「ジェーン・エア」のさっくり感想および「シャーロック」Series2のBSプレミアム放映について



先日、マイケル・ファスベンダーとミア・ワシコウスカ共演、キャリー・ジョージ・フクナガ監督の「ジェーン・エア」を観た。マイケル・ファスベンダーもミア・ワシコウスカも頑張っていたとは思うのだけど、何とはなしに平板な印象の映画だった。というわけでこれについては感想をさっくりと書き、待ちわびた「Sherlock」Series2のBSプレミアムでの放映が決まったようなので、それについてもちょこっと雑感を。

まずは「ジェーン・エア」。
この英古典文学の映画化は一昨年だったか1944年のハリウッドクラシックス版のDVDで観た事があった。ジェーンにジョーン・フォンテイン、ロチェスターにオーソン・ウェルズ、そして少女時代のジェーンの唯一人の親友へレンに美少女時代のエリザベス・テイラーが扮していた。演出的にはいかにもハリウッドクラシックスの典型みたいな映画ではあったが、配役が割に適役で、なかんずく、少女時代の可憐なエリザベス・テイラーの美少女ぶりが印象深かった。夭折する天使のような親友の役だけに、品のいい美少女ぶりが妙にキラキラしく映っていた。エリザベス・テイラーも美貌の絶頂が少女期にあったのは間違いない。



そして美貌といえば、ジェーンもロチェスターも美貌の人ではない、というのが原作の肝の設定でもあるわけだが、文字通りそのままどちらも美しくない人が演じてしまうと映画としてはキツイので、1944年版の配役はジョーン・フォンテインがジェーンを演じ、いかにもなヒロイン然としたヒロイン像だった。ロチェスターはオーソン・ウェルズでピッタリだったような気がする。今回の2011年度版は、ジェーンに地味なむっつり顔のミア・ワシコウスカ。対するロチェスターには、ちょっと老けた印象とはいえハンサムすぎやしないか、なマイケル・ファスベンダーが扮していた。ロチェスターはハンサムじゃない筈なんだのに…。



前半3分の1は陰鬱な北イングランドの風景や、ジェーンの少女時代など、それなりに悪くない感じではあったのだけど、ジェーンが大人になってからは何かとても平板な印象の映画になっていった気がする。常に不機嫌そうな顔のミア・ワシコウスカもちょっと表現力不足のような気もしないでもなかったのだが、ジェーンとロチェスターが出会って間もなくいつのまにやら惹かれあってしまい(というか当初からロチェスターがやけにジェーンを気に入るのだが、どこを気に入っているのか、いつの間に気に入ったのか分らず、ま、そういう設定ってことなのね、という感じだった)、また物凄く波乱万丈でドラマティックな展開であるのに、観ていてちっとも盛り上がらず、ドラマティックにも感じられず、作品としてはどうもイマイチな出来だなぁという印象だった。なかなかこういう古典的恋愛ドラマの映画化というのは難しいものである。またロチェスターの屋敷の家政婦としてあまりにも毎度お馴染みなジュディ・デンチが登場し、まぁ手堅いけど、ちょっと見飽きた感も漂うなぁ…とも感じた。


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さて次のお題は久々の「Sherlock」関連。



既にご存知の方も多いかもしれないけれど、待つともなしに待っていた「Sherlock」Series2のBSプレミアムでの放映が決まった模様。それに先だってSeries1の再放送もあるようなので、今回は満を持して英語版を録画しようと思う。昨年Series1を見逃した方は是非とも今回はお見逃しなく!
Series1は7月16日(月)~18日(水)午後9時~10時30分、Series2は、7月22日(日)、29日(日)、8月5日(日)午後10時~11時30分の放映。いやいやいや、やっと放映ですことね。

まぁ、既にDVDはSeries1、Series2ともに持っているのだけど、UKのPAL方式(日本はNTSC方式。走査線の数など色々と違う)だけに、キレイに見えるのはPCで再生した場合だけで、ワタシは一応マルチ・リージョンのデッキを持ってはいるのだけど、PAL方式のDVDはデッキを通してTVで見ると、やはりあまり映像はキレイとは言い難い。PAL方式でもキレイに見えるというデッキを持っていないとキレイには見えないのである。ワタシのPCは21インチのモニターなので、別にそれでクリア&スムーズに見えてれば差し支えないじゃない、と思われるかもしれないが、もっと大画面で、もっといい音で観たいのよね~という欲求が湧いてくるのはいかんともしがたい。
まぁ、BSプレミアムで放映されたものを録画すればそのへんのモヤモヤはクリアになるので、今回は準備おさおさ怠りなく、英語版でしっかと録画しなければならない。その一方で、Series2については、日本語吹替え版でどのようなセリフ廻しになっているのかちょっと聞いてみたい気もするので、今回については日本語版で観賞しつつ、英語版を録画する、というのがワタシ的にはベストだろうか。



「Sherlock」Series2が昨今アメリカでも放映されて、バッチ君ことベネディクト・カンバーバッチの人気はUSでも上昇中らしい。バッチ君も昨今の流行に乗り遅れまいとしているのか、意外にもマッチョなボディをお持ちのご様子。シャーロックのコスチュームがきつく感じられるようになったのも、太ったのではなく、大胸筋や腹筋をつけたので、筋肉でシャツがパツパツになったからだと推察される。最近フロリダのビーチで撮影された水着姿には"Sherlock star Benedict Cumberbatch shows off sexy beach body"という見出しが付けられていた。



ともあれ、ひそかに体も鍛えてあれこれと努力、準備はぬかりないバッチ君。でも、どうしたわけか、ワタシ的には「Sherlock」で見る時以外は、あまりググっと来ないのだけど、Series3は来年になるだろうし、今年は思い出した時に適宜、Series2を味わって過ごそうと思う。

コメント

  • 2012/06/08 (Fri) 18:46

    kikiさん
    初めまして。映画レビューをはじめ、多彩な感想をいつも楽しく読ませていただいてます。
    私も元々グラナダ版ホームズを見ていたのですが、昨年放映されたSherlockに見事にハマり、1と2のDVDを交互に視聴しながら、どのエピも繰り返し見たくなる質の高さで感心しています。
    今は仕事でロシアに暮らしているのですが、こちらでは2も今年1月の本国放送後間もなく放映され、1のDVDもだいぶ前に発売されています(字幕なし、本編3編の吹き替えのみですが)。ロシアのSherlock役の声優は、実際のバッチ君とよく似た低めでダンディな(でもおっさんぽくない)声で、口調の雰囲気もぴったり。吹き替えがオリジナルのイメージと違わないというのは、ファンとしてはやっぱりうれしいものですね。日本語吹き替えの声優さんは声が高めで、実際の声を知っているとやや快活すぎる気がしなくもないので、来月のNHKの放映を見る人には英語でも聞いてみてほしいなと思います。
    それと、先月の英国アカデミー賞TVアワードで、モリアーティ役のアンドリュー・スコットが最優秀助演男優賞を受賞したのもうれしいニュースでした。受賞スピーチのシャイな姿は、あの粘着系マスタークリミナルとまるで結びつきませんでしたが、海外からでも見る機会が増えてほしい俳優さんですね。

    ついでながら上の話題とは関係ないのですが、デヴィッド・スーシェのポワロも放映当初からのファンでして、「オリエント急行の殺人」では、スーシェ年とったな~と思いながら見ていたのですが、あのラストには思わずうるうるきてしまいました。誠実に信仰を持つ者ゆえの苦渋がひしひしと伝わり、あの彼の表情だけでも素晴らしい1本だったと思います。

    長くなってすみません。これからも楽しみにしてます(^^)/

  • 2012/06/09 (Sat) 00:07

    Anna さん 初めまして。
    いつも読んでくださってありがとうございます。シャーロック・ファンでいらっしゃるんですね。
    BBCの「Sherlock」を見ていると、グラナダTVの「シャーロック・ホームズ」を何となく思い出して見たくなる、グラナダ版を見ていると、また21世紀版のシャーロックが見たくなる、という感じで、今年の前半はシャーロック三昧でした。Annaさんは現在ロシアにいらっしゃるんですね。ロシアは放映が早かったんですね。アメリカより早かったとは驚きました。そういえばロシアでもホームズ・ファンてかなり多いんでしたっけ。ロシア製のホームズ映画もあったような気がします。ともあれ「Sherlock」。吹替え版のみでも声が近いなら許せますね。日本語版はまったくバッチ君とは個性が異なる声で、俳優本人の声と語り口を尊重するというよりは、ルックスや役柄に合った声で再構成する、というポリシーなのかなとは思いますが、魅力薄なのはいかんともし難いところです。
    BAFTAの助演男優賞、マーティン・フリーマンとアンドリュー・スコットがノミネートされてたんでしたね。アンドリュー・スコットが獲ったんですか。それは良かった。マーティンは去年獲っているしね。今回、Series2でのA・スコットのモリアーティは鬼気迫る怪演でしたものね。あれで獲れなかったら何で獲れるんだというぐらいななりきり演技でしたから、当然だと思います。今後どんどん活躍の場が広がっていくんだろうとは思いますが、モリアーティが強烈だったから他の役で見ると物足りなく感じてしまうかも(笑)

    スーシェの「オリエント急行」も良かったですね。あの映画版とは全く異なる切り口で、とても満足しました。しんしんと雪の降り積む道をロザリオを提げて涙しつつ歩くポワロは印象的でしたね。

    また、いつでもコメントしてください。うちは本文も長文だし、コメントも長文で構いませんので(笑)

  • 2012/06/17 (Sun) 01:18

    こんばんは!カンバーバッチは、「アメイジング・グレース」での小ピットが良かったよ☆

  • 2012/06/17 (Sun) 22:00

    小ピットも見てますよ。悪くはないけど まぁ、そんなものでしょね、という感じかな。
    やっぱりシャーロックでの彼が魅力的すぎてね。他はどれもピンと来ない。今のところ(笑)

  • 2012/06/18 (Mon) 01:25

    kikiさん、こんばんは。ちょっとお久しぶりです。
    最近映画を観る機会が減ってしまっているのですが、「ジェーン・エア」は1944年版が大好きなので、楽しみにしてました。
    作品を観た直後は「良かったわ~」と思っていたのですが、その後原作を読んでみると「ちょっと違う・・・?」という気がしてきました。
    そこで、BBCで放送されたドラマ版を観てみたのですが、これが原作に結構忠実で良かったです。ロチェスター役はティモシー・ダルトンで、やっぱりちょっとカッコよすぎるのですが(笑)、ジェーンを演じたゼラ・クラークという女優さんが雰囲気ピッタリでした。

    ところで、「シャーロック」の再放送があるんですね。放送当初は、どうしてもシャーロック役の俳優さんの顔が好みでなく、観る気が失せていたのですが、kikiさんがすごく推してるのを見て、面白そうかな、と。

  • 2012/06/18 (Mon) 17:21

    kikiさん、こんにちは!以前「ホームズの帽子」の時、初めてコメントさせて頂いたんですが、「ジェーン・エア」の話題なのでまたお話したくて出てきました。
    もう20年ほど前にNHKで放送した、ロチェスターがティモシー・ダルトン、ジェーンがジーラ・クラーク(この女優さんについては全く知らないんですが)のテレビドラマ版があったんですが、ご存じですか?
    ティモシー・ダルトンはごつくて無愛想でしたが、ジェーンに恋してからは情熱的でとても素敵でした。ジェーンも美人ではないけれど知的で品がよかったです。しばらくどっぷりはまり、何度もビデオを繰り返し見てました。NHKの通販でこのDVDが買えることを最近発見しましたが、あの感動が果たしてよみがえるのか確信が持てず思案中です。

    ちなみに最新の映画も楽しみにしてたんですが、近所ではやってないのでレンタル待ちです。残念。

    ベネディクト・カンバーバッチ君があと5歳老けたらロチェスター役にどうだろう、と妄想してたんですが、ミスキャストですかしら???

    先週やっとシャーロックの第2シーズンのブルーレイが手に入り、電子辞書片手に苦戦しています。でも久々に学ぶ喜びが感じられて、至福のひとときです。バッチ君の声、瞳、横顔、ほんとに素敵です。
    ところでレストラードがルパート・グレーブスだと知った時は驚きました。「眺めのいい部屋」などでの彼はすごい美少年でしたから!でもいい感じに老けているとは思いますが。

    長々と失礼しました。これかもブログ楽しみにしています!

  • 2012/06/18 (Mon) 21:59

    mayumiさん、お久しぶり。ちょっとご無沙汰しちゃってますが、お元気でしたか?
    2011年度版の「ジェーン・エア」は、映像は渋くてきれいだったのだけど、何か演出的にいまひとつ、という印象でした。アン・リーの演出で観たかったなぁ、とか思いつつ居眠りしそうになったりして(笑)観賞を終えました。でも、この制作にはBBCが噛んでるっぽいですよね。そのBBC制作のドラマ版は未見ですが、手堅く、原作に忠実に作られていそうですね。ティモシー・ダルトン、悪くなさそうです。ふふふ。1944年度版はいかにもなハリウッド映画だったけれど、出来としても悪くなかった印象が残っています。

    さて、「シャーロック」。これは観なくちゃ損ですよ。折角Series1から放映されるんだから。ただ、BSプレミアムでは字幕放送にすればいいのにニカ国語放送なので、それがちょっとね…。カンバーバッチは本人の声とセリフ廻しで観ないと良さが本当には伝わりません。で、もう1つニュースですが、もしCSが入るならAXNミステリーで7/14の20時から「シャーロック」のSeries1の1話目だけ字幕放送されます。(それしか放映されないんだけど…)これを見た方がドラマの面白さとバッチ君の良さが100%伝わる筈なので、観られたらこっちも観てみてください。

  • 2012/06/18 (Mon) 22:18

    minakoさん、こんばんは。
    おー、なるほど。minakoさんもBBCドラマのティモシー・ダルトン版「ジェーン・エア」をご推薦なんですね?ふ~ん、異口同音にそんなに良かったと言われると見たくなっちゃいますね。どこかで放映してくれぬかしらん。(笑)ワタシは未見なんですよ、そのドラマ版は。でも何となく雰囲気は想像できます。BBCの作りって手堅いし、割に原作に忠実ですよね。それにしても暫くハマるほどに良かったんですか。気になるなぁ…。
    ワタシは、今回の映画版の出来についてはイマイチだったような印象です。でも映像は綺麗でした。バッチ君のロチェスター、いいかもしれませんね。

    Series2のBDを入手されたんですね?そうなんですよ。サクサクとは進めないけど、楽しみながら勉強もできるし、海外版を見るというのもなかなかオツなものですよね。それもこれも日本での発売があまりに遅いからだけど(笑)バッチ君、シャーロックの時は殊更に演技もセリフも冴えますよね。あまりに当り役なんで、他の役をやっていると印象がぼやけてしまうのだけど、シャーロックは出来る限り続けて欲しいですねぇ。ほんとに、シャーロックを演じている時のバッチ君は魅力があると思います。絵に描いたようなハンサムじゃないだけに、余計に雰囲気が出ていて良いですね。ふほほ。
    そうそう、ルパート・グレイブス。ちょっと観ない間にオッサンになっちゃって驚きましたよね。でも顔はそのままなのね。ゴマシオ頭になっても。健在で頑張っていてくれて嬉しいですね。  また、コメントしたい記事があったらどんどんコメントしてください。

  • 2012/08/13 (Mon) 15:40
    寝ても覚めても、シャーロックとジョン

    初めまして、シリーズ3を待つまで、何度 1と2を見るか、想像するのが怖いくらい、はまりまくっています。

    もう、一気読み・・深い洞察に、再び、微妙な二人のやり取りを観察しようと思います。
    舌噛みそうな、ベネディクトさんは、シャーロック以外、魅力感じられないくらいの、シャーロックそのもの。また、ワトソンも、ジョンとワンコのように、呼びたい、モリーも好き。不思議です、回を重ねるほど、ベーカー街が生き生きと魅力を放ちます。
    ベネディクトさん、シャーロックのままの姿勢で、”紅はこべ”の、ブロンドではない、サー・パーシーを演じたら素敵と、夢想しています。つぐないも戦火の馬でも、スルーしちゃった、カンパー~さん、やはり、シャーロックにしか魅力を感じられません、何故でしょうか?

  • 2012/08/13 (Mon) 21:30


    ジェード・ランジェイさん 初めまして。
    コワイぐらいにハマりまくっておられるんですね。
    一気読みされましたか。ワタシは書きたい事を書いているだけなので、深い洞察があるかどうか分りませんが、自分が楽しんで書いているものを、楽しんで読んでもらうというのは、本当にハッピーな事だと思っています。
    「紅はこべ」ですか。面白いところに目をつけられましたね。サー・パーシーね。うふふん。なるほど。案外、そのうち実現したりして。
    そうなんですよね。バッチ君はあまりにもシャーロックがハマりすぎて、他の役で見てもあまりピンと来ない感じもあるし、シャーロックの前は、あまりパリっとした役で出て居ないという事もあるかもしれませんが、さほど迫ってきませんわね。(でも「Hawking」は良かったですが)シャーロックを演じる彼は、その他の役を演じている時にはないシャープな空気があって、多少のエキセントリックさもいい味付けになってるんでしょうね。ダークヘアも顔や雰囲気に合っているんだと思います。

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