「アイランド」 

~二人の愛ランド?~
2005年 アメリカ マイケル・ベイ監督



ユアン・マクレガーがオビワンなどを引きうける前は、けっこう彼にホの字だったので、出演作品はチェックしていた。「枕草子」の頃のユアンがルックス的にはプライムだった。出来は…であったが。そしてオビワンをやると聞いた時には心底、ガックリしたものである。以降、あまり見るべきものもなく年月が推移し、ユアンがワタシの中で昔語りになった頃、「アイランド」が封切られた。さして前評判も聞かなかったが、何か雑誌の広告でか、この映画のポスターを見た時「お!」と思い、久々にユアンに膝を乗り出した。ユアンが顔もボディもキりっと引き締まった様子だったのと、共演がスカーレット・ヨハンソン(ビッチのスカヨハ!)だったからである。
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ワタシはこのスカーレット・ヨハンソンという女優がけっこう好きだ。全体の印象がプチプチしていて、非常に美肌で、若いのに妙な色気があって、ハスキーヴォイスで、爆弾オッパイで、普段の言動はビッチ丸出し。なかなか面白い。それでいて芝居をさせればけっこう上手い。つまり、いい女優ということだ。この映画ではプラチナブロンドに染めていて、壮麗な金髪がゴージャスだった。しかも身長的にも雰囲気的にも非常にユアンと釣り合って見えた。主演のコンビが妙にぴたっと釣り合って見えると、なんだかその映画を観たくなる。そんなわけで、「アイランド」を観に行くことにしたのだった。

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興収は全米で大コケ。日本でもあまり当たっていたとは言えない、微妙な入りだった。(公開時期もキツかった)しかし、ワタシは妙にこの「アイランド」が気に入り、なんと2回劇場に観にいった。「カジノ」の前には、これがワタシの複数回観た記録の映画だったのである。ショボい。(笑)ワタシはこの二人がクローンであるという予備知識を全く入れないで映画を観た。だから、そこそこ面白く感じられたのかもしれない。ただ、二人の並んでいる写真を見て、なんかよさげだ、と思って行ってみたのである。
そうまで最低の出来でもなかったのに当たらなかったのは、最初に二人がクローンであることを明かしてしまった宣伝のまずさだろうとか言われていた。まあ、そんなことはワタシにはどっちでもよく、ラスト、あのクローン工場から解放された白いピタっとタイツのクローンたちが、いきなり自由の身になって巷に氾濫して、その先一体どうなってしまうのかについては、全くワシャ知らん状態で幕が降りる腑に落ちなさも、確かにう?むな感じではあるのだけど、これはそんなことを真面目に見る映画ではなく、ひたすらにユアンとスカヨハのコンビネーションを見るための映画なので、その点では満足した。久々にいい感じのコンビを見た、という気分だった。
クローンは余計なことを何も教えられていないので、体は育っているが、中身は少年少女のようである。子供のような無邪気さを時折振りまくユアンはこの役にはピッタリで、彼と手に手を取り合って、何かといえば走って逃げているスカヨハもプリプリとプリティだった。彼らに"現実"を教えるクローン工場の職員でスティーブ・ブシェーミが登場して、いつもの軽快なしゃべりをきかせてくれる。そして、彼らクローンの生みの親・マッドサイエンティストのメリック博士には、なんとショーン・ビーンが扮している。ショーン・ビーン。どうしたのか、炎の英雄シャープ。逆ギレか。でも、常に下からライトの当たる状態で見る彼の顔は冷淡で悪辣そうで、表面的な紳士っぷりの穏やかさとあいまって、印象的な存在感を醸していた。そして、いつもどの映画でも涙グシャグシャで泣きじゃくる大男・マイケル・クラーク・ダンカンなど脇も癖がアリアリである。ちょっとクスっと来たのは、クローン・ユアンが本人(本体)に会うシーンで、クローンの方には訛りがないのに、本人にはスコットランド訛りがある。これはユアンの思いついたお遊びだったらしいが、確かにキャラ分けを明確にする役には立っていたかもしれない。
施設を抜け出した二人は博士の雇った追っ手に追われながら必死で逃げ回り、寄り添って雨露をしのぐ。そうするうちに二人は初恋の少年少女のように思いを通わせ、まるで初体験ものの「青いなんとか」シリーズのように初めて唇を触れ合わせ、本能に導かれて結ばれる。このシーンの撮影でスカヨハは爆弾おっぱいを出してもいい、と言ったそうだが、なぜかマイケル・ベイはそこまでせんでもいい、と止めたとか止めないとかで、結局彼女はブラをつけてラブシーンに臨んでいる。本人がいいと言っているのに止めることはない。爆弾おっぱいは賞味期限が短いというのに…残念。
最終的には、二人は自分たちだけ逃げおおせるんじゃなくて、仲間も救い出そうと施設に戻り、目論見どおり仲間を「解放」する。そして白いピタっとタイツのクローンたちはワラワラと外の世界に出てしまう。ユアンとスカヨハは、手に手を取り合って、二人南の楽園―アイランドに向かう。(アイランド行きとは、クローンにとっては死出の旅路の暗喩だったのだが、結局は、二人で本当の楽園行きとあいなるわけだ)なんだかもう二人の愛ランド状態である。その過程で、クローン・ユアンは自分の本体を間接的にせよ殺してしまうし、ただ施設からクローンが解放されただけでは、何の解決にもなっていない。もっとメッセージ性をこめた内容にしようと思えば、そちらに発展させることもできたはずだが、いかんせん、マイケル・ベイ。そんなことを期待しても仕方が無い。まあ、ワタシとしては久々に引き締まったユアンが見られたというだけでも二重丸。だって、ユアンときたら、ちょっと目を離すとすぐに太ってしまうのだもの。

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