ぜんぶイアンのせい


「Quantum of Solace」

通称BOND22こと「Quantum of Solace」はダニエル・クレイグが本格的に撮影に入って快調に進んでいるようだが、かの「カジノ・ロワイヤル」が3月、遂に有料チャンネルで解禁となる模様だ。
ワタシが愛用しているスターチャンネルでは3月1日(土)に初放映で、その日はカジノ・ロワイヤル放映記念スペシャル企画なのだろう。終日007デーとなるらしく、番組表を見たら朝から晩までに21本のシリーズ中から選ばれた10本の007作品が怒涛の一気放送の模様。無論夜9時からのゴールデンタイムに放映されるのは「カジノ・ロワイヤル」である。

数日前の夜、スタチャンの映画と映画の間に入ってくるこれからの放送ラインナップ紹介コーナーで、あのテーマ曲が流れてきたときには、何かほかの事をしていたのに、「お!」と顔をあげて思わずそちらを観てしまった。
ポーカー対決のシーンで、じろりと上目使いでダニエルがマッツを見るアップが映し出され、またカジノに紫のドレスを着て現れたヴェスパーをじっとダニエルの青目玉が左から右に動いて追うシーンなど、何度も見ている顔なのに、おぉ?、凄みがあって男前ぞ!といまさらに身を乗り出した。



なんでだか分からないが、やはり「カジノ・ロワイヤル」のダニエルは格別なのである。男前に見える。そして、こんなに何度も観ているのに、一昨年の11月に最初に予告編を見て「お!これは」と思ったときの気持ちがちゃんと蘇ってくるのだ。我ながら誠実なパブロフの犬っぷりである。それにしても、最後の鑑賞から1年たってスタチャンが放映する日がくるのかと思うとある種の感慨を禁じえない。もうそんな時期が来たのかねぇ。



ワタシが手元に持っている「カジノ・ロワイヤル」DVDはUKのHMVから取り寄せた海外版である。日本語の字幕は出ない。日本版のDVDをあえて買わなかったのは、そのうちスタチャンで放映されるに決まっているので、そのときに録画しようと思っていたからである。録画したらまたVHSに落として母に持っていってやらねばなるまい。「カジノ・ロワイヤル」のみならず3月1日は007祭りのようなので、S・コネリーの作品から「ドクター・ノオ」と「ゴールド・フィンガー」だけはこの機会についでに捕獲しておこうかな、と思ったりしている。


「ゴールド・フィンガー」

当たり役で評判は高いものの、コネリーのボンド映画ってかなり荒唐無稽でところどころお馬鹿スパイ映画のテイストがぷんぷんするかなりキワモノ的な作品である。(ダニエル作品以外のボンド映画は共通してそんなテイストだ)でも「ゴールド・フィンガー」はそのばかばかしさ加減も含めてコネリーボンドの作品中では一番好きかもしれない。なんといっても「よろず屋」役でハロルド坂田が登場するし。あのニヤニヤした顔のままどんな事でも平然とやってしまうゴールド・フィンガーの用心棒兼運転手の「よろず屋(Oddjob)」は傑作だった。



ハロルド坂田“よろず屋”

昔TVで見たときにゴールド・フィンガー(ゲルト・フレーベ)の吹き替えを滝口順平氏が担当していて、敵とはいえ、妙な愛嬌があって憎めないゴールド・フィンガーの声にぴったりだった。彼が「よろず屋!」とハロルド坂田に呼びかけるのがおかしくて、弟とケラケラ笑いながら見ていたものだった。

余談だが、007てなんだかバハマ・ロケが多い。「サンダーボール作戦」(多分)のロケでコネリーらがバハマ諸島ナッソーに居たとき、ビートルズが彼らの主演映画「HELP!」の撮影でナッソーを訪れ、007の撮影現場を表敬訪問などしたらしい。


「HELP!」

中学生のころ、人並みにビートルズばしかに罹ったワタシが新宿アドホックで買ったビートルズ写真集の中に、コネリーと握手して平和にカメラのフレームに収まったJ・レノンやマッカートニーなどの写真が載っていた。そういえば「HELP!」のサントラ版アルバムに収録された「HELP!」のイントロは007 風なのである。…なんだかあれこれ思い出すなぁ。最新作「Quantum of Solace」もバハマロケがあるらしい。「カジノ・ロワイヤル」にもバハマのシーンがあった。イアン・フレミングってバハマのナッソーがやたらにお気に入りだった様子である。おかげでワタシはバハマのナッソーというと007!と脳裏に浮かんでしまうようになった。
こんな奇妙な条件反射が増えたのも“せんぶイアンのせい”である。


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