「メンタリスト」シーズン4 (THE MENTALIST 4)

-いつもノラリクラリと、時折シリアスに-
2011-2012年 米 Primrose Hill Productions Warner Bros. Television 他



本国USでは、もうじきシーズン6が放映されるみたいだけれども、ひとまず日本ではシーズン4が放映中であるこのシリーズ。
ワタシはサイモン・ベイカーのモニャっとした顔があまり好みじゃないので、これまでは、流れてきたのを時折観るという程度であまりちゃんと観ていなかったのだけど、シーズン4に入って、たまたま観た回に出てきたキュートなサミーラ・アームストロングが気に入り、彼女が演じるサマーと、堅物・無表情の超アジア顔の捜査官チョウ(ティム・カン)の絡みにちょっと興味が湧いて、シーズン4の途中からチェックしはじめた。

不要かもしれないけれども、「メンタリスト」というドラマの骨子についてざっと書くと、主人公パトリック・ジェーン(サイモン・ベイカー)はかつて人気の霊能師だったが、TV番組で連続殺人鬼レッド・ジョンを侮った発言をしたため、妻子を惨殺されてしまう。復讐を誓った彼はレッド・ジョンの手掛かりと足取りを掴むために、CBI(California Bureau of Investigation -カリフォルニア州捜査局)の捜査活動にアドバイザーとして協力し、日々起こる様々な事件を解決しつつ、レッド・ジョンに迫っていく。シーズン3では遂に宿敵レッド・ジョンと対面し、彼を射殺したジェーンだったが、シーズン4に入って、彼が殺したのは別人で、レッド・ジョンはまだ生きている事が判明する…。



というわけで、このシリーズが続く限りレッド・ジョンは死なないし、姿を現さずに機会を捉えてはジェーンを脅かしに現れるわけである。レッド・ジョンとジェーンの闘いが終わる時、このシリーズも終わるわけである。人気があるうちは、いくらでも長く引っ張れる構成だ。また、レッド・ジョンとの闘いという縦糸に、ジェーンとリズボンは男女の関係になるのか否か、という横糸も絡めてあるのはお約束。いつ、くっついちゃっても不思議はない二人だけれども、これも最後まで引っ張るんでしょうねぇ、きっと。
それにしても、アメリカの警察機構というのはややこしい。市警察があり、更に広範囲を取り扱う州捜査局というのもあるわけか。その他、保安官というのもまだ居るみたいだし、州をまたぐ犯罪の場合はFBIの出番となる。うまく住み分けられるの?ぶつかっちゃうんじゃない?と素人でも思う。 まぁ、きっと折々ぶつかっているのだろう。

「堕ちた弁護士ニック・フォーリン」で注目された後、このシリーズが当って、サイモン・ベイカーは人気スターの仲間入りをした。心の底に癒えない哀しみと消えない喪失感を抱えつつも、常に人を食った表情でのらりくらりとして掴みどころのないパトリック・ジェーンは、中肉中背でタフガイでもない彼のやわやわとした持ち味をよく生かした役だ。



ラスト・ネームがジェーンというのも、なにがなしピッタリな感じがする。手荒な事や、血なまぐさい事は嫌いで、そういう事はできるだけ周囲のコワモテ捜査官に任せ、自分は常にヤワヤワ、モニョモニョとした人を食った表情で、事件に絡む人々をおちょくったり、怒らせたり、手玉に取ったりしながら犯人を追い込んでいき、事件を解決に導く。そのモニョっとした顔つきが、どうも誰かに似てる気がするんだけど、と思っていたが、池部良にちょっと似ているのだと最近気づいた。


え? そうかな

ジェーンを監督する立場にあるCBIの捜査チームのボスであるリズボンは、しっかり者でジェーンと名コンビだ。折々、暴走するジェーンに手を焼きながらも、その能力には一目置いている、という設定。ボスというには、なんだか若すぎるんじゃないの?という感じもなくはないリズボンだけれども、アグレッシヴ過ぎなくて、適度にお茶目なところもあるのが、なかなか可愛いキャラ設定だ。



リズボンの下には3人の部下がいる。デコボコ・コンビのチョウとリグスビー、そして赤毛の若手女子ヴァンペルトである。当初ちらっとこのシリーズを観始めた時には、なんだかパッとしない捜査官ばかりだわねぇ、という印象だったのだが、中でもズングリと重心が低く、お餅みたいな四角い雰囲気の、超アジア顔の捜査官チョウのルックスには、かなりのアナクロニズムを感じた。大昔の日本の刑事ものに脇役の真面目な刑事でよく出てきたようなタイプである。今にも尻のポケットから扇子とか取り出して扇ぎながら歩きそうだ。柔道五段って感じ。


チョウとリグスビーの凸凹コンビ

でも、この地味で四角いお餅のようなチョウが、観ていると段々好ましく思えてくるから不思議である。自慢じゃないが、ワタシはかなりのコリアン・アレルギーだ。チョウはコリア系という設定だし、演じるティム・カンもコリア系アメリカ人だが、この人はあまりコリアンという感じがしないのである。その無表情、無口で沈着な雰囲気は、むしろ日本人の持ち味だと思う。もっと言うなら、ふた昔以上前の、昭和的日本男児の雰囲気である。言い代えると、チョウも、それを演じるティム・カンもコリアン臭がしないので観ていて苦にならないのかもしれない。


なんとなく昭和的な日本男児の雰囲気を持つチョウ 超アジア顔

しかも、このズングリと四角いチョウ(ティム・カン)は、声が良いのである。英語版での本人の声もいいが、吹替えも低めのいい声の人が担当していてよく合っている。チョウはその低めでクールな声でキビキビとしゃべり、口調がキッパリしている。滅多な事で表情を変えないし、浮かれもしない堅物のようだが、チョウは軍歴もあり、またティーンの頃にはストリート・ギャングにも入っていたという異色のキャラ設定で、なかなか面白い。同僚の電信柱のような大男リグスビーと、赤毛のヴァンペルトは一時期付き合ったりもしていたが、チョウにはさっぱり浮いた話もないわねぇ、と思っていたら、シーズン4に入って、ある事件で知りあった夜の女(というか娼婦だった)サマーと、なんだかお互いが気になるチカチカした関係になってきた。


キュートで機転の利くサマーを情報屋として雇うチョウ

とある殺人事件に絡んでサマーの事情聴取をするうちに、彼女が裏の世界に通じていて、情報がなかなか正確だという事に気づいたチョウは、自分の情報屋として雇う事にする。無口で挑発に乗って来ないチョウに興味を持つサマーは、情報屋としてもそれなりの腕前を発揮するが、犯人を捕らえるための囮作戦などで、彼女が男に粉をかけたり、色目を使ったりするたびにチョウはひそかにヤキモキする。この無表情でいながらヤキモキする感じがちょっとツボ。
勘が良く、才走りすぎて余計な事態を惹き起こしそうなサマーに危機感を感じたチョウは、ある囮作戦を限りに彼女との契約を切ろうとするが、サマーは憤慨し、激しく抗議する。「それは私を好きなのに、でも、どうしていいか分らないからでしょ!」とサマーはチョウに肉迫する。あくまでクールな無表情のまま押しきろうとするチョウに業を煮やしたサマーがヤケを起して彼をどついたり、平手打ちを食らわしたりとかなり焦れた感じになり、勢いに押されたチョウがつい「I like you」と言ってしまうところでニヤニヤした。

サマーを演じるサミーラは、キュートなコケットリーの持ち主で、愛嬌もあり、なかなか魅力的である。ちゃっかりしていて現金が好きだが、金の亡者というほどでもなく、小才が利いて度胸がよく、お茶目で可愛い元娼婦の情報屋というユニークな役によく合っていた。



堅物チョウのロマンスは、この先どうなっていくのか、ちょっと楽しみだ。サマーを演じるサミーラ・アームストロングはシーズン4の8話目で登場し、その後、後半の数話に登場する。次のシーズン5にも1話だけ登場するようだが、その後シリーズから姿を消すらしい。チョウと喧嘩別れでもしたのか、または命を落とすことになるのか…。そのへんはシーズン5を観ての楽しみに取っておこう。

その他、シーズン4では、「HOMELAND」でブロディの妻を演じているモリーナ・バッカリンが、シーズン3に引き続き、ゲスト出演している。彼女の役は、エレガントだが知的で計算高い夫殺しの悪女で、まさにぴったり。ジェーンに捕えられた彼女は刑務所に服役中だったが、ある事件の捜査を手助けできるから、一時的に外に出して欲しいと取引を持ちかける。脱獄を懸念しながらも、ジェーンは彼女を娑婆に出し、犯人逮捕に協力させるが…というわけで、すらりとスレンダーで、色気とゴージャス感を兼ね備えたモリーナ・バッカリンにはまさにハマリ役。ジェーンとの、今にも一線を越えそうで越えない関係性なども面白い。



そこにいるだけで男を意のままに従わせる彼女に、リズボンが嫉妬するのもかわいい。優雅な悪女を演じてぴたりとハマるモリーナ・バッカリンも今を盛りの美貌の上に、なかなか芝居も上手いので昨今とても売れている。浅黒い肌のブラジル出身。エキゾティックなラテン系だが、ラテンの味わいが、ベタじゃなくかなりソフィスティケイトされているのがミソか。この人も今後もっと出てくるでしょうね。何せもう、ピカピカしてるものね。オレンジ色の囚人服ですらファッショナブルに見えるのは、さすがという他はない。個人的にはブロディの妻よりも、この夫殺しの悪女エリカの方が役として彼女に合っているし、魅力もあるが、女優としてはブロディの妻ジェシカの方が演じ甲斐のある役だろう。とにもかくにも、モリーナ・バッカリン、ショートヘアがとてもよく似合っている。



というわけで、ドラマを支えるサイモン・ベイカーについて殆ど書いていないけれども、「メンタリスト」シーズン4は思ったより面白かった。(まだ最終話まで観てないけど)
「メンタリスト」は全米でも視聴率が良いらしいので、シーズン8か9ぐらいまでは行きそうな、息の長いシリーズになりそうな気がする。

コメント

  • 2013/10/13 (Sun) 16:05

    私も「メンタリスト」観てますよ~!ジェーンとリズボンのコンビ最高!そういえば、今アメリカで放送されているシーズンで、レッド・ジョンの事件は解決するとかしないとか・・・ホントかなあ。解決したら、終わっちゃう気が(笑)。

    日本のテレビドラマはあまり観ませんが、海外ドラマはよく観てます!「クリミナル・マインド」「キャッスル」「NCIS:LA」・・・刑事ものが多いです。今は「パーソン・オブ・インタレスト」にハマってます!ジム・カヴィーゼルがカッコイイです。もともとファンなんですけど。彼の「モンテ・クリスト伯」は良かったー。

  • 2013/10/14 (Mon) 20:22

    mayumiさん
    なんか「メンタリスト」お好きそうですよねぇ。そういう気配がしますわ。
    USで放映されている最新シーズンというと、6とかかしらん。レッド・ジョンの件は解決か、と思わせてまた引っ張るんじゃないんですかね。レッド・ジョンの事が解決したら、それ以上ドラマを引っ張る核がないだろうという気がしますよ。

    日本のドラマは昨今ちょっと面白いものも出てきたけれども、総体に海外ドラマの方が面白いですね。ジム・カヴィーゼルですか。ちょっと鼻に段があるけど、目元に憂いがあって悪くないですね。ふふふ。

  • 2014/09/22 (Mon) 15:15

    結局レッドジョン死んでもシーズン続きましたなw

  • 2014/09/27 (Sat) 22:01

    そうですかな。最近観てないので知りませんわ。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する