ダナンの満月、ホイアンのランタン

−三度目のベトナム その1−



最初にベトナムに行ったのは、8年前のハノイ(詳細はこちら)。
その後、4年前にハノイを再訪。これはカンボジアのシェムリアップとの二都市ツアーで、ハノイもシェムリアップも宿泊したいホテルがあっての旅ざました(詳細はこちら)。そして、今年は三度目のベトナム。さすがにもうハノイはいいので、この度はベトナム中部のホイアンへ行ってきました。以前から行きたいと思っていたフエにも車で2時間の距離ということで、今回はベトナム中部へGo!

…なれども、実はワタクシ、最初からホイアンに行こうと思っていたわけではないんざますのよね。
当初は、今度こそ久々にヨーロッパだ!とラキラキして、オランダ旅行を計画しておりました。なれども、春先にしばらくおさまっていたテロがまたボツボツと欧州で起こり始めたざます。それまでテロなど無かった北欧でもテロが起き始めている昨今なので、オランダもいつ何があるか分からないし、第一、さほど治安は悪くないのかと思ったら、アムステルダムはやはり欧州なので、けっこうスリや掻っ払いが多いというし、何やらだんだんと億劫になってしまったワタクシ。リフレッシュするために旅に出るのに、テロだのスリだの懸念事項があったのではのんびりと楽しめない。首から服の中にパスポートを下げて外出し、人を見たら泥棒と思え、みたいな感じで歩き回るのは疲れるし、辛気臭い。リフレッシュしたいんだからリスクはできるだけ減らしたい。でも、旅には出たい。出たいのよ!…というわけで、迷ったもののオランダ旅行はキャンセルし、急遽、行く先を変更することに。

となると、どこに行くか。まぁ、やはり楽で、飛行時間も短いアジアがいいかねぇ、というわけで、そういえばフエにも行ってみたかったんだっけな。じゃベトナム中部ですよ、今回は。と目に付いたツアーに申し込んだのだけど、これが間に合わせに選んだツアーにも関わらず大正解だったんざますわ。日頃の行いかねぇ…ふほほ。



行く先を変更したことで、また安易な方に流れてしまったかねぇ、という忸怩たる気分もいささか湧いてこないわけでもなかったのだけど、結果的に今回は時期もバッチリ、行く先もバッチリ、ホテルもバッチリで全てにおいて大満足の旅になったのだから、物事は何が幸いするか分かりません。怪我の功名というものか。

とにかく、混み合って割高料金のGWには都内を動かず、GWが終わったところで旅に出るのが晩春は一番でざます。スカイライナーもすぐ取れる。ハイシーズンではない成田は平日の昼さがりでがら空き。旅に出るなら人が大挙して動く時期を外すというのは鉄則ざます。テイクオフも早い。いつもは飛行機に乗り込んでシートベルトもセットして、それでも滑走路の順番待ちで大抵30分以上は定刻をオーバーしてテイクオフとなるのだけど、今回は定刻10分遅れぐらいでスッと飛び立てましたのよ。わぉ、素晴らしいね。時間がきたらスっと飛べるというのは、こんなに気分のいいものなのね。いつもこうだと嬉しくて泣けてくるざますね。

しかも南のホーチミンや北のハノイに行くには7時間ぐらいかかるのだけど、ベトナム中部のダナンへは5時間半程度で着くんざますわ。でも、ダナンに日本から直行便で行かれるのは今のところ成田だけなんざます。ナニワやナゴヤや九州や北海道からだとホーチミンかハノイ経由で国内線乗り換えになってしまうらしいのはちっと残念ですが、そのうち直行便も飛ぶようになるでせう。そんな先の話じゃない気がしますわ。

ワタシはベトナムも好きだけど、ベトナム航空も好きなんざます。兎に角エコノミーでも機内食が美味しいんですわ。おまけに紙おしぼりに香りがついていて、それがそこはかとないココナツの香りで心地よいんですわ。前回の搭乗からは3年半ほど経っていますが、ワタシの鼻は、あの紙おしぼりの香りを忘れてはいませんでした。
ベトナムのものは、生の蓮の花や、蓮茶や雑貨や料理にとどまらず、飛行機で出してくれる紙おしぼりの香りに至るまで、なにかとワタシの好みに合うようざます。



水平飛行に移っていくばくもなく食事が用意され、うん、やはり美味しいわ、と機内食をお腹に納めると自然の流れでウトウトしてきて軽い眠りに陥り、目覚めて暫く本を読んでいると、いつしか飛行機は雲の下に降り、夕方から夜に移ろうとするダナンの上空には煌々とした満月が浮かんでいました。そしてその下には、ダナンのシンプルだけれど美しい街明かりが点々と控えめに光っておりました。それは何やら神秘的かつ美しい光景で、写真に撮りたいと思ったけれど手元にはスマホのカメラしかなく、機内からスマホで撮っても、この満月と街明かりの美しさは伝わらないだろうと思い、写真は諦めて、その光景を脳裏に染み込ませることにしました。きっと何年経とうとも、ワタシはこの夜のダナン上空の満月と街明かりの印象的なマッチングを忘れないでしょう。いい旅になる予感がしました。

ダナンに着いたら、とにかく空港で両替を済ませ、プリペイドSIMをゲットするぞ、と思っていたのですが、何やら空港はやけに閑散として殆ど店舗も開いていない有様。早く言うとガランドウって感じなんですね。なんなの?こりゃどうしたの?SIM買いたいんですけど、と出迎えの現地代理店の人に言うと、「この国際空港は新しくなりまして、今日の便が最初なんです。空港はまだ部分的に工事が続いている状況で完成してなくて、SIM売り場もまだ無いんです…」と申し訳なさそうに言われてしまひました。なぬ〜!? 両替所やSIM売り場がいくつもある従来の国際空港は国内線オンリーになったとかで、この真新しい国際空港では両替もできないと言われたのだけど、どうやら、表に出たところに銀行のカウンターが臨時っぽく開いていて、ひとまず円をドンに両替することだけはできた次第。

ベトナムドンはやたらに0が多いし、どんな小額紙幣にも恭しくホーチミン先生の顔が印刷されているので、どんな大金かと錯覚を起こしてしまいそうになるのだけど、ざっと10000ドンで50円程度ざます。1万〜1.5万円程度を両替しておけば、3〜4日の旅なら現金は十分という感じです。

国際空港のあるダナンから、宿泊先のホテルのあるホイアンまでは車で40分の距離。上空から見えたダナンの夜景の中に観覧車の灯りがあって、なんだかMM21みたいじゃないの、と思っていたら、なんとこの観覧車は日本から移築したんだそうな。ダナンは海辺の商業都市+リゾート地で、現在せっせと開発中。日本製の観覧車の前は韓国製の観覧車が回っていたらしいけれど、故障が多いので撤去され、日本製のになったんだとか。さもありなん。
ダナンは観光地でもあるけれども、商業地でもあり、日本や中国の企業が多く進出しているようです。ベトナム人はみな日本の企業で働きたいのだとか。理由は給料がいいからだそうで、中国の企業は何年たっても給料が上がらないので嫌がられているのだ、と迎えの現地代理店の人が教えてくれました。ふふふ。これも、さもありなん。


ダナンの街中のディスプレイ(右下) 空港にほど近いところに日本からもってきた観覧車が

そんな話を聞いているうちに、車はホテルに到着。今回のワタシの宿泊先は、レトロな建物をホテルに改装したという LITTLE HOI AN CENTRAL BOUTIQUE HOTEL AND SPA。創業してさほど年数が経っていないらしいのだけど、雰囲気はクラシックホテルという感じの、まさにワタシの好みにど真ん中ストライクのホテルでした。ウェルカムドリンクはスイカのジュースで、カットしたフルーツも添えてありました。ワタシの部屋はホテルのエントランスとプールを挟んだ向かいの棟の5階。ドアを開けて思わず「ひゃっほう!」という気分に。





部屋はゆったりと広く、バスルームには完全に寝て浸かれる石造りのバスタブとシャワーブース。広い洗面台には、バッチャン焼きのコップが置いてありました。夜風にそよぐカーテンを開くと、テラスには籐のチェアとテーブル。このテラスの雰囲気が、3年半前に泊まったシェムリアップ(カンボジア)の「ラッフルズ・グランドホテル・ダンコール」とよく似てました。それだけでなく、今回のホテルは、そのグランドホテル・ダンコールと、ハノイのソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイを折衷したような雰囲気でした。だからまぁ、ワタシの好みにぴったりフィットするわけざますわね。





レトロなムードではあるのだけど、水周りなどは外見はクラシカルで機能はバッチリ最新という感じで理想的。また、ホテル内では無料のwi-fiが使えるので、スマホでネットもサクサクでした。すかさずテニスの結果をチェックしたりしてね。
新空港に着陸したことによりプリペイドSIMを空港で買えなかったのざますが、結果から言うと、ダナン、ホイアンでは公共のwi-fiがとても充実しているので、特に電話を使いたいわけでなければ、SIMを買わなくても殆どネット環境には困りませんでした。
ホテルに帰ればホテルのwi-fi、街中に出れば、繁華街や観光スポットには公共のwi-fiがあるのでワタシ的には無問題でしたわ。

翌日はフエ観光に行く予定で朝が早いので早めに寝ないと…と思いつつ、ゆったりとお風呂に入りつつ、ふと、自分が数年前に大好きでよく見ていた紀行番組「ホテル時間旅行 クラシックホテル憧憬」の旅人になったような気分になりました。
「ホテルの声」は特に聞こえてこなかったけれども、部屋のドアを開けて室内に入った途端に、なんだかあの番組の中にいるみたいだわ、と思った私。そう思った途端に、楽しい旅が余計にウキウキとルンルン気分になりました。
この感覚が楽しいから旅は堪えられない、やめられないって感じざます。

フエ観光にはオプションツアーに申し込む以外にタクシーを終日チャーターして行く方法もあり、どちらにするかな、と迷ったのだけど、ランチと日本語のガイドが付いて、タクシーを終日チャーターした場合ととくに料金の変わらないオプションツアーを見つけたので、そちらにしました。ベトナムの物価は日本の約3分の1ですが、なんでも安いベトナムもタクシー代は割に高いんざますわね。

公共交通機関が発達していないので、少し距離のあるところに移動するにはタクシーで行くことになるため、2日目はフエ観光へのマイクロバスのピックアップ場所まで、早朝、タクシーを雇っていく事にしました。タクシーを呼ぶのが朝の6時40分ごろになるため、早起きしないと、と思っていたせいか、トイレに目覚めたついでに朝5時半には起きてしまったワタクシ。はからずも夜明けに起きたので、テラスに出て涼しい朝の風に当たろうと籐椅子に座ると、鶏の声が方々から聞こえてきました。ひゃ〜、これっていわゆる一番鶏かしらん。早朝に鶏の声を聞くなんて、ワタシ的には初めてかもしれません。おぉ〜、旅に出てきたのだねぇ、と快い感慨に浸ったりして。


早朝の風が心地よいテラス

まだ、空には満月が残っているホイアンの夜明け

ホテルの裏手は民家がいくつかあり、どこの家でも鶏を飼っているらしく、鶏の声は方々から聞こえてきました。しらじらあけの空にはまだ白く昨夜の満月が残り、次第に明るくなるホイアンの空に徐々に淡くなりつつ浮かんでいました。

コーヒーを淹れて、明けていく空を眺めながらテラスで鶏の声を聞く休日。うふふ〜ん、なかなかナイスじゃない、とワタシは暫しテラスで気持ちのいい早朝のそよ風に吹かれながら、モーニングコーヒーを味わいました。これぞ、休暇の醍醐味か。

というわけで、続きは次回。

コメント

  • 2017/06/01 (Thu) 01:41
    えーですね〜

    お久しぶりです。待ってました!キキさんの旅行記!!
    なんか最近会社でも、自宅でも、ガチャガチャしていて、フワリとしみじみした、旅行なぞ、ぜーんぜん行けてません。
    世間はそろそろボーナスの話しなぞ、聞こえてくる季節。。旅行へ、何か買おう、なんて聞こえきますが、この時期派遣社員はちょっと殺意を覚えてしまう季節ですわ。
    なんて、いかん、いかん!
    キキさんの旅行記、毎回楽しみにしています。。早く続きが読みたいわ〜。。

  • 2017/06/04 (Sun) 04:05
    Re: えーですね〜

    わかみんさん そんなに楽しみにしていただいて嬉しいざますわ。
    こんなわがまま勝手な、独断と偏見にみちた旅行記を…恐縮(笑)

    というわけで、次回はちと長くなり、写真もガンガン入れてしまいましたが、頑張って読んでください。
    最近、なかなかチャッチャと記事が書けなくて更新はさみだれ式になっちゃってますが…。ふほ!

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