コーチ選びが死命を制す



どうも昨年あたりから流れがあまりにキム・ヨナに向かっているので、
よほどの事でもない限りは勝てないだろうと思っていたけれど、
やはり浅田真央は銀メダルに沈んだ。
浅田真央がキム・ヨナに勝てなかったわけはただひとつ。
コーチ選びを誤ったせいである。
実力で負けているわけではない。容姿でももちろん負けてはいない。
二人の明暗を分けたのは、バンクーバー五輪に向けて、
どういうコーチを選んだか、という事に尽きると思う。

真央ちゃんは、15?6歳ぐらいまでは何も思い煩わず
あっけらかんと演技をし、苦もなくジャンプを決めていた。
背がどんどん伸びて、思春期を迎えて得意のジャンプの軸が
ぶれ出した頃に、トンネルに入った真央ちゃんとすれ違うように
キム・ヨナが脱皮していった。(ヨナって妙な色気があるしね)

キム・ヨナは数年前からカナダに住んでいるそうだが、それは
何かといえばすぐに興奮して国民感情が暴発する、彼女の故国の
マスコミや世論の猛威に晒されず、雑音を排除して目的に集中するために
賢い対処法だったと思う。

おまけにカナダで、先見性と情報収集力と情報分析力があり、
さらに、その分析をもとに有効で強力な戦略を立て、
その戦略の元に魅力的で訴求力のあるプログラムを作ることの
できるコーチと出会った。

もしも、真央ちゃんとヨナのコーチが逆だったとしたら
バンクーバーで泣いていたのはキム・ヨナの方に違いない。

それにつけても、
真央ちゃんは、なんでタラソワなんかをコーチに選んでしまったのだろう。
12人もチャンピオンを育てたと言っても、
タラソワはもはや太った時代遅れのお婆さんだ。
自分で飛んでみせることはおろか、滑ってみせることもできない。
フィギュア界の動向を読む目もない。審査員の傾向もお構いなし。
過去の成功経験だけに引き摺られて、ひたすらに重厚感と技の難度
ばかりを求めるプログラムを真央ちゃんに課した。
真央ちゃんはたださえジャンプが不安定だというナーヴァス要素を抱え、
更にはプログラムが観衆にも審査員にも受け入れられないかもしれない、
という危惧をも抱え込むことになった。
しかし、それを途中で変える事は彼女の意地が許さなかったんでしょうね。
師匠タラソワのためにも、その重苦しい難しいプログラムで
きっと勝ってみせる!と思ったのに違いない。

でもねぇ…。あの曲は重たいわ。あなたには合わないわ。
あなたには暗い、重苦しい空気は似合わないのよ。
軽やかに、おおらかに、華やかに、ものおじせず、重力など無いかのように
しなやかに舞いながら、高く飛んでこそ真価が出るのよ。

いかに才能があろうとも、戦略と方向性が間違っていたら結果はでない。



それまでずっと、ジャンプ派か表現力派かで、二極化してきたスケーターたち。
その双方の要素を兼ね備え、より高度に昇華させた次世代スケーターの
完成形第1号になるのは、きっと浅田真央に違いないと思っていた。
15歳までの彼女は、年長のスケーターたちを尻目に、苦も無く軽々と宙を舞う
ノープレッシャーの新人類だった。
その彼女が成長過程で予期せず迷い込んでしまった暗いトンネル。
プレッシャーにもろい人間的な面も現れてきた。
真央ちゃんも旧人類だったかねぇ…という感想に拍車をかけたのが
コーチ選びだった。…あの時代遅れのお婆さんをコーチに選んじゃ勝てないわ。
フィギュア界も時代の変わり目。コーチにも先進的な感覚が求められる。
千年一日のロシア人のお婆さんと一蓮托生では先に進めない。

今回こうしてありありと結果が出てしまった以上、
無用な義理立てはさらりと捨てて
新しい、若い、センスのいい、分析力のある、革新的な、
できれば男性のコーチをみつけることだ。今すぐに。今日からでも。
そうしなければ、浅田真央はこの先、キム・ヨナには勝てないまま終わるだろう。

真央ちゃんは現役をつづけ、4年後もきっと五輪のリンクに立っていると思うが、
その時には、既に勲章を手にしたキム・ヨナはプロに転向してその場にいない
かもしれない。雪辱の場は五輪でなくてもいい。ヨナの絶頂期に、
彼女がプロに転向してしまう前に、新しいコーチの元で一皮剥けて、
のびのびと、自信を持って、持てる力を出し切って、斬新なプログラムで、
大一番のヒノキ舞台でキム・ヨナに勝つ浅田真央の姿を見たいと思った。
得意満面なキム・ヨナと、涙を堪える真央ちゃんのアップを見ながらそう思った。
…泣きなさんな。
あなたは実力で負けたんじゃない。方向性が間違ってただけなのよ。



ヨナの007は確かに良かったとは思うけれど、
あれがヨナじゃなくて真央ちゃんであって欲しかったとつくづく思う。
要は、ああいうアイデアを持ったコーチにつくことが肝心なのだ。
もし、ああいうコーチの元で新しい魅力を引き出されていたら、
真央ちゃんは無敵艦隊のはずだったのに。 …癪だね。

終わってしまった事はもう仕方がない。
4年後に、また同じ過ちを犯さないためにも、
まずは、いいコーチを捜すことから始めて欲しい。

今日負けたからといって、何ひとつ終わったわけじゃない。
泣いている場合じゃない。立ち止まっている時間はない。
表彰台を降りた瞬間から、また次の目標に向けた
やみくもな日々が始まるのだから。

コメント

  • 2010/02/27 (Sat) 00:14

    ほんとうに、おっしゃる通り、コーチ次第でこうも結果が違うのですよね。
    それにしても、新採点方式に沿った戦略をとらなかったのか未だに不思議でなりません。
    真央ちゃんの「007」を見てみたいです。

    • ようちゃん #4ihH6cqY
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  • 2010/02/27 (Sat) 00:18

    2316「銀メダルおめでとう!精いっぱいやったね!」って言いたい、でもでも・・・。
    kikiさん、この記事を読んだ人はみんなスッキリしたと思うわ!
    直前に放送してた「NHKスペシャル」見ました? 
    インタビューの中で、タラサワコーチから「鐘」をこのまま続けるか他の曲に変えるか、選択を迫られた時に「鐘」を選んだ理由を訊かれて 「完成していないのに途中で投げ出すのは嫌だったから」 と答えていたんだけれど、最後の 「それにタラサワ先生に申し訳ないと思ったので」 には・・・あぁ~やっぱりな、それじゃダメなのよ真央ちゃん~~~。
    彼女がもしノーミスでパーフェクトに滑れていたとしても、キム・ヨナには勝てなかった気がします。
    採点競技なので難しいですけどね。悔しいけどキム・ヨナには女王の風格がありました。
    ただ、あれだけのスランプを乗り越えて立ち直って、直前にコーチの居ないままの練習で仕上げたのは、本当に本当にすごいと思う。
    そして、そうですよね、是非とももう一度戦って真央ちゃんには雪辱をはらしてもらいたい!
    今さら遅いけれど、コーチ選びについて誰か適切な助言してくれる人は居なかったのかしら?
    荒川静香がトリノの直前にタラサワからモロゾフに変えて金メダルを取ったのは有名な話しですよね。彼女とかその辺うまくアドバイスできなかったものか・・・。

  • 2010/02/27 (Sat) 00:49

    いやというほど、今夜のTVに登場した真央ちゃん
    力はあるのに
    確かに面白みにかけるよね
    残念だったね
    涙のほうが印象に残っちゃったね

  • 2010/02/27 (Sat) 09:22

    ようちゃん。彼女は自分でもこれでいいのか、と内心では迷いつつも師匠の長年の経験と意見を尊重して、新生面を開きたい一心で頑張ったものの、やはり根本的なズレはいかんともしがたかったですわね。抑えておかねばならないポイントが違うものね。
    ワタシも「007」を踊るのが真央ちゃんであって欲しかったとつくづく思いますわ。癪だな。

  • 2010/02/27 (Sat) 09:23

    ジョディさん。「銀メダルでもよくやったじゃない、おめでとう」と言うのは何か浅田真央にたいして失礼だなという気がしますよね。銀メダルで良ければ泣かないものね。「NHKスペシャル」観ましたよ。タラソワじゃダメだろうと思っていたのは前からだけど、ヨナのコーチがあんなに柔軟で先進的な良いコーチなのだというのはその時に知りました。画期的で、滑り易くて、ジャンプも飛び易くて、しかも見せ場もきちんと計算されてるようなプログラムを作って、柔らかく指導する。プログラムに自信があるからヨナも伸び伸び滑ってたものね。これなら勝てるって確信があったんでしょうね。真央ちゃんをああいう状態で滑らせてあげたかったですね。本当に可哀想だった。でもおっしゃる通り、あんな状態でも銀が取れたのは彼女だからですわ。それにあのプログラムじゃノーミスで滑ってもヨナには勝てなかったし。
    荒川静香がタラソワからモロゾフに乗り換えた時点でもはやタラソワはナシ、という流れは決定的になっているのに、なぜタラソワだったんでしょうね。他に人材は居ないのかしら。安藤美姫は荒川静香の妹分だから、真央ちゃんよりも荒川の後は安藤っていう流れになっちゃったんでしょうね。(お陰でトリノではあんなにも芋だった安藤も彼女なりにはベストの状態まで行ったんじゃないですか?下品で頭悪そうで好きじゃないけど。公私ともにあのコーチにはベッチョリらしいし…う~、キモキモ)4年前に真央ちゃんにモロゾフがついてたら、バンクーバーはまた全然違った展開になったろうと思うけれど。…真央ちゃんは日本のスケート界では孤立してるのかな。気になりますね。今回の惨状(敢て惨状と言います)を観て、どこの国の人でもいいので、若い有能なコーチが彼女を助けたいと名乗り出てくれるといいんだけど…と切に思いますよ。才能を開花させて、より磨きをかけられるようなコーチが出てくる事を祈りましょう。

  • 2010/02/27 (Sat) 09:27

    kakikumaさん。ほんとにねぇ。実力は伯仲だから、そうなると企画やセンスの差ってことになっちゃうのよね。
    わけても曲選びは本当に大事。クラシックでももっと華麗でドラマティックな曲だってあるでしょうに。ショートもフリーも暗い曲じゃねぇ…。荒川静香がトリノで勝てたのもプッチーニ先生の「トゥランドット」(主に「誰も寝てはならぬ」)が良かった事も大きいものね。
    4年後にまた泣かないように、まずは適切なコーチ探しからスタートしてもらいたいですわ。婆さんは退場だ。

  • 2010/02/28 (Sun) 01:12

    kikiさんこそは次回五輪金メダル獲得に向けて、ご意見番として「チーム真央」に参入されるべしでしょう(笑)!!

    「(金じゃないけど)銀メダル獲ったんだから、胸を張って帰ってきてほしい」という街角の声、それはもちろんそうだけど、真央ちゃんにとっては恐らくはなんの励ましにもなっていないでしょうね。
    金メダル獲得を目標に心血注いで頑張ってきたからこそ、金メダル以外は真央ちゃんにとっては敗北なのでしょうね。なので周囲がいくら「頑張ったよ、よかったよ!」と何百回言ったところで慰められることはないように思いますね。
    ヨナ選手との戦いでもあり、それ以上に自分自身との戦いに負けてしまったということなのかな。

    真央ちゃんの満面の笑みが見たかったですね。

    時にハラハラドキドキさせてくれた五輪ももう終わってしまいますね。
    毎回たくさんのドラマが生まれて、スポーツを日頃あまり観戦しないわたしですが十分に楽しませてもらいました!
    閉会式はどんなかな~。

  • 2010/02/28 (Sun) 09:17

    あはは。ミナリコさん。な~んか言いたい放題な事言っちゃってますよねワタシ。ふほ。今回、日本の代表が安藤と鈴木だけなら到底、匹敵しないのでヨナの演技も純粋に楽しめたでしょうけど、真央がいるのにそうはいきませんわね。でも彼女はここ2年ほどはどうもヨナに勝てなくなっちゃって…。いい指導者に当りさえすれば逆転可能なのに、と思うにつけ癪でね。彼女が昔、とても伸び伸び滑っていた頃に、凄い子が出てきたなぁ、と感じたインパクトがとても強かったのと、かつて輝いていた人が何かでトンネルに入ってしまった後、あがきながらトンネルを出て再び輝くところがみたいという気分が強いんですわね、ワタシ。そして方向性やセンスも重要だけど、真央ちゃんも男のコーチに指導してもらって、もうちょっと色気が出てこないとね(笑)色々な意味で向こう4年間の飛躍に期待しましょう。
    冬季五輪。観るともなしに時折ダイジェストを観るだけだったけど、案外チラホラと面白かったですわ。スノボークロスは競技として面白いけど命知らず度No.1はスケルトンかもだなぁとたまげたり。カーリングって地味だけど日本女子はそこそこ可愛くて良かったなぁとかね。(あれ、出てくる選手がその国の人の最大公約数みたいなルックスなのもけっこう面白いですね。競技をずっと見てるのは退屈そうだけど)バンクーバー五輪はセレモニー系はイマイチなので閉会式もそれなりでしょうね。メダルのデザインは面白いですね。

  • 2010/02/28 (Sun) 17:38

    初めまして。いつも拝見させていただいてましたが、フィギュアの話題だったのでのこのこ出てきました。真央ちゃん残念でしたね。でもおっしゃるとおり、彼女が完璧に演技してもキムには勝てなかったでしょう。本当にすばらしかった(悔しいけど)アナウンサーの(この方のしゃべり好きです)「水が流れるような演技」まさにその通りでした。ショート・フリーともに金メダルをとるために練られたプログラム、それを完璧に演じきったキム。すごいです。19歳なのに、あの色気...どこから出てくるのか...
    楽曲の選びかたって本当に重要ですね。
    私は真央ちゃんの前のシーズンエキシビションでのタンゴがとっても好きで、彼女に似合ってたと思うのですが。
    タラソワさんには引き続き振り付けの指導をお願いするようですよ(うーん、いいのかなー)
    ジャンプとか技術面は日本人コーチをこれから人選するとか。
    あとカナダのアイスダンスカップルは本当にすばらしかった!! 感動しました~

  • 2010/02/28 (Sun) 18:59

    kikiさん

    みなさんの意見をうんうんと聞いておりましたら、
    案の定、今後コーチを変えるという記事をみました。
    ヨナのように故国に距離を置ける環境に身をおくのも
    ありかしら。真央ちゃんはいまのところとっても素直で
    純白のイメージがあるので、方向さえ誤らなければ、
    (いやミスって欲しくないですね絶対)もっと大きくなりそう。

  • 2010/02/28 (Sun) 22:46

    サリーさん、いつも読んでくださってありがとう。そして初コメントありがとうございます。
    本当にまぁ、真央ちゃんとヨナは、ついたコーチのせいで、4年の間に随分差がつきましたよね。ヨナの方が一足先に脱皮しちゃったって感じですね。やっぱり自分でも聞いているだけで気分が良くなるような曲を選んで、その曲で滑っているだけでもα波が出てくるような状態で演技をしないとね。観客を魅了することはできないし、審査員を納得させることもできませんわね。そして、ヨナって妙な色気がありますわね。細い目の変な色気ですね。色気に関しては真央ちゃんはオクテなので、まだまだこれからですね。本当の決戦の場は4年後ですわ。それまでヨナが残ってるといいんだけど…。やっぱりヨナに勝たないとね。彼女が去ったあとに優勝してもあまり意味がない感じがするし。ヨナに匹敵するような凄いライバルが出現した場合は、ヨナはどうでもいいですけど(笑)コーチを変えるというニュースはみたけれど、監修みたいな事をタラソワがやるんじゃ変わり映えしなさそうだな。婆さんも他にいいコーチを捜して真央に紹介し、自分は退陣するぐらいなところがないとね。まだ居座る気なんだろうか。いい加減に悟ってほしいですわね。空気を読めって感じ。
    アイスダンスって男女ともにすらーっとプロポーションが良くて綺麗で観ていて楽しいですよね。でも日本からは向こう10年たってもアイスダンスでこれというチームは現れなそうだけど…。この種目はずっとロシアの牙城だったのを今回は地元のパワーでカナダが取りましたね。優美で華麗で、見ていて一番楽しいのはアイスダンスだな、と思ったりもしますわ。なんたってダンスですしね。

  • 2010/02/28 (Sun) 22:52

    ふうさん。コーチを変えるというニュースはワタシも見たんですが、タラソワは名目だけなのか実権もあるのか、まだ総合監督みたいなことで残るようなので、そこいらへんがどうもねぇ…。ダメなものはスパッと切る事も必要ですからね。義理などに引き摺られていては堂々巡りになってしまいますわね。ここは一発、バシっと決断せよって感じです。ワタシが真央ちゃんならもっと早くにバッサリ切ってますね。いやそもそもコーチ頼まないかも(笑)真央ちゃんは今の清純さと可憐さを、華麗さとか優美さの方に伸ばしていかれればベストだと思いますわ。華麗なスケーティングと豊かな表現力を体得して、その上でトリプル・アクセルが飛べたら天下無敵じゃないですこと?

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