ぬことだ~ ※

1975年 米 ディック・リチャーズ監督

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久々のマーロウ物の映画化企画が具体化してきた模様(クライヴ・オーウェン主演「Trouble Is My Business」)に嬉しくなって、ブログを始めてすぐの頃に書いた古い記事「さらば愛しき女よ」に少し手を加えて再度UPすることにした。目下、マーロウ物でワタシがもっとも愛しているのはこの1本。出来ればもうちょっと若い頃のミッチャムで観たかったけれども、セリフ回しや態度物腰など、ワタシの中のマーロウ・イメージにまさにピッタリのロバート・ミッチャムが少しくたびれた風情のマーロウを好演。ちょっとしたセリフにも飄々とした年輪と余韻があって良い。映画全体の持つ空気感も原作のムードをよく再現している。クライヴ・オーウェンのマーロウ物も願わくばこのノリで映画化して貰いたい。何はおいても、時代を現代に置きかえるのだけは絶対にやめてほしい。マーロウは40年代のLAを背景に、ソフトを被って登場しなくてはならないのだ。

「パリ、テキサス」 (PARIS, TEXAS)

~あまりにも愛しすぎて~

1984年  西独/仏 ヴィム・ヴェンダース監督

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これは観たようなつもりになっていたけれど、このほど洋画チャンネルのカンヌ特集で観てみて、どのシーンもさっぱり覚えがないので殆ど初見であることが判明した。なぜ観たような気になっていたのだろう?有名すぎるからかしらん。
淡々としていて、しかも長尺の映画なのに、観終って冗長に感じないというのは監督に力がなければできない技。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」 (1999)以降、ワタシはちょっとヴィム・ヴェンダースにはご無沙汰しているけれど、過去作品に遡って、またじっくりとあれこれの作品を観てみようかしらん、という気になった。

「クイズ・ショウ」 (QUIZ SHOW)

~アメリカ50'sの空気~

1994年 米 ロバート・レッドフォード監督

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面白いことに、俳優としては大好きなクリント・イーストウッドが作る映画はおおむね苦手なワタシなのだけど、俳優としては苦手な部類に入るロバート・レッドフォードの監督作品は、わりに好きなものが多かったりする。中でもこれは一番好きな作品かもしれない。思いだして久々に観てみたら、ジョン・タトゥーロ十八番の粘っこい演技は記憶の通りだったが、レイフ・ファインズは記憶にあったよりも若くてブリリアントだった。確かこれでスターダムに躍り出たのだと思うんだけれど、実にジョン・タトゥーロとの対比が効いている。そしてなんと、クイズ番組を一社提供する健康飲料会社の社長役でマーティン・スコセッシが出演しており、何事も思いのままを押し通す「スポンサー天皇」を演じてハマっていた。マーティン、さっぱり記憶になかったけど、出ておられたのね…。

「チェイサー」 (THE CHASER)

~土砂降りの雨と赤い十字架~

2008年 韓国 ナ・ホンジン監督

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ワタシにはかなり強い韓流アレルギーがある。ハングル語がなんとはなしに耳に苦しいし、言葉だけではなく総体にアレルギーを感じるので1本の韓流ドラマも観た事はない。が、韓国映画は国が力瘤を入れているだけあって、お、という作品が時折出てくる事は勿論知っている。で、この「チェイサー」はポスターだけだったらふつうにスルーだったと思うのだけど、そのトレーラーが強くワタシを引っ張った。面白そうな雰囲気がビシビシと出ていた。あぁ、苦手なハングル語をガマンしてでも、これは観に行く価値がありそうだわ、とアンテナが強く反応した。 そんなわけで、生まれて初めて韓国映画を劇場に観に行ってみた。

「黄金の七人」 (SETTE UOMINI D'ORO)

~味な腐れ縁~
1965年 伊 マルコ・ヴィカリオ監督

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洋画系チャンネルのイタリア映画特集にて久々に観賞。
いやー、楽しいですね、このあっけらかんとした馬鹿っぽさ。軽やかさ。昔、最初に観たのはいつだったかしらん。多分小学生の頃にTV放映で観たのが最初だと思うのだけど、子供心にも印象が強烈な映画だった。頭脳で金塊強奪計画を立てる「教授」と謎の美女ジョルジア、そして実行部隊の野郎ども6人。ルパン三世(もっとも初期のシリーズ)を観ているのと同じ感覚で観られる映画。というかルパン三世のルーツも幾分かはこの映画にありそうな気もする。公共工事にみせかけた金塊強奪方法など、その後の様々な泥棒モノのルーツとなった作品ではなかろうか。ジョルジアを演じるロッサナ・ポデスタのコケティッシュなトランジスタ・グラマーぶりが小学生だったワタシの脳裏にも染み付いた作品。

知性と野性とマザコンと 「ジェラルド・バトラー」

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久々のMy favorite Stars、第6回目は花の(?)バチェラー、ジェラルド・バトラーについて語ってみたい。もうちょっと後でもいいかしらん、と思ったりしていたけれど、最近少しまたワタシの中で「Gサマはぁとモード」が少し高まってきているので、今回はジェラルド・バトラーでまいりたいと思います。アミャーリカでは「ジェラード」と発音されるようだけど、本人が「母は俺をジェラルド(ジェの部分にアクセント強め、ルの発音は弱め)と呼ぶよ」と言っているインタビューがあった気がするので、当ブログでも表記はジェラルド・バトラーのまま行きたいと思う。

スラムドッグ$ミリオネア (SLUMDOG MILLIONAIRE)

~純愛と踊るマハラジャ~

2008年 英/米 ダニー・ボイル監督

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今年のアカデミー賞で最多8部門を取ったと聞いても、何やらどうもいまひとつ食指が動かず、ずっと観賞がのびのびになってしまった本作。トレーラーの印象がイマイチどころかイマサンぐらいであまり面白そうに思えなかったのが、けっこう尾を引いたのね、とか思いつつ、ようやくの観賞。
いやまた、これがけっこう盛況でして。シャンテは近年、かける映画がかなりヒットしているので、TOHOシネマズに加わってネットでチケットが買えるようになったのは結構なのだけど、映画館の構造的にそんな大ヒットする映画をかけるようには出来てないのでもう大変。チケット売り場もエレベーターも、なんかもう本当に構造的にキビシイ。シャンテのチョイスは当る映画が多いので、大勢が詰めかけてもスムーズに収容できるよう折りをみて改装されてみてはいかがかしらん? と映画館に注文をつけたところで、本題へ。

「男が女を愛する時」 (WHEN A MAN LOVES A WOMAN)

~愛されてるのに、いけないよ~
1994年 米 ルイス・マンドーキ監督

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これは昔、その頃付き合い始めたばかりの彼氏と試写会で観た映画だった。メグ・ライアンの絶頂期で、最近は悪役が多くなったアンディ・ガルシアもラテン系の二枚目としてグングン来ている頃だった。…時は流れる。
少し遅れて試写会場に入ったので空いている席を探すのが面倒で、二人して通路に座って見たのだっけ。一緒に行った彼氏がぽつりと「メグ・ライアンていいね…」と言った事を覚えている。ワタシはアンディ・ガルシア演じる夫の辛抱強さに関心したのだったけど…。

「フロスト×ニクソン」 (FROST/NIXON)

~権力の墓穴 王様の黄昏~

2008年 米 ロン・ハワード監督

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トレーラーを観ていた時には面白そうだと思っていたのだけど、いざ封切りになるとどうも観る気がなくなってそれきりになってしまう。ワタシにはそういう事が時折ある。これも危うくそうなるところだったが、どうにか気を取り直して観に行った。シャンテは「スラムドッグ?」で大盛況。まぁ、これはちょっと先に廻すとして今回は「フロスト×ニクソン」。