久々の山田節 「ありふれた奇跡」



ネクラの倉本大先生に続いてフジの開局50周年記念第2弾で
山田太一脚本のドラマ「ありふれた奇跡」が始まった。
目黒で同僚と軽く飲んで帰ったら、ちょうど始まったところ。
コロっと忘れていたけど8日が初日だったのだ。
山田太一というだけでは観なかったかもしれないけれど、
仲間由紀恵と加瀬 亮という顔合わせにはちょっと食指が動いた。
おまけに八千草 薫に岸部一徳が出るとあっては、kiki的には役者がツボ揃い。

仲間由紀恵と加瀬 亮の会話は、モロにあの山田節。
相手や自分の事を「そっち」とか「こっち」とか言わせるのも昔のままだ。
「ふぞろい?」でもみんな盛んにそんな感じで呼び合っていたっけ。独特。

加瀬 亮はあっという間に山田節に乗って、自分のリズムにしていたけれど、
仲間由紀恵はまだちょっとぎこちない。フィーリングが掴めてない様子。
にしても、山田太一が好きそうなタイプの女優ではあると思う。
この仲間由紀恵のおばあちゃんに八千草 薫。万年乙女もついに年齢のままおばあちゃん役に。
八千草 薫は山田太一の永遠の憧れの人だとか。
やっぱり最後の連ドラにはどうしても出て欲しかったんでしょうね。
そして、ガァガァとむさくるしいオヤジながら、昔から山田太一がよく使う贔屓俳優の井川比佐志も出ている。井川は加瀬 亮の爺さん。ムッツリスケベみたいで家族から浮き上がっている加瀬の父で風間杜夫。
双方、祖父と祖母の世代が同居している家庭だが、どちらも何かが欠落している家族。

一徳さんは由紀恵のオヤジさん役。加瀬のオヤジさん役の風間杜夫ともども、
オヤジさんに何か問題アリな様子。
この先の展開はいかに? 
一徳さん、今後何をやらかしてくれるのかな…ふふふ。

それにしても、加瀬 亮って上手い。
朝、おはよう番組の番宣で陣内孝則が加瀬について、「平凡を演じられる非凡な俳優」と評していた。
言い得て妙。うまいなぁ、陣内クン。 伊達には映画監督してないのねん。

8日の朝、おはよう番組のスタジオに出てきた主演の二人を見て、加瀬 亮って案外、小柄なのね?と驚いた。イメージ的には瑛太ぐらいな背格好じゃないかしらんと思ってたのだけど、ハイヒールを履いた仲間由紀恵とほぼ同じぐらいな背丈だった。顔も小さいし、小柄だし、街を歩いていてそこいらですれ違っても絶対に気付かないだろう。街の中で紛れてしまうだろう個性。それこそが加瀬 亮の強力な武器。

筋立てはいつものように、些細なところに引っ掛かったり、拘ったり、ちょっとしたおせっかいを交えたりしつつちまちまと進んで行く。それにしても、山田太一はもう70代半ば。自分でもそんな年齢になってまだ連ドラを書くという事が信じられないと言っていたそうだけど、後期高齢者が20代の若者を主人公にドラマを書くのはしんどくないかしらん、と観る前は思ったが、なんの、これはいつもの山田節。 as usual.だから、心配しないで観ていかれそうだな、と思った。

ワタシは山田太一のドラマではNHKで放映した「シャツの店」というのがけっこう好きだった。鶴田浩二が頑固な下町のオーダーメイドのシャツ職人で、名人気質で横暴な夫に愛想を尽かして家を出てしまう妻が八千草 薫だった。この二人の息子にデビュー間もないあたりの佐藤浩市。その彼女に美保 純。鶴田の弟子のシャツ職人見習いで平田 満が出ていた。(ワタシ、この人好きなんですのよ)
お馴染み井川比佐志も八千草さんに惚れる男の役で出ていたっけ。八千草奥さんの望みは旦那に一日一回、「愛している」と言わせる事、ってオイオイって感じだけど、こういう熟年の奥さんが夫の愛情を求めて焦れる、みたいなのは山田太一ドラマお得意のテーマのひとつなのだった。

ネクラモト先生も、山田氏も、このフジの50周年記念番組で連ドラを書き納めにするとのこと。ひとつの時代が確実に終わりつつある。向田邦子が生きていたら、第3弾は彼女に依頼が行ったのかな、などとふと思った。

コメント

  • 2009/01/10 (Sat) 07:46

    おおっ!無事観れて良かったですね。
    今、「TVドラマ」で加瀬亮を観れるという事だけでも価値ある番組。昨年チラッとドラマの予告を目にした時は、てっきりスペシャルものだと思ってただけに、連ドラとは…しかも山田講釈(公爵)脚本とあれば昨今TV離れなワタシも9:59にはTV前にてスタンバイ!グハッ。
    エンヤの音楽も良かった!あれは冬の設定だと思われるけど、周りの緑が青々してて仲間さん暑かろに…ご苦労なこったです。
    ワタシはネクラモト先生も好きなんだけど、久々に耳にした山田節にも懐かしさ、よろしく哀愁感じました。そう!八千草薫でニンマリ~。一徳がベットに隠した物がナンだったのか?!あやしぃー!で、で、仲間さんの携帯は無論auざんしょね。

    • 吾唯足知 #uqr/pqJA
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  • 2009/01/10 (Sat) 09:40

    吾さんもやっぱりチェックしてたのねん。ふふふ。加瀬 亮は連ドラには出ない方針の俳優なんだってね。兄貴分の浅野にならって。でも今回は出て得したんじゃないかしらん。正解のチョイスだと思われます。加瀬クンと爺さん役の井川比佐志の掛け合いが、いい味出していきそうな気配。一徳さんからも目が離せないし、ちと楽しみです。山田太一は浅草生まれで下町出身なのに、山の手の話が得意。逆に山の手出身で坊ちゃんのネクラモト先生は下町のオヤジみたいよね。この二人、対照的なようで実は似てたりするのかもね。こだわり屋さんで。 仲間ちゃんの携帯に限らず、この中の携帯はauオンリーだったりするんじゃない?エンヤもドラマに合ってたね。

  • 2009/01/10 (Sat) 22:47

    あぁ~変わらないなぁ山田節! 私も見始めてすぐに思いましたよ。そう、おじいちゃんと孫の夕食のやりとりや父親(岸部)と娘(仲間)の会話、kikiさんも指摘してる主人公二人の会話も、聞いてて思わず「ふふっ」と笑ってしまった。リアルなセリフで定評のある山田ドラマだけど、今時の20代の子の話し方はもう少し違う感じかなぁ、とも思ったりして。
    訳ありな中年男が若者に心をひらいていく、というパターンも多いですよね、山田作品。
    これからどんな展開になっていきますかね。

    それから舞台となった駅、隣のY市のあの駅だわ!と別な発見もありまして、そっちも楽しみだったりなドラマです。

    「シャツの店」はちゃんと見てないんですよね。この頃は何かと忙しくて見る暇がなかったせいもあるけれど、「男たちの旅路」での鶴田浩二のイメージがあまりにも強かったからかな。ただ実際の彼はこの主人公の性格によく似てたそうですよね。気難しくてわがまま?






  • 2009/01/11 (Sun) 22:00

    ジョディさん、そうそう。セリフはいまどき風じゃなく、常に山田節なんですわね。それは昔からそうで、とにかく独特のクセがありますね。それが特有のリズムを生むんですけど、たまにウザいときもあったりして(笑)そうそう、ワケアリ中年男が若者に心を開くっていうパターンもありますね。ジョディさんのお好きなあれね。「早春スケッチブック」とかですね。ワタシはあの頃、ちょっと筒井道隆好きだったんですよ。だけど、世評の高い「男たちの旅路」は暑苦しくて実はあまり好きじゃないんですよ(申し訳なし)鶴田に毎回説教されてもねぇ…という気分になっちゃって。でも下町のシャツ屋のオヤジ、けっこうハマってましたよ。かみさんの突然の反乱に弱り果てる頑固オヤジ。対照的な男として杉浦直樹が出てきて、これもいい味でした。
    「ありふれた~」に話を戻すと、あの騒ぎの起きた駅は、ジョディさんの隣町の駅なんですか?そういう事があると身近な気分になって見ちゃいますわね。

  • 2009/01/12 (Mon) 15:44

    ふふふ、kikiさんが「男たちの~」が苦手というのは何となくわかりますよ~。たしかに説教くさい!けどそれが良くてね。シリーズ開始当時が多感な高校生だった事もあって、真剣に考え見てたドラマです。NHKでは他に笠智衆の「長らえば」、これも良かったですね。

    「早春スケッチブック」は実を言うとそれほどの思い入れはない・・・(笑)んですが、死が近いカメラマン(主人公の実の父親)の役が合ってましたね。それと主人公は鶴見辰吾でした? 
    筒井道隆は私も好きでしたよ~(初め名前を見たときはてっきり筒井康隆の息子だとばかり・・・笑)。けっこうファンは多かったんじゃないかな。「あすなろ白書」は石田ひかりと彼(掛井クン)が最後まで結ばれなくてホント切ない。西島秀俊がまた複雑な役どころで儲け役だったかな。

    ちょっと脱線しましたが、山田太一がよく使うセリフで印象に残ってるのは「そうかな?」「~じゃないかな?」。特に「ふぞろい~」では中井貴一が頻繁に言ってた記憶があります。

    kikiさんには「思い出作り」是非見て欲しいですね。三人の娘(森昌子・古手川佑子・田中裕子)が幸せを掴むまでを描いたもので、やっぱり太一氏は上手いんですよ、面白いです! ほんと機会があったら是非是非。
     
    面白いと思ったドラマで、あとで「あ、やっぱりこれ山田太一脚本だったのか」という作品が結構あるんですよね、萩原健一がマカロニでブレークする前に出たNHKの単発ドラマ(西村晃共演)とか。「高原にいらっしゃい」もずっとあとになって知ったんですけど。
    とと・・・またコメントが長くなってしまって.。この辺で失礼します。






  • 2009/01/12 (Mon) 20:50

    筒井道隆が山田作品に出たのって、あ、そうか「丘の上の向日葵」でしたね。違うと言われて思いだした。(笑)「早春スケッチブック」はワタシも殆ど見てませぬの。「丘の上の向日葵」も薫サンも出てるのに漠然とした記憶しか残ってないなぁ。筒井道隆もある時期から急に地味になっちゃいましたね。それはそうと、ワタシの世代ではなんといっても山田太一といえば「ふぞろい~」なんですね~。子供の頃に観た「岸辺のアルバム」も懐かしいです。あれ多摩川沿いの話だからあまり遠いところじゃないしね。(笑)あと、山田作品では前にジョディさんから伺ったコブシさんがタクシー運ちゃんをやっているという「タクシー・サンバ」が観てみたいんですが、う~ん、いつになることか。チャンネル銀河あたりに期待ですかね。「想い出づくり」は昔、漠然と観た記憶があるんですけど、主演の3人のうち田中裕子を除く二人が苦手なもんでちゃんと観なかったのかもですね。オトナになって今観れば別な感想がありそうですが。
    売れっ子爺さんだった笠さんは、「ながらえば」の頃、さかんに山田作品に出てましたね。宇野重吉が旅館の主人で出てくるのはこれでしたっけ。入院している奥さんに会いにいく話でしたね。「オマエノ ソバニ オリタイ」って。なんか語りだすと止まりませんわね。あまり意識したことなかったんだけど、けっこう好きだったのか山田ドラマ。(笑)

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