kiki的ハノイ紀行-2 街歩き そして買い物編



到着日は非常な暑さと湿度の高さで、ホテルの室内のエアコンを18度に設定してもさっぱりエアコンが効いている気配がしなかった程に暑かった。予想はしてたけどこれはカナリ厳しいぞよ?、とこの先の暑さに怯えたが、翌日のハロン湾は現地に着くとやや曇りで涼しめ。鍾乳洞を巡って帰路は晴れて暑くなったけれど、到着日ほど蒸し暑くはなく、夜、ホテルに戻る頃には夕風で涼しくなった。2日目の深夜にスコールが降り(ワタシは例によって爆睡して知らなかったが、相棒がスコールの音で目覚めたらしい)、3日目は朝から涼しく快適だった。この日は1日に4度スコールがあり、終日涼しめで街歩きにはよい日だった。



というわけで、3日目は散歩と買い物のハノイほっつき歩きDay。
泊まっているホテルがある旧市街は元は李朝時代の城下町だった一角で、フランスの植民地時代に建ったコロニアル建築も多く残るエリア。当時のままのものを現在も工夫しながらそのまま使っている。景観保存地区になっているとかで建物は勝手に建て替える事はできないとか。確かに重要な観光資源ですものね。建て替えちゃいけません。






雑貨を買うならホーチミンの方が店も種類も豊富なようだけど、ハノイも悪くなかった気がする。旧市街は職人街があり、通りごとに商うものが違う。おもちゃの店ばかりがひしめいていたり、履物店がずらりと軒を並べていたり、ブリキの厨房用品を手作りしている店が並んでいる通りがあったりして面白い。36業種のなりわいが通りごとに分れているため36通りとも呼ばれるらしい。

 
左はおもちゃ屋さん 右は楽器屋さん


これは…何屋さんだろ?


***
さて、ここでお金の話。ベトナムの通貨はドンで、現在の対日本円レートでは1円=197ドンあたりで推移している。日本ではドンに変換できないので、ベトナムに到着した日にノイバイ空港で少し替えた。ベトナムには硬貨というものが存在しないらしく、小銭まで全てお札で来る。でも感覚的にお札だと小銭という気がしないので、ドンの相場に慣れるのにとまどった。だってお札で10000ドンというと、日本人はどうしても感覚的に10000円に相当する貨幣価値を想起してしまうが、10000ドンはホテルでのチップに頃合の額で、日本円にしてなんと50円程度の小銭なのである。5000ドンや1000ドンなどは小銭中の小銭だが、お札には全てホー・チ・ミン先生の肖像が恭しく刷り込まれていてなかなか立派なので、余計に小銭だという気がしない。当初、小遣いは全てベトナムドンに替えるつもりだったが、街中では予想以上にドルが流通しており、ドルの方が余った際にも円に戻し易いので、ドンは控えめに換金することにした。


ベトナムのお札 立派そうだが、みな小銭

相棒はベトナムドンで価格表示されているものをドル換算する時は細かいはしたを切り上げている気がする、と言う。細かい事に気がつくねぇ。ドンは切り下げ、ドルは切り上げ気味に価格をつけているのかもしれない。ドンを余らせないように調整しながら、店や品物によってドンで払ったり、ドルで払ったりした。品物はどれもきちんと造ってあり、雑貨はどれもこれもセンスがいい。ベトナム人は仕事が丁寧だ。おハイソ系のクラフトショップなども覗いたが、あまりにハイセンスでモダンでクールなデザインだと、ちょっと面白みがない。東京で買ってもハノイで買っても同じな気がしてしまう(価格は相当違うけれど)。少しプリミティヴなテイストも残っていた方が旅先の思い出にも繋がって好ましい気がした。



オシャレなお店のオシャレな食器 …ややオシャレ過ぎか



左は室内履きとして買ったうるしのサンダル 右は定番バッチャン焼きの茶器セット





かなり気にいって二日連続見に行ったホーム・デコアの店「Magnolia」
クッションカバーやテーブルセンターなど好みのデザイン目白押しで大喜び


こういう刺繍入りバッグも仕事が丁寧で配色がいい

それにしてもけっこうちゃんとしたものが安い。ふと金持ち風を吹かせて、貧しい人たちから搾取しているような気分にもなってしまいそうだが、外国人にジャンジャンと物を売って外貨が入ればベトナム人のためにもなる。その昔、1ドル360円時代の日本に来たアメリカ人が味わったのは、こういう感覚かもしれないな、とも思ったりしたが、1ドル360円は1円197ドンといい勝負の経済較差だ。日本も長くぼったくられていたものである。でも、その含羞や、もの静かで穏やかな雰囲気、貧しくても卑屈にならない様子など、ベトナムの人々には、昭和20年代から30年代初頭の日本人はこういう風だったのではないか、と思わせるような空気があった。日本人が経済発展とともに喪ってしまった何かをベトナム人の中に漠然と感じるので、アジア諸国の中でも特にベトナムには癒しのような感覚を覚える日本人が多いのかもしれない。少なくとも、ワタシはとてもベトナム人のありように好感を持ったし、なにがなし懐かしさのようなものさえ感じた。




ところで、ハノイ、殊に旧市街では舗道は舗道の用をなさない。舗道は殆どバイクの駐輪場と化しているし、露店や、フォーの店のオープン席になっている場所もあったりして、舗道は殆ど歩けないので、歩行者は車道の端をゆっくりと歩く。このゆっくりと歩く、というのがポイント。なにせ信号もない通りばかりなので、交差点などでもけして走ってはいけないのだ。バイクや車は、牛のようにのそのそと歩く人をよけて走る事に慣れているので、ゆっくりと歩いていれば向うで勝手によけてくれる。こっちが走るとバイクも焦ってどっちによけていいか目測できなくなるのでアブナイらしい。郷に入っては郷に従え、でございます。ワタシはあまり野放図に車を縫って道を横断するという事が好きではないタイプ。(逆のように見えるらしいけど、そういうところは案外慎重なA型なんざます)当初は左右にひしめいているバイクの只中を突っ切っていくのがどうも苦手だったのだが、1日歩きまわると慣れてしまった。とにかくのそのそ歩けば大丈夫だし、あまり交通が多い時は少し空くのを待てばいいだけなのだ。



ベトナムといえばこの姿!というぐらいに印象深いが観光用にやっているのではなく、これはベトナムの日常。リアルな生活のスタイルなのである。

路上ではとにかく物売りの人が目に付く。色々なものを天秤棒でぶら下げて売り歩いている。その呼び声も控えめでけして押し付けがましくない。果実売りと花売りが目立った。











花は圧倒的にユリが多く、国の花でもあるらしい蓮も売られていた。蓮の花は蕾でも美しく、ハノイに家があるなら毎日でも買いたいと思ったほど。さすがに観光客ゆえ蓮の生花を買うわけにもいかず、涙を呑んで見送った。泊まっていたプチホテルもロビーに生花を絶やさないユリの香りのするホテルだったが、ホテルの前を通りかかる花売りから買うんだろうな、などと思ったりした。



今回、アオザイなど、衣服は買う予定がなく(買って帰っても着て行くところもないし)一切見なかったが、いい感じのワンピースなどを売っている店もあった。しかし、どれもこれもかなりの細身でないと着られそうもないシロモノだった。


いい感じのワンピースを揃えていたブティック しかし細作りだ

街でもそうそうアオザイさんを見かける事はなかった。日本で殆ど着物姿を見かけないのと同じ理屈なのだろう。中年以上でチャイナ服の上着を着ている人はいたが、大抵はTシャツ姿。でもベトナム女子は細身でキュートな感じの娘が多かった。トラン・アン・ユン監督の映画(「青いパパイヤの香り」や「夏至」など)に出てくるような美人はさすがにあまり見かけなかったが、笑顔と声が可愛い女の子が多かった気がする。みな、ストレートの黒髪を後ろで束ねて、細身の体でバイクに跨ったり、物を売ったりしていた。街でふと、前を歩いていくスラリとしたアオザイさんを見かけたので慌ててシャッターを押したが、無念にもぶれてしまった。



ホテルかレストランか、そういう衣装が求められる場所にお勤めなのだろうけど、なかなかのバックシャンぶり。木陰の道を携帯を見ながら、涼しそうに歩き去っていった。

kiki的ハノイ紀行-1
kiki的ハノイ紀行-3

コメント

  • 2009/07/20 (Mon) 22:08

    ベトナムと言えば「青いパパイヤの香り」だ!と思ったら、あれあれ…やはり記されておった。ムホッ
    蓮の花で思い出すのは「季節の中で」様々な色が印象的で青いパパイヤ同様、真面目な品格が感じられた作品でした。
    それにしても、サクッとベトナムへ行けちゃう身軽さは東京人ならではですわよん。こっちなら成田あたりで1泊足止めかもかも。いいね~、最高な気分転換休日となったでしょうか?ノースリーのワンピ風のアオザイなんか、とってもkikiさんに似合うと思うのに…残念ね。
    街の様子が伺える写真が多くて楽しんでます。きっとワタシは行く事ない国だと思うの、笑
    外国のお札は残ったらそれはそれで思い出の1つになるし、ワタシは割に残してくるよん。
    あの刺繍入りのバック、好き!うるしのサンダルも綺麗ね。次の紀行も楽しみに待ってるぞぉ~!

    • 吾唯足知 #uqr/pqJA
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    • 編集
  • 2009/07/21 (Tue) 07:40

    吾さん。札幌からだとハノイ直行便は出てないのかしらん。いずれにしても暑いからあなたは行かないだろうけどね~(笑)でも気温的には東京とさして変らない感じだった。湿度はもっと高いけどね。いずれにしても蒸し暑い事を除けばベトナムは良かったわ。何を食べても美味しいし、とにかく人の気質が好ましかったよ。ハノイとホーチミンで多少の違いはあるのかもしれないけどね。ベストシーズンは秋から春先なので、暑いのに夏に行く事はないんだけど、先送りしていると行かれなくなったりする事もあるからサクっと行ってきたわ。で、お言葉は有難いけどアオザイまたはベトナム製ワンピースを着るにはワタシはもうちっと痩せなくちゃって感じだな。(笑)吾さんは細いからベトナムサイズでOKじゃないかしらん。ふほ。
    で、トラン・アン・ユン監督の描く世界はまったりとして綺麗過ぎるけど、ベトナムとベトナム人のよい面を映し出しているよね。とにかくハノイでは蓮の生花を売っているのが印象的でねぇ。蓮って好きなのよ。東京でも蓮の花を売りに来てくれぬものかしらんと思っちゃうわ。

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