2013年 東京の桜

-墨堤および深大寺と神代植物公園-



今年は「あれ?」というぐらい早く桜が咲いて、びっくりしましたねぇ。
3月の20日に異様にあったかくなったので一挙に開花が進んだのか、予想もしない早さで桜が咲いて、桜のイベントをもう少し後に想定していた人々はさぞ大ワラワだったことでしょう。今年はやけに早いなぁとは思いつつも、折角桜が咲いたんだから、恒例の桜見物の都内散歩に出てみました。

金曜の午後にちょうど外出の予定が出来たので、用事を済ませたら桜見物としゃれ込むことにしたんざますのよ。さてさて、今年はどこに行こうかと開花情報などをチェックしていて、そうだ!と思いついた場所がひとつ。
それは、桜のない時期に時折行って、次は是非とも桜の時期に来てみよう、と過去に何度か思いつつも、桜の時期が来ると忘れてしまっていた場所、墨堤(隅田川の堤)、つまり隅田公園の桜でした。状況は五分咲き。でも平日の午後に、川べりをのんびりと散策しながら眺めるなら五分咲きでも十分でしょう。休日に行って、とてつもない人出に辟易し、花を見に来たのか、人の背中や頭を見に来たのか分らない状況になるよりはずっとマシというもの。

そんなわけで、暢気に浅草に向ったワタクシ。地下鉄から上がり、紅(くれない)の吾妻橋に差し掛かった当たりで、ギョ!と思いました。休日よりはマシだろうけど、想定したよりかなりの人出。まだ昼休みの時間帯。近所のオフィスから桜見物に出てきた人もいるし、休みをとって見物に来た人もいそう。もちろん、近所にお住いの高齢者の方々も散歩がてらに見物されているというわけで、いやー、最近はあまり平日と休日の差はないのかな。それでなくてもアサヒビールなどの既存のビルの合間からスカイツリーが臨める吾妻橋のたもとからの眺めは東京の新名所になった観もあり、みんな、とりあえず1枚は写真を撮っちゃう場所ゆえに人出もあろうってもんですわね。というわけで、ワタシも定番を1枚。



この日はいいお天気でやや暑く、川面は真っ青、淡く桜が川べりを縁取って、屋形船や水上バスが白い水尾を引いて通り過ぎ、人々は思い思いに川のほとりで憩い…実に平和な光景でした。毎年、桜の季節に、うらうらと咲く花の下で春の日差しを浴びながらそれぞれに憩い、散策し、談笑する人々を眺めていると、とてもほっこりとした平和な気分になります。とてつもない大地震が来るとか来ないとか、地震以外にも、いつ何時、何が襲ってくるか知れたもんじゃない世の中ですが、とりあえず今は平和だ、と思います。いつまでも続くといいんだけれど…。






吾妻橋を渡った対岸から、隅田公園の桜を眺めました。想像していた通り、なかなか風情のある眺めで満足。今回は枕橋という橋を越えて水門の向うの堤も散策。これまで一度も来た事がなかったのだけど、背後は公園でやはり桜が咲いていて、惜しげもなく日が当り、水の向うに、吾妻橋から言問い橋まで淡い桜色の雲のように続いている桜の並木を堪能しました。









***
墨堤はふと思い立って予定せずに行ったのですが、ちょうど桜の時期にここに行ってみようと少し前から思っていたのは深大寺。そこで、土曜日には世田谷在住の友と、深大寺および隣接する神代植物公園を散策しました。何しろ深大寺といえば蕎麦で有名なところ。大の蕎麦好きのワタクシら。桜だけでなく、蕎麦もおおいなる楽しみのひとつですのよね。

深大寺については、随分前に有吉佐和子の小説で、ヒロインが深大寺の近くに住んでいる、というものを読んだ事があり、うっすらと興味はあったのだけど、正確には東京のどのへんにあるのかも、今回、行こうと思うまで知りませんでした。何故行ってみようと思ったかといえば、昨今、例の「ゲゲゲの女房」を、NHKでの本放送の時には一度も見た事がなかったのに、ファミリー劇場で週末に6回分ずつまとめて放映しているのを偶然見て、確かに評判になるだけあって面白い、と思い、なんとなく見ているうちにゲゲゲの茂と奥さんが自転車で深大寺に行くシーンが何度が出てきて、なるほど、深大寺ね、と興味が湧いてきました。深大寺は調布と三鷹の中間ぐらいに位置し、世田谷郊外のようなところなのだけど、世田谷在住の友人もあまりに近すぎて行った事がない、とのことで、お互いに新鮮な気持ちでの探訪となりました。

調布からバスに乗って20分ほどで深大寺に(三鷹からでもバスで20分程度らしい)。バス停から歩きだすと、周囲は既にして桜並木の静かな参道で、この参道の両脇にはとにもかくにも蕎麦屋が軒を連ねているんですねぇ。蕎麦屋ばっかり。有名だとは聞いていたけど聞きしに勝る蕎麦屋三昧。そこら中みんなライバルじゃ、深大寺のお蕎麦やさんは大変ですわね。(信州の戸隠も蕎麦屋が多かったけど、深大寺ほどの蕎麦屋三昧ではなかった)でも、静かな道に桜が咲いて、いかにも東京郊外らしい長閑な様子に、ワタシ達は忽ち深大寺が気に入りました。このあたりは武蔵野の面影を色濃く残しているところで、住民がいかにもここでの暮らしを丁寧に楽しんでいるという気配のする土地でした。


こうして、お蕎麦屋さんがずっと続く

お腹も空いたので、まずは蕎麦蕎麦、蕎麦を食そう、ということで、もっと先に幾らもあるのだけど、目についた古そうなお蕎麦屋さんに腰を落ち着け、深大寺蕎麦と地ビールの深大寺ビールに野菜てんぷらで腹ごなし。いずれも美味で大満足。店内はほぼ満員で、品のいい老夫婦が休日にお蕎麦を食べて深大寺界隈を散策するのであろう姿が目につきました。老後を深大寺界隈でゆったりと過ごすというのは、なかなか理想的なありようかもだね、と語らいつつ、ますます深大寺が気に入ったワタクシたち。



その深大寺は、境内に枝垂れ桜が咲いていて、花の咲く木が多く植わっているのがいかにも背後に植物園が控えている場所らしい雰囲気。おみくじを引いたら「吉」が出ました。ふっふっふ。きっといい事があるでせう。




境内のしだれ桜



深大寺



深大寺の中をひとめぐりしてから、裏手の坂を登り、神代植物公園へ。入園料はオトナ500円。中は想像していたよりもずっと広く、雑木林の佇まいなどいかにも武蔵野。とにかく花の咲く木が沢山あって、桜も多様な種類のものが、いろとりどりに咲いておりました。整然としていながら武蔵野の自然の空気が流れ、どことなく奥ゆかしく、どこを見ても綺麗な神代植物公園。近年随一のお気に入りスポットになりました。こんな素晴らしいところをこれまで知らずに来たなんて…。東京に生まれ育ってウン十年、まだまだ都内で知らない場所、知らない事は沢山あるものだと、毎度、驚かされます。


まさに武蔵野の雑木林















植物園の中にはばら園もあれば、長い長い藤棚もあり、季節がくればさぞ壮観だろうと思われ、ワタシたちはバラと藤の季節に、また神代植物公園を訪れることを決めました。今度は違う店で蕎麦を食してみよう、季節がわりの頃には必ず来て、毎回違う店で蕎麦を食べて、深大寺界隈の蕎麦屋をひとわたり制覇するのもいいね、なんてもう、すっかりご満悦。それぐらい、深大寺界隈は趣のある素敵なところだったんですね。ワタシは機会あれば、都内散歩をするのが趣味で、ここ数年は特にあちこち散歩していますが、神代植物公園はここ数年でNo.1のお気に入り散策スポットになりました。都内のなんとか庭園というのもあれこれ見たけれども、神代植物公園に勝る場所は目下のところ無いような気がします。何より、どこを向いても木々の向うに興ざめなビルなど見えないのが素晴らしい。新宿から特急で僅かにふた駅のエリアだというのに。まさに東京人の憩いの園でございます。

***
植物園内の散策を堪能し、再び深大寺の門前に降りてきて、シメは「鬼太郎茶屋」見物。
深大寺に来て、鬼太郎グッズを買って帰らぬ愚もありますまい。







店内は所狭しと鬼太郎グッズを売っておりました。もちろん水木先生の漫画も売っていて、ゲゲゲファンである友人は、全集のチラシに目が釘付けになっておりました。それぞれ幾つかグッズを買い、2階の展示コーナーも期間限定で無料だというので見物してきました。鬼太郎の身長は130cmなんだって。びびびのねずみ男の身長は、さぁ、何cmでしょう!?



というわけで、桜ばかりでなく、蕎麦に深大寺に植物園にゲゲゲと、余すところなく深大寺界隈を満喫して、心豊かな楽しい散策と花見ができた休日でした。

コメント

  • 2013/03/24 (Sun) 22:45

    kikiさん、こんばんは。

    日本からこちらに戻る日がちょうど東京で開花宣言が出た日で、あらあらちょっと早いんじゃない、と思っていたのですが、まあほんとに満開も早かったようですね。
    東京の留守宅は浅草からひと駅、高校も隅田公園にほど近い所だったので、隅田川の桜は馴染深く、記事を読んで嬉しくなりました。墨田区側の川沿いは広くないのに休日はかなりの人なので、平日は正解ですね。個人的にはやはり地元の上野公園が、広いので人の多さをさほど感じないし、桜も一番見応えがあると思ってます・・・うるさいのを除けばですが。
    深大寺は写真がたくさんで、ずいぶん気に入られたようですね。一度しか行ったことがないのですが、蕎麦屋がどこも風情があるいい感じだった記憶があります。でも植物園は行かなかったなあ、こんなに素敵ならぜひ行ってみなければ、ですね。

    話は変わってオフィスに入っているNHKの海外放送で数日前、「80年後Kenji」の「銀河鉄道の夜」を放映していたので、仕事をしつつチラチラと見ていたのですが(笑)映像の美しさが印象的でした。宮沢賢治の童話って、無国籍な感じのせいか現代的なCGが違和感なくむしろピッタリで、これもちゃんと見たかったなあと思った次第です。

  • 2013/03/25 (Mon) 21:35

    annaさん こんばんは。
    本当に今年はびっくりする程、桜が早く開いてしまいましたわ。
    いつが開花宣言だったのかもよく覚えていないんですが、気がついたら桜が咲いててビックリ!という感じでした。

    そうですか。annaさんは浅草界隈のご出身なんですね。それではもう、子供の頃から墨堤の桜は見慣れた光景という感じでしょうね。今は異国にいらっしゃるから懐かしい風景という事になるのかな。偶然だけど、懐かしんでいただけて良かったですわ。
    浅草はたまに水上バスで行ったり、散策に行ってお蕎麦を食べたりするので、時折行くんですが、深大寺は今回初めて行ったので、自分の中では非常に新鮮な発見だったんですね。同行の友は世田谷で生まれ育った人ですが、下手に近いと却って行かないというやつで、深大寺は行った事がなかったらしいです。ともあれ、予想を超えて気持ちのいいところでした。特に神代植物公園は素晴らしかったです。年間パスポートを売っていて、当初は「ええ?」と思ったけど、今では年間パスポート購入もアリかなぁ、なんて思ったりして。

    そちらでも海外放送で「80年後のKENJI」を見られたんですね。映像は建物や街並みや汽車の古い車内の様子など、こだわりがありましたね。CGも綺麗だったと思いますが、ある程度、予想の範囲だったかな、という気もします。この特集は第1回~4回までがけっこう良かったので、この出来でいくと「銀河鉄道」はどんなだろう!とワクワクしてたらさほどでもなかった…という印象だったのですが、確かに悪くなかったですよね。また、再放送するんじゃないかと思うんですが、その時期にannaさんが日本におられるとも限らないですし、難しいですね。(笑)

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