いま、白洲次郎がアツいわけ



前からコンスタントに出てはいたのだけど、昨今、白洲次郎関連本の出版は火を噴いた感じで、写真集も含め、猛烈にあれこれと書店で平積みされている。NHKでスペシャルドラマも3回に渡って放映されている最中で、予想外に出来もいいみたいだ。(次郎役に伊勢谷友介って、当初「ええ?」と思いませんでした?でも蓋を開けてみたらこれが案外ハマっていた。ルックスはちと神経質すぎて線が細い気がするが、何より英語の発音がこなれていて綺麗。それがこのキャスティングの一番の決め手だったのではないかと思われた)

白洲次郎という人単体でも、そのスカっとした生き様や仕事っぷりなど思うさまカッコいいわけであるが、更には正子という妻との私生活のありようが相乗効果でイメージアップに貢献している。白洲次郎と正子は、とにもかくにもカッコいい。カッコ良すぎる。鼻白むばかりのカッコ良さだ。カッコ良すぎちゃってなんだかなぁ、という気がするぐらいに生い立ちから、生きる姿勢、人生の端々に至るまでキマっている。二人の出会いから生活信条、互いの生き方や趣味を尊重しながらゆるやかに共生するありようなど、実にmade for each other なカップル。二人が住んだあの家も、いかにもという感じで文句のつけようがない。そして次郎のあの車!くぅ??。

けれど、富裕な商家の次男坊だった次郎があの「白洲次郎」となるためには、ケンブリッジへの留学というものがやはり欠かせない大きな要素。昭和天皇も皇太子時代にイギリス留学をして、あのエドワード8世と生涯に渡る交友を結ぶことになったのだけど、「自分の人生を振り返って、英国留学というのは非常に重要なハイライトだった」というような事を語られていたと思う。昭和天皇にとっては、束の間自由に学生として青春を謳歌したという意味合いも大きいと思うけれど、事ほどさように戦前の日本の知識人にとって、英国留学というのは多大な影響があったのだなぁといまさらに思うのである。それだけ、戦前においてはまだまだ大英帝国の文化的影響は絶大だったということか。

白洲次郎という存在について最初に知ったのが幾つの頃だったか忘れたけれど、けっこう前なのは間違いない。あの有名な、白いTシャツにジーンズで脚をゆるく組んで座った写真が表紙になった本(たぶん、青柳 恵介 著「風の男白洲次郎」)を見たのが最初だった。その純正日本人とは思われない容姿に「あら!」と目が行った。戦中、そして主に戦後の日本の未曾有の危機のおりに、白洲次郎のような男がいてくれたという事を、現代日本に生きるワタシを含む多くの人は、ちと羨ましく思っているのだ。
「チェ 28歳の革命」についてのレビューでも書いたけれど、今、白洲次郎やチェ・ゲバラについての映画やドラマが作られ、関心が高いのは、日本でもアメリカでも、政治へのいわくいい難い不満と不信が渦巻いているからだろう。
殊に日本では、いま国会に集っているような連中に国の舵取りを任しておいていいわけがない、もっとどうにかした人が出てきてほしい、という切なる希求の現れなのだと思う。アメリカには期待を担うべき大統領が現れた。彼の手腕はまだ未知数だけど、とりあえず託してみたいという気にさせるだけ日本の現状よりはマシである。日本はどうしたの?なんなの、このテイタラクは。どこを見渡してもクズ鉄ばかり。砂金も見えない。それだのに、いや、それゆえにか、こんなにも人々の英雄待望は沸点を迎えている。
どこかにきっと、キラっとした本物は潜んでいるはずだと思いたい。
けれど、それは一体全体どこに居るのだろうか。
もうじき、噴きこぼれて期待はカラになってしまうだろう。
それまでに、本物は登場するのだろうか。平成の白洲次郎はいずこに???
このまま行ってしまうと、日本は本当にマズいと思うのだけど。
本当に心底、このままじゃダメだ、という時期が来ないと、英雄は光臨しないのかもしれない。
まだまだ、困り足りないわけである。

…そう言えば、まぁ、ワタシなども一応適職の範疇で仕事しつつ暢気に映画観に行ってますしね。
おいしいものを食べたり、欲しいものを買ったり、なんだかんだ言いつつも、現状で不足はない。
が、この先、自分が老人と言われる世代になった時に、一体どんな国になっているのかを考えると鳥肌モノではある。それまでになんとか、白洲次郎ほど徹頭徹尾カッチョよくなくてもいいので、せめて筋の通った気骨のある人が日本の舵取りをして、抜本的に立て直しておいて欲しいものだわよねぇ、と思ったりする今日この頃、なのである。

白洲次郎ドラマ、最終回はボーンと飛んで終戦の8月放映である。凄い飛びっぷり。だけどこういうスタンスでドラマを作って放映するというのもNHKならでは。運営方法や料金体系には不満大だが、作るものはたしかな物も多いのがNHKの困ったところ。いっそダメならバッサリと切捨てる事が出来てスッキリするのだけど…。いいものを有料で広く観てもらうためには、やはりゴリ押しみたいな料金体系をもっとリーズナブルなものに見直すべきでは?NHKの運営にも白洲次郎的参謀が必要だと思う。

コメント

  • 2009/03/09 (Mon) 00:06

    私も、白洲次郎スペシャルドラマは興味があったので見るつもりだったのに、いつの間にか始まって、終わってたんですね。残念!!

    kikiさんがおっしゃるように、今の日本のリーダーたちのあまりの体たらくぶりに、国民が白洲次郎的な人物を熱望しているのでしょうね。

    • ようちゃん #4ihH6cqY
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  • 2009/03/09 (Mon) 00:51

    ああ、これ観ようと思ってて忘れてました(爆)。確か、3回目はかなり日にちがたっての放送なんですよね。出演者が急病になってしまったためだとか。誰だろう・・・。

    で、うちのブログの禁止ワードの件ですが・・・自分で禁止したワード見て、結構フツーの言葉が登録されてて驚きました(爆)。多分、しつこく入ってきた宣伝をカットしようとしたらしいんですが・・・さすがに「ラーメン」まで禁止ワードになってるとは・・・。いくつか普通の言葉は禁止ワードから削除したので、懲りずにコメントしていただけたら・・・と思います。ちなみに私も友達のブログに書き込みしようとして撥ねられ続けた記憶があります。その時は「びっくり」という言葉がNGワードでした・・・。

  • 2009/03/09 (Mon) 07:08

    ようちゃん。これ、まだ終わってなくて最終回が8月放映なんざますわ。
    尤も、ワタシも1回目は観たものの、2回目は出かけていて観ていない始末で、あまりちゃんと観てはいないんですが…。
    それはともかく、今の日本にもブレないプリンシプルを持った男が登場して欲しいと思っちゃいますよね~。あの馬鹿げた茶番を日々見せられていては。まぁ、白洲次郎はなんだかんだとカッチョ良すぎるので、あんなにどこもかしこもキメキメな人じゃなくていいんですが…。そろそろ現れてもいい頃じゃないかと思うんだけど影も形も見えないものねぇ…。やれやれ。

  • 2009/03/09 (Mon) 07:11

    mayumiさん。いくらなんでも最終回の8月放映は飛びすぎると思ったら、出演者が急病でしたか。いかに終戦の話でも8月にしなくていいのに凝り過ぎだわ、と思ったりしてたのだけど(笑)
    で、NGワードの件。確かにね~、なんらかガードしないと時折変なもの紛れ込んできますからねぇ。普通の言葉は取り除かれたとの事ですが、何だかまた引っ掛かってしまいそう…。ふほほ。何を書いたのか忘れてしまったので、次回別の記事にでも、またコメント致しまするね。

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