「トゥームレイダー2」

~虚虚実実 宿命の男と女~
2003年 米 ヤン・デ・ボン監督



劇場公開時には全く興味がなく、春頃スタチャンでダーダーと「トゥームレイダー2」を流していた時も、またこんな物を何度も流しおってと悉くスルーしたのだが、Gサマにハマった今チェックしてみると、なんと出ておられたじゃないですか。Gサマが!全く、油断もスキもあったもんじゃない。そうそうスミからスミまでチェックしていられるもんじゃなし。というわけでまたかよ!と思うほど流れていた時には一度も見ないで、今頃になってクルーカットのGサマを見たいばかりに、半額でもないのにレンタルしてくるハメになってしまった。
冒頭の雰囲気からして一作目よりはちゃんとしていそうだな、という感じ。今回のお宝は「パンドラの箱」。またエライものを担ぎ出したもんである。パンドラの箱の場所を示すというメダリオン+黄金の珠の争奪戦が繰り広げられ、ギリシャの海でマッドサイエンティスト、ライス教授の手先に一敗地にまみれて珠を奪われ、命からがらおうちに帰るララから始まるのも少し小気味いい。今回はララの憎々しい一人舞台じゃなく、彼女が時折女としての可愛さを見せるのも特徴である。一作目の反省を踏まえたものであろうか。
それにしても海の底から海面に出るために、自分の腕を切って血のニオイで鮫を呼び、寄って来た鮫を殴りつけて威嚇し、そのひれに捕まって水面に出るなんて、鮫漁師ハッサンの冒険じゃあるまいし、相変わらず超人的なレディ・クロフトではある。

が、予想していたよりは映画そのものも面白かったし、期待のGサマはバッチリと男前で見せ場も十分あった。一作目では中途半端に現われ消えて、何やらレディ・クロフトの大ひとりよがり大会のサシミのツマにされていたダニエルに比べると、この2作目では、Gサマの陰影あるキャラは大いに立っているし、ララに助っ人を頼まれる「対等」の男である。まぁ、あの天下ご免のアンジーを向こうに廻して男を張れる俳優はそうそういない。だからザ・男気Gサマの出番とあいなる。納得。Gサマ演じるテリーは元イギリス海兵隊将校だが、ふと嫌気がさして国を裏切り、傭兵になった男という設定である。男として魅力的だが、人として信じていいのか分らない。ララが惹かれながらも用心する所以だ。

カザフスタンの刑務所に、肩を怒らせたアンジーが白いコートでこれみよがしにノシノシと入っていくのが俺さまララさまな雰囲気充満である。そして、Gサマはというと、登場のしょっぱなから独房の鉄格子天井にぶら下がってエクササイズしておられた。今回もよく鍛えられたお体。刈り込んだクルーカットが非常に似合っている。Gサマはクルーカットが一番だ。間違ってもパーマなどあてて毛先をくるくるさせてはいけない。小さい頭部が余計に小さくキリっとして、鍛えたマッスルにもよく映える。そして、ララに「クロフト」と呼びかける。やはりララの昔の男である。(全く男前ばかり何人も。一人寄越しなさい)

とにかく、この二人は互いに相手が生涯に一人しか会えない究極の相手だということを知っている。互角の能力を競い合うのも前戯のうちといわぬばかりである。しかし、中国奥地でバイクに乗っていても、すぐにデッドヒートが始まるし、何かといえば挑みかかってくる女だから油断もスキもない。テリーが「俺たちは似たもの同士だから惹かれ合うんだ」と言うが、まさに似た者同士でないと、疲れて死んでしまいそうである。

ともあれ、Gサマ。カッコイイ事限りなし。何を着ててもスっとしたお姿で、やはり姿が良いというのは有利なことである。クルーカットには革ジャンもよく似合う。程よく着くたびれた革ジャンの下からすっくと伸びた長い脚。彼の横にいると、さしものララもちゃんと女に見えてくる。

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このロングな脚!

今回はロマンス部分も話の中で生きているのが一作目より仕上りがいい要因でもある。俺といた4ヶ月は最高だったろう?と言うテリーに5ヶ月よ、とララが言う。突如傭兵になって去ったテリーの方から消息を絶ったのだろう。5ヶ月よ、という短い言葉にララの女心がチラっと覗く。俺達は同じコインの裏と表なんだ、と言うテリー。まさにそんな感じの二人である。お互いに相手が最上と思いつつも、その相手に対して一瞬も気を抜けない腹にイチモツの二人。スリリングな関係がピリっとスパイスのように効いている。

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いつになく可愛いぞ

アクションも中国奥地の崖の上からシューっとさかさまになってロープを下ってくるシーンや、香港のビルの上から手と脚にヒレのついたウェアで、身一つでヒューっと滑空していくシーンなど(これは観ていて凄く爽快)、身体能力の高い二人が互いの力量を測りながら、スリルを楽しんでいる感が溢れている。

二人が虚虚実実のやり取りをしながら、ラブシーンに縺れ込むのもなかなかロマンティック。二人とも鍛えられたキレイな体をしているので見ごたえがあるが、 Gサマは少し遠慮気味な気配もほの見えてかわいらしい。この二人がただ漫然とラブシーンをするわけもなく、Gサマは油断もスキもないララに機先を制されて手錠をかけられる。
「愛しているから俺を撃てないだろう」というテリーに「撃てるわ。だからここで別れるのよ」とララが答えるシーンで、初めてこのオレオレなヒロインをちょっといいなと思った。

ラストはなかなかドラマチック。そのためにずっと駆引きしてきたパンドラの箱をめぐり、男としては愛しながらも人としてどうしても信じきれない男・テリーに、アフリカの洞窟でララはついに永遠の別れを告げるのである。

Gサマ作品としてはコテコテハリウッドの冒険活劇なれど見せ場満載でワタシ的には満足だった。DVDさえ欲しくなった。あり得ない。レディ・クロフト物だのに。

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