「にごりえ」

-貧しく、哀しく、美しい明治-
1953年 松竹 今井正監督



樋口一葉の3つの代表的な短編「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」をオムニバス形式で映画化した今井正の監督作品。脚本は水木洋子と井手俊郎。監修には久保田万太郎の名も見える。この顔ぶれならまず外れはない演出と脚本に、主役を演じる映画俳優陣に脇を手堅く文学座の芸達者が固めるという鉄壁の布陣もさることながら、この作品は明治という時代を目の当たりに現出させた平川透徹のセット美術が瞠目すべき素晴らしさだった。それをしみじみと映し出す中尾駿一郎のカメラも見事の一言。あぁ。明治の日本はこんなにも、貧しく、哀しく、美しかったのだろうか…。

「127時間」(127 Hours)

-Oops!-
2010年 米/英 ダニー・ボイル監督



封切り新作になかなか食指が動かない今年だけれど、「英国王のスピーチ」に次いで封切りを楽しみにしていた作品。ダニー・ボイルといえば、2008年度のアカデミー作品賞、監督賞など8部門を取った前作「スラムドッグ$ミリオネア」は、ワタシ的には何がそうも評判なのかさっぱり理解できない作品だったのだけど、今回は文句なしに面白かった。編集と映像センス、音楽センスが特に光っていた。割引デーでもないのにシャンテはかなりの入りだった。納得。

「ヒックとドラゴン」 (HOW TO TRAIN YOUR DRAGON)

-翔べよドラゴン-
2010年 米 クリス・サンダース監督



日本ではどうだったのか分らないが、全米ではかなりヒットしたドリームワークスのアニメーション。声優でジェラルド・バトラーが参加しているのは知っていたが、そもそも、ピクサーとかドリームワークスのアニメをあまり見ないワタシは公開時スルーだった。
ところが、主人公ヒック(正確にはHiccup)のキャラクターデザインが、どことなくジェイク・ジレンホールに似ているという方がいて、うっすら興味をそそられ、アニメとしても出来が良いらしいので見てみることに。

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(X-MEN: FIRST CLASS)

-世界で最も恐ろしい生き物、それは…-
2011年 米 マシュー・ヴォーン監督



「X-MEN」も「ウルヴァリン」も未見なので、これまでに何度か予告編を見ても「ふぅん」としか思わなかった本作なれども、何故かふとマイケル・ファスベンダーに興味が湧いたのと、よく見たら昨今お気に入りのジャニュアリー・ジョーンズも出ているし、ちびっこ演技派ジェームズ・マカヴォイ先生もご出演につき、何となく観てみる事にした。

鎌倉の紫陽花とお屋敷見物

-紫陽花と旧前田家別邸-



紫陽花見物および建築探訪で久々に鎌倉を散策。
紫陽花の寺は幾つかありますが、一番の目当てだった成就院の紫陽花は
まだほとんど咲き始めのようで、見物するほどではなさそうだったので
人が多そうなのを覚悟して長谷の長谷寺で紫陽花を見物。
これもまだちょっと早かったのだけど、盛りになると20分待ちで紫陽花の道を
散策するという愚かしい事になるので、多少早くても、まだ写真撮ったりしつつ
のんびり見物できる方がいいか、と思いましたのね。

「鬼畜」

-宵闇の東京タワー-
1978年 松竹 野村芳太郎監督



少し前から機会あって清張ものを数本観た中で、久々に「鬼畜」を観賞。何も考えずに子供を生み落とし、挙句に子育てを放棄した親による子殺しや虐待が横行する昨今、本作の投げかけるテーマはいよいよ迫真性を帯びてきたと思う。何度も観ている作品ではあるけれど、中盤から終盤にかけて怒涛のように盛り上がってくるドラマ性はやはり有無を言わせない。緒形拳岩下志麻、小川真由美はいわずもがな、素朴な子役の存在感が光る。緒形拳の代表作の1本として一度書きたいと思いつつ、テーマの重い作品なのでなかなか出せずにきたものを今回漸くにUP。

「池波正太郎の銀座日記」(新潮文庫)

-食べて、書いて、映画観て-



いわゆるタウン誌、PR誌の草分け的な存在であり、最も有名なものに「銀座百点」がある。銀座百店会に加盟する店舗のPRや銀座の情報だけでなく文化的な面にも力を入れた雑誌で、執筆陣の顔ぶれが多彩なのも定評がある。あの池部良も亡くなる前に銀座百点にエッセイを連載していた。
この老舗PR誌「銀座百点」に連載されたエッセイをまとめた本で、まず第一に名が挙がるのは向田邦子の「父の詫び状」だろう。そして、銀座百点から生まれたエッセイ集で「父の詫び状」と双璧をなすのが、池波正太郎の「銀座日記」だろうと思う。

北欧映画のハリウッドリメイクについて



いよいよデヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演の「ドラゴン・タトゥの女」ハリウッドリメイク版の特報が出てきた模様。ちらっと観る限りでは割に面白そうな気配で、ワタシはこのリメイクが封切られたら、一応観てみようと思っている。

「ボビー・フィッシャーを探して」 (SEARCHING FOR BOBBY FISCHER)

-心優しきワンダーボーイ-
1993年 米 スティーヴン・ザイリアン監督



タイトルだけは知っていたが未見だった本作。TSUTAYAの発掘良品コーナーにあったので観賞してみた。「発掘」と銘打たれていても、ワタシ的には既に観ている作品が殆どなのだけど、未見の作品で当りだったりするとひそやかな嬉しさがある。
チェスの天才少年を演じる主役の少年の、「無垢」という表現がぴったりの大きな瞳が非常に印象的。まぁ、実にピッタリな子をキャスティングしたものだ。脇を固める大人たちも、中堅からベテランの実力派ばかり。ベン・キングズレーはもとより、ローレンス・フィッシュバーンやジョーン・アレン、ローラ・リニーの今より若い姿がちょっと新鮮だ。