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「コバート・アフェア シーズン4」(COVERT AFFAIRS Season 4) 

-怪物退治に大わらわ-
2013年 米 Open 4 Business Productions制作

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シーズンを重ねるごとにどんどんシリアスさを増し、何とはなしに本格スパイ物へと変貌を遂げて来た「コバート・アフェア」。契約しているVODサービスにシーズン4が入ってくるのを待つともなしに待っていたのだけど、なかなか入ってこないうちにレンタルDVDも準新作扱いになった。準新作100円キャンペーンの知らせが届いたので、それじゃあ、と、今回はDVDを一気借りして見てみることにした。

※ある程度のネタバレありです。

シーズン4では、機密部長アーサーに隠し子騒動が勃発したり、ジョーンがまさかのご懐妊になったりと中年夫婦スパイもかなりドラマチックな状況の上、オーギーに結婚歴があったりして、サイドストーリーもテンコ盛り。でも、このシーズンの主題はズバリ怪物退治だ。怪物とは勿論、懲りない黒幕の爺さん、ヘンリー・ウィルコックスである。

ヘンリー・ウィルコックスとは何者かというと、シーズン3の冒頭で派手に爆死したインド系イケメン、ジェイ・ウィルコックス(センディル・ラママーシー)の父で、アーサーの前の機密部長だった、毀誉褒貶の激しい、後ろ暗〜い人物である。シーズン3では、息子を失ったショックで少しヤワになっていたような気配もあったが、こんな胡散臭い人物がそうそうおとなしく引っ込んでいるわけもないので、シーズン4では、ジェイを失った痛手を闇雲な八つ当たりへと転換させ、邪悪な陰謀を巡らして、アーサー夫婦とアニー、オーギーを陥れようとする…というわけで、巨魁ヘンリー・ウィルコックスに、かなりぎりぎりまで追いつめられたアニー達が、いかにこの怪物を掃討するか、というのがシーズン4のテーマである。いつかは決着をつけなくてはならない因縁の相手なので、今回はシーズンを通して、巨悪ヘンリー・ウィルコックスとの闘いを描いのだろう。相手がヘンリー・ウィルコックスでも、「コバート・アフェア」の特色である海外ロケは今回もふんだんに盛り込まれている。南米から、ヨーロッパ、そして締めくくりは極東・香港まで、世界を胯にかけてロケしまくっている。


この悪そうな顔を見よ

煮ても焼いても食えないオヤジ、ヘンリー・ウィルコックスを演じているのはグレゴリー・イッツェン。バイプレイヤーとしてコンスタントに売れている人だが、邪悪で抜け目のないヘンリー・ウィルコックスは演じ甲斐があったのか、とても楽しそうに演じている気配がする。表情の作り方が憎々しくていい。ほっぺたや顎の垂れた面差しがどことなくニクソンを想起させるので、まさにこういう役にはピッタリの俳優だったのではなかろうか。悪い奴は思いっきり悪くないと、見ていて壮快じゃないものね。手強くて邪悪なヘンリー・ウィルコックスは、実に正統的な悪役という感じだった。でもグレゴリー・イッツェンは、苦労人のおじさんみたいな役の時はしんみりとそういう雰囲気になるので、この悪相は演技力によるものだろう。

アーサーとジョーンの中年スパイ夫婦も、邪悪なヘンリーの陰謀でかなりのダメージを被る。殊にもアーサー(ピーター・ギャラガー)は、職を辞する羽目になったり、あらぬ嫌疑を掛けられたり、ヘンリーの刺客に刺されたりとまさに踏んだり蹴ったり。その渦中で、これまで嫉妬深い女房のジョーンには隠して来た南米の隠し子の存在が明らかになったりもする。隠し子といっても、もういい大人で、しかもテロ組織に潜入しているスパイなので、彼の存在はその安全のためにもどうしても隠されねばならなかったわけである。


手を取り合う中年夫婦スパイだが、今回は様々な災難に見舞われ、愛情と信頼が試される


知られざるアーサーの息子テオ

アーサーと彼の息子との連絡係として浮上してくる女は、かつて仕事のためにオーギーと偽装結婚をしていた女スパイだったが、彼女は7年前に死んだ筈だった。死んだ筈の元妻が表れてオーギーとアニーの関係はどうなるのか?など、前半は、陰で糸を引くヘンリーの策略にキリキリ舞いをさせられるアーサー夫婦、アニーとオーギー、そしてその中で自ずと浮かび上がってくるアーサーとオーギーの秘められた過去が描かれる。まさに、Everybody has a secret 状態だ。スパイ同士で夫婦だの恋人だのという関係であれば、ある程度の秘密はお互いに仕方がないのではなかろうか、とワタシなどは思ってしまうのだが、アニーとオーギーは隠し事をしないでいこうと誓い合ったりして、そりゃ無理でしょうよ、という感じである。
オーギーが「秘密がイヤならスパイとつきあうな」とアーサーに言われるシーンがあるが、まさにしかり。自分の思惑や都合だけではしゃべれない事だらけなのがスパイであろうし、同業者だからって、秘密はナシにしようよ、なんておままごとみたいな事は言ってられないわけである。



結局は、その「理想的な関係」の無理さ加減に気付いて、アニーとオーギーは一時、距離をおくことになるのだが、シーズン後半では、ヘンリーとの闘いはシリアス度を増し、その邪悪な陰謀に対抗するため、アニーは自分を死んだ事にして地下に潜るという捨て身の作戦に打って出る。007は二度死ぬ状態である。
だから、前半ではドレスを着てオペラを観に行ったり、などといういつも通りのロマンティックなシーンもあるが、名を捨て、それまでの人生を捨てて地下に潜った後半からは、そういうきらびやかなシーンは一切なしで、ハードなスパイ・アクションそのものの展開になる。



シーズン3から始まったシリアス路線が本格化したシーズン4では、あのアニメーションのタイトルバックはナシになった。もう新米でも半分素人みたいなスパイでもなくなったアニーは筋金入りのエース諜報員なので、軽やかなタイトルバックは似合わなくなったのだ。

よりハードな展開になったせいかどうか、これまで1シーズン中に何話も登場してきたモサドのエイアル(オデッド・フェール)は、僅か1シーンのみで、かなりご都合主義的な、一応の顔見せみたいな登場だった。その代わり、これまで1シーズン中にほぼ1エピソードしか登場しなかったFBIのロサビ捜査官(ノーム・ジェンキンス)は、珍しく2つのエピソードに顔を見せる。何を隠そう、ラクダみたいなモサドのエイアルよりも、ワタシはFBIのロサビ捜査官の方がお気に入りで、もうちょっと出番を増やせばいいのに、と毎度思っていたので、今回はいつもよりは出番が多くてふほほ、という感じだった。


結構イケメンなんだけどねぇロサビ捜査官

これまでは、とにかくアニーに都合よく利用され、いつも騙されて来たロサビ捜査官なので、今回久々にアニーと顔を合わせても冷たいことこの上ない。常に猜疑心に満ち満ちて、何一つ見逃すまい、と用心を怠らない。…まぁね。分かるわよ。これまで散々、利用された挙げ句に騙されて馬鹿を見てきたものねぇ。もう二度と馬鹿は見まい、と思うわよねぇ、あなただって。分かるわかる。…という気分になって、どことなく愛おしく、猜疑心に満ちたロサビを眺めたワタクシであった。



アニーの一挙手一投足に疑いの目を向けるロサビ捜査官を演じるノーム・ジェンキンスは、なかなかキュート。けっこういい感じだと思うのだけど、さして出て来ないところをみると、あまり売れている俳優でもないのかしらん。「コバート・アフェア」にはシーズン1の1話目(パイロット版)から出て来たと思うのだけど、出だしは目立っていたのに、レギュラーではなく準レギュラーとしても、結局はかなり出番の少ない感じになってしまった。「コバート・アフェア」はロサビ捜査官が出て来るお話がもっとあっても良かったんじゃないかと思うのだけどねぇ…。なんであまり出番がなかったのかしらん。…残念。ワタシはエイアルよりもロサビ派なのだけど、エイアルの方がやけにドラマチックな役回りでよく出て来るのよねぇ。プロデューサーのお気に入りってこと? ロサビじゃダメなの? なんでなの?

出番といえば、シーズン4から登場して、かなり登場シーンの多い新キャラにカルバー・マイケルズという黒人のCIA捜査官がいる。アクの強い男で、当初は野心のあまりにヘンリーの手先になっているのかと思われるが、のちにそうではないことが分かる。これがオーギーに負けないほどの出番の多さで、いやに出て来るわね、とちょっと引く感じもなきにしもあらずだが、いいアクセントになっていたといえばそうかもしれない。演じているのはヒル・ハーパー。ワタシはこれで初めて見たが、長いキャリアがあって、割に安定した俳優なんだろうな、という感じである。



アニーのボスであるジョーンは、夫のアーサーがヘンリーの追い落としにあって一線を引いたあと、夫の後任として機密部長になったかと思えば、またもヘンリーの画策で左遷されて片隅に追いやられたり、そうこうしながらも思いも寄らぬオメデタでお腹はどんどん膨らんで来るし、夫もアニーもどんどん窮地に追い込まれて大変な事になって行くし、で、内憂外患の極みであり、よく流産しなかったわね、さすがスパイの親玉、と妙なところで感心してしまった(笑)ジョーンは当初、かなり至らない女ボス、という感じのキャラだったのが、回を追うごとにいい感じのボスになってきて、今回は自分も困難な状況にありながらアニーを支え、夫を支える縁の下の力持ちっぷりが印象的だった。シーズン4では、アーサーとジョーンの夫婦善哉も極まっている感じがした。

パイパー・ペラーボは、アニーとともに女優としても成長してきた、という感じで、シーズン4では自らプロデューサーを務めているエピソードも多い。確か、つい最近この番組のエグゼクティヴ・プロデューサーと結婚したのだったかしらん。まさに、彼女にとっては人生の転機になったシリーズだったのだな、と思う。シーズン4では、死んだフリをして地下に潜るアニーを演じ、途中からブルネットになる。ブルネットもなかなか似合う。地下に潜ってからは逃げ隠れしながら陰謀を追う、という展開なので、髪を振り乱してバイクを乗り回し、プリペイド・フォンを盗んだり、服を盗んだり、人のバッグを失敬しちゃったりと、逃亡のためにあちこちで小口の窃盗を働きつつ、目まぐるしく移動する。



髪がブルネットになり、トレードマークの凶器のようなハイヒールを履いていないと、中背というよりも小柄な部類に入り、顔の大きさが目立つ感じもするが、後半はずっと疲れた顔のままで、体を張って頑張っていた。アニーはかなり強引で強情で、アグレッシヴにしようと思えばいくらでもなってしまうキャラではあるのだが、前にも書いた通り、あの下がり眉毛の「困っちゃった顔」を適宜繰り出すので、強さよりは、けなげさが印象に残る。これはパイパー・ペラーボの演技力なのか、それとも天性の持ち味なのか、「コバート・アフェア」しか見ていないので、まだ判断がつかない(笑)


得意の「困っちゃった顔」

大掛かりな海外ロケが売り物の本作なので、今回も盛大にあちこちでロケをしているが、締めくくりの、怪物ヘンリーとの最終対決の地を香港に持ってきた、というのが、なかなかである。上海じゃなく香港というチョイスが、昔の冷戦時代の王道的スパイ物の味わいを醸し出していると思う。昨今は中国の先端都市といえば上海、という感じになっているが、久々に香港の風景をドラマの中で眺めると、香港というのはやはり特異な都市だし、いまだに曖昧で後ろ暗いものが身を隠し易いところなんだろうな、という気がする。シンガポールじゃ健全すぎるしね。町も様々な仕組みも抜け道がいくらもありそうな感じは香港ならではで、各国のスパイがこの町を根城にして極東や東南アジアの情報を集めるには、もってこいのところなんだろうな、と思った。



香港というのは、映像で見ているだけでも、あの湿度の高い空気とか、町のB型的な活気とかを思い出す。香港には、昔むかし一度だけ行った事があるが、小さな専門店などに行こうとすると、すぐに道に迷ってしまって、地図を見て歩いているのになかなか目的地に行き着けず、通りがかりの香港人に道を訊くと、みな「OK. follow me!」と目的地まで連れて行ってくれた事を思い出す。けっこう親切にしてもらったのに、何度も道に迷ったせいか、なんだか疲れたらしく、たった2泊3日の旅行から戻った翌日、熱が出て1日寝てしまった。香港に渦巻く、あのB型的な熱気、活気にあてられたのかもしれない。



閑話休題。

シーズン4も手に汗握る展開で、よりシリアスな空気になりつつも面白かった「コバート・アフェア」。昨年(2014年)はシーズン5がUSで放映されたらしいが、どうやら、このドラマはシーズン5で終了になってしまうようだ。というのも、出演者のギャラの高騰や、本作の売りのふんだんな海外ロケが影響して、制作費がかなり跳ね上がってしまい、残念ながら次のシーズンは作られない事になったものらしい。確かにひとつのシーズン中にあれだけ世界中を東奔西走していれば、そりゃ制作費も嵩むだろうとは思う。毎回豪勢だなぁ、と思って眺めてきたけれど、やはり予算は超過していたわけだ。まぁ、無理もないけれど。
なんでもシーズン5の幕切れはクリフハンガー・エンディングらしいのだけど、宙ぶらりんのままドラマ制作が終了してしまうとなると、なんだか収まりがつかず、釈然としないので、続きは映画にでもしたらどうかしらんと思う。これまでのクオリティで作れば映画版もきっと当たるわよ。大ヒットドラマの最終エピソードを映画で展開する、というのは悪くないアイデアじゃない?なんとかお金をかき集めてきて、やってみたらどうかしら?と心の中で製作陣にささやかなエールを送ってみたkikiでござるのでした。

コメント

  • 2015/06/09 (Tue) 08:20

    サマンサです。このシリーズは、アニーが魅力的ですよね、やはり。シーズン3の途中で休止状態です。シーズン4がそんなに面白いなら、またレンタルするかな?笑い。登場人物で好きなのは、今名前が出てこないけど、モサドの諜報員。トボケた味があり、好感がもてます。

    • サマンサどら猫 #-
    • URL
    • 編集
  • 2015/06/09 (Tue) 22:23

    サマンサさん。
    シーズン4も波瀾万丈の展開で面白かったですよ。日本でも海外ドラマ好きにはファンの多い「コバートアフェア」ですが、シーズン5で終わってしまった模様です。それというのも出演者のギャラの高騰や、お約束の欧州ロケなどで制作費がかかりすぎたからのようです。打ち切りっぽくなったので、え〜?そんなところで終りなの?というサスペンデッドな状況でぷつっと終わってしまったらしいです。残念(笑)

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