「ハリアー H.H.篇 sideA」(TOYOTA HARRIER CM)

-癒しと挑発 都市と荒野-



このCMが流れ始めたのは昨年の11月の半ばぐらいだったと思う。
もう何年も地上波を観ていないワタシが何故このCMに気づいたかというと、オンエアされ始めた時期に、Yahooのトップページ右上の広告動画欄に出てきたから。当初は、新しい映画のトレーラーか何かだと思って見ていたら、車のCMだった。
というわけで、今回は、久々に、お!と思ったCMについて。 このCMについては昨年のうちに書きたかったのだけど、師走は旅行記を書いているうちに暮れてしまい、年が明けたら「Sherlock」三昧で、ついつい今ごろになってしまった。
ワタシは常々、車のCMなどは短いドラマを作り易い商品なので、映画のトレーラー仕立てで作るのがカッコいいんじゃないかな、と思ったりしていた。車のCMほど映画俳優を起用しやすいCMもなかろうと。だから、このTOYOTA「ハリアー H.H」のCMは、まさに我が意を得た感じのCMだった。しかも全体に色濃く漂うヨーロッパの空気。中年と青年という、異なる世代の男前も登場するし、音楽といい、編集といい、コンセプトといい、実に申し分ないCMだと思う。ただひとつ、ハリアーにこのCMは勿体ないな、というワタシの個人的な印象を除けば…。



ハリアーって、TOYOTA車の多くがそうであるように、性能はシュアなんだろうし、堅牢で運転しやすい車なのだろうと思うが、なにやら魅力に乏しいな(失礼)というイメージが、少なくともワタシやワタシの周辺にはある。そんなハリアーにこんな素敵なCMを作っても…と思ったりしちゃうのだけど、確実にイメージアップには繋がっているとは思う。ともかくCMは非常に魅力的である。あらゆる意味でステキングだ。映画のトレーラーのような作りだけれども、30秒または60秒という短い時間の中で、ゆうにひとつの世界を造り上げている。



どことも知れぬヨーロッパの街角で、主人公の青年はH.H.と呼ばれる男に出会う。H.H.というのは、言わずと知れたハリアー・ハイブリッドの略で、この男は、つまりハリアーの化身なのだけれども、ハリアーの化身には勿体ないステキングな空気を振り撒いている。H.H.を演じている男性を、最初、一目見てヴィゴ・モーテンセンだ!と思わなかった人は居ないんじゃないだろうかと思うのだけど、ワタシなどは最初にYahooのネット広告で観たきり暫くこのCMを目にする機会がなかったので、つい最近までヴィゴに違いないと思い込んでいた。でも映画ニュースなどに、ヴィゴがトヨタ車のCMに出た、などというヘッドラインが出て来ない事を奇妙にも思っていた。しかし、全然、別人28号だったとはつゆさら思わなかった。


良く観ると違うのだけど、パっと見ると雰囲気が似ている ヴィゴよりハンサムかな…ふふ


確かに大写しになったカットを見ると、似てはいるけど別人だな、とは思う。ヴィゴってこんなに髪が白かったっけな、とかね。でも背格好や声がなんとなく似ている。顔が似ていると声も似る、とよく言うけれど、確かにそうかもしれない。やや高めの声まで似ているなんて、ニクい限りである。
「その特徴を一言で表現するのが難しいH.H.」だが、ポイントは、「荒野にあっては都会的で、都市にあっては、ワイルドな旅の記憶がまつわっている」という事なのだろう。
そういうコンセプトをよく伝えているCMだと思う。

シブいH.H.を演じているのはヴィゴではなく、ロバート・ナイトンという英国出身のモデル兼俳優の人だそうな。主人公の青年を演じているのはベン・ピールという若手俳優。どちらもドンピシャリなイメージだ。CMは2バージョンあって、擬人化されたロバート・ナイトンのH.H.が登場するのはsideA、本来の車として現れるのがsideB、というのも作りとして洒落ている。


ヴィゴじゃなかったH.H.のロバート・ナイトン


青年はベン・ピール

どことなくミステリアスでスタイリッシュな映像に、リズミカルで印象深い編集。音楽も実にこのCMの醸し出す世界にピッタリだ。横溢するヨーロッパ・ムードがCMの持つ雰囲気に深くフィットしている。
H.H.は謎めいた魅力的な先達、あるいは水先案内人のようである。時に癒し、時に挑発し、啓蒙する。若者のうちに、こんな年長の男と知合っていろいろな刺激を受けたりしてみたいものだ、と思わせる。


色濃く漂うヨーロッパのムード


"Where is the real you ?"

もっと観ていたくなるようなCMだけれども、60秒篇には過不足なくその世界観が表現されていて、見事に完成している。それ以上長くても蛇足になってしまうだろう。(60秒篇はTOYOTAのサイトで視聴可能


Yes, they called him "H.H."

とはいえ、季節が変わったら新しいバージョンを作ってほしい、という気がする。春や夏には、それらしい背景の中で新しいCMが展開されると、とても嬉しいし、観てみたい。 
それにしてもこのCM、クオリティ高いなぁ。
久々にCMを見ていて、映像とその世界に惹き込まれた。

コメント

  • 2014/04/08 (Tue) 23:04

    これ、「エンゼルハート」へのオマージュだったんですか。ほほぉ〜、気づきませんでした。確かに言われてみればなんとなく、それっぽい気配ではありますね。監督は日本人かな、という感じもしましたが、日本人が向こうの人を使って撮ると、無国籍な面白い味わいが出るのかもですね。いずれにしても映画の予告編っぽい作りがナイスです。

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