「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(STAR TREK INTO DARKNESS)

-仲間愛に燃えるVillain-
2013年 米 J・J・エイブラムス監督



「スター・トレック」シリーズに新旧双方さっぱり興味がなく、1本も観た事のないワタクシだけれども、バッチ君が二度までも来日して頑張ってプロモーションしていたので、一応、観ておくか…と2Dで観賞。ワタシは全く「スター・トレック」に興味がなく、新しいのも古いのも1本も観た事がないので、これは過去作品と比較してどうこうなどというレビューではありませぬ。
とりあえず観たということで、ざくざくとした感想を。

何はともあれ、バッチ君は、これまでに観た中では一番男前に撮られていたと思うし、そのバリトン・ヴォイスの最も低いところをよく響かせて効果的に使っていたと思うので、彼単体で観ている分にはそれなりに面白かった。クールでもあった。ワタシは彼だけを観に行ったので、彼がカッチョ良かった事にはひとまず満足した。が、彼が出てこないシーンは、う~む…。やはりトレッキーでないワタシには乗組員の愛も友情もどうでも良すぎて、物語世界と終始距離があった気がする。
巷の感想をチェックすると、面白かったという意見がかなり多いようなので、ワタシはマイノリティかもしれないけれど、バッチ君が出ていなければけして観ない種類の映画ではある。



このシリーズはそういうテイストなのかもしれないが、とにかくカーク船長と誰かが、なんだかんだと口論するシーンが多い。互いに相手の発言に被せあってがぁがぁとしゃべりたてるので、うわ、なんだ、また口論なの?という感じ。暑苦しいカークのキャラには鬱陶しさしか感じず、あの暑苦しさにはクリス・パインが適役なんだろうけれども、クリス・パインの濃い眉毛に、つい星 飛雄馬を思いだしてしまったりしたワタシだった。暑苦しいといえば、医者のボーンズを演じていたカール・アーバンも顔が暑苦しい上に、常にむわっと広がった小鼻がさらに暑苦しさを増強していた。そういえばこの二人が口論するシーンも多くて、あまりの暑苦しさに辟易した。


常に小鼻が怒りっぱなし

バッチ君演じるジョン・ハリソンを逆襲へと向わせる元となるマーカス提督を演じるのは、ナツカシやロバート・ウェラー。あのロボコップ=ウェラーである。どうもこの骸骨っぽい顔はどこかで見たような…と暫く考えていて、あ、ロボコップか!と思い出した。他にもいろいろ出ているのだろうけれども、ロバート・ウェラーといえばロボコップしか浮かんで来ない。が、今回は黒幕の提督の役で、バッチ君といい勝負の低音を駆使したセリフ廻しでなかなか存在感があった。

この新シリーズでMr.スポックを演じるのはザカリー・クイント。クールで情に流されず、規則を重んじるMr.スポックとカークはことごとに意見が食い違うが、本作は彼らの生死を賭けた熱い(暑い?)友情がフィーチュアされている。ザカリー・クイント演じるスポックは、そのクールさ、その長身、その走る姿の滑らかさなどが、なんだか微妙にバッチ君のジョン・ハリソン(=カーン)と被っていたような気もしたけれど、そんな風に感じたのはワタシだけだろうか(笑)

ラスト間近で、スポックとカーンが空中を移動しながらの一騎打ちがあるのだけど、体格も雰囲気もよく似た二人が組んずほぐれつ取っ組み合っているので、どっちがどっちなんだか、パララックスビューのようでもあった。
また、上半身が殆ど動かず、足だけが滑らかに回転して走っていくバッチ君のランニングフォームがとてもキレイなのをあらかじめクリップで観ていたのだが、スポックのザカリー・クイントも全く同様の、上半身のブレないキレイなフォームで走っていて、そのへんもとてもシンクロしていた。



全体にかなりアクション・シーンが多いのだけれども、バッチ君は体のキレがよく、めまぐるしいアクションもソツなくこなしていた。体の動かし方にセンスがある。そういえば、バッチ君のカーンがシャワーを浴びるシーンがあったらしいのだけど、本編では無かった気がする。あれはカットされたんだったっけかしら。まぁ、とにかくこの映画のために体重を増やし、体を鍛えてハードなアクション・シーンに備えたというバッチ君だけあって、どのシーンも、どの衣装も、なかなかサマになっていた。



そして、彼はやはり、とことんダークヘアの似合う人なので、本作でも、そのダークヘアがバッチリと役にも合っていたし、その響きの深い低音の声にもよく合っていた。白面の面差しにダークヘアと、蛍光色を帯びたような薄いグリーンの目がクールに映えていた。首が長いのでハイネックのコートもよく似合っていた。激しい怒りと憎しみにかなり顔が歪むシーンもあったが、概ね無表情で、背筋を伸ばし、端正な佇まいだったので、いやがうえにも端麗に見えた。
バッチ君としては、これまでの作品中で最高の男前っぷりだったのではないかと思う。



余談だが、彼には、自分はゴージャスではない、という意識があり、ジェームズ・マカヴォイのようなゴージャスなルックスには憧れがある、と何かのインタビューで語っていたけれども、今回はマカヴォイに負けてなかったんじゃないかしらん。むしろ長身で脚が長い分、マカヴォイ先生よりアドバンテージがあったかも、である。

バッチ君は史上最悪の敵、冷酷な悪役を演じるという事だったが、カーンはクールそうに見せかけて内面はかなり熱い男だったような気がする。彼の内部に充満しているのは熱い仲間愛である。カプセルで眠らされている仲間を全員無事に助けたい、そして、自分たちを不当な目に遭わせた相手に思い知らせたい、ただそれだけなのだ。仲間は家族であり、それは何よりかけがえのないものだ、と目のふちに涙を浮かべて語る男が情け知らずの冷血漢などでありえようか。彼の内側は大切に思う仲間への愛で充満しているというのに?



トレッキーな人々にとっては不届き千万なことだけれど、ワタシはバッチ君だけが目当てで観たので他の事はどうでもよく、とにもかくにも彼だけを観賞してきた、という感じだったけれども、こういう、いかにもなブロックバスター・ムービーに出て、スマートで魅力的な悪役として強いインパクトを残し、しかもルックス的にはかなり磨かれて、これ迄で一番のハンサムマンぶりを発揮したバッチ君。知的な性格俳優というそれまでの顔から、華とオーラのあるスター俳優の顔も兼ね備えたというところだろうか。役者としてのキャパとチャンスを拡げる為のステップボードとして、本作への出演は意味のある事だったのかもしれない。
しかしまぁ、あまり何度もこのテの映画には出なくていいとは思うけれども、確かに本作のバッチ君はCoolなので、ファンは観て損はないとは思う。

「スター・トレック」をさっぱり知らないワタシが1つ、ハテ?と首を傾げたのは、新旧スポックのご対面シーン。老いたスポックを、ご存知レナード・ニモイが演じていて、若いザカリー・クイントと、お互いに「Mr.スポック」と呼び合うのだけど、…あれは何?なんで爺さんと若手のスポック同志が会話するの? スポックって何人もいるの?? …などなど、初心者には永遠に解けない謎も含みつつ、エンターティメントとしては、それなりに楽しめる一篇でもあろうか。…でもまぁ、くどいようだけれど、ワタシはバッチ君が出てなければ観ませんけれどね(笑)

コメント

  • 2013/08/19 (Mon) 12:47
    残暑お見舞い申し上げます

    kiki様

    こんにちは。今年は本当に暑いですね。朝顔、きれいですね。
    四国のご旅行の記事も楽しく読ませていただきました。
    スタートレック、ご覧になったのですね。私は子供の時にTVシリーズを見ていたのでトレッキーかといわれればそうかも知れないなー、程度の温度ですがスタトレは好きなほうでした。なのでスタトレの世界観が分かっていたので、そこに最近では一番すごい役者さんと思っているバッチ君を‘世紀の悪役‘なんてうたい文句で、商業的にはめ込んで変な風にバッチ君(我が家ではついにバッチ君が呼び名になりました)を扱ってほしくないなーと思いながらほぼ確認のため?観にいったのですが、さすがバッチ君、飲み込まれることなくしっかりくっきり役を演じてくれて、おおー!なんて悪いヤツなんだと悪者っぷりを嬉しくみて参りました。
    SHERLOCKのトレーラーが出て以降、我が家ではBBCのDVDを予約するべきか?が話題になっています。家族も一人、はまってしまいましたし(^^)。シーズン3とバッチ君の今後の出演作がたのしみです。お邪魔しました~。

  • 2013/08/19 (Mon) 17:54
    映画館へ行こう!

    トレッキーではありませんが、新スタートレックは、映画で見て、DVDで見ました。もてるのがスポック、カーターは全然もてないのが、おかしかった。
    ご当人達より、お二人のお父上が存在感バッチシ、素敵でした。重みがあった。うわーーーー、バッチ様、おでになられるのね、見ねば!

    薄いグリーンアイ、ダークヘヤー、低音のボイス、そして、その姿勢、動きの独特な美しさ・・・・・シャーロックでなくても、見ます!
    情報、ありがとうございます!

    • ジェード・ランジェイ #-
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  • 2013/08/19 (Mon) 23:31

    joveさん こんばんは。
    本当にウンザリするほど暑い夏ですね。来週一杯この暑さらしいですが…。やれやれ。
    朝顔は毎朝毎朝、かなり咲きます。四国は暑いけどなかなか楽しかったです。記事を楽しんでいただいて何よりです。

    そうそう。バッチ君。「スタートレック」の、あのハリウッド的なコテコテ商業主義に流されず、自分の立ち位置をきっちりと守って、いい仕事をしてましたね。とにかく男前に見えるようにキレイに撮ってもらってたし、持ち前の佇まいがきれいで姿勢のいいところが上手く生きてましたわ。クールだった。ふふふ。でも、ワタシは彼の演じたカーンがそんなに悪役とも思えないんですけれどね(笑)
    おー。ついにSeries3はUKからDVDを取り寄せますか?まぁ、日本での放映を苛々待つよりとにかく早いし、楽しいですよ。だって早く観たいものね(笑) そして、joveさんのお宅にも「バッチ君」が浸透しましたか。うふふ。定番の呼び名がないから、あっちこっちで好きなように呼ばれていて、それも何となく面白いなと思います。缶バッチ様とかいう呼び方もあるらしいけど、ワタシは自然に「バッチ君」という呼び名が頭に浮かんで、最初からずっとそれで通しちゃってます。

  • 2013/08/19 (Mon) 23:37

    ジェード・ランジェイさん

    新スタートレックは一応、ご覧になってたんですね。では、ワタシのようなまるきりの門外漢ではないわけですね(笑)
    スポックがモテモテで、カーターはモテない…カーターってカークの事ですかしら?
    シャーロック以外では、本作でのカーン役のバッチ君はビジュアル的にかなりのOKラインです。これまでは、どちらかといえば一般受けよりマニア受けというタイプだったような気もするのだけど、本作で王道の一般受けラインに踊り出た、という感じがしました。端麗なバッチ君を是非ご堪能ください。

  • 2013/08/20 (Tue) 11:26

    ご無沙汰しています。猛暑日が続く中、どうお過ごしでしょうか?ご旅行されてらっしゃったんですね。
    スタートレックのバッチくんはわたしの中でホーキングというキーワードで繋がってます。
    前世紀の新スタートレックでスティーブン・ホーキング本人が出演してました。
    うる覚えだけど、確か宇宙船の中で彼とアインシュタインとホーキングが愛してやまないマリリン・モンローがポーカーゲームかなんかをやってました。

    そんなホーキング役を後年バッチくんが演じて話題になって…今の活躍があるワケですが、まさかホーキング役をやっていた頃にこんなに出世するとは思いもよりませんでした。
    イヤ、大物の匂いはしてたんです。ただ、kikiさんもおっしゃるように一般受けよりマニアックなテイストなので、今回のようなスタートレックとはいえヴィラン役をやるなんて思いませんでした。
    さあて、これからハリウッド役をどうチョイスするかが問題ですよね~。
    一躍、知名度もアップしてますし、どんな役をするか興味あります。
    役次第では、より役者の幅を広げるでしょうけど、リスクも多いしハリウッドは。
    しかし、スタトレで確実に新境地を切り開いてますね、彼。


  • 2013/08/20 (Tue) 15:29

    ハーイ!kikiさん☆

    四国旅行記たのしく読みました。私もウン十年前?の盛夏に松山に行ったことあるよ。まだその頃は道後温泉、漱石の坊ちゃん関連と、石手寺くらいが観光メインで子規堂なども人が少なかった。今では秋山好古・真之兄弟など郷土の英雄がいっぱいで、さぞ様変わりしていることでしょう。
    その時、何の興味もなく松山城に上りました。それが良かった!人生でそうそうない経験。晴れ上がった夏の空、思いがけずの天守閣からの絶景。心地良い風が吹いていて、なんだかたまらなく愉快で希望に満ちた気持ちになりました。その後「坂の上の雲」を読むことになるのだけれど、いつもイメージはあの日の松山城です!

    私も、スタートレックにはそう思い入れはないけれどまあ子どもの頃、テレビで見てました。いくつか印象に残るエピソードもあるけど最近の映画は全然興味なくって、バッチ君が「スタトレ」に出るって聞いた時、ミスタースポックの役だと勘違いしてしまいました(笑)だからザカリーと似てるって感じるのはアリですよ、と映画見てない私が言うのもナンですがww。暑苦しいカール・アーバン!「ロードオブザリング」のローハンの騎士エオメルですな。あの時はなかなかクールでしたのに。

    さて、昨夜の「トップギア」。カンバーバッチ君出ましたね!!三菱に乗ってた話やジェレミーにパンチングの所などカット(泣)もありましたが、コーナーそのものがカットされなくてホッとしました。前回の有名人レースはカットされてたから。タイムが発表される直前のバッチ君の表情ったら!ウォリック(ワーウィック)・デイビスに負けて悔しがるバッチ君もかわゆす!!

  • 2013/08/20 (Tue) 22:45

    sanctuaryさん こんばんは。
    お久しぶりですねー。毎日暑いですが、ワタシは夏バテも夏痩せもしないタチで、暑いのは嫌いなんですがけっこう元気です。sanctuaryさんはいかがお過ごしですか?

    ホーキングが新スタートレックに出ていたとは知りませんでしたが、バッチ君の出世作は若きホーキングを演じたドラマでしたね。なるほど、そこでホーキング繋がりなんですね。
    つい最近までバッチ君はマニア受け路線だったと思うのだけど、今年は大ブレイクしましたねぇ。というか、既に去年の段階で「Sherlock」のSeries2が放映されて以降は熱狂の渦が彼を取り巻き始めるわけですが、その助走を踏まえて今年は確実にボーンと大きくステップアップしましたね。
    これからは、山のように寄せられる企画や脚本をえり好みできるだろうと思いますが、とにかくアンテナを働かせていい仕事をチョイスしていって欲しいですね。今年はバッチ君にとって、まさにエポックな年になったんだな、という感じがしますわ。

  • 2013/08/20 (Tue) 23:00

    ジェーンさん こんばんは。

    おお。真夏に松山に行かれた事があるざんすか。高知ほど暑くはないかもだけど、まぁ、暑かったですわ。で、松山城に登られたんですね。かなり高いですよね、あそこは。城のあるところまでロープウェイで行くんだものね。天守閣からの眺めが素晴らしいというのは、後で知人に聞きましたが、松山観光にあてた最終日が雨模様だったので、城には登らずに、別荘の洋館を見てきましたわ。松山は今、坊ちゃんよりも「坂の上の雲」の方がメインて感じでしたわ。

    そうなの。バッチ君がスタトレに出ると聞いた時、スポックやるのかしら、とワタシも思ったざますわ。でもその後、Villainだというので敵役か、と分ったわけですが。で、常に小鼻がいかりっぱなしのカール・アーバン。「ロード・オブ・ザ・リング」にも出てましたかね。どっかで観たような顔だな、とは思ってたんだけどね。

    そして、あ"~~。「トップギア」!予約録画の設定するのをコロリンチョと忘れちゃってましたわ。そうか、昨夜だったんですね。シマッタわ。うっかり八兵衛。 …まぁ、削除前に海外のニュースサイトでさくっと観たので、ラップタイムを聞くときの顔も見たから、それでよしとしときますわ(笑)

  • 2013/09/10 (Tue) 18:20

    こんにちは、はじめまして。
    本日これから、STIDをカンバーバッチ目当てで観に行くところです。

    スター・トレックには全く興味を持てず(というか、マニア向けだと認識していたので嫌ってました・笑)観に行くことも躊躇しておりましたが、こちらの記事を拝見し、少し勇気が出てきました!

    カンバーバッチが出演している箇所だけ、割りきって楽しんで来ます。

    御礼まで!

  • 2013/09/10 (Tue) 22:32
    Re: タイトルなし


    xapさん はじめまして こんばんは。
    バッチ君のみを目当てに見に行かれたわけですね?ワタシと同じですね(笑)
    いかがでしたか? とかくに暑苦しい人間関係だの、何かといえばの口論だの、冒頭の変な星の生き物たちは一体ナニ?だのといった、諸々の「う~む」な事柄も、ただひたすらにクールなバッチ君を引き立てる為のものだと思えば、うっすら我慢もできようかというもの。二度と観ようとは思いませんが、バッチ君だけはカッチョ良かったと思いませんか?(笑)

  • 2013/10/04 (Fri) 17:31


    ワタシの記事で映画を楽しむ事ができたというのは、何よりですわ。
    また、いつでも遊びに来てください。

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