霊感はないものの…

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ワタシはいわゆる「霊感」というものを全く持ち合わせていないらしく、そういう類のものを見たこともないし、感じたこともない。ホラーやオカルトも苦手でその手の映画も見ないし、本も読まない。
でも、霊感の強い人の話を聞いている分には面白いので興味深く拝聴する。
昔、職場の年若の同僚に霊感の強いMちゃんという女性がいた。
猫を思わせる大きな瞳のきれいな子だったが、確かに独特の雰囲気を持っていた。彼女は 霊の声は聞こえないが、姿は見える、と言うのである。姿は見えないが気配だけを感じる人など、霊感の強い人にも様々タイプがあるらしい。そして、「ゴースト」という映画で、主人公が自分が死んだことになかなか気付かず右往左往するシーンがあるが、あれは「ほんと、そうみたいよ」とMちゃんは言う。彼女によれば、あの世の人になっているのに「生きてる人に混ざって、死んだことに気付かないでフツーにそこいらを歩いてたりする」霊界の住人はけっこういるらしい。
昼日中でも?とワタシ。
「うん、全然フツーに」とMちゃん。
なんで、その人があの世の人だってわかるの? と訊くと
「ただ、なんとなく分るのよ、そういうのは。あ、あの人はそうだなって」とMちゃんはのたまった。

彼女は群馬の出身で、実家は古い建物らしいが、その実家の彼女の部屋にも女の霊が取り憑いていて、盛んにポルターガイスト現象などを起こしたんだそうな。Mちゃん曰く、
ベッドに寝ていると天井に大きな女の顔がドーンと出る
とか、棚や机の上のものが払い落とされてたり、場所を動かされたりする
とか、引出し類をバタバタ開閉する
とか噂に聞くいろいろな現象には悉くでくわしたらしい。
彼女が高校生時代に最もそれが激しかったらしく、日毎にどんどん悪さが募るのである日、頭に来て大声で怒鳴りつけた。「あんた!いい加減にしなさいよね!!」って。すると、翌日から悪さは鎮まってきて、そのうちにコトリとも音がしなくなったらしい。
「今はまったく静かなもんよ。たま?に実家に帰るけど、もう気配がない。短大に行く頃には私の部屋からは去ってた感じ」と涼しい顔のMちゃん。
でも、霊には怒鳴ると効くらしい、というのは前に景山民夫のエッセイでも読んだことがあり(「嫌な奴は怒鳴りつけろ」角川文庫「普通の生活」所収)彼女の話を聞いて、そういう事って霊感の強い人の間では普通にあることなんだろうなぁと、妙に納得したワタシであった。
その他、霊は夜景のキレイなところを好む、とか電磁波の強いところには寄りつきやすいからTV局には沢山いるらしい、とか門外漢には面白い話も聞けて、ランチタイムには彼女の霊感話で連日盛りあがっていた。Mちゃんは夜景スポットにデートに行って、よく霊界の方々があちこちにいるのを感じたらしい。皆さん、夜景スポットにはご用心ですぞ。(笑)

そんなある日、ワタシが家に帰ってなにげなくTVをつけたら何もしないのに音声のボリュームが一気にMAXまで上がって大音響になった。慌ててスイッチを切ったが、横浜で一人暮らしをはじめてすぐの頃でワタシのほかには誰もいるわけではない。なんだろうと思いつつ、そのままにはしておけないので再度スイッチを入れ、素早く音声の?ボタンを押しつづけて適正なボリュームに下げた。が、そんなワタシをあざ笑うかのように、また、一呼吸おいて何もしないのにボリュームはMAXまでビーっと上がったのである。「わ???!!」と反射的にスイッチを切りつつ、思わずあたりを見まわした。いつもの見なれた自分の部屋で特に異変はない。電波異常とかが起きていたわけでもなかったと思う。面妖なので、その日はもうTVはそのまま消しておき、朝もつけずにそのまま出社した。
会社に着くなりMちゃんに、こんな事があったよと話すと
「あ?。それはkikiさんちを通過してったのかもね?。通り過ぎざまちょっとからかっていったんだよ、きっと」とニヤニヤしている。そして、「このところ、毎日そっち系の話ばっかりしてるじゃない?そうするとさ、霊が寄ってくるんだよね。自分のこと、分ってくれると思うらしいのよ」と言った。
おいおい、マジかよ。
時あたかも夏。お盆の時期だったかどうだか定かではないのだが、そんな事もあるのかどうか…。
そういえば、Mちゃんはあっさりとしたスモーカーだったが、喫煙を始めたキッカケというのが、寄りついてくる霊を払うためのお香の代りになると思ったからだ、というのだから人生いろいろである。

その日帰ってこわごわTVをつけ、MAXになっていたボリュームを素早く落し、身構えながら様子を窺ったが、もう、今度は何も起きなかった。それ以降そのような事は起きていないし、別の怪しい事柄なども身辺には起きていない。後にも先にもその時1回きりの面妖な出来事なのだけど、それだけに、時折ふと、あれは一体なんだったんだろうか、とトワイライトゾーンに思いを馳せるワタシである。なんだったのかなぁ、あれは。

※この記事もWordで下書きを終えて、さぁ保存しようとしたあたりでいきなり「エラーによりソフトを終了します」とメッセージが出てきてWordがダウンしてしまった。フォルダをみると保存した文書のタイトルがあったので、開いてみると文字は化け化け。結局、PCを立ち上げなおし、再度記事を書きなおすハメに…。これって、もしかして、何かの仕業? きゃ???。

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