映画「ボルグ/マッケンロー」が完成したらしい



昨年の7月、久々にじっくりとウインブルドンをTV観戦しながら、ボルグとマッケンローというテニス・レジェンド2人のライバル物語を映画化するという企画が進行しているらしいという噂を聞いて記事を書いたのだけど、どうやらその映画が完成した模様。

制作はUKで、UKでは9月に封切られるらしいけれども、USでは公開日は未定の様子。日本での公開はいつになるのかまだわからないけれど、このほど出たティーザー・トレーラーを見た限りでは、全盛時代のボルグを演じるスベリル・グドナソンのそっくりっぷりがかなりのレベルなので、映画としての出来には、どんなもんだろうか…という懸念はかなりあるけれども、グドナソンのボルグはちょっと見たいな、という感じである。


いやもう、そっくりじゃありませんこと?

ステラン・スカーシュゴート(スカルスガルド)はボルグのコーチ役

この映画、UKでは「Borg/McEnroe」というタイトルだが、USでは「Borg」というタイトルになるようだ。
それというのも、映画が企画制作される段階でも、撮影されている間も、マッケンローには制作することについての許諾も求められていないどころか何の連絡もなかったそうで、マッケンローはそれについて不快や不信感を抱いているという事が映画関係の情報サイトで報じられていた。
まぁ、自分がマッケンローの立場でも、それは不快だろうと思う。断りもなく自分が登場する映画を作られたらどんな描かれ方をしているかも気になるだろうし、文句を言いたくもなるだろう。おそらくは彼の申し立てにより、UKでの公開とUSでの公開はタイトルが異なるのだと思われる。(違ってたらスミマセン)



制作サイドが、ボルグにはこういう映画を作りますよ、という連絡をしたのかどうか分からないけれど(関係者の誰にも連絡はなかったらしいので、ボルグにも無断だったのだと思われるが)、ボルグは特に異議は表明していないようだ。
何しろ、引退してからのボルグは輝かしい現役時代とは打って変わって、事業の失敗で金銭的な苦労をしたり、結婚と離婚を繰り返したり、ドラッグやら自殺未遂疑惑やらスキャンダルに事欠かず、様々な有為転変を経てようよう落ち着いただけに、現在では少々の事には動じない、酸いも甘いも噛み分けた境地に至っているのかもしれない(笑)
ともあれ、存命中の実在の人物が主役で登場する作品が、モデルになった人物への連絡も承諾もなしに映画化されて、それが公開できてしまうというのは、けっこう乱暴なことではあるなぁ、とは思う。

トレーラーを見る限り、映画もボルグの方がメインで、無敗・無敵の神のごときテニス・ヒーローだったボルグの前に、ある日、才能に溢れたアメリカの若者が登場してくる、という感じでマッケンローが描かれるようなので、テニスで頂点を極めたボルグが感じ始めた「燃え尽き」と、マッケンローというライバルの登場、彼との対決で最後に闘争心を燃やしてから引退に至るあたりが描かれるのではないかと思う。ボルグが主、マッケンローが従という感じなのだろう。監督はデンマークの人らしいので、北欧つながりでボルグの方に思い入れがあるのかもしれない。

だからかどうか、シャイア・ラブーフのマッケンローは、当初は適役と思ったけれども、やや廃れすぎな感じがする。あくまでもスチール写真や短いトレーラーで見ただけだが、当時のマッケンローはハタチそこそこの若者の筈なのに、ラブーフはどこかくたびれて若さがなく、顔に廃れ感が漂っている。何やらこれは、いろいろな事を見て、様々なものをくぐってしまった三十路の男の顔である。


ちょっとくたびれ過ぎなんじゃ…


実物は当時、こんな感じでまだ子供っぽい

一方でボルグを演じるスベリル・グドナソンは、キャスティングが決まった時に、どんな俳優だろう?と写真を見た時には、目元に憂いのある感じはちょっと似てなくもないけどね…と思っていた程度だったのだけど、トレーラーを見たら予想をはるかに超えて「ボルグそっくり」状態になっていた。これにはちょっと驚いた。


オフコートのボルグを演じるグドナソン

ボルグとマッケンローは身長も同じ180cmということになっているが、実際にはマッケンローの方が少し高いのではないかと思われる。昔も今も、二人が並ぶとマッケンローの方が少し背が高い。が、映画では逆で、シャイア・ラブーフの方がグドナソンより小さい為、マッケンローの方がかなり小さくなってしまっている。顔も、当時はどこか坊ちゃん坊ちゃんした若々しいやんちゃ小僧だったマッケンローとしては何やら奇妙なうらぶれ感が漂っているので、そういうルックスに付随するキャラ設定や、実際と異なる描かれ方などをしていたとしたら、封切られた作品を見てマッケンローがブチキレるような事態にならなければよいのだけど…と些か心配だ。


左が実物の二人

まぁ、俳優のルックス云々よりも、事実を故意に、都合のいいように歪曲して描かれすぎていなければよしとする、というスタンスではあるのだろうけれど。その辺はかなり危うそうな気配ではあるが、どんな仕上がりになっているのやら…(笑)

人間ドラマの方も気がかりではあるが、最も気になるのは肝心のテニス・シーンをどう処理しているのか、というところである。レフティだったマッケンローなのに、演じる俳優が右利きだからそのまま右利きでテニスシーンも撮影しているとかいう噂もあるが、そういうのはちゃんと考証しないと失礼だわな、とは確かに思う。

これはワタシの憶測だけれど、映画のハイライトでもある、彼らの伝説的な一戦である80年のウインブルドン決勝などの試合の場面は、ところどころアップになる部分だけ俳優がそれらしくポーズしていて、試合のシーンは、実際の彼らの試合の映像を使っているというよくあるパターンではなかろうか。それが無難でもあるし、そうでもしないと、再現するのは難しいような気がする。



まぁ、制作サイドのスタンスなど、いろいろと問題がありそうな映画ではあるのだけど、グドナソンのボルグだけは凄く似ているので(あくまでも本作のトレーラーと実物の当時の写真を見て、そう感じただけだけれど)、ボルグの描かれ方には興味がある。
ちゃんと本人に取材しているわけではなさそうなので、あくまでも憶測に過ぎないだろうけれど、絶頂期のボルグが感じたであろう、何もかもを手にしてしまった後の虚しさや孤独、人生のすべてがテニス一色になり、今日も明日も明後日も世界中を転戦して回るだけの生活に彼が感じたのであろう癒しがたい疲れなどをしっかりと描いていてくれたら(ティーザー・トレーラーにはそれらしい雰囲気が漂っている)、引退間際の現役時代のボルグを微かに覚えている世代として、一見の価値はあるかもしれないと思っている。



それにしても、昨今は当たり前のように30過ぎても現役を続ける選手の多い中、わずか26歳で(実質的には24歳ぐらいで)引退してしまったボルグの戦績が、いまだにテニスの歴代記録の様々なジャンルに登場するというのは凄いことである。24歳までにグランドスラムで11勝してしまったのだから、30歳ぐらいまで燃え尽きずに現役を続けていたら、どんな記録を打ち立てたか分からない。全豪は苦手だったのか嫌いだったのかほとんど出場しなかったらしいので(昔は全豪は12月に開催されていたらしいので、師走に真夏のオーストラリアに行くのが嫌だったのかもしれない)、生涯グランドスラムは不可能だったかもしれないけれど、フェデラーでも抜けない記録を何か打ち立てていただろうと思う。

いずれにしても、この映画が日本で公開されたら、よほど行きにくい劇場や見られない時間帯でない限りは、一応、見に行こうと思っている。

コメント

  • 2017/06/30 (Fri) 15:27
    No title

    Hello,kikiさん

    お久しぶり!今年もあっという間に半分終わっちゃいましたね。こうなると残り半年が加速度的にまた過ぎていきそう。ボルグ/マッケンローの映画も完成したんですね。不思議ですね。本人の承諾要らないのかな。原作者への打診も無く作られる映画やドラマもあるみたいだし。著作権や肖像権がうるさい昨今なのにね。

    グドナソンは本当にボルグそっくりですね。そして確かにシャイアラブーフは草臥れ感ありすぎ。あの頃のマッケンローは、ヤンチャで癇癪持ちって顔してましたからね。英王室のヘンリー王子(ちょっと前の)に似てると思いません?!とにかく、映画私も一応見てみたいです(笑)

    ウィンブルドンの季節になりました。強いおじさんプレーヤーと台頭する若手に挟まれている感の錦織圭、大丈夫か?

    あ、7月は「シャーロック4」と「ゲームオブスローンズ」も始まるのでわくわくのジェーンです。

    • ジェーン #io8unDfk
    • URL
    • 編集
  • 2017/07/03 (Mon) 20:56
    Re: No title

    ジェーンさん こんばんは。
    今年もあっという間に夏が来て、ウインブルドンが始まりましたね。

    この映画、モデルになっている人物に了解を得ていないってビックリですよね。肖像権とかでうったえようと思えば訴えられるのかな、マッケンローたちは(笑)

    そうなんですよ。グドナソン。予想以上にボルグそっくりで、それに免じて出来はどうだろうと見に行くかな、という気分になっています。そうそう。若い頃のマッケンロー、ちょっと前のヘンリー王子にそっくりですね。赤毛の小猿みたいな感じね。

    ワタシはウインブルドンでは、錦織は適当に流し見で、杉田の方に期待しています。彼は今年大爆発で、クレーシーズンのバルセロナで脅威のラッキールーザーとしてベスト8まで勝ち進んだあたりから、杉田やるじゃん!って感じでチェックしてました。初戦は突破するだろうと思うので、何回戦まで行かれるのか、期待して見守ろうと思います。

    そういえば「シャーロック4」ももうじき放映ですね。忘れず録画しとかないと。

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