The 71st Annual Golden Globe Awards ざっくりの感想

-「Manhattan」が観たくなった-



年が明けるとけっこう早々にあるのが、GGの授賞式。今回のワタシの興味はTVドラマ部門であれこれノミネートされている「ハウス・オブ・カード」が作品賞、主演男優賞を受賞できるのか、というところだったが、双方「ブレイキング・バッド」に吹っ飛ばされてしまった。でも主演女優賞をロビン・ライトが獲ってニンマリ。今回はTVドラマ部門に「MAD MEN」も「HOMELAND」もノミネートされていないという珍しい状態。映画部門は「ゼロ・グラビティ」「それでも夜は明ける」「キャプテン・フィリップス」が犇いていたが、作品賞は「それでも夜は明ける」(12 Years a Slave)が受賞した。司会は前年と同じく凸凹コメディ女優コンビのティナ・フェイとエイミー・ポーラーが続投し、無難にこなしたという感じだろうか。このアワードの司会は、暫くこのコンビで行くんだろうかしらん。


司会は、なんとなく定着した感じのコメディエンヌ・コンビ

今回は冒頭にも書いたとおり「ハウス・オブ・カード」以外にさして関心がなかったので、流しモードで観ていたのだけど、何より印象に残ったのは、やはりウッディ・アレンのセシル・B・デミル賞受賞だった。いまさらウッディ・アレンが節を曲げるわけもなく、やはりというか、当然というか授賞式に姿は現さなかったけれども、代理受賞者としてダイアン・キートンが登場し、彼女は70近くなった今でも颯爽としたマニッシュなスタイルがよく似合って目覚しくカッコよかった。また、このデミル賞の時に流される、受賞者の功績を紹介し讃えるトリビュート・ビデオが、今回は出来が良く、会場が盛り上がったのもナイスだった。



なんといってもウッディ・アレンの作品の背後に常に流れているのはオールディズのジャズなので、この紹介ビデオでもアレン作品で使われたジャズのスタンダードが目白押しに流れるのが耳に心地よかった。そんな彼の作品の名場面や警句を繋いだビデオの中で、ひときわ「マンハッタン(1979)」の美しい影絵のような橋のシーンのモノクロ映像が網膜に沁みた。ガーシュウィンとニューヨーク。最強不滅の取りあわせだ。もう随分観ていないし、すっかり忘れていたけれど、久々に「マンハッタン」が観たくなった。


「マンハッタン」 この映画以上にNYが美しく詩情豊かに撮られた映画も、そうないだろう

ビデオのシメはウッディ・アレンのボギーへのオマージュである「ボギー!俺も男だ(Play it again, Sam)」の1シーンより、ボギー(のソックリさん)がウッディ・アレンに言う「Here's looking at you, kid (君の瞳に乾杯)」でシメ。 お見事!いいね。キマッたね。
久々に観終ってカタルシスのあるトリビュート・ビデオだった。


“Here's looking at you, kid”

その粋なビデオのあとで、代理受賞のダイアン・キートンがマニッシュなパンツスーツ姿で颯爽と現れ、彼女らしいスピーチで長年の友人の受賞を祝った(「ウッディ・アレンと45年も友達だなんてちょっとハート・ブレイキングでもあるけれど」なんて笑いを取っていた)。ラストは、♪新しい友ができても、古い友を失うな とアカペラで歌って喝采を浴び、ステージ脇へと去って行った。染めなければ、もう全面的にその色なのか、それともファッションとして、シルバー・ヘアにして現れたのかは分らないが、髪がシルバーなのに全く老いとは無関係に見え、しかも、年齢に反する若作りなどとはおよそ対極にあって、ダイアン・キートンは相変わらずファッショナブルかつスタイリッシュで、とにかくカッチョ良かった。


いささかドクター・キリコみたいではあるけれど…

こういうファッションが決まるのは、ダイアン・キートンならではだろう

デミル賞を受けたウッディ・アレンの最新作「ブルー・ジャスミン」で主演したケイト・ブランシェットが、映画のドラマ部門主演女優賞を獲得。エレガントなドレス姿で相変わらずしっとりと綺麗だった。この部門で主演女優賞は獲れなかったが、ジュディ・デンチ主演の「あなたを抱きしめる日まで」はよさげな映画なので、ちょっと気になっている。



映画のコメディ/ミュージカル部門では話題作「アメリカン・ハッスル」が作品賞、主演女優賞(エイミー・アダムス)、助演女優賞(ジェニファー・ローレンス)を獲得。確かこの映画のために太ってハゲヅラまで被って頑張ったクリスチャン・ベイルは残念ながら主演男優賞を逃した。「アメリカン・ハッスル」は面白そうだし(俳優も顔が揃っている)、エイミー・アダムスも何となく好きな女優だし、昨今メキメキ売り出し中のジェニファー・ローレンスも観たいので、月末に封切られたら観に行かなくては、と思っている。クリスチャン・ベイルが逃したコメディ/ミュージカル部門の主演男優賞は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で、レオナルド・ディカプリオが10年振りに受賞した。トレーラーを観た限りでは、主演男優賞ものの演技を披露している映画なのかどうか分らないけれども、ふぅん、という感じではあった。


「アメリカン・ハッスル」は女優陣がよかったようだ



ジェニファー・ローレンス 旬の輝き キュートですねぇ 人柄もざっくばらんで大人気

珍しいところでは、TVドラマのミニシリーズ部門で、BBCの「DANCING ON THE EDGE」の演技でジャクリーン・ビセットが助演女優賞を獲った。かなり驚いたのか、絶句して涙ぐんでいた。昔の面影を残したままちょっと老いていたが、この人も案外、息が長い女優だ。



TVドラマのミニ・シリーズ/TVムービー部門では、日本でも昨年秋に封切られた「恋するリベラーチェ」が作品賞。同作品で主演男優賞をマイケル・ダグラスが獲った。
TVドラマのドラマ部門は、冒頭にも書いたように作品賞、主演男優賞(ブライアン・クランストン)は「ブレイキング・バッド」が受賞。TVドラマ部門の主演女優賞は「ハウス・オブ・カード」でロビン・ライトが獲った。TVドラマ部門の関係者はテーブルが後方だったため、受賞者は会場の脇の通路を小走りに走ってステージまで行く、という光景が見られた。ロビン・ライトもステージに上がった時には息を切らしていた。受賞は想定外だったらしく、スピーチを何も考えていなかったらしい。本当にそんな感じで、アッサリと関係者に感謝を述べていた。サッパリしてていいですね。



今年のWinnerの詳細はこちら。

ケヴィン・スペイシーは今回は残念だったけれども、2月から「ハウス・オブ・カード」のシーズン2がUSで始まるようなので、クオリティが維持されれば、来年こそはいけるでしょう。



…というわけで、非常にザックリとした71回ゴールデン・グローブ賞授賞式の感想でした。今回はAXNから生放送だったので、既に結果が分かっているという白けた事もなく、ほほ~ん、とか、へ~、とか思いつつ眺めたゴールデン・グローブ賞だったけれども、何はともあれワタシにとっては、「ダイアン・キートン カッコ良かったなぁ ふぅ…」という事に尽きる授賞式でした。


*****
今回のお題とは無関係なれども、ちょっと書いておきますと「Sherlock Series3 The Last Vow」についてはざっくりの感想を近々UPします。さすがスティーヴン・モファット。EP2までの何なんだかなぁ…なモヤモヤ感をボーンと払拭してくれたという感じ。EP1、EP2はEP3の為の前振りだったのだな、と分ったわけだけど、EP3のラストは物議を醸してるかしらん。ふふふ。賛否両論ありそうなエンディングで、これまた次が2年先になったとしても、もたしちゃうんだろうねぇ。あれはもう出ないとずっと言ってきたくせに嘘つきなり。…ま、いいか。

コメント

  • 2014/01/27 (Mon) 23:11

    こんばんは☆
    ここでダイアン・キートンとジャクリーン・ビセットの記事読んで俄然興味が湧いたので、日本語字幕版で観てみました。
    ダイアン・キートンほんとっカッコいいですな〜。若い頃から彼女のマニッシュなファッションが好きでお手本のひとつでした。さすがに今回のスーツ&ネクタイは私には無理だけど(笑)素敵よね。キャサリン・ヘップバーンに例えられることもあるようだけど、本人は否定してるみたい。

    ウッディ・アレンとの共演の『マンハッタン殺人ミステリー』が好きなのだけど、トリビュートには出てこなかったような。ドタバタミステリーコメディだけど、秋のニューヨークの風景がいい感じでNYライフスタイルに憧れました(ため息)。そして最後の歌!!
    ♪新しい友を作ろう 古い友も忘れず 新しい友は銀(しろがね) 古い友は黄金(こがね)ぞ〜
    って、これガールスカウトの歌です。なんだか懐かしくてググったらガールのfacebookでもさっそく話題になってましたよ。

    ジャクリーン・ビセットは70年代とても人気があって周りの男の子たちを夢中にさせてました。その頃『スクリーン』だったか『ロードショー』かでのインタビュー記事の一節が忘れられない。「ハリウッドに初めて来た時パーマをかけられて。そうしたら髪の毛が抜けてしまったのよ。だから私はハリウッドでは“15本の髪の女の子”って呼ばれていたの」それからは彼女の髪の毛が気になって気になって(笑)

    ジャクリーン・ビセットもよくここまで生き残ったわね、と感慨深いものがありました。期待されたほどの活躍がなかったのが残念だと思ってたの。役に恵まれなかったのかしらね。調べたらダイアン・キートンとほぼ同年(ビセットが二つ上)。やっぱりアカデミー賞を取ったかどうかで後の俳優人生違ってくるのかなって思ったり。イギリス出身ということで70年〜80年代のイギリス映画不況時代にピークが重なったのが影響したのかな?でもついにG・G賞取れて良かった!
    ついでに、ダイアン・キートンの経歴見て驚いたのだけど、デヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』の1エピソードの監督(演出?)してたのね。さらにkiki さんご贔屓のジェイク・ジレンホールの父上スティーブン(ステファン?)・ジレンホールも『ツイン・ピークス』で監督やってますよ。

  • 2014/01/28 (Tue) 07:31

    ジェーンさん
    ご覧になったざますのねー。今回の授賞式はセシル・B・デミル賞が見所、という感じだったでしょ?ダイアン・キートン、相変わらずだなぁというか、今回はまた、いつにもましてマニッシュでしたね。ドクター・キリコ・ファッションとワタシは名付けました(笑)
    まぁ、あのスーツとネクタイは大抵の女性には無理じゃないですかしらね。キャサリン・へプバーンか。そういう感じもあるけど、ちょっと違うかなという気もしますね。そして、ダイアン・キートンの最後の歌、そうそう。ガールスカウトの歌なんだそうですね。

    NY映画といえば、アレン作品じゃないけど「When Harry met Sally」なんかも、NYのいいところを映していて、殊に秋の映像がキレイだったのが記憶に残ってます。

    ジャクリーン・ビセットについて、あまり記憶にないのだけどキレイで人気があったというのは子供心になんとなく覚えてますわ。でも、あまり作品には恵まれなかったのかもしれませんね。「オリエント急行殺人事件」の伯爵夫人役ぐらいしかパっと出て来ないかも。でも、いわゆる「美人女優」で盛りが過ぎたらキャリアも終わり、というタイプの女優だと思ってたんだけど、案外、長く業界で生き残ったんだな、と驚きました。
    ダイアン・キートンは基本的に演技力があるものね。おまけに歌も上手いし。監督業にも乗り出しそうなタイプではありますね。「ツイン・ピークス」でちょろっと監督やった回もあったんですか。知らなかったですわ。ジェイクのおとっつぁんもやってましたか。そういえば「ツイン・ピークス」ってやたらに流行ったものね。なんだったんだろう、あれは(笑)

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