「坂の上の雲」を見て思うこと



司馬遼太郎の代表作である偉大な明治の群像劇「坂の上の雲」の
第一部が放映されてますわね。
ワタシは原作を未読なのだけど、周辺では殊に弟がこの小説の大ファンで
一昨年あたりから、秋山兄弟がどうしただの、日本海海戦がどうこうだのと、
時折会うと夢中で語っていたざます。
日本海海戦のくだりは、何度読んでもスカっとするとするんですと。
そりゃスカっともしましょうよ、なんたって勝ち戦ですものねん。

ワタシは秋山兄弟についてはドラマを見るまで知らなかったけれど、
実際にも立派な濃い顔をなさっていたらしい秋山兄弟。
阿部ちゃんとモックンはいいキャスティングですわね。
(それにしてもモックン、異様に分厚くなったなぁ…)

正岡子規役もイメージ的に香川照之でドンピシャリ。

その他の役もきっちりとはまった良いキャスティングだな、と思うのだけど
1つだけ、どうしても納得できないキャスティングがありますのね。

それはワタシの大好きな夏目の金さん(漱石)を西郷どん(小澤 征悦)が演じていること。
西郷どんに漱石を演じさせるって、何か根本的に間違ってやしませんこと~
漱石のイメージは、中肉中背で、あばたはあるけど彫りの深い好男子なのよ。
以前、ロンドン留学時代の漱石をドラマでモックンが演じた事があるけれど、
一応、はまってたという印象。(ドラマの出来は別として)
今回はモックンが秋山弟を演じているから漱石を演じるわけにはいかないけれど、
でも他にもっと居たでしょうに!漱石らしい人が。あの人以外に幾らでも!
西郷どんじゃ、なんだか全然違うのよね。違い過ぎるわ。
あまりと言えばあまりにも、センスなさすぎ!

 
どうして、この知的でハンサムな金さん(左)が、こんな事(右)になるのよ…

誰か軍人の役でも当てておけばいいのに、何故に彼が金さん役~
「インテリの江戸っ子」という漱石の雰囲気にはモッタリとして鈍すぎるのよねぇ。
漱石を誰が演じるのか、とても楽しみにしていただけに
この配役にはちっと(かな~り)ブーイングですことよ。ワタクシ。
子規の訃報を、一人、遠く、苦しいロンドン留学のさなかに聞く漱石の衝撃を、
シンパシーを持って見られないじゃないのよ、西郷どんの漱石じゃ。もう!



子規の妹・律さんに管野美穂というのはいいですね。雰囲気なり。
でも、この律さんと秋山弟はお互い憎からず思っていた様子で
年も3歳違いでちょうど頃合なのに、なぜ、一緒にさせようという話が
出なかったんざましょね。原作を読んでないから何ともいえないけれど、
なんだか見ていてちと不思議。秋山弟は青雲の志を抱いて東京に
出たからは、何かになるまで嫁は貰わないという気配ではあるけれど、
律女は嫁に行くのが早すぎ、という感じ。秋山弟を待ってるとトウが立っちゃうから~
明治の娘は不自由ですのう。

黎明期の明治の空気を出すべく、オープンセットや特撮にも力が入って、
かなりの予算が投入されているのがアリアリと分るこのドラマ。
NHKは昔からCG技術のレベルが高かったけれど、
今回は更に一段とパワーUPしたところを見せてくれております。
沖に軍艦だの帆船だのが停泊しているシーンなどはVFXだと
思うのだけど、わざとらしさがなく、ドラマなのに随分頑張ってるのね~、と思う。
日清、日露の戦争シーンなども、かなりの大迫力が期待できましょう。

それにしても、
明治ほど「偉大な」という枕言葉の似合う時代も他にないでしょうね。
明治維新という革命を成し遂げた余勢を駆って、近代国家として
先進国に追いつけ、追い越せ、と気合が入っていた時代だからという
事もあるけれど、明治人というのは、なんだか特別に「気骨」ってものを
持っておられたような気がしますのね。
それにまた、颯爽とした伝説的人物が多かったし。
東郷元帥に乃木将軍、軍神・広瀬中佐に児玉大将と軍関係だけでも
綺羅星のごときビッグネームが続々登場。
昭和になると、なんだか人間がちっちゃくなっちゃうって感じ。
平成なんて語るに足らず。
「気宇壮大」という形容詞はまさしく明治のもの。
青年がホンモノの「青雲の志」を持っていたのも明治時代だけのような…。
ともかく、なんとなくスカっとしてるなぁ、という印象の明治。
後に続く時代のようにウジウジ、グチャグチャしてないイメージ。

今の日本は戦後長く続けてきたアメリカ一辺倒の体制を少しずつ変えて
新しい方向に梶を切っていかなくちゃならない時期にさしかかっております。
まぁ、いまの政党じゃ甚だ心許ないけれど、とりあえず何か
新しい一歩を踏み出さないとね、という時には、やはり温故知新。
振り仰ぐ偉大な明治の物語が、何かを示唆してくれることを
誰しもなんとなく願っちゃってるのかな、などと柄にもない事を思いつつ。

それはそれとして、NHKさん。
夏目の金さん役だけはかえすがえすもチッチッチ!
ちょ~っといただけないですことよん。

コメント

  • 2009/12/10 (Thu) 13:29

    私も観てますよ~♩
    夫も大ファンで、若い時から本の方は何回も読んで、そのうち売って、というのを2回繰り返し、今回のドラマでまたマイ・ブームがやってきて、最近3度目の購入となりました。今は娘が一日80ページの勢いで読んでいます。
    そして、先日夫がサントラとドラマガイドも買ってきました。今サントラを聴きながらこのコメントを書いています。
    このドラマのイントロ部分を見ただけで、毎回感極まって涙が出ます。明治の日本のあの純粋さと、希望に満ちた気運、そして秋山兄弟のまさに「あの坂の上の雲だけを目指して」前進する志の強さにゾクゾクします。

    私も夏目漱石役の小沢さんが、「コレはないだろう」と思いましたが、夫によると、肖像画の漱石と違って、実際はあの小沢さんのような感じの人だったそうです。

    • ようちゃん #4ihH6cqY
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  • 2009/12/10 (Thu) 21:54

    kikiさん、最初の画像もらってきますね。ふふふ
    ワタシも原作知りませんが、弟曰く
    「律なんて出てこないよ」と言ってましたわよ~。
    いやいや、出番があんなにないんでしょうね。それに明治直後の旗本ってあんなに裕福?
    御頭付きの鯛なんてね。TVドラマチックなんでしょうか。
    まっ、ワタシは十分楽しんでおりますが。笑
    ちなみに吾弟は、つくばから成田近くまで乗馬に通っているので、好古役の阿部ちゃんを見ていると弟を彷彿させてしまいます。のぼ~としたところが似てるのですわ。
    夏目さん→オイドン、笑いました!

    • 吾唯足知 #uqr/pqJA
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  • 2009/12/10 (Thu) 23:57

    ハハハ、 kikiさん、小沢漱石はないですよねー。
    どうして彼はこうもNHKに買われてるんだろう?
    まさかお父上の存在がどうこうというんではないと思いますが。
    (デビューの朝ドラ「さくら」の教師役は良かったんですけどね~)
    香川照之・・・この人もよく出てますね。来年の「竜馬伝」にも。
    上手すぎてちょっと暑苦しい演技の時があったり(失礼)だけど、たしかに顔もよく似てたりして。
    モックンの真之はなかなか魅力的で好演してますね。
    男性が好きな本の上位に必ず挙げてくるの、わかりますね。
    あの長さに尻込みして私も未だ読んでませんが、一念発起して読破・・・は無理かな~。




  • 2009/12/11 (Fri) 00:10

    ようちゃん、旦那さんも相当なファンですね。ワタシは司馬遼太郎はまだ殆ど読んだ事のない作家なんですが、弟は「菜の花の沖」だとかこれとか司馬遼モノに数年前からやたらにハマって、たまさか会うと「いいぜ~」と強力推薦ですわ。とにかく、前途有為の青年は武者震いして明治という時代を生きたんでしょね。そういう感じがよく伝わってきます。逆に言えば特に何にもなりたくないという前途有為でない青年には生き辛い時代だったんでしょうけど。…で、ようちゃんの旦那さんは漱石役が西郷どんでOKなんですの~?それにはワタクシ異議ありですわよん。100年も前の人だから、実際に誰も彼に会ったわけじゃないし何ともいえないけれど、あ~んなモッサリした男じゃないと思うわ、金さんは。チッチッチ!それはありえぬような気がしまするわよん。

  • 2009/12/11 (Fri) 00:20

    吾さん。律を出したのはドラマの登場人物として女性も核のところにいないとね、という構成上の配慮かもざんすね。でも、子規の妹・律は兄想いで、のちに脊椎カリエスを病んだ兄を母とともによく面倒を看た人なので、子規が登場するなら律も出てきて不思議はないのねん。実際のところ、秋山弟とはただの幼馴染だったので縁談も出なかったのかもね。旗本の家は維新後は落ちぶれてみんな貧乏になったと思ってたけどうまく役職にありついた家もあったのでは?あの広い旗本屋敷のシーンは明治の初め頃、まだ江戸の名残が残ってた時代の赤坂や青山などについて、あぁこんな感じだったのかすぃらん、なんて想像しながら観てましたわ。吾弟くんは馬に乗るのね。いや~、阿部ちゃん、顔長いから馬が馬に乗ってるような…(失言)ともあれ、今からでも遅くないから西郷どんはやめさして欲しいなり。

  • 2009/12/11 (Fri) 00:30

    ジョディさん。でしょでしょ?あれは無いですよね。よりにもよって、なんであれが金さん役なの!?金さんに失礼だわ!と、地団駄を踏む思いのkikiでございますわ。小澤氏については、やはり偉いおとーたまの絡みでプロデューサーが無理矢理使ってるんじゃないですかしらん。使うのはいいとして、もっと無理のない役にすればいいのに。無理がありすぎ。無茶苦茶ざますわ。他の配役はなかなか良い感じですけどね。香川照之もモックンもいいオッサンがハタチそこそこの若造役なんて実際のところ「え?」って感じだったのだけど、なんとなく勢いで見せてしまいましたね。殊に香川氏なんてオッサンなんだか若いんだか…って感じのシーンもあったけど書生さんっぽい感じも出てました。ワタシもいかに薦められてもあの長いのを最初からズズッと読もうとは思わないんですが、まぁ、ドラマを観ていけばいいかな、と思ってます。(怠慢かしらん…)

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