♪Skylark

-ヒバリよ!-
1941年 作詞:ジョニー・マーサー / 作曲:ホーギー・カーマイケル



不定期に、間欠的にUPされるMy favorite songs。その第2弾は♪ヒバリよ…、ということで「Skylark」。
この歌を最初に聴いたのはいつだったか思い出せないのだけど、何かの映画のシーンで印象的に使われていたのを聴いたのが先だったか、CMで使われていたのを聴いたのが先だったか、記憶がさだかではない。いずれにしても、たゆたうような出だしの ♪Skylark, have you anything to say to me? という一節が、誰が歌っていてもすっと耳の奥にしみ込んできて忘れがたい曲だ。
「Skylark」は、1941年にジョニー・マーサーが作詞、ホーギー・カーマイケルが作曲したもので、ジャズのスタンダードの1曲。
ワタシがこれを初めて聴いたのは、上記の通り、何かの映画の1シーンで主人公が聴いているレコードの中の一曲として流れてきたのか、あるいはコピー機だったかのCMのBGMで阿川泰子が歌っていたのを聴いたのか定かでないが、大体20〜25年ぐらい前の事だろうとは思う。
いずれにしてもどちらかで聴いた時に、そのメロディと、♪スカ〜イラァ〜ク…というものうげな出だしが耳に残り、その後聴く機会あるごとにいいなと思い、手元にはエラ・フィッツジェラルドの歌をCDで持っている。エラ・フィッツジェラルドは大好きな歌手で、そのまろやかな歌声や粋な節回しは、いつ、どんな曲を聴いても「いいなぁ、ふふふ」と思う歌手なのだけど、「Skylark」に関しては、エラの歌唱ではなく、アニタ・オディとか、マクシーン・サリバンとか、ヘレン・フォレストとか、ダイナ・ショアの歌唱の方が好きだ。録音も曲のアレンジも、古ければ古いほど感触がナイスである。まったりとほのかに、夢と現実のあわいから聞こえてくるような雰囲気がこの曲に合っているので、古い録音のものほど良いフィーリングなのだ。ちなみに、ワタシが何かの映画の1シーンで聴いたのは、ヘレン・フォレストがハリー・ジェームズ・オーケストラをバックに歌ったものだった。この歌の歌詞は以下。

Skylark (Johnny Mercer/Hoagy Carmichael)

Skylark, have you anything to say to me
Won't you tell me where my love can be
Is there a meadow in the mist
where someone's waiting to be kissed

Skylark, have you seen a valley green with spring
where my heart can go a journeying
over the shadows and the rain
to a blossom covered lane

And in your lonely flight have you heard the music
In the night, wonderful music

Faint as a will-o'-the-wisp, crazy as a loon
sad as a gypsy serenading the moon

Oh, skylark, I don't know
if you can find these things
but my heart is riding on your wings
So if you see them anywhere
won't you lead me there


ヒバリよ、私に告げておくれ
愛する人はどこにいるのかを
霧に包まれた草原で、
くちづけを待っている人がいたかどうかを

ヒバリよ、春には谷が緑に萌えるのを見たろうか
私の心はその谷をさすらっていく
翳りや雨をくぐり抜け、
花で覆われた小道へと

孤独に空を飛びながら、おまえは音楽を聴いただろうか
真夜中の不思議な音楽を
鬼火のように微かで物狂おしい、
ジプシーが月に歌うセレナーデのような
遣る瀬ない音楽を

あぁ、ヒバリよ お前はまだそういうものを
見つけてはいないのかもしれない
けれど、私の心はおまえの翼に乗って行く
どこかでそれらを見かけたら
どうか私を導いておくれ

というわけで、今居る場所を自由に抜け出していくことのできない人、あるいは今置かれている状況を容易に変える事が出来ない人が、空を自由に飛ぶヒバリの翼に心を託して、広い世界や、まだ見ぬ恋人に思いを馳せている、という趣きの歌詞だ。
この歌は、誰が歌っても良い歌ではあるけれども、あまり力を入れて熱唱したりするのには向かない。さらりと、幾分ものうい雰囲気で歌うのがベストだと思う。ワタシが一番好ましく聴いているのは、ダイナ・ショアの歌唱。遠く、淡く、柔らかくたゆたう感じがえもいわれない。ダイナ・ショアやアニタ・オディなどの定番的で有名な古い録音の歌唱以外では、カントリーの人だけれどもk.d.ラングの歌う「Skylark」が、そういう雰囲気をよく出していて好ましい。しつこいようだけれども、とにかく、たゆたうような、ものうげな感じが漂っていて欲しい曲なのである。
「ものうげな雰囲気」という見地からすると、CMで使われていた阿川泰子の「Skylark」も、ものうげな雰囲気が霧のように漂っていた記憶がある。阿川泰子については、当時、あれはジャズじゃないよ、なんて一部で言われたりしていたけれども、ワタシはジャズを少しずつ聴き始めたところだったせいもあり、入門編として、彼女が歌うスタンダード・ナンバーというのが割に好きだった。「My funny Valentine」なんかも、アンニュイで悪くなかったと思う。若い頃「オシャレ30・30」などを毎週楽しんで見ていた世代なので、阿川泰子の歌は、何となく入門編としてのバイアスがかかって聞こえるからかもしれない。まぁ、ワタシも筋金入りのジャズファンなどではないですしね(笑)

余談ながら「オシャレ30・30」で今でも覚えているのは、秋吉久美子が出た回で、阿川泰子とお互いに目も合わせないという感じの女の闘いが繰り広げられた事だ。どちらも互いを無いもののようにみなして古館を介してしか話さない。表情は双方にこやかなのだが、水面下で暗闘が行われているという感じが面白かったので、いまだに覚えている。我の強い女同士が鉢合わせするとコワイなぁ、とにやにやしながら見ていた。この番組と同時期には「Ryu's Bar」などもあった。どちらも好きで毎週見ていた。懐かしきバブル時代のお話だ。岡部まりも、あの頃はとてもいい感じだった。
「Ryu's Bar」といえば、バド・パウエルの「クレオパトラの夢」もインパクト大だったっけ。
うーむ…ちと脱線。

話をヒバリに戻すと、ヴォーカル以外のものも良い演奏があれこれある。キース・ジャレットのピアノなども良いけれども、ワタシはスコット・ハミルトンのテナー・サックスがムーディでアンニュイで、いかにも、という感じで好きだ。

誰の歌でも、誰の演奏でも、「Skylark」を聴いていると、窓辺に両肘をついて、眼下に広がる緑の谷の、萌え出たばかりの鮮やかな緑の上をそよそよと風が渡って行く光景が脳裏に浮かぶ。その遥かな上空をさえずりながら高く高く飛んで行くヒバリの影…。

my heart is riding on your wings

ワタシのヒバリは、ワタシをどこかに連れていってくれるのだろうか…などと思いつつ(笑)聴くもよし。
それにしても、この曲が印象的に使われていたあの映画はなんというタイトルで、どういう筋だったのだろうか。この記事を書きながら、なんとか思い出そうとしたのだけど、マイナーな映画のせいもあってか、どうしても思い出せなかった。む〜〜。

ともあれ、
上記の演奏や歌唱は例によってYoutubeで「Skylark」で検索すれば、あれこれと出てくるので、ご興味のある方は聴き比べてみてください。

コメント

  • 2014/05/20 (Tue) 18:55

    kikiさん、こんばんは!
    あ〜連休前からいろいろと忙しくなってカキコが遅くなってしまいました。

    楽しみにしていたMy favorite songs第2弾は、「Skylark」と来ましたか!!
    私にとっては、冒頭のk.d.ラングの♪すか〜いらぁ〜く・・・が印象的なクリント・イーストウッド監督作品の『真夜中のサバナ』(原題Midnight in the Garden of Good and Evil)が思い出されまする。kikiさん観られました?この映画ケヴィン・スペイシー、ジョン・キューザック、ブレイク前のジュード・ロウそれにイーストウッドの娘アリソン・イーストウッドそして地元の有名人らしい?レディ・シャブリなどけっこう面白い面々が出てるけど、なんかね〜パッとしないんですわね。本当にあったジョニー・マーサー邸での殺人事件がもとになってるんだけどゆるゆるで不思議なあじわいの映画です。このユル〜さが私好きなんですが。そう!だから冒頭とエンディングに流れる「Skylark」がぴったりですわ。kikiさんおっしゃる通り“夢と現実のあわいから聞こえてくるような雰囲気”です。さすがイーストウッドの選曲☆

    で、全編ジョニー・マーサーの曲が流れるの。私オリジナルサウンドトラック持ってるよ。イーストウッドやケヴィン・スペイシーのボーカルも入っていて結構充実してます。映画の中でジョン・キューザックが母が好きだったというローズマリー・クルーニーの「Fools Rush In」がお気に入りです。そして聞き慣れてるからかこのk.d.ラングの「Skylark」が好きです。

    さて、私としてもkikiさんの印象に残った映画が果たして何だったのか?がすごく気がかりで記憶力を総動員してみたけど、わかりませぬ。う〜む残念。いつかヘレン・フォレストが歌うレコードを聞いてる主人公の映画を観たら速攻ご報告いたしますね(笑)

  • 2014/05/21 (Wed) 20:40

    ジェーンさん こんばんは。
    コメントはいつの記事でも、気が向いた時にくださっちゃってOKですわよん。
    ワタシも4月末からこっち、ずっと忙しくてなかなか記事もUPできぬ状態ですわ。慌ただしく過ごしている間に今年最初のバラが咲きました。今年はアサガオの種をまだ蒔いてないんざますわ。早くしなければ。あうあう。
    ところで、「Skylark」。k.d.ラングのヴォーカルがお好きなのねん。ワタシも好きですよ。この歌は多少だるそうに、モノウゲに歌った方がぴったり来る感じですね。

    「真夜中のサバナ」。随分前に斜め見したような気もするんだけど、どんな映画だかさっぱり覚えてないざますわ。折角ケヴィン・スペイシーを使っているのにね。どういう具合にゆるゆるだったかも覚えてない感じだけど、あの映画でこの曲を使ってたざますか。ふぅん。
    ジョニー・マーサは結構、名曲多いですよね。ワタシはエラ・フィッツジェラルドがジョニー・マーサの曲を歌ったアルバムを持ってますが、「Laura」とか「Isn't it Romantic?」とか好きな曲があれこれ入ってて愛聴版です。

    で、ワタシの記憶に引っかかっているあの映画ねぇ。なんていうタイトルで、誰が出てたのかも本当に思い出せないんだけど、ヘレン・フォレストの「Skylark」だけは耳の底に残ってるんですわ。

  • 2014/10/14 (Tue) 23:43

    その映画はね、きっと「哀しみのラストダンス」ですよ。(原題 Shallow Grave)
    若き日のパトリック・デンプシーとマイケル・ビーンが主役で、戦争で顔に酷い火傷を負った帰還兵のビーンと離れていった婚約者と、迷い込んだ少年デンプシーとの全方向三角関係の物語。映画のラスト、嵐の夜に事故で亡くなってしまったデンプシーを偲んで、ビーンと婚約者がダンスを踊るのです。その曲が正にヘレン・フォレスト&ハリー・ジェームス楽団の「Skylark」だったの。と、これを突き止めるのに十数年かかりました。私の最も好きな曲です。iTunesのお陰でやっと分かったのです。いい時代になりましたね。
    あの映画と「Skylark」が何となくでも繋がる人が今でも居るなんて感動しちゃいました。

  • 2014/10/15 (Wed) 22:28
    Re: タイトルなし

    にやこさん。
    「哀しみのラストダンス」ねー。そうかそうか。マイケル・ビーンが出ていたのを、そういえば微かに思い出しました。顔に火傷しちゃってるのね。パトリック・デンプシーも出てたんですか。ともあれ、あのSkylarkが流れたのは、その映画のラストシーンだったんですね。いやー、映画のタイトルとあらすじが分かってスッキリしましたわ。ありがとう。もう一度、映画を見てみたくなりました。そのうちどこかのチャンネルから放映されるかな。
    映画を見ていて、背後に流れた歌や曲が耳に引っかかったけれども曲名が分からなかったりする事は、時々ありますよね。ものによっては突き止めるのに十数年かかる場合もあるかもしれませんわね。でも、昨今はいい時代になって、もう二度と見られないと思っていた映像や、遠い昔に聞いた事のある音楽などを、ネット上でみつける事ができるようになりました。こうやってブログを書いていると、遠い昔に見たきりの映画のタイトルを教えてもらう事もできるし、ネットの恩恵を享受している時代だな、というのは確かですね。

  • 2014/10/15 (Wed) 23:19

    ごめん。原題In a shallow grave だった。映画の雰囲気好きでVHSで保存してたんだけど劣化して観られなくなってしまいSkylarkを聴くたびにDVDかBDで発売されてないかと探すんだけど、ないのよね。青年期は映画界から干されてたデンプシーも復活して人気再燃だし、そろそろ過去作品を掘り出して欲しいわ〜。

  • 2014/10/20 (Mon) 20:34

    にやこさん ご丁寧にありがとう。
    そのうちDVDかBDで出るかもしれないし、それよりも、どこかの映画チャンネルでふいに流れたりする方が確率が高いかも。

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