あっという間に老ける人々



大体において白人よりも東洋人の方が若く見えるというのは定説で、一般に欧米の人は老け易いという先入観があったのだけど、昨今ではジョニー・デップやキアヌ・リーヴスなど、40代後半になってもあまり印象の変らない俳優もちらほらと出てきた。かつてはブラッド・ピットも万年青年的変らなさで、長らくその仲間に入っていたが、アンジー先生の尻に敷かれ、子沢山になってからというものは急激に爺むさくなり、突如時限装置が作動したかのように老け始めた観がある。(昨今、ちょっと注入して若返ったという噂だが)ジョニデやキアヌのように一部例外もあるが、やはり欧米人は老け易いのかもしれない。そして、昔からワタシが不思議に思っているのは、ちょっと目を離すとあっという間に老ける人というのが存在することである。
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その突然老ける系という人種に最初に気付いたのはリチャード・ギア。この人は70年代後半にデビューし、80年代~90年代初頭まで、とにかくやたらに女性に人気があった。ワタシは別にファンでもなんでもないが、出演作は幾つか見ている。リチャード・ギアは、「アメリカン・ジゴロ」(1980)「愛と青春の旅立ち」(1982)「コットンクラブ」(1984)あたりから「ノー・マーシイ」(1986)ぐらいまでは栗色の髪で若々しい印象だったのだが、「背徳の囁き」(1989)で、急に白髪頭、というかゴマシオ状態の髪で現れ、一挙に老けたという印象が強い。


左のような感じだと思っていたら、ある時から急に右のような感じになってそれっきり


今や年齢的にシルバーヘアで違和感なし 綺麗に銀髪になっている

多分、若白髪タイプでそれまでは染めていたのかなと思うのだが、「背徳の囁き」で白髪を解禁してからは「プリティ・ウーマン」(1990)以降、一瀉千里にロマンスグレイ街道を突っ走り、今や、実際にもお爺さんな年齢になって白髪も違和感がなくなったが、ワタシは今だに「ノー・マーシイ」から僅か3年後に白髪まじりで登場した「背徳の囁き」での落差というか、玉手箱を開けてしまった浦島太郎のごとき急激な老けモードが強い印象として残っている。3年しか経ってないのに一挙に15年ぐらい行ってしまったという感じだった。あんまりインパクトが強かったので、ある時点で急激に老ける男性について、以来ワタシは「リチャード・ギア症候群」とひそかに名づけている。

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同じように、暫くして見たら急におっさんになっていた、という俳優にマーティン・シーンがいる。この人は何と言っても「地獄の黙示録」(1979)で有名だけれど、チャーリー・シーンとエミリオ・エステベスの父という側面もある。本名はラモン・エステベスといい、父親はスパニッシュなので半分ラテン系。小柄だが、若い頃は端正なハンサムマンだった。70年代の彼の映画で観た事があるのは「地獄の黙示録」の他には少女時代のジョディ・フォスターと共演した「白い家の少女」(1976)がある。この映画では悪役だったと思うが、ちんまりと整った顔の悪い奴、というのはよくハマっていた記憶がある。「刑事コロンボ」にも被害者役で出ていた事を最近知った。「毒のある花」というエピソードで、化粧品会社の研究員で女社長と取引をしようとして殺される野心家の若い男を演じていた。あっという間に殺されてしまうけれど、出てくると、「お!」と思うほどハンサムではある。


ハンサムという点ではかなり端正だった若い頃のマーティン・シーン(73年ごろ)


「地獄の黙示録」(1979)

ワタシは「地獄の黙示録」のマーティン・シーンを観ていて、ちんまり整った若い顔の印象が強かったので、何の作品だったか久々に観たら突如かなりオッサンになっていたので驚いた記憶がある。何で観て驚いたのかリチャード・ギアほどハッキリしないのだが、息子が主演した「ウォール街」(1986)にそのまま父親役で出てきて、そのオッサンになった姿に驚いたのだっけかしら。多分そんなところだろうと思う。チャーリー・シーンが売り出してきた時にマーティン・シーンの息子だというので、そんなに大きな息子がいたの!~とかなりビックリしたものだった。父親と息子のブレイク時期が10年ちょっとしか違わないのだ。この人は1999年から2006年までNBCのTVシリーズ「ザ・ホワイトハウス」で大統領を演じて、それが代表作になっている。


「ウォール街」(1986)で息子と共演 いきなり老けてて驚いた

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そして、どうやらこのリチャード・ギア症候群の一員らしい、と判明したのが、ジェラルド・バトラー。ブレイクして間がないというのに、何かあっという間に老けてオッサン化しはじめた印象がある。老けるのが早い。今年41である。41なんて昨今まだまだ若い。いまどき大抵の人は一般人でも36~7に見える年頃だ。


ジェラルド・バトラー近影 びっくりするほどオッサンである

多分バトラーも若白髪タイプで、何もしないとゴマシオ状態になってしまうのだろうが、髪だけではなく、顔も何か締りがなく、皮膚にもあまり若々しい張りがない。シワも増えた感じがする。ワタシは「Dearフランキー」を観て彼が気に入り、その後「300」のブレイクもあって暫く見守ってきたのだが、ちょっと気を抜くとあっという間にゾウアザラシのように太ったり、顔は恒常的に下膨れ状態だったりして、ハリウッドでブレイクしてからというものは、どうもピリっとしない印象だ。そしてブレイク後は急速に老けていっている気がする。つい最近も、なぜそうも白髪~というタイトルで、あちらで芸能記事に取り上げられていたようだけれど、本当に老けている。45歳より若いようには見えない。俳優商売をしていても彼自身はナチュラル派なのか、普段は特にどこにも構っていないようにお見受けするが、あまりに構わないのも職業柄いかがなものかと思う。それにオフだからといって、ゾウアザラシになるのもいい加減にしないと、年も年だし、そう簡単に肉を落せなくなってラッセル・クロウみたいにいつ見てもウシブタ状態になり、痩せねばならない役でもなかなか痩せられないって事にもなりかねない。それに片っ端から仕事を引き受けるんじゃなくて、もうちょっと厳選して映画に出ないとね。…と、老けに乗じて昨今のジェラルド・バトラーに対するクレームをあれこれと申したててしまった。


2007年のバトラー 僅か3年前まではこんなにも若かったのだが…


ここ2年ばかりはいつ見てもこんな感じ


せめて45~6歳ぐらいまでは、このぐらいのルックスをキープして貰いませんとね…

それというのも、もう一度「Dearフランキー」の頃のようなスッキリとした姿でナイスな役を演じる彼を観たいからである。でも、この先ますますオッサン化は加速していきそうな気配濃厚ではあるけれど…。このままだと、45になる頃には50以下には見えないことだろう。
…やれやれ。花の命は短くて、と昔から言うが、イケメンの賞味期限も案外短いようだ。まぁ、G.バトラーの場合はもうちょっと企画を選んでいい映画にシブイ役で出てくれれば、多少オッサンになったって別にいいのだけれど。

というわけで、今回は「リチャード・ギア症候群」についてでした。

コメント

  • 2010/10/25 (Mon) 12:33

    いいblogですね
    読んでしまいました
    ありがとう

    • 地獄少女同人誌 画像 #Wj6s5Jcw
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  • 2010/10/26 (Tue) 09:31

    kikiさん

     先日のホフマン族といい、今回のリチャードギア症候群といい、絶妙なネーミングですねえ。
    デップはインディアン、キアヌーは東洋も混じっていると聞いたことあります。
     混血は優秀な遺伝子をもつのかしら。この二人は若い時はやんちゃで、素敵な中年を迎えた現在、
    酒や薬の影響ってあまりでてこないのかと不思議に思ったこともありますが。
     でもラッセルクロウがウシブタ状態って、笑いながらも...この人もマオイ族の血をひいてるんでしたよ。
    そういえばイギリス人俳優は中高年でもスマートってイメージがあるんですけど、どうでしょう。是非次回、このあたりもkikiさんひとつ、取り上げてくださいませ。

  • 2010/10/26 (Tue) 22:14

    おそれいります。

  • 2010/10/26 (Tue) 22:15

    ふうさん。バトラー氏以外はちょっと人選が古すぎたかしらん、とか思いましたが、この他にもあまり目立たないけどけっこう居るような気がするんですよね。リチャード・ギア症候群の俳優って(笑) キアヌに東洋の血が混ざっているのは知っていましたが、ジョニデやクロウもネイティヴ系の血が混ざってましたか。キアヌとジョニデは薬も酒もなんのその、本当にあまり変りませんね。ゆるやかに年を取っていく人と、ある時固めてどっと年を取る人と、いろいろ個人差があるのをみているのも、なかなか興味深いです。中高年のスマートなイギリス俳優ですか。それ+αの切り口が見つかったら書くと致しまする。

  • 2010/10/27 (Wed) 10:15

    「あっという間に老ける人々」の冒頭3人を見て、私なんぞ真ん中のマーティン・シーンが誰だか全然わからないという有様。最初っから老けてる彼を見てしまっているせいだと思いますが。多分最初に「ウォールストリート」そのあと「地獄の黙示録」に戻っているような気がするんです。そうなのか、ジェリー老け街道一直線なのね。あの人もともとインタビューなんか見てても単なるあんちゃんって感じでよく言えば気取りはないが、そういうところが外見にも現れてるんですね。だらだら老けて行きそうな感じではありますね。老けたとはまた一線を画すけれど、先日久々に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でつるつるの若々しいマイケル・J・フォックスを見て感慨に耽りました。彼もほんとそこら辺を歩いてそうな感じの単なるあんちゃんですよね。最近はあまり体調も良くない様だと聞きました。

  • 2010/10/27 (Wed) 22:40

    Sophieさん、そうよねぇマーティン・シーン。ピンと来ぬ例だったわ。(笑)ワタシもすっかり忘れていたのだけど、最近ビデオ・オン・デマンドで刑事コロンボ観てたらやけに若い顔で出ていて、あ、そういえばこの人って「地獄の黙示録」の時は若く見えたのに、ほんの数年でオッサンになってたなぁ、と思い出したわけです。「地獄の~」も「白い家の少女」も「ウォール街」も80年代にビデオで見てるのだけど、観た順番は地獄が一番先だったのでね。ちょっと見ぬまに爺さんに、みたいな感じでした。バトラー氏について、あなたは前からあんちゃんと言っていたわね(笑)あんちゃんかどうか分からぬけど、どうも手当たり次第に女の子と遊びまくりつつ、太ったり痩せたりしながら老けていっている姿をみていると、なんだかなぁって感じ。ここ2年ばかり出ている映画でこれというのが無いのが一番大きいのだけどね…。
    そしてマイケルJとはまた懐かしいところを…。あの人は病気になっちゃったから仕方が無いわよね。そして確か、いまも闘病しておられるのよね。

  • 2010/10/28 (Thu) 14:57
    こんにちはー^^

    面白い内容で一気に読んでしまいました^^
    リチャード・ギア症候群、いいネーミングですねー^^

    確かに3人とも若い時は綺麗だったのに、老けておっさん化してますね。
    バトラーって41歳だったのね^^;もっと上だと思ってました。
    ジョニーデップは上手に年を取ってると思います^^最近ちょっとぷっくりしてきたけど、それも愛嬌で^^

  • 2010/10/28 (Thu) 22:34

    みすずさん。そうなんですよ。ジェラルド・バトラーって今年41なのだけど47とか8とか言っても、そうか、と思ってしまいますわね。この急激な老けは環境の激変によるものか、セレブ生活のツケなのか、そもそもの時限装置だったのか分りませんが、今後、若返る事はなさそうな…。みすずさんはジョニデのファンでもあるんですよね。彼は若い頃よりも今の方が却って良くなっている感じもしますね。上手なエイジングは女性にとってだけではなく、男性にとっても重要な事かもしれません。特に人に見られてナンボの仕事の人は、ねぇ。

  • 2010/11/11 (Thu) 19:43

    ほんと!ほんと!Gサマ・・・ビックリだわ・・・。
    一瞬、今年のアカデミー主演男優賞取った人(名前、今ド忘れ)
    みたい!と思ったわ~。ほんとね、kikiさんの言うとおり、
    今時41なんて、若くはないけど、年でもないよね~。
    で、確かに最近の彼はいつも下膨れで身体に締まりもない・・・。
    Dearフランキーの船乗りのよーなルックス、
    もう一度でいいから見せて欲しいよね。
    300の時まではいかなくても、人気商売なんだから、
    ちょっとはエクササイズしてよねっ~!て感じね(笑)。
    その点、ほぼ同年代のダニエルはあんまり老けそうにないよね?
    元々老け顔だし(笑)、あの人は太りそうにないもんね。

  • 2010/11/11 (Thu) 23:22

    acineさん、この記事にもありがとう~。
    ほんと、ビックリでしょ?この老けっぷり。次の映画に入れば生え際なんかは染めて少し若くなるんだと思うけど、この2~3年で急速に老けすぎよね。いつまでも妙にテカテカ若いのも不気味だけど、老け足の速すぎるのも問題かと(笑) アカデミー賞取った人というのはジェフ・ブリッジスの事よね。あはは、確かに。向こうは年相応だけどね。なんかバトラー氏の場合は知名度が上がってハリウッドで定着するにつれ、どんどん老けていってる感じがするのよね。一応、男性美みたいなところで売り出してきたんだから、ちっとはキープしなさいよ、とも思っちゃうわ。ダニエルは乾燥肌でシワ気味だけど、横這いでじりじり年を取るというタイプかも。太らなくもなさそうだけど、バトラー氏みたいに、うっかりするとトドになっちゃうって事はなさそうよね。(笑)

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