目的地としてのホテルを巡る旅 シェムリアップおよびハノイ その1

-晩秋の東京から30℃のシェムリアップへ-



ワタシ、今年の初めには、今年こそは欧州に旅行に行こうと思っていたんざます。そろそろ行かなければ、という気分に満ち満ちていたんですのね。夏は国内旅行にサクっと行って、涼しくなった秋の終わり頃にブワっと海外旅行に行こう、欧州に飛ぼう、と。
そんなわけで夏は暑いけれども四国旅行を楽しみ、夏が去って秋に入り、年末までの仕事の山谷も大体分ったので、じゃあ旅行の予定を立てようかと相談を始めた時、ふと欧州に行ってワタシは何がしたいのかしら?何が見たいのだろうかな?と思ってしまい、いつの間にか欧州熱が自分の中で去ってしまっていた事に気づいた次第。また巡ってくるだろうけれど、今は去ってしまったのですわね。代わりにアジア旅に出て、憧れのホテルに泊まる旅、というのがムクムクと頭をもたげてきたんざます。今回同行の友人もアジア大好きの超アジア流人間。かくして、久々に行くはずだった欧州に代わって、シェムリアップ(カンボジア)でラッフルズ・グランドホテル・ダンコールにステイし、ついでに遺跡を見物して、帰路ハノイに寄り、ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイに投宿し、買い物をして帰る、という旅のプランが瞬く間に出来上がりました。
そう、BS日テレで放映していた「クラシックホテル憧憬」でその存在を知って以来、どうしても宿泊しなければと思っていたホテルを2つ、この際ハシゴすることにしたんでございます。

かくして、夏が終わって以来、万障を繰り合わせ、10月後半から周囲に風邪引きが続出しはじめたものの、出来る限り風邪をひかぬように貰わぬように用心しつつ日を送り、寒さの増した晩秋の東京から一路、最高気温30℃のカンボジアへと旅立ったワタクシら。成田へは久々にスカイライナー(時間的にモーニングライナーかな)を利用しましたが、いやー、暫く使わないうちに随分綺麗になったなぁと驚きましたね。綺麗で快適。実にナイスでした。日暮里からスカイライナーに乗れば、成田もなんだか近く感じますわね。しかも昨今はyahooの乗り換え案内からオンライン予約が出来るんですよね。スピーディなり。地下深く、元は貨物用の殆どベンチも待合室もない穴倉のような殺風景なプラットフォームから出発する東京発のNEXと較べたら、その快適さ、爽快さは雲泥の差。特急料金込みで3000円近いNEXと較べたら運賃も割安感があるし、ワタシは次回から成田に行くなら断然スカイライナーだわ、と思いました。羽田便が充実すればその限りじゃないけれど…。


出発の朝 目覚めたばかりの東京の街を眺めつつ成田へ向う

シェムリアップへは直行便がないため、今回はハノイでトランジット。ハノイまでは成田から5時間半程度。ベトナム航空利用は4年前のハノイ旅行以来です。ベトナム航空はエコノミーの機内食もなかなか美味。コーヒーも美味しいざます。映画もしっかり2本(「グランド・イリュージョン」と「ビトレイヤー」)観ましたが、どっちもイマイチだったかな。日本との時差はベトナムもカンボジアも2時間。日本からだと西に戻る形なので、時差は向うが2時間マイナスという感じになります。途中、乗り換え待ちは1時間程度でしたが、ハノイのノイバイ空港に殆ど覚えがなかったので、こんなシンプルで照明も暗い感じの空港だったんだっけなぁ、と思いつつ乗り換え用のゲートへ。そういえば、いまだにネオンサインが点滅しているようなショップの看板などには見覚えがあるなぁ、などと思いつつ出発予定のゲート前のベンチで待っていたものの、搭乗手続き開始時間になってもいっこうに受付に人も現れなければ、何も始まる気配がない。電光掲示板もないし、何がどうなったんだろうねぇと言っていると、ひどく訛った英語で放送が入り、「ハノイからシェムリアップに行くベトナム航空XXX便は出発ゲートが変更になりました」と言っているらしい。なんじゃらほい。どこかに分かり易く掲示してよ、と思ったけれども、ベトナムの昨今の経済発展は、まだ空港までは及んでいないらしいのですわね。しかし、ベトナムと日本は経済関係も良好で、日本からの渡航客をもっと来易くしようと入出国カードは廃止になったんですね。だからあの黄色いカード、ベトナムに行く場合は書かなくてもよくなったんざますわ。らくちんなり。

しかし、ハノイからシェムリアップに行く時はあまりスっとは行かなかったんですね。まずゲートが突如変更になり、更に搭乗手続き開始が遅れた上に、シートに座ってからも長らく飛行機の中で待たされ、なかなか動き出しませんでした。どうも、その日は気流が悪くて少し収まるのを待っていたようなんですが、途中、悪天候なのでこの便はキャンセルです、などと言い出されたら嫌だなぁ、と思いつつ落ち着かぬ気分で機内で待つこと暫し。管制塔のOKが出て、飛行機が滑走路を走り出すまで40分ほどかかったのだけど、けっこう時間がかかったような気がします。でも、飛び立つと1時間半程度であっという間に着くにも関わらず、機内では軽食が出るんですね。ベトナム航空は紙おしぼりにココナッツ系の実によい香りがついていて、封を切って香りが立ち上ると、暫しうっとりしてその香りを嗅ぎました。ただの紙おしぼりにつけられた香りなのにね。
そしてベトナム航空のスッチーは、深紅のアオザイに白いパンツで髪をアップにして、なかなか素敵でした。ベトナム女性は骨細で細身。しかもストレートのサラリとした黒髪。それがまた、あの細身の体型とよくマッチしてるのよね。 それにしても、あのほっそりとした骨組みはちっと羨ましいな。



などと思っている間に、あっという間にシェムリアップに到着。カンボジアは水害が多いらしく、地上が見えてくると、かなり広範囲に水浸しになっている土地が見えました。その辺は郊外で何もないところなんだろうけれど、それにしたってかなりの広さで水浸しになっていて、嵐のたびにそんな感じになるのかな、大変だなと思っている間にも飛行機は降下していき、オレンジ色のタイ風の屋根を持つシェムリアップの空港が見えてきました。この空港は数年前に新しく建て替えたそうな。実に綺麗で、しかも民族色が出ていてナイスな空港でした。カンボジアは文化的に隣国タイと似ているな、という印象。隣国といえば、カンボジアは東にベトナム、西にタイ、北にラオスと国境を接しているわけですが、最も文化的に近いのはタイなんじゃなかろうか、という感じがしましたね。建物も人々の顔つきも近いものを感じました。


シェムリアップ国際空港

ともあれ、着いたからってウカウカしちゃいられない。15日以内の滞在ならビザもいらず、入出国カードも不要になったベトナムと異なり、カンボジアはビザも入出国カードも必要なんざますのね。我々はシェムリアップの空港でアライバル・ビザを取る事にしていたので、カウンターで書類に必要事項を書き込んでいると、にわかに背後が騒がしくなり、少し空きのあった我々のカウンターに忽ち野猿のように殺到してきたのは、何かと思えば日本の隣国の半島K国の団体ご一行。あの言語で大声で傍若無人に呼び掛け合い、人の頭越しにお構いなしに紙やペンをやり取りし、異国の人の頭に自分の手やペンがぶつかろうとお構いなし。…全くどこの田舎者だ。団体旅行で来るならビザの手配ぐらい自分の国で一括でして来たらどうなのか。

東南アジアへの旅で、何かひとつ玉に瑕な事があるとすれば、それはこのチョングルハングルの一団がどこにでも跋扈しているという事なんですね。ベトナムやカンボジアに団体ツアーでやたらに押しかけるらしい。そして自国の資本のホテルに泊まり、自国の料理を出すレストランで食べまくり、そこいらで買い物をしまくって帰るそうな。彼らとはホテルではまず一緒にはならないし、レストランでもご一緒しないで済むけれども、空港や観光地などでは避けがたくニアミスしちゃうんですのよね。というわけで、早くもシェムリアップの空港で、我々は最初の洗礼を受けた次第。あぁ、早くビザを取って、この野猿の群れとは即行オサラバしなくては。ビザは書類に必要事項を記入して、用意していった証明写真とUS$20を添えて出せば、すぐに取れますのね。我先にとビザ発給カウンターに詰め寄せる半島の一団に眉をしかめつつ待つほどに、名前を呼ばれてビザを貼ったパスポートが渡されました。心なしかあちらの空港職員の人々も半島の一団にはかなりゲンナリしている様子。とかくにガサガサして、慎みとか物静かさってものが微塵もないという感じ。どうもあの国の人は、自分たちの都合や目的が最優先というのがムキ出し過ぎるのだね。ファッションもこれまた、女性は一様に蛍光色のふんだんに入ったスポーツウェアのようなものを着ていて(その色の取りあわせがまた…)、しゃべらなくても一目で分る。日本人なら、よしや大阪のおばちゃんでもあんなものは着ていまい。

ともあれ、ビザを取って入国審査を抜け、バゲージをピックアップして空港の外に出ると、カタカナで我々の名を書いた札を掲げて、現地の代理店の人が待っていてくれました。さぁ、これからあの「ラッフルズ・グランドホテル・ダンコール」へと、いよいよ向うわけですわね。シェムリアップは空港と街が近いのもいいところ。車で20分ほども走れば街中に入ります。そしてワタシ達は、あの優美なクリーム色の、シェムリアップで最も歴史ある老舗ホテルである「ラッフルズ・グランドホテル・ダンコール」玄関前に滑りこんだわけですのよね。車から出ると、クリーム色の外壁に生えるペパーミントグリーンのドアが内側から恭しく開かれて、素敵な民族衣装を着たドアボーイが含羞を含んだ笑顔で出迎えてくれました。ふぅ、これこれ。遂に素敵空間に到着ですわよ。


ラッフルズ・グランドホテル・ダンコール

案内されるままに、クロークを通り抜けて奥のラウンジへ。優雅なウェルカム・ドリンクを戴きつつ、チェックイン手続きでございます。このホテルは従業員の数が多くて、入れ替わり立ち代り現れる、と「クラシックホテル憧憬」でも言っていたけれど、確かにそのとおりで、静かな頬笑みを浮かべた感じのよい人が飲み物を運んでくれたり、かと思うと別な人がチェックインのためクレジットカードを預かって持っていったりと、次々にやってきました。ワタシ達をホテルに運んでくれた現地の代理店の人は、とにかくオプションツアーだとか、買い物やスパならここがいいとか、あれこれ売り込みに忙しく、ホテルの人々を待たせてまでくっちゃべっているので、営業はもういいから、という意味で彼の講釈を遮ってホテルの人を優先しました。妙に商売気旺盛なガイドは困るね。



チェックインが終わり、象をかたどったゴブレットが素敵なウェルカムドリンク(その時はトロピカルなジュースでした)を啜っていると、予期せず我々の前に女性の日本人スタッフが現れました。万一、我々の英語では覚束ないようなこみいった事を頼みたい時など、日本人スタッフが居てくれるというのは非常に心強いですわね。一流ホテルの良さはこういうところにもあるざますねぇ。



そして我々は、あの憧れの1930年代製の木造手動式エレベーターで4階へ。客の顔と宿泊フロアをすぐに覚えるという名物エレベーターボーイは、その時は不在だったのだけど、とにかくホテルのロビーにはスタッフが大勢いるので、誰でもすぐにエレベーターを動かしてくれるんざますのね。
で、4階に降り立ちました。あのクリーム色と黒の市松模様のフロアがシックに我々を出迎えてくれました。そしてあたり一帯にただよう馥郁たるレモングラスの香り…。そう、ここでは長い廊下の途中にさりげなくレモングラスのアロマポットが置かれてあって、常によい香りが漂ってくるんですのよね。ウットリ。


創業当時からそのままの、優美でクラシカルなエレベーター


4階のフロア レモングラスの香りが漂う空間 市松模様の床がえもいわれない

エレベーターを降りて斜め向いが、「John Thomson Suite」と呼ばれる部屋。ジョン・トムソンとは、1866年にアンコールワットを初めて撮影したカメラマンだそうな。我々の部屋はそのスイートから筋向いぐらいなところ。予約の際、特に部屋指定などはしなかったのだけど、ホテル側でデラックス・カテゴリの部屋にアップグレードしてくれたそうで、部屋タイプは「Landmark Rooms」と呼ばれる部屋を用意しておいてくれました。


エレベーターの斜め前に位置する「John Thomson Suite」


我々の泊まった「Landmark Room」

偶然だけど「クラシックホテル憧憬」でロケに使われていた部屋の隣の部屋で、部屋タイプは全く同じ。部屋のプライベートバルコニーからホテル正面の広々とした芝生の庭や、その向うの王様の別荘が見える部屋でした。室内に入ると、勿論、窓辺のテーブルにウェルカム・フルーツ。そして、先ほどご挨拶に来てくれた日本人スタッフ那須さんからの手書きのメッセージが添えられてありました。


日本人スタッフからの手書きのメッセージが添えられたウェルカム・フルーツ

そこに一歩足を踏み入れると、常に温かいホスピタリティに満ち満ちた空間が待っていてくれる。そんな事を如実に実感したホテルでした。初日からもう気分は最高で、荷を解いて、シャワーを浴び、サッパリして夕食をしたためがてらオールドマーケット探訪に出ました。

シェムリアップの街は、なんというか、特に耳目を惹くものはないなぁ、という印象でした。町並みなども、いかにも東南アジアの街という雰囲気。ただ、こういう街は年々歳々、開発が進んで新しいショッピングモールやホテルがどんどん建ち、店も入れ替わっていくので、きっとこの先も、行くたびにめまぐるしく変わっていくのだろうな、と思われます。

我々は、トゥクトゥク・ドライバーたちの勧誘をかわして道を進み、目についた店で夕食を摂る事にしました。特にガイドブックなどは参照せずに決めたのだけど、ガイドブックにも載っていた「カフェ・インドシン」でまずは初日の夕食を。ここは、カンボジア料理だけでなく、イタリアンや、アメリカン・スタイルの料理も出すのだけど、こんなところまで来てパスタやステーキなど食べてもしょうがないので、カンボジア料理を選んでみました。ただ、メニューに写真がついているのはけっこうなれども、メインフロアが満員だったため、外側の屋根付き回廊の席に案内されたので、照明が暗くて写真もはっきりと見えないんですねぇ残念ながら。(あとで考えたら、スマホのLEDライトで照らせば良かったのよね。でもワタシも友も、迂闊にもその時はサッパリそんな事には気づきませんで…)でも、海老の入ったサラダとか、海老の入った炒め物とか、鶏の入ったヤキソバとかを食べました。どれも甘酸っぱいような味、またはココナッツ風味で、どれかはちょっと辛めだったかな。カンボジア料理はどことなくタイ料理風なんですが、タイ料理ほどパンチは効いてないし、ベトナム料理ほど繊細な味わいでもなく、些か中途半端のキライあり。どれも何となく似たような味で、あまり記憶には残らなかったけれども、友は美味しいおいしいと盛大に食べておりました。さすが超アジア流(笑)


ほぼ満員の盛況だった「カフェ・インドシン」

勘定書きが入ってくる箱 キャンディーを4つ入れる場所もある 小洒落てますね

プラプラと少し街を散歩してからトゥクトゥクを捕まえてホテルにご帰還。トゥクトゥクの運賃は交渉ですが、一応の相場というものもあって、半日貸し切りならUS$10、終日ならUS$20ほどだとか。繁華街からホテルに戻る程度ならUS$5以下ですが、幾らだったか忘れちゃった。


トゥクトゥクでシェムリアップの街を走る

カンボジアではUS$がかなり流通しており、どこの支払いもUS$でOKでした。細かいお釣りは現地通貨のリエルで来ますが、大きなお釣りはUS$で来ましたね。用意していくのはUS$のみで全然OK。あらかじめ現地通貨に換える必要はナッシング。リエルやベトナムのドンなどは日本で換金できないので現地で使い切ってしまうに限りますのね。ワタシは今回、日本で円をUSドルに換えて、現金オンリーで持って行きました。トラベラーズチェックは万一の時に安全ではあるけれども、いざ換金しようと思うと、時と所を選ぶ場合が多くて面倒なんですわね。昨年、上海へ行った時に、下手にトラベラーズチェックを用意していって不便だったのが教訓となり、今回は現ナマ一本槍で行きました。でも、最高級5つ星ホテルに宿泊するということはセーフティボックスも文字通り安全ということで、パスポートやその日使うお金以外の現金は、みなホテルの部屋のセーフティボックスに入れておいて安心でした。

ホテルに戻ると、夜はあそこで一杯やらねばだね、と昼間から話していたホテル1階のコロニアル気分横溢の「エレファント・バー」でカクテルを味わいました。バーには、ワタシ達の他には、50代後半から60代前半といった年代の欧米の男女が幾組か憩っていました。


優美なエレファント・バー

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ラッフルズ・グランドホテル・ダンコールの客層は、季節にもよるのだろうけど今回は、欧米人ならリタイア後の60代前半ぐらいのご夫婦が主流のようでした。子供も独立し、家のローンも終わり、仕事もリタイアして、悠々自適な夫妻が、時間とお金を贅沢に使ってエキゾティックな東南アジアへの旅を楽しむ、その足場として、アンコール・ワット観光のために1930年代にフランスが建てたこの老舗ホテルは、実に最良の選択なんだろうな、と思いましたね。適度にリラックスした微笑ましい初老のカップルが多かったです。年を取っても仲がいい、というのは、武者小路実篤じゃなくても美しき哉、と思いますわね。ラッフルズには、こういう欧米からの白人以外には、日本人客がいて、リッチな中国人、香港人、アラブ人の客がいるぐらいで、ほぼ8割が欧米人客という感じでした。ホテル内は実に静かで、客層もある一定のレベルが保たれていて申し分なかったですね。ワタシ達はラッフルズに2泊しましたが、当初、欧米人以外の客はワタシたちだけで、最終日に物静かな母子らしき日本人客がロビーに居たのを見かけたきりで、あとは圧倒的に欧米人、世代はリタイア後の後半生を楽しんでいるという人々が多かったです。
***

エレファント・バーでは、おつまみに必ずブラックペッパーをふんだんに使ったバナナチップスと、現地米を軽く揚げたライススナックを出してくれ、これがまたカクテルによく合うんですね。カクテルは何を飲んでも美味しかったですわ。初日は何か冷たくて少し甘いものが飲みたかったので、フローズン系のトロピカルなカクテルを貰いました。このエレファント・バーも、ホテルの他の部分同様、とても居心地のいいバーで、オーダーを取りに来てくれる女性の感じのいい微笑みが、カクテルの味わいやバーの雰囲気を一段と押し上げておりました。


エレファント・バーのおつまみ(左)とオーダーしたカクテル

エレファント・バーで気持ちよく飲んで、あの骨董的エレベーターで4階に上がり、オーセンティックでクラシカルな味わいを残す真鍮のキーを鍵穴に差し込んで部屋の扉を開けて室内に入ると、ほーーーーーぉ、と満足の吐息をもらしたワタクシら。
それから交互にシャワーを浴び、あるいは風呂に入って翌日に備えて就寝という感じだったんですが、この素晴らしいホテルで唯一の玉に瑕が水廻り。お湯の温度がなかなか一定しないんざんすのよねー。これはこのホテルに限らず、この国の問題なんだろうと思いますが、別の部屋でお湯なり水なりを出し始めると水圧や水量が変わってしまい、急に水に近くなったり、急に熱湯っぽくなったりするので、風呂にしてもシャワーにしても、お湯の温度を一定に保つのが非常に困難でしたね。まぁ、これもそのうちインフラが整備されて、さっと適温でお湯が出るようになるんでしょうが、必死に水の栓やお湯の栓を右に左に廻して調節するというのも、ある意味、クラシカルなホテルに泊まった楽しみのひとつといえないこともないざますわね。1930年代の旅人になった気分を、なんとなく味わえたりするような、ね。


温度調節に根気と忍耐を要するお風呂 しかし、清潔でバスタブも空間も広く気持ちのいいバスルームだった

ともあれ、シェムリアップに来たからには遺跡見物でございます。
我々は、翌日の遺跡見物に備えて、快適な部屋で気持ちよく眠りについたのでした。

というわけで続きは次回。

コメント

  • 2013/12/02 (Mon) 19:13

    お久しぶりです。いやぁ、とてつもなく素敵な旅をなさっていたのですね♪ 私が憧れてやまない旅とはこんな旅です。好きなホテルにステイするのが第一の目的、という旅。特にハノイは数年前から行きたい、行きたい、と恋焦がれているのに、未だに行けてない、憧れの場所です。Kikiさんはあまり世界遺産に興味がおありでないとのことですが、私、興味ありありなのです、世界遺産。ですからハロン湾にも行きたくて・・・
    カンボジアは私にとってはアンコールワットと一ノ瀬泰造さんしか興味がなく、まして直行便がないのであればますます行くことはないであろう国ですが、最近周囲でアンコールワットが良かった、という声を耳にするのでちょっと考え中、kikiさんのお話が楽しみです。
    テレビで私も驚異的な能力をもつエレベーターボーイの放送回は見ました。ゲストの顔と名前、宿泊階を覚えていることはさほど驚きませんでしたが、出かける頃合まで分かる、というのはビックリ。到着日には会えなかったそうですが、その後会うことは出来たのでしょうか?

    カンボジアとベトナム、どちらのホテルも気になっていますので、次回が楽しみです♪♪♪

    お隣のK国人の言動には、う~ん、なんというか、なんともいえない、というか。
    ホテルにはこれまた近くのC国人も見かけたそうですが、C国の方々は「大人」だったのですね。

    ジョン・トムソンをジム・トンプソンと勘違いしていて、ジム・トンプソンはタイだけでなくカンボジアにも出没していたんだ!とさっきまで思い込んでいた私です。
    余談ですがこの夏、タイに行ったのですが、ジム・トンプソンの家も私好みで素敵でした。

  • 2013/12/02 (Mon) 23:00

    Rikoさん そうなんですよ。遂に、東南アジアでどうしてもここには泊まりたいと思っていた2つのホテルを巡ってきましたわ。ハノイは4年前と較べて明らかに経済的に豊になってきた感じでしたよ。だから先になればなるほど香港とかと変わらなくなっていってしまうかもなので、ハノイに行くならあまり発展しないうちに、なるべく早く行った方がいいですわ。ハロン湾はそんなに「おおー!」という感じでもなかったですが、世界遺産好きなら、一応見て損はないと思います。

    で、カンボジア。ワタシも、今回行くまでは興味も関心も無かったんですが、シェムリアップには遺跡だけでなく、ラッフルズ・グランドホテル・ダンコールがあるんざます。遺跡はさくっと一度見て廻れば沢山ですが、このホテルに泊まるためだけにでも、ワタシはもう一度シェムリアップに行く事は吝かではありませぬ。直行便が無くても、カンボジアに関心がなくても、このホテルに泊まるためだけにシェムリアップ行って損はありません。本当に素晴らしいホスピタリティでしたわよ。思いだしても今だにウットリです。あの名物エレベーター・ボーイには2日目に出くわしましたわ。それについては追って記事に書きますわね。ふほほ。

    ホテルにK国の一団などは間違っても居なかったので、その点もホッと一息、でした。C国の人は今回はホテル内では見かけなかったですが、ホテルのユーザーとしては日本人の半分ぐらいの比率でC国の人も泊まるそうざんすわ。K国は0です。ずっと0のままいって欲しいですわ。あのホテルに野猿が押しかけて雰囲気を荒らしたら、ワタシ、マジで怒り心頭ですことよ。

    そうそう、ワタシもジョン・トムソンをジム・トンプソンと最初、勘違いしたんですが、全然別っこですわね(笑)
    タイで、ジム・トンプソンの家をご覧になって来たんですね。素敵な家っぽいなぁ、という感じは凄くしますわよ、見なくても。ふほほ。タイは今、えらい事になっちゃってますが、大騒動になるまえに行かれてよかったですね。

    次回の記事も、どうぞお楽しみに。 なかなか、そう次から次にサクサクとは書けないんざますけれどね…。最近、昔ほどの根気がなくて(笑)

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