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「いとしい人」 (THEN SHE FOUND ME)

~やはり女は水分が大事~
2007年 米 ヘレン・ハント監督



「いとしい人」ってタイトルがまたもやどうもねぇ、と思いつつも、「マンマ・ミーア」で締まらない事夥しかったコリン・ファースが久々に大人のロマンス物(…)に出演しているという事もあって、ヘレン・ハント初監督作品を観てきた。
39歳という設定のわりに顔が干からび過ぎて、79歳の間違いでは?と首を捻ってしまいそうな老婆顔となったヘレン・ハントが、元夫(マシュー・ブロデリック)と、現恋人(コリン・ファース)の間で奇妙に揺れ動いたりしてしまう本作。映画としての出来は悪くないのだけど、男二人が妙に肉付きがよく、顔もまるまるしているので、余計にヘレン・ハントのシワシワっぷりが目だってしまった。(そんなところを観る映画じゃないんですけどなんせ凄いシワだもんですから…)かといって、ニコール・キッドマンのようにあまりにも不自然にいつまでも人工的な若さをキープし、いつ観ても、どこもかしこもグラスファイバーで仕上げたように奇妙にツルツルなのも観ていて違和感を覚える。あまりに野ざらしで荒れるままというのもナンだし、手を入れすぎて不自然にツルツルというのも不気味だ。やはり何事も過剰はいけないのである。ほどほどでお願いしたい。

ヘレン・ハントの鼻とアゴの尖った顔を見ていて、誰か凄く似た顔の女優がいるなぁ、とふと思いだしたのがジョディ・フォスター。二人とも最近は痩せすぎで、顔の衰えが顕著になっているのだが、シワの出来具合ばかりでなく、造作もかなり似ている事に気がついた。昨今のカサカサ度合いもかなり近い。女優にして監督もこなす。年齢もかなり近い。ヘレン・ハントの方がプロポーションは良いが、意外に似たところのある二人だ。

(そればかり言っているのもどうかと思うけれど)それにしてもヘレン・ハント、老けすぎである。実年齢は45歳だそうだが、アップになると老婆状態。額や鼻の脇に刻まれた深いシワに、垂れた瞼、落ち窪んだ頬、まるで最果ての地で厳しい労働に喘いでいる老婆が天を呪うような顔で、コリンと向き合ったりしていると、うわ、ワタシが男ならドン引きだけど…などと余計な事を考えてしまって、あまりロマンス部分に素直に乗れなかった。大体において、コリン演じる離婚4ヶ月2児の父が、小学校の教師であるエイプリル(ハント)のどこに一体惚れたのか、彼が彼女に話しかける時にはもうかなり気に入っちゃっているという状態のようなので、観客にはなぜなのかが伝わらない。この「一体どういうわけなのかよくわからない」という要素は元夫のキャラにも主人公エイプリルにもテンコモリに盛り込まれている。



久々に観たマシュー・ブロデリックはますます子供オヤジ化が進み、(だから今回の元夫役にはピッタリなのだけど)かつての美少年ぶりはいずこに…と、まるまるした姿を見てなんとなしにため息が出た。この夫は「精神状態が子供のままな男」だそうで、結婚10ヶ月にして、「もう耐えられない、こんな生活」と一方的に言い出して家を出て行くのだが、出る前にお別れのハグをしているうちに双方催してきてキッチンの床でもつれあってしまう。この夫とハント演じるエイプリルの関係はかなり奇妙。夫は自分から出て行ったのに、忘れた頃に「さみしい」などと言って電話をかけてくるし、別れた後で、わけあって再会した時も、ビジネスライクにまたそれぞれの家に戻るのかと思いきや、バイ!と言ったはずの夫が戻ってくると、彼女は車を出てハッシと抱き合い、また催してきて舗道に止めたボロ車の中で致してしまう。この心理が、どうもよく分からないところ。「あんな子供みたいな男」「あんな夫」なんて眉間にシワを寄せて吐き捨て、夫に捨てられた晩に、フランク(コリン)と出会い、自分を理解してくれるのは彼だけ、なんて言っているにも関わらず、別れた夫とその場のノリで事に及んでしまうというのは、何をかいわんや。しかもこの夫が、誰が観ても魅力的で、あの夫なら引き返して来られたら逆らえないわ、などという手合いではない。なにせマシュマロマンみたいなトッチャンボウヤなのだもの。それでなくても、ワタシは一度ダメと見切りをつけたら金輪際ダメだというタチなので、殊更にこのシーンは「は!?ナニソレ???」という感じだった。ま、俗に言う、夫婦の事は結局その夫婦にしか分からない、という事なのかもしれないが、それにしてもねぇ…。

彼氏役のコリンも彼としてはかなりの肉付きで、少し前から気になっていたが、頭頂部がじわじわと来始めている。コリンのザビエル状態はもはやカウントダウンが始まっているようだ。太って、頭のてっぺんが寂しくなってくるという紛れもない中年の兆候に捉われだしたコリンだが、幼い子供を男手ひとつで育てつつ、夫に去られたくたびれ果てた女に目を止め、彼女一人をまっすぐに見つめる男という設定は彼にピッタリではあった。(何の役をやっても、そこに誠実という薬味が混ざるのがコリンなのだ)少し肉付きが良くなっても足が細くて長いので、遠目には、やはりまだかなりスマートに見える。ヘレン・ハントとは年恰好も頃合なので、まずまず適役というところか。



良かったのはベット・ミドラー。昔から大顔なれども肌と脚のきれいな人だが、今回も十分おばちゃんでいながら、まっすぐで足首のしまったキレイな脚や、肉付きがいいので、シワを跳ね返しているプリプリした顔など、元気で、まだ現役の女の可愛さがあっていいなぁ、と思ってみていた。やはり、女はある程度の年になったら痩せすぎは厳禁だ。水分が枯渇してシワシワ、カサカサな状態よりも、たっぷり水分があり、適度に脂肪もあった方が見た目にも快いし、生活状態も精神状態も豊かそうに見える。ミドラーは若くしてエイプリルを産み、育て切れないので養子に出した実の母という役。今はTVでトーク番組を持っていて、知る人ぞ知るタレントになっている。養父母のユダヤ人夫婦が亡くなったところで、ふいに現れた実の母に混乱するエイプリルだが、この身勝手だが憎めない母とエイプリルが互いに心地よい距離感をみつけるまでが、恋愛や妊娠のスッタモンダの中に織り込まれている。ミドラーのシーンでは、あちこちで笑いの波が起こっていた。ヘレン・ハントのギスギス顔の後に、ベット・ミドラーの下膨れのハムスターみたいな顔が映るとなにやらこっちもホワっとする。ヘレン・ハントは何から何まで対象的なベット・ミドラーを母役に持ってきて、そういう視覚効果も狙ったのだろうか。


39歳のエイプリルは四十路を目前に、妊娠したいとイキリ立っているのだが、ワタシの周辺には40直前どころか40ちょっきり、またはオーバー40で妊娠、出産(初産)という手合いがけっこういるので、そんなにイキリ立たなくてもみんな40過ぎて子供産んでるわよ?ん、お平らかになさってちょ、などと思ってしまった。以前は35歳が分水嶺だったが、今は確実に10歳アップして45歳が丸高の上限値ぐらいじゃないかしらんという気がする。40歳で初産という人はゴロゴロ居る。みんな果敢に産んでいるようだ。
だから、映画の中のエイプリルが39歳であがいたり(39歳だからあがくのかしらん?)年齢のわりにあまりにクタビレ果てた顔をしているので違和感を感じてしまった。いまどきのアラフォーは、みんなもっと元気で若くて、あまり気負わずにハードルを越えていってますけどねぇ。


観終って、格別何がいいとも言えないのだけど、けして悪くはなく、登場人物の不可解な心理や行動も含めて、滑ったり転んだりも、なんせ人間のすることだからね、という空気が流れていたのが印象に残った。初監督としてはなかなかヤルね、という感じ。
ただ、養子を断固拒否したエイプリルが産んだ子はぱっと見に「あれ?結局、養子を貰ったわけじゃないよね?」という感じの子なのだけど、あそこで人工授精をしてまで無理に妊娠するよりも、元の鞘に収まった彼氏との間に自然に子供が出来るまで待てばいいのに、と思うワタシはどうもこの映画の主題から乖離しているのかしらん。血が繋がっていてもいなくても、子供を育てるってことは同じ事なのだ、というのが隠れテーマだろうと思うのだけど(コリン演じるフランクは自分とは何の縁もないエイプリルの子を慈しんでいる様子だ)、だからと言ってあそこで無理に人工授精しなくても…という感じは残る。40過ぎたらもう無理!なんて思いこむ必要なんかどこにも無いと周囲や友達を見ていて知っているので、何やら40を前にしてのエイプリルの焦りを面妖に感じてしまったkikiでございました。

コメント

  • 2009/04/19 (Sun) 02:47

    kikiさん、こんにちは。
    私もヘレン・ハントの老けっぷりに呆然としましたよ~。ベット・ミドラーの方が若々しく見えました。ヘレン・ハント、女優なんだからもうちょっとなんとかお肌をケアしてほしいもんです・・・。それとも痩せすぎてるからシワがあんなふうに出るんですかねえ。

    あと、ラストのエイプリルの選択、私もkikiさんと同意見です。なんでフランクとの子供ができるまで待たないのか!と思ってしまいます。なんだかな~という感じですね。

  • 2009/04/19 (Sun) 08:16

    mayumiさん。やっぱり、話そのものよりもヘレン・ハントの老化ぶりに愕然として、まずどのシーンもそこに引っ掛かってしまいますわね、これ。いやしくも職業が女優で、しかも元から性格俳優というならともかくも、一応「いい女」路線で行こうとしているのにあの顔はあり得ませんわ。世間をナメ過ぎ。舞台女優ならまだしも映画女優にはクローズアップがつきもの。あんな顔をロマンス物で大写しにされてもアゴがダーンと落ちてしまいますね。横顔も正面顔も衰えすぎて、本当に老婆。体だけ若くても(お腹のあたりは皮膚が若々しかった)普段見えるところをもっと手入れしないとダメでしょうね。痩せ過ぎはよくよく注意。肉が締まっているというのと、ギスギスと干からびているというのは、全く別物ですからね。監督に転業したいなら、自分が主演でやりたいなんて欲を出さない事。そんな顔であつかましいわよ、と思って見てましたね。ラストの選択も、なんだか???ですよね。あれが、これまでの映画と違うアラフォー女の選択、って事だったんだろうけどスベッてた感じ。ベット・ミドラーは儲け役でしたね。

  • 2009/04/27 (Mon) 22:35

    うん、そうそう。
    ラストが…。
    トッチャンボーヤとの腐れ縁も分からないねー。
    コリン公観たさの映画でございましたから。笑

    • 吾唯足知 #uqr/pqJA
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    • 編集
  • 2009/04/27 (Mon) 23:16

    ラストが肝の話なんだろうけど、肝心のそこが「あれ?」って感じで、なんかこう、腑に落ちない映画になっちゃってましたわね。まぁ当人たちが良ければそれでOKって事なんだけど、なんだかねぇ。それでいいわけ?って思っちゃうよね。

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