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「ロックンローラ」 (ROCKNROLLA)

~で、結局ロックンローラってなに?~
2008年 英 ガイ・リッチー監督




とにもかくにも昨年の春ごろから、ずーーーーっと封切りを待っていた本作。
ご贔屓Gサマことジェラルド・バトラーは、死んだあとも妻を愛する夫とか、海洋学者の優しいパパとかよりも、こういう街のチョイ悪男の方がずっとハマッているのは言う間でもない。
ガイ・リッチーお得意の群像劇の中で、Gサマがどう活かされているのかも楽しみだった。
一発でコロリとワタシを参らせたあの無口な船乗りさん(「Dearフランキー」)ほどではないにせよ、昨年封切られた2作品よりもずっとハマッているのは間違いない。
というわけで、いまかいまかと待っていた封切り日、恵比寿ガーデンシネマにて観賞してきた。

舞台は不動産投機に湧く好景気のロンドン。昨年秋から突如世界中を覆ったアメリカ発の金融恐慌のせいで、いまやその好景気も停滞してしまったろうが、それまでは、ロンドンはかなりいい調子に盛り上がっていたようだ。
余談だが、ロンドンと東京は似ているとワタシは思う。大都市はみな似ている、という一般論ではなく、昔ロンドンに旅行に行った時、街を歩いてみて強く肌でそう感じた。街のにおいが似ている。似すぎている。14時間も飛行機に乗って、「ヨーロッパの東京」に降りただけじゃないの?と思われたりして、ワタシにはその時、二都市ツアーでもうひとつ廻ったパリの方が好ましく感じられた。東京は好きだが、旅は非日常を求めるもの。14時間も飛行機に乗ってはるばる来たからには、もっと違うにおいを嗅ぎたかったのだ。




映画の冒頭、不動産バブルに湧くロンドンを遠望する映像を見ていて、なんだかその時の印象を思いだした。ワタシが行った頃と比べて、ますますロンドンと東京は似てきているんじゃないかと思った。
人と物と金が集まる巨大都市には利権や儲け話に群がるハゲタカが集う。
あっちこっちに新しくビルが建つ。大手のディベロッパーから、ヤクザから、はてはチンピラまで絡んでタケノコみたいにビルが建ち、街の姿を変えていく。
ギャングが牛耳るこの不動産投機に、うかうかと1枚乗ってしまった街のチンピラがGサマ。役名はなんとワンツーですよ。ワンツーってバカっぽくていいね。おいっちにーのあんちゃんて感じだろうか。
今回のGサマは別にバカってわけじゃないが、切れ者というわけでもない、等身大の街のチンピラである。オスくさい男前のチンピラ。ケチな前科があったりする。
街のボスを自認するタヌキオヤジ・レニー(トム・ウィルキンソン)にハメられ、投機用に買った建物を取られた上に残金の返済を迫られて大弱りなワンツーの元に、切れ者でヤバい女会計士ステラから、ぼろい儲け話がもちかけられる…。



というわけで、ホモの夫と冷え切った計算ずくの仮面夫婦を続けつつ、平穏な日常に飽きたらず、クライアントの懐にストローを突っ込んでちゃっかり甘い密を搾り取る強か女のステラでタンディ・ニュートン登場。ワタシはこの作品で彼女を初めて観た。いいね。ホットである。メスパワー満載。これぞまさしくそそる女というやつか。いいヒップラインである。Gサマには取り澄ました白人女よりも、こういう野生味があってクールなメスの方が似合うようだ。この曲者の女会計士ステラのクライアントはロシアン・マフィアのユーリ(カレル・ローデン)。こうした「移民」が幅を利かせるようになっているロンドンで、昔堅気のタヌキオヤジ・レニーは古い頭で自分の流儀を押し通そうとする。と、書くと何やらカッコイイようだが、このタヌキオヤジは絵に書いたようなコテコテのギャングの親分で、スカンクみたいに嫌な野郎なのである。
この手の群像劇にはよく出てくる煮ても焼いても食えないオッサンだ。

そして、同じくこの手の群像劇につきものなのが、学校時代のワル仲間がそのまま群れちゃってるような男たちである。「ロックンローラ」ではワイルドバンチと呼ばれる街のチンピラどもだ。彼らはケチな犯罪に手を染め、儲け話とみれば耳をそばだて、酒と女に目がないオスどもであるが、その根本は声変わりを始めた中坊あたりの頃から何も変わっちゃいない、という連中である。女も悪くないが、男同士でツルんでいるのが実は何より好き、というのがこの手合い。Gサマもその中で不精髭を生やした悪ガキという感じ。彼の親友は黒人のマンブルズ(イドリス・エルバ)と女たらしのハンサム・ボブ(トム・ハーディ)だが、ハンサム・ボブの方は何者かのタレこみにより5年の刑で近々収監されることが決まっている。翌日はムショへ入れられるという前の晩、ハンサム・ボブを景気よく送り出そうと、遊びに連れ出すワンツーだが、「オレは酒も女もいらない。欲しいのはお前だけだ」とボブに予想外に告られて驚天動地のワンツー。このシーンのGサマに、みんな笑っていた。無論ワタシも笑ったが、その理由は他の人とは少々違う、と思う。喚いたり、怒ったりした挙句、Gサマのワンツーは車に戻り、気を鎮めて言う。「お前、本気でオレとヤリたいのか?」

 ハンサム・ボブ

その後のシーンなどは無論ないのだけど(でも、ワンツーがハンサム・ボブと踊ったりするシーンはある。うふふふふ)、Gサマはワイルドバンチの集う店で冗談にピラっと一瞬お尻を出したり、なかなかそっち系の男子にも訴えそうなシーンもありで、本人も楽しそうにチンピラを演じていたが、観ている方も時折ニヤニヤしつつ観賞させてもらった。ハンサム・ボブを演じるトム・ハーディは「レイヤー・ケーキ」にも出ていたらしいが、さっぱり記憶にない。今回は坊主にした時のベッカムに似ていた。5年の刑を食らうはずがレニーの右腕アーチー(マーク・ストロング)のもみ消しでムショ行きがなくなったハンサム・ボブ。彼が5年は出て来れないと思って、一晩付き合ったワンツーはまたも驚天動地。だが、「女たらしのハンサム・ボブが実はホモ」でワンツーに惚れている事は周知の事実。知らないのはお前だけさ、と言われて頭を抱えるワンツー。個人的にツボでまたも受けた。そうそう、Gサマってガチで男にも惚れられそうなタイプなんである。押えてるね、ガイ・リッチー
その他、ホーム・パーティに招かれたワンツーがステラと踊る滑稽なシーン(ワンツーのダンスは踊りにも何にもなっていない。でもその動きが妙にGサマらしくて微笑ましい)や、ロシアのターミネーターのような用心棒二人組に追われるシーン、忘れた頃に彼らに襲われ、ベッドに括りつけられてあわやリンチ?のシーンなど、愛蔵もののシーンが幾つかある。

 うぐぐ、うぐぐぐぐ…

ガイ・リッチーの映画は、何かをめぐって群像が絡まり合い、意外な落ちを迎える、というのが毎度のパターンだが、今回、焦点になるのは1枚の絵。
ロシア人ユーリから「幸運の絵」だから今回の取引が終わるまで預けておく、とレニーに渡された1枚の絵を巡って、さまざまな人間が動き、話が動く。
この絵は一体どんな絵なのか、最後まで一度も画面に映らないのがミソ。
でも、観る者がみな、一目で気に入って魅せられてしまう絵であるからには、下手に映さないで想像にお任せするのは賢明なやりかただ。

また、映画の類型としては「ロック・ストック&トゥ・スモーキング・バレルズ」「レイヤー・ケーキ」と同じ系統の作品なのだが、後者的なものを望んでいたワタシとしては前者臭が強くて少し物足りなかった。「ロック・ストック?」はあの時点では殆ど無名の俳優ばかりを使っているので、群像劇の面白さでいいのだけど、Gサマのようなスターをトップビリングに据えて、なおかつ全く「ロック・ストック~」的な群像劇というのでは、Gサマファンとしては些か物足りなさが残ってしまう。ここはやはり「レイヤー・ケーキ」的に、群像の中でも一人の男をピックアップして、窮地に追い込まれた彼がいかにしてそれを抜け出し、古ダヌキを出し抜くか、というような話を観たかったなぁと思ってしまった。最後もオイシイところはロックスター・ジョニー(トビー・ケベル)が持って行ってしまい、あれ?Gサマは!?って感じだし。

 ジョニー

話としても、二転三転のスリリングな展開や落ちの鮮やかさはやはり「ロック・ストック~」の方が上だと思われた。
しかし、それはそれとして、多少小粒ではあったものの、オス臭いGサマの街のチョイ悪を観られて楽しかったし、タイトルバックのクールなカッコ良さはこのところの映画の中では出色の出来だろうと思う。軽快なThe Sundaysの「Rock & Roll Queen」が流れる中をコントラストの強いイラストがテンポよく画面を転がって行く。思わず口笛を吹きたくなっちゃうカッコよさだった。残念ながら映画本編はタイトルバックほどの出来ではないけれど、もちろん悪くはない。個人的にはGサマファンとしてツボのシーンがいくつかあって、もう一度劇場でみるというよりも、早くDVDをゲットしてうちで好きなシーンだけ何回も観たい、というタイプの映画だった。
タヌキオヤジ・レニーの片腕アーチー役のマーク・ストロングが、Gサマ以外ではなかなか良かった。

 アーチーとワンツー


観終って、なんだか久々に「レイヤー・ケーキ」を観たくなってしまったりした。(あれはやはりよく出来た映画だったと思う。ダニエルのルックスも最もハンサムだし)
ともあれ、「ロックンローラ」、いまのところ東京とナニワのガーデンシネマでしか上映されていないようなのが残念だが、そのうち各地のミニシアターで公開されるだろうと思う。

コメント

  • 2009/03/04 (Wed) 20:37

    kikiさん、おひさしぶりー!
    ここんとこバタバタしてまして、なかなかお邪魔&コメ残せてませんでした。
    いいなぁ~!もう見たんだ・・・! いつか見れるまで、さーっと感想読ませて
    もらいましたが、そうか~”レイヤー・ケーキ”が見たくなるのね?! 
    近々仕事絡みで神戸へ行くので、時間あったらナニワのへ行こうかな~と思ってます。
    しかしGサマ、なんとなくボテってきてません?最近・・・ほっとくと太りやすそうな人よね?
    本人もあんまり気にしてなさそうな人だし。今思えばDearフランキーの雰囲気は最高ね。

  • 2009/03/04 (Wed) 22:56

    acineさん。こちらこそ、ちょっとご無沙汰気味でした~。
    お互い妙にバタバタしている感じなのかもね(笑)
    これね、スタイリッシュでなかなか良かったですよ。不満はGサマが一本立ちの主役じゃなくて群像の中の一人、になっちゃっているところなんだけど、なんかこういうタッチのまま、彼がバリっと主役の映画が観たいなぁなんて途中から思ってましたねぇ。キンキ方面に行く予定ありなら、3月中にナニワで是非見てみて。多分ナニワも3月末までしかやっていないと思われます。acineさんもお嫌いじゃないと思うわ、こういうトーンの映画。Gサマ観てるだけでもけっこうニヤニヤしちゃうわよ。「パパ」や「愛に溢れた夫」よりもずっと良かったわ。スチールで観ると肉付きよい感じだけど、本編ではそんなに気にならなかったわ。顔がすぐに丸くなっちゃうのが玉に瑕ね。でも、オス臭くてお茶目で良かったわよん。タンディ・ニュートンとよく合ってました。こういうしたたかな曲者キャラで、おもうさま曲線美って感じの女子と合うわね。今まで観たなかで一番しっくりきてたコンビネーションかも。この映画、早くDVDが欲しいです。DVDとしては愛蔵版になりそう(笑)

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