久々の敏ちゃんLOVE

-IMDbにおける三船敏郎-



先日、IMDbで調べ物をしていた時にふと思いついて、そういえば「用心棒」ってどんな評価かな、と久々にチェックしてみると、2012年9月現在、IMDbユーザー達のつけたポイントの平均は8.4だった。ふむふむ。「七人の侍」は8.8(相変わらず一番高い)、「椿三十郎」は8.1、「隠し砦の三悪人」は8.0、「羅生門」は「用心棒」と同じく8.4、これらと並んで意外に頑張っていたのが「蜘蛛巣城」の8.2だった。総体に、黒澤といえばすぐに名前の出てくる作品は8ポイント以上の高評価である。(余談だが、「Sherlock」Series2の#1と#3はそれぞれ9.2という猛烈高評価である。9ポイント以上というのはあまり見かけない)
ワタシは自分では観た作品にポイントなどはつけないし、他のブロガーや批評家などの個人のつけたポイントにも興味がないが、映画データベースなどで、ある作品について大勢の人がつけたポイントの平均というのは割に興味がある。主観も数が集まると客観的データになるからだ。
海外の人は黒澤作品以外で敏ちゃんを見る機会がそうそう無い事もあるが、映画ファンたちの作品へのレビューを読むと、黄金期の黒澤作品は、黒澤明のみの仕事ではなく、黒澤+三船の仕事として評価し、楽しんでいる気配が窺える。そして、言葉の壁を越えて、実によく作品を理解しているな、味わっているな、と感心する。(まぁ字幕を読めば分るのだけれどね)IMDbの敏ちゃんのデータページでは、「現代の俳優でミフネのような俳優はいるか?」などのスレが立っていて、ワタシの答えなら「そんなものは居ない!」の一言で終了ではあるが、主にアメリカの映画好き、ミフネ好きたちは、ジョニー・デップだのジョージ・クルーニーだの、ゲイリー・オールドマンだのの名前を挙げて楽しく意見交換していて微笑ましかった。「クルーニーやデップなんてキュートすぎる。ミフネはもっと男の中の男だ」なんてコメントもあった。どの意見にも、彼らが非常に敏ちゃんを愛し、リスペクトしている事が文章の端々から伺われて、何かとても温かい気持ちになった。渡辺謙や真田広之なんて意見も一応あった。渡辺謙は、ワタシの印象では、体格も雰囲気もチョウ・ユンファに近いと思う。ハリウッド的には、この二人はかなり存在感が被るんじゃないかと思うのだけど…。真田広之は、敏ちゃんと比較するにはスケール感がイマイチかな。でも渡辺謙にしても真田広之にしてもあっという間に英語が上手くなったのが、敏ちゃんの時代とは違うなぁ、という気がする。
「今の俳優というのではないけれど、リー・マービンじゃないかな」という意見もあり、「イーストウッドだよ」という意見もあった。ブロンソンというのもあった。(ブロンソンは敏ちゃんと同時代でしょうに…)イーストウッドは「用心棒」のパクリ作品「荒野の用心棒」でスターへの道を歩き始めたわけだから、不敵でダーティで飄々としたヒーローを演じている時には、持ち味がちょっと被るかもしれない。


返しきれない借りがあるぜ…

また、敏ちゃんの身長について、黒澤の映像マジックにより180cm以上あると思っている人もまだけっこういるようで、「いや。彼は日本人だからね、そんなに大きくないよ。5' 8か9(172~173cm)ぐらいじゃないかな」という意見に、「ええ~~!!」なんて驚いている人もいた。だが、IMDbの敏ちゃんのバイオにも5' 11¾" (1.82m) なんてデタラメが書いてある。(ちなみに仲代達矢の身長は5' 11" (1.80m) と記載されている。これもデタラメだ。しかも敏ちゃんより低くなってるのが笑える)どこからそんなデタラメな数字をひっぱって来たのか分らないが、スクリーンの中でタフガイを演じている時の印象で書いたのかもしれない。例えば「用心棒」なんか、三十郎が小柄な岡っ引きやメシ屋のオヤジなどと並んだショットが多いので、印象としてかなり大きく見えるのだ。よくよく見ればあまり大きくない事に気付くのだけど(笑)まぁ、かく言うワタシも敏ちゃんが実際は何cmだったのか知らないけれども、何となく170cm前後ではないか、という気がする。


立ち姿がサマになっている

ワタシが驚いたのは、マクベスの翻案である「蜘蛛巣城」(英題:Throne of Blood)がかなりの高評価で、黒澤好き、映画好きはきちんとこの作品を観ている、という事である。ワタシは敏ちゃんファンではあるが、この作品は苦手だった。衣装やセット、役者の動きなどにも能のテイストを取り入れて、全面的に様式美を打ち出し、おどろおどろしい画面造りなど、確かに黒澤らしいなぁ、という感じではあるけれども、どうもその構えた雰囲気がう~、という感じになるのと、何しろ昔の事で音声技術がお粗末なので、セリフがとても聞き取りにくいのである。敏ちゃんだけでなく誰のセリフも全般に大声のところは音が割れて何を言っているのか聞き取れず、小声のところはもそもそ潜って聞き取れずで感興が薄れ、暫く見ているうちに気疎くなって観賞中断したまま何年も放置していた作品だった。この作品の敏ちゃんは仰々しい芝居が多く、あまりワタシが観たいタイプの敏ちゃんではないし、まぁいいか観なくても、という感じだった。


US版「蜘蛛巣城」DVDのジャケット いいデザインである

でも、海外の映画ファンは実にきちんと観て評価しているのである。偉いねぇ。日本人が頑張ってベルイマンの「第七の封印」を観るようなものだろうか(ちょっと違うかな)。異国の人の方がこの映画の良さを理解しているのは、字幕でセリフがきちんと伝わるからという事もあるのではないかと思ったリした。「FLAWLESS!!!」だの「masterpiece」だの、「シェークスピアの映画化として最も素晴らしい作品」などというレビューもあったりして、ほへ~そうですか…と思いつつ、自分の忍耐力の無さにトホホな気分にもなった。
う~ん、一度は最後まで観てみなくちゃかなぁ…。う~。
少なくとも、ラストで雨あられと矢を射かけられる敏ちゃんだけは観ておくか…。



また、「隠し砦の三悪人」(英題:The Hidden Fortress)も人気のある作品で、これと「用心棒」が好きな人は、ワタシと好みのツボが近いんだな、とレビューをニヤニヤしつつ摘み読んだ。黒澤のベストじゃないけれども、好きな映画だ、という声が多かった。また、ホットパンツのミフネ・トシロウというレビューでは、大好きな俳優ではあったけど、この映画でほどセクシーに見えた事はない、と書いている人もいた。また、ミフネのハマリ役のひとつだ(One of the best roles for Mifume)、という声もあった。ワタシもそう思う。上原美佐の起用の成功についてもちゃんと言及されていたし、例によってスター・ウォーズの元ネタだって?みたいなのもあったけれども、スター・ウォーズとの比較は忘れよ!というレビューもあり、まぁ、映画好きが書いているから、みんなちゃんとよく分かっているな、とニヤニヤした。



そして、「用心棒」(英題:Yojinbo)のレビューでは、「ミフネは、「用心棒」のコピー・ウエスタンに登場するイーストウッドよりもクールである」という意見があり、この「クール」(カッチョいい)という形容が、用心棒の三十郎に対してはかなりの頻度で使われていた。「七人の侍」よりもこっちが好きだ、という人も何人かいた。そうそう、右に同じよ、と嬉しくなった。また、映画についても「エキサイティングで、クールで、面白くておかしい。全てがこの中に詰っている」とか「ダークなユーモアとアクション、そしてミフネの素晴らしい演技が混然一体となって作られたクロサワ・クラシックスである」とか、「クロサワの西部劇だ」とか、うふふん、うふふんとほくそ笑んでしまうような事を、色々な人が書いていた。佐藤勝の音楽がユニークで素晴らしく、効果的である、という意見もかなりあった。みんな、ちゃんと聞いているし、ちゃんと観ている。
「椿三十郎」のスレでは、「ライブラリでビデオを借りようと思ったら「椿三十郎」しかなかった。先に「用心棒」を観るべき?」という問いかけに「勿論、先に観るべし!」と答えている人がいたり、「2本は各々独立した映画なので、必ずしも制作順に見る必要はないと思うよ」と答えている人がいたりで、面白かった。ワタシの意見も後者と同じ。三十郎が登場するというだけで、2本の作品は全く別物だ。むしろ、「椿三十郎」よりも「用心棒」を絶対に観るべし!とワタシなら書くかもしれない(笑)


やはり、用心棒は真打ちである


「まぁ聞け、オヤジ」 ダーティでズル賢くて照れ屋で愛嬌のあるヒーロー、それが三十郎である

また、侍系以外の映画では「野良犬」を好きな人も多いようだ。海外では「酔いどれ天使」よりも「野良犬」の方が受けるのかしらん。
「クロサワ作品以外の出演作が観たいけど、何かお薦めは?」という問いには「レッドサン」を薦めている人がいた。異国に住んでいる敏ちゃんファンは、クロサワ作品以外の作品を観る機会は殆ど無いかもしれない。「レッドサン」か「グラン・プリ」になってしまうのであろう。現代劇の敏ちゃんもなかなか素敵なのよん、とちと同情した。「スター・ウォーズ」のオビ・ワンを是非ともミフネで観たかった、という人も、やはりかなり多いようだった。敏ちゃんが演じてたらどういう雰囲気になったかしらん。ワタシもちょっと観てみたかった気がする。

そんなわけで、あれこれと出演映画のレビューや、ファンのコメントなどを読んでみると、つくづくと三船敏郎の偉大な仕事ぶりや、その俳優としての稀有な才能は、日本でよりも海外でより正当に評価されているのだな、という気がする。日本ではどうも晩年のイメージが祟って過小評価されている気がするのはワタシだけだろうか…。平成も20年を越えた今では、20代、30代の特に映画好きでない人などは、名前だけは聞いた事があっても彼の作品を観た事がない人の方が圧倒的に多いだろう。また、三船美佳の父親だよね?などという甚だ浅薄な知識しか無かったりする。…ほとほと溜息が出る。
それでも少し前よりは、スクリーンに刻まれた敏ちゃんの偉大な仕事と、ワールドワイドにアピールし続けたその姿に関心を持つ人、リスペクトする人が増えてきているような気もする。たとえ幾らか晩節を汚そうと、イメージと実像の乖離があろうと、そんな事は彼の輝かしい仕事ぶりとは何の関係もない。映画俳優は、フィルムに残された仕事が全てである。フィルムに焼きつけられた素晴らしいパフォーマンスこそが命なのだ。ゆえに、三船敏郎の素晴らしさは、映像がデジタル化された今日、ほとんど不滅の生命を得たといっていいだろう。
三船敏郎は、日本人が世界に誇れる永遠の"Acting Legend"なのである。

コメント

  • 2012/09/11 (Tue) 01:53

    確かに「スター・ウォーズ」のオビ・ワンを是非ともミフネで観てみたかったです。

    この男ほどスクリーンの中でドキドキワクワクさせる俳優もいないとわたくしも思いますし、思い返しては黒澤X三船の映画を観てます。
    用心棒の他、わたしは羅生門、隠し砦の三悪人、蜘蛛の巣城の三船が好きです。
    若い時のスピード感と荒々しさ、中年期の渋みと静動。腰の安定感とへの字口。
    だから、天国と地獄の社長役も何故か好きです。まあ、あれはプレスリーの音楽と不気味な映像とのギャップがたまらないかなぁ。

    海外の評価と日本の評価にギャップがあるようだ、
    とのことですが、点を繋いで線で見ている日本人の見方と、向こうの見方の違いがあるのかなと思います。海外のレビュアーたちは超真面目に黒澤並びに三船を勉強してますけど、ロンドンで黒澤特集や三船特集やってる映画祭でもらったパンフでは三船の後年は大概言及されることがない。やはり若い時代から中年期のイメージでくくられてる。
    あくまで三船は黒澤映画のキャラクターとして認知され、評価されている感じがしましたし、黒澤映画以外は話題になることなかった気が。
    まあ、これらはあくまでも観客呼んでの映画祭ですから当然ですが。
    渋い敏ちゃんの魅力はやはり日本人が一番わかってる気がする。
    (しかし、敏ちゃんのイメージを壊す妾の娘の三佳は余計だ)
    ロンドンでは、小津映画映画祭や勅使河原宏映画祭などもさんざん通いました。確か日英同盟100周年記念の年だったと思うけど、北野から清順いろんなのが各映画祭でやってましたから。英国人の友人に「愛のコリーダ観てみたいけど行かないか。どんな映画なの?」と言われた時は躊躇しましたが。
    日本の映画に飢え、DVD屋では日本映画のセクション全て目を通しました。苦笑
    映画のパンフやDVDのおまけ映像の中のインタビューやレビューで海外の映画関係者などが話す日本映画ならびに役者の評価を聞く度に嬉しかった思い出があります。

  • 2012/09/11 (Tue) 22:31

    三船さん、かっこいいですよね。男らしくで、不遜なのになぜか憎めないところが素敵です。海外では今でも高評価と聞き、うれしいです。

    私が子供のころは、ワイドショーでやいのやいの言われている気難しそうなおじさんというイメージしかありませんでした。(沢口靖子の「竹取物語」のおじいさん役もやってたような・・。)
    ですが、大学生で初めて「七人の侍」を見て、こんな凄い俳優さんだったのか!と衝撃を受け、その後、他の作品もいろいろ見るようになりました。

    現代のイケメンとは対極にある人なので、今、作品をTV放映しても受けないかもしれませんね。数年前、「椿三十郎」や「天国と地獄」等のリメイク作品が次々作られましたが、オリジナルとのあまりの違いにスターかくし芸大会にしか見えませんでした。
    三船さんの魅力を広く知ってほしい反面、娘さんの言動も含め、もうそっとしておいてほしいなあという気持ちもあります。

  • 2012/09/12 (Wed) 00:30

    sanctuaryさん
    本人もオビ・ワンを断ってからあとで後悔して、その後にスピルバーグの「1941」のオファーを受けたら、こっちはコケてしまったという皮肉な事になりましたね。オビ・ワン。受けておけばその後の流れがまた変わっていたかもしれませんね。あの剣捌きでフォースを操る敏ちゃんを観たかったなぁ。
    「蜘蛛巣城」の敏ちゃん、お好きですのね。まぁ、確かにね。あれはあれで、いつものように全力投球でやってますよね。最後の矢を雨あられと射かけられるシーンでは本当にパニックを起しているような感じもありますね。とにかくいつでも、出来る限りのパワーを出して仕事をしていたんだな、と思います。あれだけ頑張って仕事に打ち込んできたら、そう長生きは出来ないかな…と。「天国と地獄」の専務役はワタシも好きです。シブイし、演技もとても良いと思います。
    敏ちゃんは、日本では何といっても女問題以降、随分イメージが悪くなってしまったのがね…。それまでは日本でだって「世界のミフネ」として名実ともにスペシャルな存在だったんじゃないかと思うのだけど、あれで大分、偉大な仕事の業績も割り引かれて観られるようになっちゃったんじゃないかな。それはそれとして、敏ちゃんがアメリカの俳優で、あれだけの仕事を残した人だったら、そのリスペクトのされ方というのは日本の比じゃなかろうにねぇ、といつも思ってしまいます。晩年、勲四等か何かの勲章を国から貰った時に、四等なんて功績じゃないのに失礼な。そんなもの断ればいいのに、と菅原文太は思ったそうです。
    まぁ、海外では黒澤作品を通じてしか三船敏郎を観る事は出来ないだろうので、若い時から中年までについてしか語られないのは仕方が無いでしょうね。まぁ、確かに代表作は黒澤作品という事にはなるわけですし。「愛のコリーダ」、数年前にリバイバル上映した時に、一応観に行ったんですよ。観ていて疲れるというか、ゲンナリするシーンもそれなりにありましたが、阿部定と居続けしつつ、男がふと宿の外に出るとさんさんと雪が降っていて、2.26の兵士たちが通りを進んで行くシーンがあるんです。そこはとても印象的でしたね。阿部定事件は2.26と同じ年に起きたんですわね。
    今の日本映画はどうにも観る気のしないものばかりですが(2年ほど前までは、それでも観たい映画が何本かあったのだけど、去年からは皆無)昔は本当に日本の映画はハイレベルだったなと思います。そして、洋の東西を問わず、本当にいいものはちゃんと伝わるんですわね。

  • 2012/09/12 (Wed) 00:43

    Ruruさん
    まぁ、映画好き、黒澤好き、三船好きの人たちがレビューを書いているので、熱が籠もっているのでしょうが、敏ちゃんについてはヒーローを演じてもカッコいいし、俳優としての演技力やパワーも素晴らしいと。つまりスター性もあるし、いい役者でもあった、というニュアンスで非常に高評価だな、という印象を持ちました。ロバート・デニーロと比較したりしている部分にそういう感じが伺われました。

    全盛期には、三船敏郎にはふんだんに愛嬌があったんですよね。実際にはどうか分らないけれども映画の中では、人を喰ったようなユーモアが随所に現れていて、悠揚迫らず、無精ひげで凄腕で愛嬌がある、というキャラクターがとてもナイスだったわけです。晩年の敏ちゃんにいい印象があまり持てないのは、この愛嬌が出なくなってしまった事も大きいんだろうと思います。軍人役が増えたり、ヤクザの親分を演じたりしているうちに、口は常にへの字になり、苦虫を噛み潰したような顔がいつもの顔、みたいになっていっちゃったのかな、と。例のスキャンダルの影響もあったのかもしれませんけれどね。若い頃みたいな愛嬌が役に反映されれば、晩年はまた違った役が演じられたのかな、と思うんですが。

    いま、顔だけ見てたら男か女か分らないような、髭も生えなさそうなへちょへちょの若造があれこれと出てきていますが、そういう手合いが流行る世の中から、いずれまた本筋の方向へと世間の好みは戻っていくんじゃないかな、という気もします。まぁ、敏ちゃんについては、その素晴らしい仕事についてきちんと評価し、敬意を払って、スキャンダルについてはスルーしておく、というスタンスが一番だと思います。あの娘がTVに出ないでくれると、それがスムーズにいくと思うんですけれどねぇ…。まぁ、ワタシは地上波見ないので一切目に入ってきませんが(笑)

  • 2012/09/14 (Fri) 01:10

    蜘蛛の巣城の時に黒澤明はプロの弓師に本当の弓を敏ちゃんスレスレで射ってくれと頼んだもんだから、敏ちゃんのアノ演技はまさに絶対必死のものだったそうですね。
    あとで黒澤に「殺す気か!」ってケンカになったみたいですし。
    kikiさんがおっしゃるように、昔の邦画のレベルの高さはこんな無茶な(現代ではご法度な)ロケで、監督の無茶ぶりと役者の必死さもあってのこともあったでしょうね。
    まあ、特に黒澤は無茶ぶり監督でしたし。笑笑笑


    >>愛のコリーダ→2.26の兵士たちが通りを進んで行くシーン

    美しくも情緒的なシーンですよね。
    昔、わたしが子供のころ、藤竜也って大人の男って思ってた時期がありました。
    まあ、そう感じてたのは他の映画のキャラクターからであり、愛のコリーダの印象ではないのですが、ダメになってく大人の色気も含めてアノ映画も名作の一つかな、と。




  • 2012/09/14 (Fri) 22:22

    sanctuaryさん
    「蜘蛛巣城」のラストシーンをめぐるあれこれは有名な話ですよね。礼儀を重んじる敏ちゃんとしては、しらふの時にはじっと監督の横暴に耐えるしかないのだけど、酒飲んでタガが外れるとあまりの事にブチ切れて、深夜に車で黒澤の家の前に行き、バカヤロー!と叫び、猟銃を発砲しただのしないだのというエピソードがありますね。ははは。しらふの時にその何分の一かでも表に出せていれば鬱憤もそこまで溜まらずに済んだかも、なんですけどね…。それが出来ないのが敏ちゃんという人で(笑)

    藤竜也、一時期はやりましたよねぇ。昔むかし、それこそワタシが小娘だった頃に、大人のこじゃれた恋愛ドラマみたいなので、大原麗子とよくTVドラマで共演していたような記憶があるんですが…。トレンチ・コートとか羽織って(笑) で、「愛のコリーダ」は見てもいいけど、見なくてもまぁ、いいかな、という感じではありますが、観ればそれなりに大島渚はやはり大島渚であるのだな、と妙に納得させられてしまいますね。でも、あれは一度見れば沢山ですわ、はい。

  • 2012/09/17 (Mon) 22:41

    kikiさん、ご無沙汰です。
    久々の敏ちゃん記事、嬉しく拝見いたしました。
    海外の人が敏ちゃんのこと褒めてくれてるのを見聞きするとほんとに誇らしく嬉しい気持ちでいっぱいになりますね。

    今は落ち着いたわたしの敏ちゃん熱ですが(ステキング・リストに殿堂入りです)、敏ちゃんが出ているものは何でも見たくて色々と見ましたが、冷静な目を持つことのできるようになった今(笑)、やっぱり黒澤映画の敏ちゃんが一番輝いているように思いますね。(番外編として「下町」「妻の心」)
    ここに挙げられてる作品はどれも好きですが、マイナーなところで「どん底」の江戸っ子敏ちゃんも好きですし、「白痴」の成り上がりみたいな敏ちゃんも目がハートです。「静かなる決闘」も悩める青年医師に心寄せてしまいます(笑)。「生きものの記録」の中島老人も!
    まあ、要するに全部好きなんですねえ。うふふ。フランスにいた頃に勉強そっちのけで敏ちゃんDVDを飽きるほどに(実際には飽きませんでしたが)見てたのがやや呆れるとともに愛しい時間でもありました(笑)。
    今はそのときほど観賞することはなくなってしまいましたが、kikiさんのこういう記事を読むとそれぞれの作品の中での頑張る敏ちゃんがあれやこれやと思いだされてふわ~っとじ~んとなるんですよねえ。
    また見たくなってきましたよ。
    どれもこれも好きですが、わたしの敏ちゃんナンバーワン作品はやっぱり「酔いどれ天使」です。これは揺らぐことないなあ、きっと。

  • 2012/09/17 (Mon) 23:08

    ミナリコさん お久しぶり~。
    敏ちゃん記事、喜んでいただけましたのねん、良かったよかった。
    IMDbのコメントなどを読むと、ただの侍映画のヒーローというんじゃなく、俳優としても非常にいい俳優である、という捉え方をされているのだな、という事が伝わってきて、それも嬉しかったですね。黒澤作品のレビューでも、大抵の場合、敏ちゃんの演技について言及されてました。「ミフネはいつものようにエクセレントだ」とかね。敏ちゃんは確かに黒澤映画において一番輝いていたかもしれませんが、敏ちゃんなくして黒澤映画がここまでワールドワイドに輝いたかどうかは、甚だ疑問ですわね。お互いに、唯一無二のコンビネーションだったんでしょうね。
    そうそう、ミナリコさんは「どん底」お好きでしたね。そして、「生きものの記録」の中島老人でさえも。敬服いたすわー。ワタシはまだ「どん底」ちゃんと観てませんのよ。申し訳なし。この記事書いたあとに「蜘蛛巣城」をやっと観ました。ラストシーンの恐慌っぷりは気の毒になるほどですね。ついでに、久々にマイナーどころで「悪い奴ほどよく眠る」を観ましたが、黒澤はどうもああいう作品では青臭さが露呈してコケてしまいますわね。あの映画の敏ちゃんはトレンチ・コートを着て口笛を吹いたりしてるのだけれども、どうも映画同様、微妙な印象です。ワタシは黒澤のあの手の映画はダメなんですのよ。全部好き、と言い切れるミナリコさんには敬服致すわー。真面目な話。
    ワタシも「酔いどれ天使」大好きですねぇやっぱり。でも、ワタシの敏ちゃん映画No.1は「用心棒」かなぁ。どうしても「用心棒」になってしまいますわ。三十郎のキャラが大好きで、それが敏ちゃんとバッチリと合っているところがえもいわれないんですわねぇ。あの頃の敏ちゃんは無敵のステキングでした。また久々に「用心棒」を観て、「切られりゃ痛ぇぞ」「桶屋、棺桶2つ、いや、多分3つだ」「刺身にしてやる!」などの名セリフに、うっとりしようかと思ってます。(笑)

  • 2013/10/25 (Fri) 22:36

    そうですよね。この人は日本が世界に誇る素晴らしい俳優ですよね。
    確かに壮年から晩年の三船敏郎については、ワタシはイマイチな印象が強いかもしれません。ご推薦の「関が原」も未見なのです。でも、そんなに気合を入れて演じていたということは、脚本その他、出来がよかったんでしょうね。幸い、今はマルチチャンネル時代で、気長に待っているとそのうちケーブルのどれかのドラマチャンネルで見られたりするので、その時には逃さず見てみると致します。

  • 2013/10/26 (Sat) 01:05
    慈父

    DVDも出ていますから、機会があったら是非。

    主人である石田三成が正論を吐き過ぎる為、不必要に敵を増やして
    いるのを、「こまった殿だなぁ~」と思いながらも、慈父のような眼差し
    で見ている様は、若い頃には無かった魅力だと思います。

    最後の方の台詞「さらばじゃ、正義の御人」も胸に刺さりますよ。

    • ユートーモ #QyOixb7.
    • URL
    • 編集
  • 2013/10/27 (Sun) 01:10

    なるほど。DVDを借りてまで、という感じでもないので、そのうちどこかで放映されたら、ですね。

  • 2014/08/08 (Fri) 14:58
    動画が

    お久しぶりです。
    先日、BSで三船さんの特番やってましたね。

    「関ヶ原」の主従別れのシーン、YouTubeにありました。

    ttps://www.youtube.com/watch?v=jLnRS8uS1a0

  • 2014/08/09 (Sat) 06:52

    ユートーモさん こんにちは。

    BSで敏ちゃんの特番をやってたんですか? 見逃しました。不覚。
    再放送するかしらん…。

    「関ヶ原」のそのシーンは愛好家が多いのかもしれませんね。

  • 2015/01/21 (Wed) 12:41

    Kikiさん
    はじめまして。
    最近たまたま小津作品を見たことから全く興味のなかった邦画にはまり、こちらのブログを拝見させて頂きました。
    黒澤明も昔テレビで乱を見ただけで他のものは見たことがなく、そういえばと思い最近、初めて見てあまりの面白さにびっくりしました。
    すっかり三船敏郎の格好良さと戦後の日本映画黄金期の面白さにはまり、いろいろと見始めたところです。
    断然、三船敏郎ファンなんですが、他は森雅之と佐田啓二がいいなと思いました。池部良はエッセイを少し読んだんですが鶴田浩二とのエピソードなど爆笑してしまうくらい面白かったです。
    敏ちゃんは七人の侍の頃ひどい痛風だったそうですね。他の出演者のいろいろなエピソードなども紹介して頂けて本当に興味深く拝見させて頂きました。今後も私も全然見れていない敏ちゃんのいろいろな出演作の解説やエピソードなど紹介して頂ければうれしいです。
    そう言えば用心棒には黒澤ファミリーで千秋実が出ていませんね。卜全じいさんもですが…。千秋実ができる役も充分ある気がしますが不思議です。左卜全も藤原釜足も出てくると、ニヤニヤしてしまう位ファンになってしまいました。出てない映画だと寂しいくらいです。この二人はどん底が最高だと思いました。
    東京の恋人や妻の心などもご覧になられた様で、とても羨ましいです。
    東宝には敏ちゃん初期作品もどしどしDVD化して貰いたいんですが、谷口作品などは完全に無視されて様でとても残念です。
    長文になり失礼致しました。
    今後も更新楽しみにしております。

  • 2015/01/21 (Wed) 21:32

    Mocaさん はじめまして。
    昔の日本映画は本当に素晴らしい作品が多くて、質とレベルが高かったと思います。
    それまで全く興味の無かった人を、コアな日本映画の世界に引き込む事のできる小津のパワーは大したものですね。さすがというべきですね。黒澤作品も影武者以前と以降ではまるで別物です。影武者以降の映画しか見た事がなかった人は、彼の輝けるモノクロの代表作群を見たらあまりの違いにビックリしてしまうと思います。でも、「赤ひげ」以降の作品でも、敏ちゃんは出ていないけれど「デルス・ウザーラ」は素晴らしいです。未見でしたら是非一度ご覧になってください。何とも言えない余韻が残ります。
    「どん底」ご覧になったんですね。あれは千秋実も、釜足氏も卜全さんも出てますね。「用心棒」には千秋実は出てませんでしたっけ。そういえば、出ていても不思議はないのにこの時はキャスティングされてなかったんですね。「東京の恋人」はともかく、「妻の心」と「愛情の決算」は機会があったら是非ご覧になってください。ワタシ的には殊に後者がお薦めです。敏ちゃんファンには堪らないシーンがあれこれとありますよ。谷口作品、「銀嶺の果て」や「男対男」なんかはDVD化されているんじゃないかと思いますよ。店の規模が大きければ、ツタヤの懐かシネマ系のコーナーにあるかもしれません。またはDISCASあたりでお試しで借りてみる、という手もありかもですよ。
    ともあれ、いろいろと探して、たぐり出して見て行くのも楽しいと思います。

    また、いつでも遊びに来て、長いコメントを書いてください(笑)

  • 2015/01/23 (Fri) 12:19

    Kikiさん

    お返事ありがとうございます。
    「デルス・ウザーラ」探して、ぜひ見てみたいです。
    「銀嶺の果て」は見る事ができました。敏ちゃんの初登場シーンは障子の隙間からあっという間でしたがギラっした目がなんとも印象的でした。戻りのフンドシ姿も…(笑)
    Kikiさんお勧めの「妻の心」と「愛情の決算」はこちらでの紹介を拝見してぜひ見てみたいと思っておりました。なんとしても見れる様に情報あさり頑張りたいと思います!
    東宝がもっと積極的にDVD化してくれると苦労しないんですが。今後に期待です。
    周りに敏ちゃんの破格のかっこよさを語れるファンがいないので、またわさわさお邪魔ませて頂きます!

  • 2015/01/24 (Sat) 13:02

    Mocaさん
    「銀嶺の果て」はご覧になったんですね。「妻の心」は古い映画が充実しているレンタル店にはあるんじゃないかと思いますが、けっこう名画座とかで上映される率も高いのでチェックしていればそのうちに観られると思います。「愛情の決算」はかなりレアなので、DVD化が望まれますね。あれは沢山の敏ちゃんファンに見てほしいし、佐分利信の監督作品としてもなかなかの作品じゃないかと思います。東宝は昔から自社の作品を積極的にソフト化しない会社なんですよね。なんでだか知りませんけど、困ったもんです。

    敏ちゃんについて語りたくなったら、またいつでもいらしてください。

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