スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「あさが来た」は面白い

-商売繁盛 夫婦善哉-
2015年 NHK



面白いドラマというのは、ちらっと画面を見ただけで、なんとなく興味を惹かれるような空気が流れているものだ。これは不思議だけれど、理屈ではなくそうなのだ。反対に、面白くないドラマは画面が死んでいるのである。
「花子とアン」以来、全く見ていなかった連続テレビ小説を、最近なぜか見る気になったのは、ある朝、ふとつけたTVのチャンネルを切り替えていて、「あさが来た」の画面に目が止まったからだった。

ヒロインの子供時代から描くという、連続TV小説王道の作り。こういうドラマは子役時代が生き生きしていると、大人になってからを演じる女優にバトンタッチした時に、ちょっとガクっとくるような落差を感じたりする時もあるが、今回はうまく切り替わったのではないかと思う。あさは少女時代より随分垢抜けて綺麗になったな、と思うけれども(笑)


へびを振り回して歩く豪傑少女あさ

姉のはつは少女時代を演じていた女の子がいかにも役に合っていて可愛かったので、おなじみの宮崎あおいにチェンジすると、宮崎あおいはあさ役の方が合ってたんじゃないか、と思ったりしたが、あさ役の波瑠がどんどんはまり役感が出てきていい感じだし、宮崎あおいはひそやかで自分を押し殺す因循姑息な女性の役で新境地というところだろうか。


あさの姉はつと弟久太郎 子役がみんなカワユイ

波瑠が演じるあさの嫌味のない大らかさがナイスである。こういう役をあざとくならないように演じるのはけっこう難しいと思うのだけど、波瑠は、大らかで無邪気で可愛らしく、それでいながらきっぱりとした部分も時に打ち出し、規格外なようでも、根底に大店のお嬢さんらしい素直な部分を持つあさという女性のキャラをとてもいい感じに作り上げていっているような気がする。
見た目に涼しい感じがするのもいい。こういう役を押しの強いルックスの女性が演じたら、もう暑苦しくてたまらないだろう。


丸髷姿も初々しい新妻あさ

生まれた時から許嫁が決められていたあさとはつの姉妹。しかし、あさとはつの嫁ぎ先は当初は逆だった。あさの破天荒なお転婆ぶりを知った許嫁の山王寺屋から、嫁は長女に変更してほしいと申し出があり、あさは当初は姉の嫁ぎ先だった加野屋に嫁ぐことになる。しかし、あさが最初の取り決め通りに山王寺屋に嫁いでいても到底うまく行かなかっただろうし(1週間で帰されてきたか、帰ってきたか)、はつも加野屋に嫁いで舅姑とは馴染んだかもしれないが、新次郎は家でじっと待っているはつのようなおとなしい嫁では、余計に家を外に遊び歩いて戻ってこなくなった可能性も高い。
この加野屋の嫁取りについてだが、分家に出ている次男の新次郎が、本家を継ぐ長男の兄より先に嫁を貰うことになるのは不思議な感じがした。結局この兄は、あさが嫁いでくる前に結核で早死にしてしまうのだが、もう一人前の男だったのに、それまでに嫁を貰っていた気配もない。設定として、いささか面妖ではある。


典型的な船場のぼんち? の新次郎(玉木宏)と父親役の近藤正臣

ともあれ、しっかり者の兄に何もかも任せて趣味三昧に生きていた新次郎は、死んだ兄の代わりにしっかり者の嫁を得ることになる。三味線の腕はプロ級の趣味人、飄々とした表情の影に、何か過去のトラウマを隠していそうな新次郎を演じている玉木宏が、意外や非常にハマリ役。
ワタシが玉木宏を見たのは、映画の「MW」以来だが、特にどんなイメージもなかったし、上手いとも思ったことはなかったのだけど、時代劇が似合うとは恐れ入った。髷と和服の着流しがとてもよく似合っている。三味線も大特訓したとかで、吹き替えなしに弾いている姿がサマになっている。すっとぼけた趣味人の若ぼんを掴みどころのない雰囲気でおっとりと演じているのが良い。
そうか、玉木宏って時代劇もいけるのだね。
この先もどんどん時代劇への出演が増えそうな気がする。


サマになっているというか、板についているというか、意外や時代劇が似合う玉木宏

それにしても、あさと新次郎は幾つ違うという設定なんだろうか?10歳ぐらい?
第1週目、子役があさを演じていた時は、新次郎も年齢設定としては見た目よりもっと若い設定なんだろうけど、二人が一緒に映っているシーンは親子にしか見えず、新次郎はロリコンみたいな事になっちゃうねぇ、という感じだった。あさ役が波瑠に変わってからはさすがに違和感はなくなったが、子役の少女があさを演じていた時は、こんな子供と大人の男が許嫁なんて、何やら犯罪チックだなと思ったりした(笑)

まぁ、それはそれとして、ほんの子供、というか、赤ん坊の頃から知っている少女が育って自分の嫁にくる、というのは、男にとっては何やら自分が光源氏にでもなったような気分になったりするものなのかもしれない。


あさちゃん、頼りにしてまっせ という感じだろうか

一方の姉、はつ(宮崎あおい)は難物の姑としんねりむっつりな夫のいる山王寺屋に嫁いで何やら早くも不幸の兆しである。すでに、姉はつの婚家が没落することは明かされているのだが、婚家の家業が没落していく中で、当初は薄気味のわるい白蛇のようだった夫の惣兵衛とはつがいかに夫婦善哉な関係を築いていくのかも、サイドストーリーとして描かれていくのだろう。
いけずで傲慢な姑を演じているのは萬田久子。ははは。ハマってます。でも、この萬田母さん着用の衣装が並み居る女優たちの着物の中で一番ハイセンス。じゅばんと着物と帯の色の取り合わせが絶妙で、しかも、絞りなどの高価な着物が多い。


ええ着物着てはりまんなぁ、萬田かあさん

惣兵衛を演じているのは、柄本祐。柄本明の長男である。この人はなんだか最近やたらと売れている。顔をみかけることが多い。地上波をほとんど見ないワタシでも見かけることが多いと思うぐらいなので、本当によくあちこちに出ているのだと思うけれども、大変に売れっ子である。なんでそんなによく出てくるのだろう???と不思議だったのだけど、上手いからなのだな、と「あさが来た」を見て分かった。惣兵衛は、当初の嫌味で冷たい雰囲気から少し様子が変わってきて、嫁に来たはつを内心では気に入っている、という感じを祝言のあたりから匂わせるようになってきたけれども、子供の頃は良い奴だったという惣兵衛が、何があってねじくれた性格になってしまったのか、そのうちに種明かしがあるのかもしれない。


白蛇はんに嫁いでどうなることかと思った姉はつは、案外夫婦仲が良さそうなのだが…

あさとはつの母役を演じているのは寺島しのぶ。最近思うのだけど、この人は年をとってくるにつれ、目元が母の藤純子(現:富司純子)に似てきたような気がする。若い頃は母親と全く似ていないと思ったのだけれど、血というのは不思議なもので、年齢を重ねると、あまり似ていなかった親族でも顔が似てくるようだ。子は親に似てくるし、全く似ていなかった兄弟も同じ顔になってくる。血というのはつくづくと不思議だ。寺島しのぶは梨園の娘だけに着物の着こなしもお手の物。演技も落ち着いていて、安心して見ていられる。若い頃はイマイチでも、年齢を重ねていくごとによくなっていく人というのは、若い頃だけ良い人と比べると得なのではないかという気がする。


若い頃は全く似ていなかった母・純子に昨今少し似てきた気がする寺島しのぶ

あさが少女の頃にひょんな事から知り合った薩摩藩士の五代才助は、今後、あさが事業を興していく上での導き手となっていくのではないかと思うが、あさは実に出会いに恵まれている。京都一の商家の娘として、通常なら深窓に垂れ込めて育つ筈が、蛇を振り回したり、男の子と相撲を取ったり、学問をしたがったり、木に登ったりするお転婆で規格外の娘であるあさ。父親は彼女の先行きを憂うが、理解者の祖父は彼女にそのまま進めとエールを送る。祖父を演じているのは林与一。久しぶりに見たら随分おじいさんになっているのに驚いたけれども、あさを溺愛する祖父の温かさが心地よかった。


どう見たって着物に足袋では登れそうもない木に登る祖父と孫娘

あさは人に恵まれただけでなく、生まれた時代にも恵まれた。日本が大きく変わる時代に運良く出くわしたのである。あさが生まれたのがもう百年前だったら、あまりのぶっ飛びように座敷牢にでも入れられてしまったかもしれない(笑)
「あさが来た」は型破りな新時代の女であるあさが活躍するという事と、日本の夜明けが来るという事が掛けられたタイトルではなかろうかと思うが、簡潔でわかりやすい。


日本の夜明けは近いぞ

五代才助を演じているのはディーン・フジオカという俳優で、これで初めて見たけれども、なんとなく面差しが窪塚洋介に似ている気もする。あまり上手くはないけれども存在感が爽やかでナイスだ。今後、彼が登場するシーンは時代の変転とともに楽しみである。

あさは今後、炭鉱の経営や銀行の設立、そして日本最初の女子大の設立などを手がけていく明治の女流実業家になっていくらしいが、10/19以降からだんだんとそんな片鱗がうかがえるようになってくるようだ。楽しみである。
大名の元へ借金の取り立てに行ったり、取り付け騒ぎを鎮めたり(多分)、炭鉱の経営に乗り出したりなど、女傑としての側面がこの先どんどん現れてくるのだと思うけれども、大きな目でキっと相手を見て、スッキリとした着物の立ち姿で思うところをハッキリと口に出す波瑠のあさは、どこやらそのかみの藤純子の女侠っぷりを彷彿とさせる空気感も持っている。純子の実の娘の寺島しのぶではなく、寺島しのぶの娘を演じている波瑠がどこやら藤純子を想起させるものを持っている、というのも不思議な因縁かな、とニヤリとした。


頼りない夫の代わりに傾きかけた店の舵取りを始める イヨ!かっちょいいぞ、あさ

ちなみにあさのモデルとなった広岡浅子は小石川三井家という、あの三井一族本家の出身(3つある本家系の家のひとつ)らしい。昨年だったか、「三井家のおひなさま」という展覧会を日本橋の三井記念美術館で見たけれども、本当に古いひな人形からきちんと残されているのを楽しく眺めた。「あさが来た」でも、あさとはつが少女時代にひな人形を飾るシーンがあったが、もうちょっと由緒のありそうなひな人形を使えばいいのに…と些か残念に思った。が、あさがお内裏さまのかつらをスポンと取ってしまったりするような狼藉を働くシーンなので、あまり由緒ある人形を使うわけにもいかなかったのかもしれない(笑)



ついでながら、あさが少女の頃から連発する「びっくりぽん」が気になる(耳障りだ)という人がいるようだけれど、そうかしらん。いいんじゃないの?無邪気で。さしてあざとさも感じないし。ワタシはけっこう気に入っている。

コメント

  • 2015/10/20 (Tue) 10:14

    kikiさんこんにちは。

    波瑠さん、朝ドラにふさわしく元気いっぱい、お育ちのよいおおらかさをうまく出してらっしゃると思います。
    姉役の宮﨑あおいさんに食われるんじゃないかしらんと心配しましたが、オーラを押さえた演技はさすがです。
    そうですか~、山王寺屋さん、没落するのですね。
    ぼーっとした舅といけずの姑を抱えて、白蛇さんと苦労していくサイドストーリーがあるのでしょうか。
    それもまた楽しみ。
    娘を思う普通の母親役が意外?によく似合う寺島しのぶさんもいいですよね~。

    制作談話で、京言葉から船場言葉に変わっていく様を演じてほしいと言われたとか。
    関西在住の私でも、なかなかわかりにくいのに大変でしょうね。でも、はんなりとした京都の女性から船場の女商人に成長していくあさのこれからがとても楽しみです。
    あ、アホぼんぶりがはまっている玉木宏さんもgoodです~!

  • 2015/10/21 (Wed) 22:55

    akoさん、こんばんは。

    そうですね。宮崎あおい、今回は地味なキャラですが、活動的なヒロインの脇でも存在感ありますよね。大したもんざます。
    山王寺屋は没落しちゃうらしいですね。すでにかなり危うい感じになってきてますが、それを世間や嫁の実家にしられまいとして、姑が、はつを監禁したりしてるわけですわね。無駄な足掻きですね。
    寺島しのぶは地味めのルックスと役がぴったりと合って、いいお母さんぶりですよね。安定してるなぁ、という感じです。
    京言葉と大阪言葉の違いというのは、関東の人間にはあまりわからないですが、私はこのドラマでひとつ気になっているところがあって、店の人間や使用人が「奥さん」とあさを呼ぶけれども、大阪では奥さんのことを御寮さんと呼ぶんじゃないかしらん、と思うんですよね。山崎豊子の大阪ものを読むとそういう感じなんですけど…。奥さんていうのはどうも妙だなぁ、と毎度それがちょっと耳にひっかかってます。
    ともあれ、あさの活躍と、頼りない新次郎の夫婦善哉っぷりもなかなかいいですよね。ふふふ。

  • 2015/10/23 (Fri) 09:28

    kikiさん、さすがです。たしかに「奥さん」ゆうてますなぁ。
    なんでやろ?とつらつら考えてたのですが・・・。

    はつとあさがそれぞれ嫁いだときに、表(お店)には出ず奥でいたらいいようなことを言われてましたね。
    料亭や呉服商と違って、両替商というお商売柄「奥さん」なのかしらん???

  • 2015/10/24 (Sat) 12:30

    akoさん
    おそらく、このドラマは意図的に平易な今風の言い回しにセリフや代名詞を変えているんでしょうね。あまり耳慣れない言葉が入ってきても、すんなりと視聴者に受け入れられないかもしれない、という配慮を効かせているのかな、と思います。五代才助のセリフも薩摩弁がコテコテすぎる部分は平易な標準語っぽい言い回しにあとで変えてアフレコしてるっぽいので、あえて御寮さんも「奥さん」にしているのかもしれませぬね。ふほ。

  • 2015/10/24 (Sat) 22:14

    kikiさん、なるほど。
    今日の放送で口の動きが合ってないなあと思ったのはそれでしたか。ま、ドラマがおもしろければ少々のことはかまいませんけどねぇ。来週ははつがどうやら苦境に立たされる気配。楽しみです~♪

  • 2015/10/25 (Sun) 20:32

    akoさん
    ですね。でも、ワタシは多少、視聴者が聞き取りづらくても、わかりにくくても、あまり現代語風、標準語風にセリフを変えない方がいいと思ってるんですよねー。できるだけ方言や昔の言い回しなどはそのまま使う方が良いので、そうして欲しいなぁ、と思う次第ですわ。ふほほ。
    来週は白蛇がおっかさんに反逆するようですわね。ちょっと遅いけど、まぁやらないよりマシか(笑)

  • 2015/10/27 (Tue) 13:42
    暇であれこれ

    kikiさん
    こんにちはー、あさがきた、
    見てますよー。このところの朝ドラの中で、あ!これは面白いと、思うツボは皆さん一緒なのかしら。
    時代設定もこの時代が面白く感じるのは、今より女性として窮屈かもしれないけど、今より女性として未開拓の分野に羽ばたく事が出来るから面白いのかも……
    相変わらず仕事探しの私としては(失業中)年齢の壁が意外な程高くてびっくり。。なんでもやりたい。今までの仕事を伸ばしたい!と、思って出陣するのですが、結構、30歳前半までと言うくくりの多いこと、男性社員が皆んな若いので……て、断るなよ。見場は若めよ!
    なんて、思っても、年齢差があると男性社会は若い女の子がいいらしいですて!
    今の女性週刊誌に載る人達も、20くらい離れた女性と結婚がステータスになっているような……
    うーーん、話し脱線で申し訳ないです。そんな中、今回の朝ドラは中々面白いぞーー。
    話し違いますが、マイインターンて言う映画も元気もらいました。
    私の職探しな日々はまだまだ続きます。私からみて、なかなか職探し中の面接官は映画やドラマにできそうな変人多いけどね。

  • 2015/10/27 (Tue) 13:43

    kikiさん、こんにちは。

    わたしも「あさが来た」、見ていますよ。
    わたしの中でちょっとしたジンクス(?)があって、朝ドラを
    毎日楽しく見ている期間は、私生活でちょっとした問題を抱えるん
    です(苦笑)

    ヒロインの波瑠さんは、『BUNGO 告白する紳士たち』というオムニバス映画の一編『幸福の彼方』を見て以来、気になっていた女優さんです。
    こちらの短編では、しっとりとした色気を感じました。

    白蛇さん、とうとう反逆しましたが、同じ”やる”でもやばい方の”ヤる”
    でしたね...



  • 2015/10/28 (Wed) 22:10


    わかみんさん こんばんは。
    これ、面白いですよね〜。どんどん面白くなってますよね。
    ワタシは、朝ドラって余程面白くないと見ないんですが、これは出色の出来だと思いますわ。ほぼ最初から見られてラッキーでした。

    おぉ、わかみんさんは就活中なんでしたね。日本はどんどん高齢化社会になるのに、求人を30代前半までで区切っていたら埒があかないと思うんだけど、日本の企業って頭が固いですね。
    しかし、めげずに、あさのように四股を踏んで、突進していってください。そのうちポーンと扉が開けますよ、きっと。
    そうそう。「マイ・インターン」、面白いみたいですね。忘れてた。もうやってるんでしたっけ。ちょっと覗きに行くかな(笑)

  • 2015/10/28 (Wed) 22:17


    miki さん こんばんは。

    私生活でどんな問題を抱えておられるんですの??? どんな??? …な〜んて、こんなところで語るわけにはいきませぬわね。ほほほ。

    ワタシは波瑠という女優さんはこれで初めて見たんですが、凄く良いですよね。あさみたいなキャラは、下手な女優がやったら漫画みたいになったり、記号的な演技になったりしがちですが、彼女は内面できちんと計算しながら、あさという女性の強さを爽やかに表現してますよね。なかなかですわ〜。見た目にも心地よいルックスだし、文句なしです。

    白蛇人気も急上昇みたいですが、柄本佑、儲けましたね〜。この役は美味しいわー。…って、玉木宏の新次郎もかなり美味しい儲け役ですけどね。みんな揃っていい感じです。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する