「トゥームレイダー」

~ファザコン娘のマッスル大冒険~
2001年 米 サイモン・ウェスト監督


逞すぃララ

前に一度、サササっと見たと思っていたけど、今回見てみたら殆ど覚えているシーンが無かった。居眠りでもしてしまったのかもしれない。だから、けっこう新鮮な気持ちでレディ・クロフトの大冒険を見た。多分、前に見た時は冒頭のいかにもゲームっぽいロボットとの格闘シーンで眠気を催して、そのままうつらうつらしてしまったんだと思う。にしても、なんたら卿の娘、という設定ほどアンジー・ジョリーから程遠いものはあるまい。あのクチビルに、あの爆弾オッパイである。でも、鍛えぬかれた肉体でこれでもかと身体能力を誇示するアンジー先生にはさすがの一言。あの両側の回廊から伸縮ゴムみたいなので釣り上げられて、くるくると回転しながら上下するエクササイズ(サルティンバンコか中国雑技団かというようなシーン)を撮影するには、やってるマネだけでも相当全身に筋肉がついていないと出来なかろうと思われる。
にしてもアンジー。男前である。常に肩をいからせノッシノッシと歩いてくる。彼女があまりに男前なので、彼女の周囲の男は卑怯者になるか、去勢されてしまうか、おとなしく庇護されるかのいずれかしか道はなさそうである。まあ、アンジー先生のララ・クロフトをいかにカッコよく見せるかがテーマの作品なのでそれでいいのだが、見ていてあまりに超人的なので、ちょっと頑張り過ぎじゃないの?もうちょっと肩の力をお抜きなさいな、と思ってしまった。これじゃ男の出る幕はない。ララが唯一真剣で必死な表情を見せるのは父親の前でだけなのである。そういえば、これは父娘共演でも話題になった映画だったんだっけ。

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ジョン・ボイト

父・クロフト卿の役でジョン・ボイトが出ている。確かこの父娘にはなんらか確執があったような話も(よくある話だけど)聞いたことがあるが、二人のシーンではアンジーの方が感情がこもって見えた。が、娘は肉体の爆発力は凄いが、イギリス英語はどうもあまりサマになっていない。親父さんはさすがに年季の入ったアカデミー賞俳優。ちゃんとイギリス発音でセリフをこなしていた。でもこの父娘、やはり何となく似ていると思う。

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登場シーン

そして、ダニエルのアレックス。アンジーがマッスルなお色気とアクションと全部受け持っているので、殆ど何の為に出ているのか意味不明なことになっているが、ルックス的にはカワイイし、オークション会場の階段でララに声をかける初登場のシーンでは、「お!ダニエル、またもいい声で」とニヤニヤさせてくれる。そして、お約束の意味不明なシャワーシーン。アンジーのシャワーシーンも冒頭にあるのだけど、それよりもなんだかダニエルのシーンのほうが密度が濃い感じがするのは気のせいか?その後の上半身裸のシーンもけっこう長く、ダニエルは全身からぽっぽと湯気を立て、髪からは雫を滴らせ、ララにデレついた表情を見せる。腹筋がくっきりと割れていて鍛え過ぎで膨れていないのも頃合な感じ。デビルマン不動 明の腹筋を子供の頃に漫画で見て「腹筋てこういう感じなんだ」とイメージした通りの腹筋である。ワタシはこれを「永井 豪的腹筋」と名づけている。濡れた短い髪のつむじのあたりがちょっとハゲっぽいのもご愛嬌。誰に対しても威嚇的なアンジー・ララがアレックスには「しょうがない坊やちゃんね、うふふん」という様子を見せる。けっこういい相性のマッスルコンビじゃないかと思われるのだけど、アレックスに見せ場はなく、あくまでもララの引立て役に過ぎないし、ララにとっては何やら小癪でかわいいペット君、という感じか。キャラ設定もあるのかないのか曖昧で、金のためにはなんでもする、というほど強欲な感じもしないのだけど、ララを裏切って秘密結社一味に加担したりして、途中からまたいつしかララに寄り添ったりいやはやなんとも、である。でも、そういう曖昧なキャラがそれなりにハマっていたりするので、この頃のダニエルにはそれが相応だったのかもしれない。今より若く、まだシワも少なめでカワイイので、ルックス的にこの頃のダニエルはポイント高め。水中キスシーンは確かに、あのヴェニスの水底を一瞬、思い起こさせた。

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キューティー・ダニー

ララはパパ恋のファザコン娘である。彼女が求めているのは父親と過ごす時間だけでそれ以外には何も必要ではない。だから余計にダニエルのアレックスは宙に浮いてしまい、最後のシベリアの洞穴を出てからはもう登場もしないのである。私はイギリスの屋敷に戻ったら、二人で天蓋付きのベッドでイチャイチャしているシーンぐらいあるのかと思っていたのだけど、ここまで見事に消えてしまうとは思わなかった。きっとアレックスの扱いについては当初の予定と変り、編集段階で最終的にララにあまり深く絡まないようにしたんじゃないかなという気がする。だってねぇ。いかになんでも、これでは血の滴るようなレアステーキ(アンジー)の横に添えられたポテトのような扱いである。(添え物の割に中途半端に美味しそうなので、益々微妙なことになってしまうのだが)いずれにしてもヒロインがここまでマスキュラーでは、どうあっても男など添え物でしかなくなってしまう。

それにしてもアンジーはとことんクチビルと爆弾オッパイを強調していたなぁ。最後に崩れ落ちる洞窟から抜け出す時、スローモーションになるので、ゆっさゆっさと揺れるオッパイがあまりにも重そうで、身軽に走るためにはもう一回り小ぶりじゃないとイカンなぁ、などと余計な心配をしてしまった。彼女がラストで被っていた帽子と白いワンピはちょっと良かった。

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