「プライドと偏見」

~モダン顔のヒロイン~
2005年 英 ジョー・ライト監督



これも、見ようかどうしようかと思っているうちに、スターチャンネルが放映してくれた。見たい気がしなくもないけど、DVDを借りるほどでもない、という場合、本当にスターチャンネルやムービープラスなどの映画チャンネルは便利である。(昨今はスターチャンネルよりムービープラスの方がラインナップがいい感じがする)私は「いつか晴れた日に」がかなり好きなので、これも興味があった。原作としてはこちらの方が有名だろうし。そういえば「ユー・ガット・メール」で、メル友だったメグとトム・ハンクスが初めて喫茶店で待ち合わせしてブラインド・デートをしようという時に、メグが目印代わりに持っていくのが「高慢と偏見」だったっけ。



この手のイギリス映画は、とにかく風景が綺麗で、だから撮影もとても綺麗である。屋内、屋外ともに毎シーン綺麗なので、見ているだけで和む。イギリスの景色は独特である。その木の様子、ごつごつとした地形の上にグラデーションを描く緑の草原。そして、それらと建物との調和。
そしてなかなか素直になれない二人の様子に、久しぶりに楽しく一喜一憂した。ちょっとしたカットの切り替えなどで、二人の心の揺れや動きを表現するカメラワークが絶妙である。お互いのプライドと偏見が邪魔をし、些細な誤解が重なり合ってなかなか素直な気持ちになれない。先に素直になるのはダーシーの方だが、折角「I love you」と言っているのに、彼に対する誤解から「何があろうとあなたと結婚することだけはありえましぇん」などと啖呵をきるエリザベス。定石である。そしてまたもこちゃこちゃと紆余曲折あってなかなか一筋縄では結ばれない。お約束の展開である。しかし、そのお約束を楽しむのがこういう作品の良さなので、ああでもない、こうでもないとあれこれありつつ、すれ違ったり腹を立てたりしながら運命の力で結局は結ばれていく過程をニヤニヤ、ハラハラしながら見守るのだ。


顔が「今どき」過ぎ?

ヒロイン、キーラ・ナイトレイは確かに可愛い。が、この手の映画のヒロインとしては顔がいささか現代的過ぎるキライがあるように感じた。それはそれで新鮮でいいのだけど、20年前ならヘレナ・ボナム・カーター、10年前ならケイト・ウィンスレットが演じたに違いない役、キーラはその時代色の中に一人だけ溶け込んでいない感じがするのである。演技は別として、一昔前に日本のアイドルが文芸モノの映画に出て、なんだかそのアイドルだけ明治だの昭和初期だのの時代色から浮き上がっているような感じを思い浮かべていただくと、ワタシの感じた違和感をお分かりいただけるかと思う。ケイト・ウィンスレットのようなモッタリ美人のヒロインの方が見ていてしっくり来る。キーラはどこからどう見ても、今どき過ぎる感じだ。おまけに肩幅が広く、胸は板胸。お人形さんのような顔も前髪を切ったヘアスタイルも、なんだかとても今どきな感じがした。そしてアップになった顔を見ると時々、かなりウィノナ・ライダーにも似ている。そしてウィノナ・ライダーというと、そのアイドルとしての盛衰のありさまがなんとなく小泉今日子を思い出させるのである。しかし、キーラと小泉今日子は全く接点はない。間にウィノナを挟むとなんとなく惑星直列のように並んでしまうことになるのだ。キーラは大幅な盛衰なしにやっていきそうだけれど。

そして、ダーシー役のマシュー・マクファーディン。長身だし、セリフの語り口もいかにもな発音でダーシーっぽい。それなりに良かったとは思う。しかし、この映画を見ている間中、ワタシはあの伝説的なコリン・ファースのダーシーを見たくて堪らなかった。レンタルがなくセル盤しかないので、入手してみるべきかどうしようかと(けっこう値が張るので)少し前から迷っていたのだけど、あぁこの役をコリンがやっていたら、きっとこんな感じだろう、あんな感じだろう、なぞとあれこれ想像するともう、見たくて見たくてジタバタしてしまう。コリンならもっともっとダーシーに感情移入して見られるだろうし、これはやっぱりコリン版の「高慢と偏見」のDVDを買わなくてはなるまいなぁ、と決断するに至った。マシューには背中を押してもらったという感じである。俳優にはいろんな効用がある。


おぢいさんドナルド

またちょっと見ない間に「ミニミニ大作戦」の時よりもかなり爺さんになった感じのドナルド・サザーランド(役作りか)、そしてここ数年、イギリス映画というと何かしらの役で必ず出てくるジュディ・デンチが、下からの光線を容赦なく浴びたコワイ顔でキーラのエリザベスを脅す。タイプ・キャストの大貫禄のおばはんである。あんなに小さいのに妙な威厳があるせいか、デンチさんは出てくると人に指図をするという感じである。指図をする役以外は似合わなくなっている。実際には演技派だから指図される側だってうまくやるだろうけど、なんだか威厳がありすぎて、人にこき使われているデンチは想像しにくくなってきた。



ああ、そしてコリン、コリンとその面差しを思い浮かべつつ見ていたので、「プライドと偏見」を見終わったらなんだか「ブリジット・ジョーンズの日記」が見たくなってきた。今日のナイト・ムービーはムチムチのふかしパンのようなレネ・ゼルウィガーの可愛い顔とお尻、それにお箸のようにまっすぐなコリンの長い脚を寝ながら鑑賞しようかな。あら、なんだかすっかりコリン Love な記事になってしまったが、「プライドと偏見」なかなかよく出来ていたと思う。

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