晴天の木曽路に秋の風 その1

-初秋の奈良井宿を行く-



ワタシは信州が大好きでよく行くのだけれど(涼しい緑陰と透明な水、美味しい蕎麦…気分的には第二の故郷だ)、いつも諏訪から上の方に行っていて、南信州には一度も行った事がなかった。南信州には何があるのかといえば、木曽があるのである。そう、「木曽路はすべて山の中である」でお馴染みの木曽である。奈良井と妻籠・馬篭がちょっと離れていたりして効率よく廻るのは難しいのもあってこれまで行かなかったのだが、バスツアーを見つけたので利用してみることにした。これなら帰りに疲れても寝ているうちに勝手に運んでくれるし、効率よく廻れる。帰りに渋滞にはまっても寝ていれば着くというわけで友と頷き合い、初秋の風に誘われて木曽へと向った。
とにかく中央道の混雑を回避するためもあって平日にリフレッシュ休暇を取って出かけたので、中央道は渋滞もなくスムーズに流れていたが、奈良井宿まで新宿から3時間。やはり木曽はなかなか遠い。
でも、早起きしてはるばるとバスに乗ってきた甲斐があって、奈良井宿は晴天の中、穏やかにひなびた静かな佇まいでワタシ達を迎えてくれた。


宿場町に入る手前にある、木曽の大橋


奈良井宿


時が止まっているような気のする中山道の宿場町にも、静かに、確実に、時は流れている

奈良井宿は日本一の長さを誇る宿場町で、全長約1キロ。宿場の外れに神社がある。時代の降りつんだ軒を並べた家々は、質実だが風情があって見飽きない。各家の連子格子には家ごとに工夫を凝らした飾りが施され、それらは全てセンスがよく、季節感があって美しく、暮らしを楽しむ奈良井宿の人々の心持ちの豊かさを感じさせる。


連子格子の柿の実 …秋ですねぇ


良いですね、こういうの とても素敵でございます






シブい なんと素敵なセンスか




連子格子と朝顔も素敵だ 朝顔は10月まではゆうに咲く 我が家の朝顔もまだ咲いている



優雅ですねぇ

名だたる木材の産地という事でうるし塗りの店も多かったし、信州は蕎麦の地であるから蕎麦屋も多い。また、甘味どころなども実に素敵な店があった。そんなに高いものは買わなかったが、折角なのでお椀を買った。いつものお味噌汁も美味しく感じそうな気がした。


素敵な茶房 のんびりとした午後のひとときを約束してくれそうだ

さりげなく配された和傘がバッチリと決まっている



こちらは珈琲店 これまた実にナイス こんなお店でモカの香りに癒されたいものである

街並みが古えの姿そのままに残っているというのは、なんと素敵な事であろうか。金沢の武家屋敷や倉敷の古い街並みなども見物したが、どちらも現在の街中にその一角だけセットみたいに古い街並みが残されていて、どうしてもツーリスティックで、どこか人工的な、ムリに現代に残されているという気配を感じないわけにはいかなかったのだけど、木曽は山里のせいか、周辺が開発されたりもせず、余計な今風の人家もなく、昔のままの宿場町がそのまま残され、昔からそこで生活している家々が子々孫々に代々受け継がれて、古い家と古い街並みを保存していっているのであろう様子には、実にあらまほしき姿、古い街の理想的な姿を見たように感じた。平日に行ったので土日ほど観光客が居なかったのも幸いしたのだろうけれど、鄙びた古い宿場町の佇まいが、殊更に好ましく目に映った。


まるきり昔のまま それが何とも素晴らしい


お蕎麦も出す食堂兼茶房 信州とくれば蕎麦である


煙草屋さん この佇まいの絵になっていることはどうであろうか ポストも含めて完璧である

ゴールデンバット1箱、とか言ってしまいそうである


造り酒屋さん 巨大な杉玉が新酒の出来栄えを物語っている


奈良井の土人形 なかなか風情のある人形だった

全長1キロもあって、あれこれと見て廻りたいし、珈琲を飲んだりノンビリもしたいのだが、散策時間は1時間しかない。ひと所に長居していると廻りきれないので、些か競歩気味に一番奥の神社まで急ぎ足。


宿場町に珍しい洋館 これもまたオシャレである








屋根を支える小さな梁の下の飾りもオシャレだ いいですねぇこういうの


いかにも材木の産地らしい郵便受け


宿場の奥にある鎮守社 年越しなどにこういう神社にお参りに来ると雰囲気最高だろうと思われた


宿場町の途中にある水場




宿場町の中の小さな紅葉

木曽は信州でも南にあるので紅葉にはまだ早かったのだけれど、紅葉がなくても初めての木曽は十分に印象的で、美しかった。古い宿場町に住む人々が、古い街並みと古い家を大事にしながら、それなりに工夫を凝らして家の前面を品良く飾り、古い街道の宿場街に暮らす事を楽しんでいる気配が感じられて、それが何よりとても好ましく豊かな事に感じられた。
(次回は妻籠宿と阿寺渓谷の見聞記をUPします)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する