光の庭

-至福の季節の到来-



今年も爛漫の春が来ました。今年の桜はあっという間に咲いて散ってしまったけれど、春はとにかく、若い緑があちこちに芽吹いて、いろんな花が沢山咲いて、お日様が照っていても風はまだどこかひんやりしていて、そんな春風にそよそよとそよぐ緑の葉を眺めていると、あぁ、やっぱり春は素敵だねぇ、と毎年思います。
そして、ワタシのような「都会のベランダー」にとっても、これから本格的にシーズンに突入するので、ベランダのあちこちで葉や芽が芽吹き、莟が日ごとに大きくなるのを、朝ごとに窓を開けて愛でるのが愉しみです。


春たけなわということで、いとうせいこう原作の30分ドラマ「植物男子ベランダー」シーズン2(BSプレミアム)が先週あたりから放映され始めました。季節的にもきっちり狙いをつけてきてますねぇ。これ、主人公のベランダーのブログを映像化したものらしいという事に、ワタシはシーズン2で初めて気付きましたわ。そういう事だったのだね。ちっとも気付かなんだわ…。
ともあれ、このドラマは大橋トリオの曲が多く使われて、しっくりとハマっていますね。今もこの記事は大橋トリオの「アネモネが鳴いた」という曲を聴きながら書いていますが、この曲は、まったりとした日曜日にマッチする空気感が実にナイス。植物たちに水をやりながら聴くのに本当にピッタリくる感じです。日々を大事に生きる、という気分がそこはかとなく滲んでいるのもいい感じなんですわね。

♪ありがとう さようなら 今日という日よ すべてが愛しくてたまらない…



うらうらとした上天気の日曜日は、ほんとうにそんな気分ですわね。

ワタシのベランダは何も変わりなく…と言いたいところだけど、去年の初夏からバラが変調を来して、なかなか花が咲かなくなってきました。それまで数年、四季咲きの赤いバラがひと鉢だけだったのだけど、毎年綺麗に咲いて手間要らずだなぁと思っていたら、昨年バラ園から通販で買った青バラ系のブルームーンが梅雨どきに届いた事もあって、これが病原菌を持ち込んだのか、それまでずっと元気だった赤いバラも黒点病をうつされてしまい、夏以降は全く花を咲かせるどころではない有様になりました。茎からは枯れかけた赤い刺が生え、葉っぱはちょっと芽吹いてもすぐに萎れてへたってしまうという感じで、秋の終りには完全に枯れ木状態になってしまったので、あぁご臨終か…残念だけど静かに瞑らせてやろう、と水やりもやめて冬の間は枯れるに任せていたのですが、さて、じゃあ、しのびないけど処分しようか、と思った今年の2月の終りごろ、ふと見たらご臨終かと思った赤いバラから新しい緑の茎がポチっと出て来ているじゃありませんの。あら!生きていたのだね!と早速栄養をやり、水をやり、様子を見ていたら、日ごとにせっせと茎を伸ばし、葉を繁らせて、昨年の後半とは見違えるように元気な姿を見せてくれるようになりました。季節が巡って春が来ると、植物って何もしなくてもちゃんと芽吹くものなんですわね。自然の力って凄いねぇ…なんて今更に驚いたりして。


この冬は全体に冷え枯れてご臨終の気配を漂わせていたバラも、こんなに青々と葉を繁らせて…

まだ莟をつけるところまで回復してはいないようですが、ともあれ、枝葉を伸ばして緑の葉を気持ちよさげに風にそよがせている姿を見ていたら、少なくとも真冬の間、2ヶ月は殆ど水をやらなかったのに、時期が来たらちゃんと若い茎を出して甦るんだから、植物の持っている潜在パワーって大したものなんだな、と思います。猪口才な人間の思惑を超えて、自力で時期がくれば甦るんだね。
ワタシはベランダー生活を愉しむようになってから、毎年、何かの植物から、この「復活の力」を見せられて、そのつど驚嘆しているのだけど、今年は赤いバラに驚かされました。来年は、どの植物がこの「不死鳥性」を発揮してみせてくれるのか、それも愉しみです。

いま、ワタシのベランダを彩っているのは、黄金色のエニシダと4種類のラベンダーと君子蘭です。エニシダからはやや柑橘系の爽やかな香りがし、ラベンダーはそれぞれにひっそりと香りを立てています。



このラベンダーというのも、実はけっこう難しいんですわね。ラベンダーは湿度が苦手なので、北海道でもない限り、高温多湿の日本の梅雨から夏を乗り越えさせるのがちっと大変なんです。それで、毎年ラベンダーはその年限りに終わっていて越年させることができないでいるんですが、今年こそは越年させて、同じものを来年も咲かせよう、どんどんと増やしていこう、と気合いが入っております。とにもかくにもポイントは、ジメジメとやってくる梅雨と、その後の暑くて湿度の高い夏をどう乗り越えさせるか、なんですわね。そこを乗り越えさせても、9月になって突如台風というやつが襲ってくるので、過去、これで結構ダメになってしまったケースが多いんですわ。しかし、ラベンダーを生育できないベランダーなんて、クリープを入れない珈琲のようなもの…かどうかは分かりませんが、いやしくも都会のベランダーの端くれとしては、これは是非、克服したい課題なんですのよね。


ラベンダーたち

今はとても元気に空に向かって姿勢よく立ち、ひそかな香りをたてていますが…

ジケジケとした湿気の季節をどう乗り越えさせるか、が問題です

君子蘭は、祖母がお気に入りだった親鉢から株分けして、現在3鉢になっています。忘れた頃に水をやる程度の世話しかしていませんが、2年に一度ぐらいパッと鮮やかなオレンジ色の花を咲かせます。鉢植えだからなのかどうか、毎年は咲かないんだけど、今年は3鉢のうち株分けした2鉢から莟が出て花咲きました。祖母が亡くなったのはもう15年ほども前の事になりますが、祖母の愛していた鉢は今でも健在で、隔年で鮮やかに花を咲かせています。おばあちゃん、今年は2年ぶりに君子蘭が咲いたよ。



2013年の晩秋に苗を買った藤は、昨年は結局、花咲くところまで行きませんでした。今年は咲くかな、どうだろうかな。翌年春に咲く花芽が出るのは前年の夏頃らしいんですね。一応、それらしきものはぽちぽちと出てはいるんですけどね。ともあれ、昨年よりも沢山、葉は繁ってきています。花が咲くのかどうか、暫く「刮目して待て!」という感じでしょうかね(笑)藤が咲いたら本当に嬉しいんだけど。巷ではもう藤の花房が揺れているのを見かけます。花屋さんでは盆栽仕立ての藤を売っていたし、近所のお庭でも藤が咲いていました。品種にもよるんだろうけど、うちの藤にはまださっぱり花の莟っぽいものは見受けられません。よく考えたら、ベランダなのに九尺藤なんて途方もないものを買ってしまったせいだろうかしらん。でも大木に育たぬ限り九尺もの花房が垂れ下がる事はあるまいし、鉢植えでも大丈夫と書いてあったしなぁ。…といつになったら咲くのか分からぬ藤の鉢ですが、ともかく、待つともなしに待つしかありますまい。


けっこう葉っぱは繁ってるんですけどね…

あとは、適度に水をやっておけば毎年ガンガン咲くクチナシやアジサイも、葉が繁って元気に春の光と風を受けて花芽を出す準備をしているところのようです。クチナシは少しつぼみが出て来た枝もある感じ。もう半月もすると、ベランダはクチナシの甘い香りで一杯になるんざますわ。ふほほほほ。


冬は完全に死んだフリだが、春先になると地中から新しい芽が出て来て、青々と葉が繁り出すアジサイ

その他、ユリは昨年は新しい球根を仕入れず、昨年からのものを土の中に入れっぱなしにしておいて、何がどの程度咲いて来るのかちょっと見てみたいと思っています。カラは今年もゆっくりと土の中から顔を出して、日ごとに茎を伸ばしています。

連休に入ったら、すかさず今年も、去年タネを収穫しておいた桔梗咲きの朝顔を蒔いておこうと思います。夏の日差しをよけるためにもベランダに面したサッシの前には、朝顔を仕立てておくのがベストざんすわね。3色ある桔梗咲きの中で、どの色の花が一番咲くかしらん。ふほほ。



というわけで、春から秋までベランダーとしては楽しい日々が続くわけです。朝、窓をあけて水やりに出て、その成長や花の具合をチェックするのが本当に楽しみなんですのよね。殊に春は、花や葉に日の光があたり、吹いてくる微風に若葉が本当に気持ちよさそうに身をそよがせているのを見ると、無条件に顔がほころんでしまいますわね。厳しい冬枯れを乗り越え(この冬はけっこう寒かったなぁ)、春を迎えて色々な命が一斉に華やぐ姿を眺めるのは、実に癒し効果抜群だなぁ、と毎度思います。
春の太陽は、真夏ほどギラギラしていなくて光が柔らかいですわね。今年の4月はなんだか雨の多い天候だったけれど、ここ数日は晴れ間が増えてきて、いかにも春らしい空気が遍満してきました。



若い頃は四季の中では断然、秋が好きだったワタシなのだけど、ここ数年、春はやっぱり素晴らしいと実感することが多くなりました。大人になったからかしらん。むろん、秋は今でも好きですが、春も同じか、それ以上に好きになりましたね。だって、多少、花粉症が鬱陶しいぐらいの事には換えられないものねぇ、この春の、あちこちで輝く命の華やぎは。

コメント

  • 2015/04/26 (Sun) 22:13

    kikiさん

    素敵なベランダですね~年々充実してきてますね~サボテンすら枯らしたことのある私ですがめげずにいろいろな花をがんばって、でも結局花も実もできず、今は休止中です。
    くちなしもあの地味で清楚な白い花のみかけと違う甘い香りがなんともいえず大好きなのですが..
    でもまたがんばってみようと思います^^;)
    ベランダ通信楽しみにしてます~

  • 2015/04/27 (Mon) 21:42

    ふうさん
    ありがとうございます。でも、充実してきてるんですかねぇワタシのベランダは。一進一退という感じもなきにしもあらずです。去年の後半、バラが病菌に侵されてなかなか花が咲かなくなった事で、それまで何の苦労もしてこなかったガーデニングについて、うぅ、やはり山あり谷ありだな、と実感しました。まだかまだかと待っている藤もなかなか咲かないし…。でもまぁ、気長に様子を見ていきますわ。何しろダメだろうと思っていたらある日、突如として芽を出したり、花が咲いたりするので、待てば海路の日和ありってのがガーデニングには当てはまるんですよね。

  • 2015/06/16 (Tue) 00:02

    梅雨ですね。
    今年もkikiさんのベランダは紫陽花の花が咲きくちなしの香りが漂っているのかしら?

    春はあっという間に過ぎて早春のベランダがどうだったか、すぐに思い出せないくらい。あ〜、結構水仙がいろんな種類が咲きまして切り花にしてキッチンに飾っていました。kikiさんのとこ、エニシダがあったのですね。うらやま〜。それからお祖母さまの君子蘭素敵ですね。私は華やかな蘭はあまり好みではないのですが、君子蘭は昔から好きでした。今年の春、ベランダー路上派ストリート系(笑)の方々が都市部において君子蘭を咲かせている光景をよく目にしましたよ。

    そしてそれは、ジューンベリーが来てから始まったのです。田舎のベランダーの本格的格闘が。いつか戸建を持ったらシンボルツリーにしたいと15、6年ほど前から憧れてた樹木です。で、戸建は無理とわかってからも、これ結構大きくなるので私の小さなベランダではと躊躇してたの、でも何かが吹っ切れて思い切って三月頭頃苗木を導入しちゃいました。

    連休中には、珍しく遠出して大きな園芸店に行っていろんな花苗を手に入れてきました。いつかkikiさんが言ってらしたフランネルフラワー始め南半球のシルバーリーフ系やネメシア数種、イングリッシュラベンダー等々、その後ハンギングバスケットの講習まで受けてしまいました!現在三つのハンギングバスケット持ちと相成りました。

    NHKbsの「植物男子ベランダー」は最初の数本見てテイストが合わない感じなのといつものことですが人生疾風怒濤のせいで見るのやめた経緯があったのだけど、kikiさんと同じく原作がいとうせいこうのエッセイ集だと気付いて原作を読むと抱腹絶倒までいかないにしろ、くすくすキャハハだったのでまた見始めた次第。なかなか面白くて為になります。私は「田舎」のベランダーですけれどね(だって私のベランダからけっこう間近に山が見えますもの、笑)

    で、ベランダとの格闘とは。。。ベランダー宣言をしたわけでもないのに、なぜか頂き物の苗や鉢が次から次とやって来るのです。植物が呼び寄せているというか、いとうせいこうが言うようになんだか植物に操られているような感じになってきました。当初、シルバー系で決めてシックな感じになんて思っていたのもつかの間。雑然としてこれでは全然統一感が無いではないか!でも、一生懸命生きてる植物たちをみてると、孤児を引き取った里親のごとき気分になるから不思議です。とうとう皇帝ダリアまでやってきました。こやつは急速に大きくなりつつあります。5〜6メートルの高さになるらしいので今後調整していかないと。。。

    お花は今スカシユリが花盛り!去年は梅雨前に咲いたので問題なかったけど今年は梅雨に入って咲き始めかつ結構雨が降るので花びらが痛んで(茶色いシミができる)ちょっと悲しい。ですがオレンジ、ピンク、白、黄色とつぎつぎに咲いてくれて梅雨時の憂鬱さを慰めてくれてます。
    kikiさんちのラベンダーは元気にしてますか?うちはすでに枯れる一歩手前です、トホホ。
    では、またの通信楽しみにしてます☆

  • 2015/06/16 (Tue) 23:54

    ジェーンさん
    今年のうちのベランダはアジサイが不調でして、去年咲きすぎたせいか、今年はかなり花の数も大きさも控えめでした。鉢植えだし、もう5年近くそのままだから、植え替えてやらないといけないのかも、ですわ。

    君子蘭、気をつけて見ると、けっこうあっちこっちのお庭にありますよね。オレンジ色で、パっと咲いてますね。名前は蘭だけど、君子蘭は蘭じゃなくて種類的には彼岸花だそうですわ。

    ジェーンさんのベランダではジューンベリーが育ちつつあるんですね。適度な大きさに出来るかどうか、工夫しないとですね。ワタシのどころの分不相応な鉢物は九尺藤ですかね。思う様育てたら大変なことになってしまうので、あまり鉢を大きくしないでちんまりさせておかないと、と思ってはいますが、まずは、まだ花が咲かないのでねぇ…。来年あたりはそろそろ花芽が出てほしいもんざますが…。

    ハンギングバスケットやってるんですか?ひょほー!ガーデナーって感じですね。ベニシアさんがやってるのを番組で見た事あるけど、なかなかいいですよね、あれ。優雅ざます。

    「植物男子ベランダー」は、ギャグは概ね外してるし、なんだかなぁ、と思う部分も多いんだけど、ツボにハマると受けちゃうところもあったりして、なんとなく棄てがたいんですわ。ふほほ。松尾スズキの「いとしの草冠」の朗読とか、ちょっとツボなんですわ。

    植物が押し寄せてきてますか。皇帝ダリアって名前からして凄そうですね。あまり盛大に育たれぬようにしないと、大変なことになりそうですわね。

    うちの花々、ささやかに元気ですよ。今はクチナシがいい匂いです。そのうちにまたベランダ通信出しますね。

  • 2015/06/19 (Fri) 17:41

    ハ〜イ!

    君子蘭ってランじゃなかったんですか!?どうりで蘭特有のあの妖しさが無いのね。(でもヒガンバナというのもまた別の妖しさがありますが)。エビネやシュンランなど野生・自生種の素朴な蘭はいいな〜と思います。

    正岡子規の「瓶にさす藤のはなぶさみじかければ たたみの上にとどかざりけり」って短歌が好きなんですが、kikiさんちの藤は九尺ですか。開花したらさぞ見応えあるでしょうね!まだまだ幼子だと思って成長を見守ってあげてください。九尺だったら瓶にさしてダイニングテーブルの上に置いてもしっかり床にとどきますね(笑)!!

    前にも書いたけど、うちの銀梅花ちゃん。最近知ったのですが西洋では「マートル」って呼ばれていてイギリス王室の結婚式のブーケにいつも使われているのだそう。花言葉は「愛・結婚の象徴」とか。知ってらした?なんでもビクトリア女王が植えた木から採った枝をキャサリン妃も使われたそう。そしてこの木はなんと、ハーブなんですって。

    そうとは知らず、貰った苗木をプランターに仮植えしたまま、何年も放置。夏には勝手に生えてくる西洋朝顔の支柱代わりにちょうどいいなんて感じであまりに無体な仕打ちをしてしまいました。おかげで、枝が途中から曲がって横に伸びてまるで門かぶりの松状態になってて。で、先日あわててちゃんとした大きめの植木鉢に植え替えました。すると活き活きと枝を張り始め曲がった枝も心なしか上に伸びてるような気がします。ごめんね、マートルちゃん!

  • 2015/06/21 (Sun) 20:26

    ジェーンさん
    正岡子規の句に、そういうのがあるんですね。九尺はマトモに伸びたら大変ですわよ。まぁ、そこまで伸びるほど木が立派になるまでにうんと時間がかかると思うし、そうなったらもうベランダじゃ扱いきれないかもって感じではありますが…(笑)

    銀梅花ってブーケとかによさげな感じの花ですね。そうですか。マートルはハーブなんですか。イギリスっぽいなぁ、ふふふ。背骨が曲がりかけていたマートルを正しく伸ばしてやれたんですね。めでたし、めでたし。あまりねじくれさせておくと可哀想だものね。

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