「ROME」 最終回

-アントニウスとクレオパトラ-
2005~2007 英/米 マイケル・アプテッド他 監督



これまでに何度か感想を書いてきて最終回について書かないのも座りが悪いので、今回は「ROME」最終回について。
後半のセカンド・シーズンに入り、殊に終盤アントニウスがエジプトに移ってからは掛け足で話が進んで幕が降りてしまったので、全25回ぐらいにして最後のあたりはもうちょっとじっくりやればよかったのに、とも思ったけれども、ヴォレヌスとプッロの固い友情もそれらしい締めくくりを迎え、総体に面白い歴史ドラマだった。

追悼 森田芳光 「家族ゲーム」

-家中がぴぃぴぃ鳴ってて、凄くうるさいんだ-
1983年 ATG 森田芳光監督



昨年から今年にかけて随分お馴染みの映画人が亡くなっているが、師走に入って意外な訃報が飛び込んできた。森田芳光監督の急逝である。61歳は享年としては若いと思うが、もう61歳にもなっていたのか、という感じもある。(村上春樹などとほぼ同年代の全共闘世代らしい。知らなかった)後期の作品はあまり見ていないし、「椿三十郎」の無意味なリメイクなど首を捻るような作品もあるが、初期から中期の作品には好きなものが幾つかある。脚本を担当した「ウホッホ探検隊」や脚本/監督の「(ハル)」などは好きな作品だったし、とりわけ松田優作と組んだ2本、「家族ゲーム」と「それから」は特に忘れがたい作品だ。「家族ゲーム」についてはTVドラマ版が別にあり、それを見た人は長淵剛が家庭教師を演じたTV版を愛好する人もいるようだが、ワタシはドラマ版は未見なので、「家族ゲーム」といえば何といっても森田芳光松田優作が初コンビを組んだ、この映画版がイチオシである。 訃報に接して、久々の観賞。

師走の雑感



ふと気づいたらあっという間に師走も押し詰まってきつつありますねぇ。
夏が終わるとすぐに師走がやってくるという感じです。
師走に入ってぐーんと寒い日が多くなり、東京の空は毎日ぱりっと晴れた青空で空気が乾燥して風が冷たいという、関東地方の典型的な冬の気候が続いています。寒いけど時節柄飲み会は多いので、美味しく楽しく飲み、かつ食べております。
というわけでなんだかんだと忙しく、ブログの更新も間遠になりがちな今日この頃。本日は忘年会の谷間で久々に早く帰ったのでちょこっと映画に関する雑感を。

名探偵ポワロ 「葬儀を終えて」 (POIROT: AFTER THE FUNERAL)

-危険で繊細なファスベンダー-
2005年 英 モーリス・フィリップス演出



デヴィッド・スーシェ主演の定番TVMポワロシリーズの2時間長編の1本。89年からポワロとしてその愛嬌のあるエレガントな姿をキープし続けてくれているデヴィッド・スーシェ。長編は更に映像も美しいし、のちにブレイクする俳優がゲストでちらほらと出ていたりするので掘り出し的な楽しみもある。今回の「葬儀を終えて」はマイケル・ファスベンダーがゲスト出演しているというので観てみた。期待は裏切られなかった。ファスベンダーは出生の秘密に悩む大富豪の甥という役で、ありありとした存在感を放っていた。華と毒があり、酒びたりでふて腐れつつも純粋、繊細でいながら隠微で情熱的。ふふ~む、ミヒャエル。なかなかです。「SHAME」の日本公開は来年3月。楽しみだけどまだ先なので、とりあえずはポワロ長編でのハンサムマンぶりを楽しく眺めた。

「朝の波紋」

-戦後の息吹-
1952年 東宝 五所平之助監督



昨今、日本映画専門チャンネルが、どうもワタシが好むような作品を放送する率が減ってきて困ったものだと思っていたら、なんと、日活プログラムピクチャーをメインに最近の映画しか放映しないというイメージだった伏兵・チャンネルnecoが、こんな佳作を放送してくれた。侮れないことである。本作は、半年間パリで現実逃避して戻ってきた高峰秀子の「帰朝第1作」と銘打たれた作品。こんな小品にそんな大袈裟な謳い文句とは、と笑ってしまいそうだが、1952年当時は半年も外遊するなんてオオゴトだったのだろう。無事に帰ってきたデコへのご褒美か、元祖イケメン池部良と和製ジャン・マレー岡田英次という二人のハンサムマンから想われるOL役。ウチワみたいなまん丸顔で、おいしすぎるぞ、デコ。

映画や小説やドラマの中の「男の友情」



ワタシは小説でも映画でも、男の友情モノが何となく好きだ。男女の恋愛とかよりも男の友情のドラマに惹きつけられる。なぜだかは分らない。ただ、巷間言われているように、男と男の間にしかホンモノの友情は存在しないのではないか、という気が漠然とする。それもあるいは幻想かもしれないが、男同志の友情は、男が女に向ける愛とはまた別個に存在し、ある時は惚れた女よりも強固に男の人生を支配し、影響を及ぼすものだったりする。 というわけで今回は映画や小説に描かれた男の友情について。

「雨の訪問者」 (Le Passager De La Pluite)

-ラブ・ラブ 君は恋をしている-
1970年 仏 ルネ・クレマン監督



ルネ・クレマンが主演にチャールズ・ブロンソンを迎えて撮ったサスペンス。音楽はフランシス・レイで、メランコリックなメロディが印象的だ。夫の留守に暴漢に襲われる赤毛のキュートな人妻役で、エヴァ・グリーンの母、マルレーヌ・ジョベールが出演している。娘は母よりも美人だが、よくよくみるとソバカスがいっぱいあるエヴァちゃんの顔は、やはりどことなく母のマルレーヌ・ジョベールと似ている気がする。ちょび髭で常に不敵な微笑を湛え、敵なのか味方なのか分らない謎の男をブロンソンが好演している。