メダカ盛衰記



以前から、ベランダで睡蓮を咲かせてみたい、という野望を密かに抱いていたワタシは、この夏、ついに憧れのビオトープに手を出してみたんざます。割に大きめの睡蓮鉢を買い、睡蓮を買い、ついでに水草とメダカを買って、ちょいと乙な一角をベランダに作り出してみよう、などと目論んだのざますが…。はてさて。

睡蓮は葉っぱばかり出てきて花がいっこうに咲きませんでした。睡蓮というのは早朝から夕方まで満遍なく日が当たるところでないと花が咲かないらしいんですね。だからベランダは南東向きがベストってことなんでしょうが、うちのベランダは南西に向いているらしく、ベランダにたっぷりと日が当たるのは午後から。なもんで、睡蓮不発。とにかく葉っぱだけはじゃんじゃん出てくるんですが、花芽は全く出てきません。残念。チーン!


葉っぱばっかり…

こうなったらメダカだけでも盛大に泳がすか、という事で、当初、通販で20匹ほど仕入れ、睡蓮鉢と、メダカ用の小さめの鉢とに分けてちょろちょろと泳がせてたんですが、なにせメダカが来たのは暑い暑い7月後半。毎日ギンギンと日が照って、午後になるとベランダの直射日光はすごい感じになったので、朝、日よけのためにスノコを睡蓮鉢に掛けて出かけたんですが、これが日光を防いだのはいいけど、酸欠状態も引き起こしたらしく、大きな睡蓮鉢に15匹、小さなメダカ用の鉢に5匹、朝は元気に泳いでいたのが、夜、帰って覗いてみたらほぼ絶滅の阿鼻叫喚。ショッキング…。
メダカたちは到着して1週間も経たないうちに酸欠でお亡くなりになってしまいましたのよ。

こりゃ、直射日光を防ごうと思ったのが仇になって、絶滅収容所になってしまったかと思っていたら、なんとほぼ全滅の中、一匹だけ生き残った強靭な生命力の持ち主がいたんですね。朱色も鮮やかな楊貴妃が、屍累々の中、一匹だけ生き残って泳いでいたのを発見。
早速、小さい方のメダカ鉢はこの恐るべきサバイバーのための独占空間になり、彼(彼女かも?)は水草の合間を一匹だけで気持ちよさそうに、日々すいすいと泳ぎ回り、元気いっぱいのご様子でした。



オスかメスかは分からないのだけど、体色が赤いので「赤助」という名を付けて、毎朝ひとつまみの餌をやり、赤助が元気に泳ぎ回りながら盛大に餌を食べるのを面白がって眺めていたんざますが、一匹だけ飼っててもそれ以上増えないので、少し個体数を増やそうかと、8月に入ってから近所のペットショップで白メダカのオスと緋メダカのメスを買ってきて3匹を4ℓのメダカ鉢で飼う事にしました。



3匹になっても赤助は元気いっぱいで、赤助のバイタリティに他の2匹は押され気味な感じながらも、ともかくも平和そうに共存していたんですが、9月の初め頃、週に1回、鉢の水を3分の1程度入れ替える時に、新しい水を多めにしてやろうと、かなりナミナミと追加したんですね。赤助は水を入れ替えてやると、たっぷりの水の中をいつも気持ちよさそうに泳いでいたので、ちょっと多めに入れてやったんですが、その夜、嵐めいた天候になり、雨風がすごくなってきたので、メダカの鉢と、濡らしたくないラベンダーの鉢を室内に避難させた時、3匹とも元気かな、と水草をかき分けて探してみたものの、あとで買った2匹しか姿が見えない。いつも元気で、常に水面に近いところに居て、つるつると泳ぎ回っていた赤助の姿が見えないんざます。あれれ?赤助、どうした?と強風で雨の吹き込んでくるベランダに出て足元を見てみると、なんと、赤助らしきメダカが干からびてシュロの鉢の根元でご臨終になっていました。

おそらく、水をあまりに多めに入れたせいで、元気な赤助は泳ぎ回っているうちに勢い余って鉢を飛び出し、墜落死したものと判明。
ネットとかで調べてみると、メダカってけっこう鉢から飛び出して墜落死する確率が高いらしいんですね。ガーン!しまった…。
20匹近く死に絶えた中で唯一生き残った素晴らしい生命力の持ち主だったのに、鉢の水を多めに入れたばかりに墜落死を招くとは不憫な事になってしもうた…と、さすがにワタクシも赤助の転落死には竦然としました。死線を掻い潜って毎日元気に泳ぎ回っていたのにねぇ…。空で遠雷の轟く中、シュロの鉢の下で死んでいたのを割り箸で拾って、シュロの鉢の土に少し深めに穴を掘り、埋めてやりました。
漱石先生じゃないけれども、

 秋風の聞こえぬ土に埋めてやりぬ

という気分でした。

赤助が墜落死を遂げて以降、それまで地味で大人しかった白メダカと緋メダカが今度は我がもの顔で元気に鉢の水面近くに出てきて、泳ぎ回るようになりました。やはりメダカといえども何匹かいるとキャラの違いなどでパワーバランスが形成されるんですわね。ふぅん。
まぁ、この2匹だけでもいいんだけれども、なんかパンチがないというか、物足りない気分しきり。1週間ほど様子を見ていたんですが、落ち着いて元気そうなので、また楊貴妃を新たに投入してみることにしました。1匹だけでもナンなので、楊貴妃のメスと黒メダカのオスを1匹ずつ買ってきてメダカ鉢に放流してみたところ、放流する時に水かさが少し増えたかな、という程度だったのに、1時間ほどしてみるともう3匹しか鉢の中にいない。え?また飛び出しか?と地面をみると、今度は黒メダカが飛び出してお亡くなりになっておりました。うちにきて僅か1時間の短い命でした。ほっへ〜〜〜。こりゃまたどうしたわけだ、と思ってメダカ水槽を見てみると、メダカどもは元気で泳ぐようになると、互いに縄張りを主張して、自分のテリトリーだと思うところに別の個体が入ってくると、体当たりしたり、頭突きをしたり、けっこうバトってるんですね。こいつはどうも、黒メダカは弾き出されたな、と推察。


来て僅か1時間で墜落死を遂げた黒メダカ …ナムナム

もう個体数を増やすのはしばらくやめて、2代目赤助(メスなんだけど)と、白と緋と3匹だけでやっていってみることにしました。3匹のうち、オスは白だけ。あとは2代目赤助も緋メダカもメスなんですが、ここに面白い三つ巴関係が発生している様子。

唯一のオス、白メダカ(いつまでも名無しもナンなので、ひとまず白蔵と命名)は、緋メダカ(便宜的にヒメと命名)がお気に入りらしく、スキあらば寄り添って泳ごう、くっつこうとするんですが、ヒメは白蔵がお気に召さないらしく、すぐにぷいっと方向を変えて逃げ去ってしまうんですね。白蔵はいつ見ても肘鉄を食らわされてあえなく撃沈のご様子。

そんな感じでヒメにはさっぱりモテない白蔵ですが、2代目赤助(メス)は白蔵に気があるらしくて、けっこう寄り添っていくのに、白蔵はツレないそぶり。シャーっと逃げる時もあれば、うっせぇよ!って感じで頭突きを食らわすこともあったりして、赤助の思いは報われない様子。で、その赤助はヒメに対して当然、当たりがキツくなる。ヒメを追い掛け回して体当たりしたり頭突き喰らわしたり、けっこうドタバタやってるんですね。ははは。赤助がヒメに攻撃を加えていると白蔵が来て赤助に頭突きをかましたりして、餌やりついでに見物しているとなかなか面白い三角関係です。

なんだかんだで2匹も墜落死させてしまったので、さすがに水の量には気をつけているため、3匹が元気でいかに頭突きや体当たりをしあっても、飛び出さない程度の水位にはしてあるんですが、こんな調子で卵なんか産むのかねぇ、と思いつつ、特に過保護にもせず、朝1回だけの餌やり(腹八分目程度)と3日に一度の部分的な水替えだけをやってやりつつ、そのうちに卵が生まれたり、稚魚が泳ぎ出したりするのかどうか、見るともなしに見守っていこうかねぇ、などと思っております。

本当はメダカの稚魚が生まれるよりも、ワタシは睡蓮に咲いてほしいんだけれどねぇ…。

コメント

  • 2015/09/21 (Mon) 00:31

    kikiさん、お久しぶりでございます。
    ようやく秋の兆しが見えて参りましたね。
    今年は残暑が酷くないみたいですが、水害が多く、なんとなく不安定な夏日でしたね。
    水害といえば、kikiさんが始められているメダカも水害に遭われて…。
    (アーメン)
    メダカも環境に慣れると学習してか、自分の生活圏を知り、その中で上手く順応して大人しく過ごしたりしてますけどね、ま、飛び出しは良くある事故です。

    わたくしはもう長く魚との生活をやっており、熱帯魚から金魚、メダカなども繁殖経験がございます。
    金魚やメダカはやはりビオトープが見映えが宜しい。
    メダカはここ数年空前のブーム到来で、賑やかですよね。
    中には新品種の珍しいのはペアで20万とか…。
    そんなのが家に来て数時間で容器からダイブした暁にゃあ…。

    出来たら品種は統一された方が良いかもしれませんね。
    また、稚魚が孵ったら孵ったでアダルトたちと同居させてると食べられたり致します。
    ビオトープは中で生態系が出来上がるとほとんど手間が要らなくなりますが、同時に中で飼う生物たちもメンテナンスフリー&生物の行く末フリーになっちゃいがちなので、鉢や甕などのメダカはあくまでサブキャラとして見守るのがいいかも。
    大事にされたいのならば、やはり水槽飼育です。

    睡蓮はおっしゃるように日照時間が左右しますね。
    花が咲いたら美しいけど、メダカが花に乗り上げ…ってこともあるようで、要は藻みたいな水草を水面に多く浮かべて簡単に飛び出さない工夫が必要です。

  • 2015/09/21 (Mon) 22:52

    sanctuaryさん こんばんは。お久しぶりです。
    去年も今年も7月の方が暑くて、8月もお盆を過ぎるとスーッと涼しくなってますね。ここ数年、7月後半が一番暑いような気がしています。
    メダカの飛び出しはよくある事故なんですか。確かにそうですね。sanctuaryさんはもう長きにわたって小魚類を愛でておられるんですね。メダカは昨今、本当にかなりのブームっぽいですね。金魚とかよりも世話に手間がかからないので人気があるらしいとか。それにしても、ペアで20万のメダカですか。恐ろしや。そんなのはもうメダカとは呼べないって感じですが…。でも交配を重ねて作った珍しい品種というのは大抵弱いですよね。ダイブしなくてもあっという間に死んじゃうかも。

    品種は確かに最低でもオスメス一対は統一した方がいいのかもしれませんが、なんか同じ色のが泳いでいても見ていて詰まらないので、別種の数匹をランダムに泳がせておこうかと(笑)卵も稚魚も、生まれたとしてもことさらに分けずに自然淘汰に任せて生き残るなら生き残っていきなさい、というスタンスでやってみようかと思っています。水槽は、エアポンプとか大袈裟な事をやりたくないので、このまま鉢の中に水草とともに浮かべておこうかと。冬は冬眠するらしいので世話いらずですしね。ふほほ。

    睡蓮、ベランダで咲かせてみたかったんですけどねー。そんなに朝から日が当たらないとダメだとは誤算でした…。
    今のベダンダでは睡蓮は拝めないのか…。がっくり。睡蓮がダメなら蓮でもやってみようか、とか、考えたりしていますが(笑)

  • 2015/09/27 (Sun) 12:28

    メダカは今や金魚並にたくさんの品種が産出/固定化されています。
    金魚のような出目金メダカ、鱗のないスケイルレス、まるで錦鯉のような鯉メダカ、他にもラメ系、スケルトン系、ダルマ系など…そのほとんどは最初は突然変異の奇形なんですが、人間って犬も金魚も奇形を愛でるの好きですからね~。
    種々多々な品種が開発されてゆく一方、そんな時代だからこそ逆に素朴なノーマル(基本型)を愛する方々もいらっしゃって、kikiさんがおっしゃるように累代奇形の賜物である遺伝的に弱い新品種よりも健全で素朴なノーマルがわたしも好きです。
    ちなみに普通に飼えば2〜3年は生きます。
    金魚よりはタフなところもあり、手をかけ過ぎるよりはkikiさんのようにブクブクも濾過もしないで、ビオトープ飼育で勝手に育つ環境が良いかと。
    ただ、ビオトープが完全に機能してないと酸欠になったり、アンモニア中毒起こしたりします。
    要は青水(グリーンウォーター)で、酸素を発生する水草や植物性プランクトンが湧いてる桶ならばメダカは給餌なしでも生きてます。
    今はやってませんが、昨年まで約5年間わたくしは外のガラス水槽でノーマルメダカを一切餌もやらずに足し水のみで育ててました。
    それでも代々繁殖して増えてましたよ。ちなみにタンク内には様々な生き物が生活していて、ヌマエビからタニシ、ホテイアオイ、睡蓮なども共存していましたよ。
    我が家はマンションですが、東向きのベランダで日照時間は午前中の3時間ほどでしたが、睡蓮は季節ともなれば花を咲かせてましたからkikiさんも諦めなさらないよう。
    現在は金魚しか飼っていませんが、そこにもいくつかの植物を浮かべたり沈めたりしてます。
    まあ、若干日照時間が足りなくて茎が間延びしてますけどね…苦笑

    魚を含めて水中という我々とは別の世界で生きている者を観ると、人間は特に精神的に落ち着くのだそうです。睡蓮とともに、kikiさんのビオトープ飼育が上手くいけばと願っております。

    • sanctuary #V0sVL5lk
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  • 2015/09/27 (Sun) 19:29

    sanctuaryさん

    あまり人工的に作り込んだメダカには興味が持てそうにないですよねー。そんなに色々種類があるんですか。知らなかった。メダカは月並みな種類でいいから、逞しく泳ぎ抜いてほしいですわねぇ。

    寿命は2〜3年らしいですね。うちのはビオトープがまだ、ちゃんと機能してはいなさそうなので、環境が出来上がるまで、どのぐらいかかるのか、ちょっと分かりませんが、ほったらかしておいて、餌をやらなくても何かしら食べて生きていかれるようになればベストですね。
    ところで、赤助(メス)が白蔵にイビられて萎縮している気配があったので、新たに楊貴妃のオスを買ってきて、メダカ不在になっていた大きな睡蓮鉢の方につがいで放してやったんですよ。その前に、8月初めに大量死があって以来、ほとんど放置状態だった睡蓮鉢の、枯れかけたホテイアオイなどを取り除いていたら、なんと、最初に買った20匹のうちのどれかが、ご臨終になる前に産卵していたらしく、1cm弱ぐらいの小さな稚魚が3匹、元気に泳ぎ回っているのを発見したんざます。
    いつの間に生まれて少しずつ育っていたのか、さっぱり気づかなかったのだけど、ビックリするやら嬉しいやら。赤助夫婦を一緒に入れても、もう食べられたりしない大きさのようだし、逃げ足も早そうなので、赤助たちと共存させることにしました。思いがけず稚魚が生まれていて(最初はもう少し居たのかもしれませんが、3匹だけ生き残ったんでしょうね)、赤助もオスがきて嬉しそうだったし、なかなか、いい具合になってきました。ふほほ。

    sanctuaryさんのベランダは東向きなんですね。でも、東向きだから咲くのではないかと推察。午後日が当たるより、午前中に日が当たる方が睡蓮にはよろしくてなんじゃないざましょうか…。
    でもまぁ、諦めずに様子を見ていくことと致しまする。なにせ、絶滅したかと思っていたら、いつの間にか稚魚が泳いでいたりするわけですしね。ふほほ🎶

    確かに、水中を気持ちよさそうにプルプルと泳いでいるメダカを見ていると、何から顔がほころんできますよね。さして手もかからないし、メダカってなかなかいいな、と思っています。
    爆発的に増えると嫌だから、今のように徐々に増えていくのが望ましいな、と思いつつ、最低限のことだけやってやって、見物していこうかな、という気分です。

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