「Silk 王室弁護士マーサ・コステロ」(Silk)

-Queen's Counsel-
2011年~ 英 BBC



Silkというのは、選ばれた一握りの弁護士しかなれない王室顧問弁護士の通称らしい。王室顧問弁護士というのがいかにも英国的だ。女王陛下の顧問弁護士なんてね。昨年AXNミステリーでシーズン1を見た時には、さほど面白いとは思わなかった。ただ、イギリスの法廷では裁判官も弁護士も、いまだにあの羊の毛で作ったような滑稽な18世紀的な白いカツラを大真面目に被って、黒いマントを着て形式ばってるんだなぁ、ぷふふ、と思った。ルパート・ペンリー=ジョーンズが野心家で女好きの弁護士を演じているが、どうにもチャラくて物語にもさほど引き込まれなかったのだけど、この秋、見るともなしにシーズン2を見てみたら、主人公マーサ・コステロを取り囲む人間模様や毎回の事件が、シーズン1よりもずっと面白くなっていた。

バッチ君、WikiLeaks の創始者役に



次々に出演作が決まって行くベネディクト・カンバーバッチ。伝記ものも多いみたいだけれど、少し前から出ているニュースによると、WikiLeaks の創始者であるジュリアン・アサンジを描く作品でアサンジを演じる事になるらしい。尚、この映画には、アサンジの片腕役としてジェイムズ・マカヴォイも出演するかもしれないとのこと。へぇ~。マカヴォイ先生の出演が決まれば、二人は実に「つぐない」以来の共演てことになりましょうかね。

「ハワーズ・エンド」(HOWARDS END)

-そして、古い家に新しい命が残された-
1992年 英/日 ジェームズ・アイヴォリー監督



制作イスマイル・マーチャント、監督ジェイムズ・アイヴォリーのコンビがE.M.フォスターの原作を映画化したシリーズの3作目。封切り時に劇場で観て以来、かなり久々の観賞。ジェームズ・アイヴォリーの他の作品「モーリス」や「眺めのいい部屋」、「日の名残り」は最初に劇場で観て以降、何度もビデオやDVDで観ているのに、本作は今回再見するまであまり観たいとも思わないで過ごしてきた。他の作品より印象が弱かったせいかもしれないが、今回久々に再見してみて、生まれ育った家というものへの強い想いと、ロンドン郊外の美しい景色が思いがけず目にしみた。

クラシックホテル憧憬 「ラッフルズ グランドホテル ドゥ・アンコール(カンボジア)」

-目的地としてのホテル-
2011年 BS日テレ



コンセプトや番組の雰囲気が好きでよく見ていた番組「ホテル時間旅行 クラシックホテル憧憬」であるが、今年(2012年)10月の番組改変で姿を消した。放映日や時間が変更になってから1年、番組開始からは2年で終了したわけである。前にも書いたけれど、後半、欧米のホテルを特集するようになってから精彩に欠けるようになった観のあるこの番組。やはり最初の1年が殊更に素晴らしかったのかもしれない。
番組自体は終了したものの、日テレプラスで時折埋め草的に再放送をしているので、過去放送分で見逃したものを随分ゲットできた。見逃していたのを拾った回の中で一番の収穫だったのは、1930年代に建てられたという「ラッフルズ グランドホテル ドゥ・アンコール」だった。

「Dr.HOUSE」(HOUSE M.D.) Season1、2

-ひねくれ医者罷り通る-
2004年~ FOX




これは、FOXチャンネルでずっと流れていたのだけれど、シーズンの途中だったりしたので見ないまま打ちすぎていた。でも、とにかく色々なTV Awardに常連でノミネートされているし、医療ドラマ界のシャーロック・ホームズ物である、とか、アメリカ版ブラック・ジャックという意見もあって、一度見てみよかしらんと思っていたら、ビデオ・オンデマンドにSeason1が入ってきたので、観賞してみた。

「疑惑」

-タイプキャストのガチンコ対決-
1982年 松竹 野村芳太郎監督



1958年の「張込み」に始まる松竹制作、野村芳太郎監督による松本清張原作映画化の1本。桃井かおりの容疑者に岩下志麻の弁護士、容疑者の腐れ縁のチンピラ役に鹿賀丈史、容疑者の勤めていたクラブのマダム役でベルさんこと山田五十鈴も登場。
もう出てくる面々が濃いわ、濃いわ。その中にあって、クールな弁護士のお志麻さんの存在感が冴えているが、これはやはりモモイの球磨子ありきの映画であるだろう。その思いっきり自堕落で、下品で、ふてぶてしいバクレン女ぶりは観ていてニヤニヤせざるを得ない。
初めて本作を観たのはTV放映だったと思うけれど、このほどビデオ・オンデマンドで久々の観賞。

バッチ君、” 5人目のビートル” ブライアン・エプスタインを演じる事が決定



色々な出演作が次々と決まっていっているベネディクト・カンバーバッチであるが、11月初めのニュースで目に止まったのは、ビートルズのマネージャーだったブライアン・エプスタインの伝記映画でエプスタインを演じるという企画である。ブロンドで生意気そうな目つきをすると、バッチ君は60年代前半頃のジョン・レノンに似ているような気もするけれど、バッチ君が、ゲイで人知れず苦悩を抱えていた人らしいブライアン・エプスタインを演じるというのは、それなりに興味深い。

MI-5 [Spooks] シーズン10

-そして、ハリーの物語-
2011年 英 BBC



シーズン8でロスが死に、続くシーズン9はあまりにドス黒く話が澱んで、裏切りに次ぐ裏切り、嘘に次ぐ嘘のつるべ打ちで、なりゆきで見たもののかなりゲンナリしてしまった。メイン・キャラのルーカス(リチャード・アーミティジ)がどうも好きになれなかったせいもあるが、行き着くところまで行き着いてしまったような、落ちるところまで落ちてしまったような、もうどこにも行けないような閉塞感のあったシーズン9の後を受けて、長く続いた本作の締めくくりとなるシーズン10は、どんなに遣り切れない空気に満ちているかと思いきや、ファイナルとなるこのシーズンは、また新たな面白味を発揮していた。

「犬神家の一族」

-あの人のこと、忘れられない-
1976年 東宝/角川映画 市川 崑 監督



メディアミックス戦略をぶちあげ、ある作家の文庫本の大々的な売り出しと、その作家の代表作の映画化で、出版界と映画界という異なる業界を股にかけて相乗効果で売り上げを伸ばすビジネスモデルを作る事に成功した、角川春樹の角川映画第1回作品。それまでは過去の存在だった古い探偵小説の作家・横溝正史はこの時の大ブームで名声が定着し、今では江戸川乱歩と並ぶ古典的存在になったのも、この角川メディアミックスの効果だろう。ワタシ的には、何を隠そう生まれて初めて観た市川 崑の映画(しかも映画館で)が、この「犬神家の一族」だった。TVCMの段階からスケキヨさんの仮面や足のインパクトが絶大だった事はいうまでもない。このほど、ビデオ・オンデマンドで超久々に再見してみた。

都心の異空間 ~和朗フラット~

-港区麻布台3丁目の奇跡-



漠然とそういう建物が残っている事は知っていた。昭和11年前後に、港区は飯倉片町の静かな住宅街に建てられた五棟の集合住宅「和朗フラット」。戦災で最初の1番館は焼失し、現在は1号館、2号館、4号館の3棟が残り、それぞれ別の所有管理の元、築後70年以上という長い長い歳月を経ていながらも、現在もなお、建築当初のころと同じく、賃貸の集合住宅として現役であるという、地震の国、地上げの国、古い建物をすぐに壊す国・日本においては、現存していることが奇跡のような建造物である。